折本と、最後まで、する。
そう、2人で決めた瞬間、俺はとあることを思い出した。
「あー、えっとだな、折本、その……」
「? どうしたの、そんなキョドって」
目を泳がせて頬を掻く俺を、折本がきょとんとした顔で見つめる。俺はベッドから降りて、ベッド下に潜ませていたとある物を引っ張り出した。それを後ろ手に持って、折本の横に腰を下ろす。
「本当は、な、一気にこんなに関係が進むとは思っていなかった訳でして。初めて、その、なんだ、キスをしたのが昨日だし。家に呼べたからと言っていくら何でも……とは思ったんだわ。それでも、な? 何が起こるか分からない世の中と言うか、男女の仲と言うか、まあ、その、何事も用心するに越したことは無いと言うか、備えはいつ、いくらしていてもやりすぎることは無いと言うか」
こんなに下手な言い訳がだらだらと止め処無く溢れ出てくる自分に呆れる。
「これは、な。あくまで念の為用意してたと言うか。本当に、その、やる気満々だった訳じゃないんだと言うことを予め伝えておきたかったんだわ」
冷や汗をだらだらとかきながら、折本に隠していた物を見せる。
「さっきから何なの? ん、これって……」
――目の前に出されたコンドームの箱を見た折本は。
「……ぶっ、あはははははっ!? なに、ゴムを用意してたのが恥ずかしくあんな長々と……あははははっ! ウソでしょ、冷や汗までかいて……ぶっ、くく……っ、やばっ、超ウケる……あはははは……っ! やだ、お腹痛い……ふふふ……っ!」
「……………………」
全裸で胡坐をかいて。
コンドームの箱を手に持ち。
昨日キスをしたばかりの、かつて、そして今の想い人に。
大爆笑をされる。
うむうむ。
穴が無くても掘って入りたい。
自分で言った言葉に違わず腹を抱えて笑い転げる折本を、耳まで熱くなりながら眺めることしばし。
「ふー……あー、面白かった。全くもう、そんなこと気にしてたの?」
目に浮かべた涙をこしこしとこすりながら、呆れたように、けれど優しい笑みを浮かべた折本が見つめてきた。
「いや……だって、『実は、こんな時の為に用意しておきました! これがあればいつでも安心! ゴム!』なんて言ってどや顔で出したら絶対引いただろ」
「ぶっ!? 何でそんな両極端なの……くっ、ふふっ、やば、死ぬ……っ」
めっちゃウケた。
引き続き恥ずかしい。
身体を丸めて笑い転げる折本の背中を撫でることしばし。ようやく顔を上げた折本は、笑い過ぎてもはや若干疲れていた。そんなに面白かったんですか……。
「あーもう、比企谷最高。大好きだ……わ……」
「……お、おう……」
ノリで口走った自身の言葉に折本が固まり、俺は俺では気恥ずかしくなる。
「…………」
「…………」
「……今、あたし顔真っ赤だと思うけど」
「……お、おう」
「……気にしないでいいから。あと、別に、今のは、嘘じゃ……ないから」
「……お、おう」
「…………ばか」
「……なんで……?」
耳まで真っ赤にして、女の子座りで俯く折本は……びっくりするくらいに、可愛かった。
× × ×
「それじゃ、おっきくしなくちゃね」
折本がぽそりと呟いた言葉にびくりとする。折本が顔を上げると、まだほんのりと顔を赤らめているが、表情は明らかに艶っぽいものになっていた。
何回も出しちゃったから、大変かもだけど……と折本が心配そうに言いながら、四つん這いでこちらに顔を寄せる。ぺたりと腰を下ろし、折本の声と表情で既に半勃ちになっている肉竿の先を舌でひょいと掬い上げると、躊躇すること無く亀頭をぱくりと咥え込んだ。
「んむ……ふぅ……うんん……っ」
「……お……あ……っ」
温かな口内で蠢く舌に愛撫されて、肉竿が見る見る内に硬度を取り戻していく。口の中で凶暴さを増した肉棒の感触に、折本は一瞬驚いた。けれどすぐ、嬉しそうに目を細めて、うっとりとした表情で肉棒を味わい始める。雁首で唇をきゅっと窄めて、鈴口を固めた舌先でつつかれると、甘美な快感に身体ががくがくと戦慄いた。
「ちょ、おい、折本……もう十分だから……これ以上やったらまた……っ?」
出ちまう、と言おうとしたところで、折本の口から漏れ出る卑猥な音以外の音に気付く。少しだけ遠くから聞こえる、淫靡な水音。
「ん……ふぅっ、んっ、んふぅ……んっく、ふぅ……っ」
くちゅくちゅと言う水音が大きくなるのに合わせて、肉棒を咥える折本の表情が切なげに歪む。
――気が付けば、折本は口淫に浸りながら右手で自分を慰めていた。
左手をこちらの腰に回して抱きしめて、右手を淫裂に這わせてくちくちと愛撫する。
口と右手を夢中で動かす折本は、信じられないくらい淫猥だった。
「……お前、ちょっと……エロすぎだろ……っ」
俺の言葉にぴたりと動きを止めた折本が、顔を仄かに赤くして口を離す。身体を起こすと、口に付いた陰毛をちょいちょいと取って、恥ずかしそうに頬を掻いた。
「……いや、その、あたしも準備しといた方が良いかなって……」
「……ん、そうか……んん?」
納得したようなしてないような……と首を傾げて、更に疑問をぶつける。
「て言うか本当に、何でこんなに口でするのが上手いんだ」
経験が無い筈なのに……と首を傾げると、折本は両手を太ももに挟み込んで、もじもじと身体を捩った。
「……えっと、その、あたし、よく、動画を見るから……さっきみたいに、口でしながら自分で触ったりとかって言うのも……そこで……う、うん、そんな感じ。……こ、こんなにおっきくて硬いとは思わなかったけど……」
「…………」
「……ちょ、ちょっと、何でまたおっきくなったの!? ……やだ、もう……っ」
あまりにもあけすけな告白に肉竿が全力で反応してしまった。折本は耳まで赤くして顔を逸らすが、ちらちらと視線を下腹部に向けてくる。
「……自分の発言のエロさをもっと自覚した方が良いぞ」
「え……だ、ダメだった? もしかしてさっき自分で触ってたのも、引いてたりする……?」
「いや、大歓迎だ。今後もぜひ継続してほしい」
「え、あ、そう……比企谷ってどスケベだね」
「…………」
どスケベって言われた。
否定のしようも無い。
「……お前も大概だろ」
「……あー……うん……まあ、興味は……すごくある、かな」
「…………」
「……だから何でおっきくなるの……っ」
「自然な反応だろ……。……あー、なんだ、その……ハマりすぎないようにしなきゃな」
「? 別にハマってもよくない? 何がだめなの?」
「え……いや、ほら、俺らまだ高校生だし、ましてや受験生だし」
「? 高校生だからこそいっぱいしたいんじゃないの? それに、こっちも勉強も沢山すれば問題無くない? すっごく良いストレス解消になると思うんだけど」
「あ、いや、うん、あれ? そうか?」
「そうだと思う」
「……あー、よし、なら毎日めっちゃするか」
「……ちょ、ちょっと、そんなはっきりと……」
「……。……沢山、ヤるか」
「……や……っ、そんなはっきり……っ」
「……毎日、俺のを、お前の中に」
「ち、調子に乗るなっ」
「おぶっ」
左手のビンタ……と言うかほぼ掌底を右頬に食らった。頭がくわんくわんする。
「あっ!? ご、ごめん、つい……っ」
「いや、今のは俺が悪かった……すまん。しかし痛いのは事実なので、抱き締めて労わってくれると助かる」
「比企谷……なんか遠慮無くなってきたね」
「お前が猫みたいに甘える女の子だと分かったからな。俺も遠慮無く甘えてみようかと」
「……っ」
「わ、悪かった、だからその掌底の構えを解いてくれ。歯が抜けるから、歯が」
イジりすぎたようで、折本は手で胸元を隠して、涙目でぷるぷるしている。普段の折本の姿から、こんな可愛らしい姿を誰が想像出来るだろうか。
「もう……比企谷がこんなSだと思わなかった」
「俺も、折本がこんなにいじめたくなる女の子だと思わなかった」
「……っ」
「とうっ」
「っ!?」
掌底を食らう前に、両腕を掴んで押し倒した。
「……え……あ……っ、その、もう、する、の? ……このまま? ……あたしは、別に、良いけど……っ」
…………。
「……お前……っ」
両腕を押さえられたまま、折本が恥じらいながらもしおらしい声でぽしょぽしょと呟く。多分、初めてじゃなかったらこのままめちゃくちゃにしていただろう。
「……先に、ゴムをつけなきゃな」
俺の言葉に折本が目をぱちくりとさせる。腕を離すと、「あはは、そうだった」と苦笑いをして、俺の頬にちゅっと口付けをした。驚いて口付けの犯人を見ると、自分からやっておきながら折本の顔は真っ赤だった。
「……散々イジメられたから、そのお返し」
「……お、おう」
何この可愛い生き物……。
本番前のじゃれつきはこのくらいにして……と自分に言い聞かせて、コンドームの入った箱を開けた。
続く。
久しぶりの折本でした。
折本は書き始めた当初から「他のヒロインに比べて、良い意味で生々しい」ヒロインを目指しています。同い年で、さばさばしていて、原作ではあまり出番が無い、と言うポイントを鑑みて、上記の事を意識しています。AVを見てたなんて描写は折本が一番活きる気がしました。コンドームのくだりは書いていてめっちゃ楽しかったです。段々М化していくところも。
サキサキと被る面もあるんですが、程好く被せて、程好く違いを出せたらなと(^^)折本は本編が終わってからもいつかアフターを書いてみたいなと思っています。
<繰り返しのお知らせ>
〇夏コミで出した本のDL販売を開始しました!!詳しくは活動報告をご覧ください(^^)!
〇冬コミに当選しました。12月30日(2日目)東ア-50bで出品します。
サークル名「やせん」名義で、俺ガイルSS本を複数名で2冊出します。
全年齢向けとR-18を1冊ずつ出す予定で、僕はR-18本を担当します。
表紙及び挿絵は稲鳴四季先生に依頼しています。楽しみ過ぎて……!
大学生になった八幡と雪乃が温泉旅行に出かけるお話にします。何気ないやりとりも官能シーンもしっとりめです。夏コミにいろはす本との違いも楽しんで頂けたらと思います。