※この作品はR-18です。

俺ガイル 日常の何気ないエロス。   作:高橋徹

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after③

1.

部室の後片付けを二人で済ませ、雪ノ下が鍵を閉めるのを見届ける。

片付けをしている時、『すげえ濡れてんなこの辺…』となるべくさり気なくぶっこんでみたら、初めて会った日に威嚇しようとして返り討ちに遭ったときくらい強く睨まれた。

超怖かった…。

多分、寿命が30分くらい縮んだ…。

下校時刻までもうあまり時間が無かったこともあり、作業は黙々と進められた。

二人の性格のせいと言うのもあるが、それ以上に多分。

今また行為を始めたら、止まれなくなる。

そう言う確信が、言葉を交わさずとも二人の中にあったのだと思う。

 

職員室に鍵を返し終え、二人で昇降口へ向かう。

昇降口近くでは、部活を終えた生徒が今まさに帰ろうとして、思い思いに賑やかに騒いでいる。

いつも通りの光景だ。

こんな日常の時間の中で、ほんの少し距離が空いているだけの、あの空間で。

俺と雪ノ下は、不健全極まりない行為をしていた。

もしあの場に平塚先生が来ていたらどうなっていたのだろうか等とも考えてみたりはしたが、実際来なかったのだから結果オーライなのだろう。

後悔はしていない。

それよりも、今日これからの時間に対する期待感が半端じゃない。

心躍るどころの騒ぎじゃない。

すぐ隣に居る雪ノ下の反応を考慮したら絶対出来ないが、ほっといたら盛大に頬が緩みそうだ。

誓って言える。

…気持ち悪がられると。

 

「あ、チャリ取ってくるから」

そう言って、雪ノ下に待ってもらって駐輪場へ向かう。

…俺のコートの裾を掴みながら、少し俯いて付いて来るんですけど。なんでなんで?

「…すぐ戻るから、待っててくれて良いんだぞ」

「…その…に、逃げないように…よ」

もうちょっと理由考えろっての。俺はどこのサブレだ。

ったく…ああもう恥ずかしい!

「逃げる訳ねえだろ。むしろ超楽しみだっつーの」

「!…そ、そう。…そう…」

繰り返すなよ。そんな大事なことじゃねえだろ。だから恥ずかしいんだっつの。

結局、とことこと俺の後ろを付いて来た。

時間無制限でわしゃわしゃと撫でたい。

家で小町と並べて撫で回したい。

鍵を開け、チャリを押しながら俺は雪ノ下と歩いて帰り始めた。

…雪ノ下の家に。

 

 

2.

日もとうに暮れて、すっかり暗くなった人通りの少ない道を歩く。

雪ノ下が一瞬街灯に照らされる度に、怪しまれない程度に、その横顔を見惚れるように見つめる。

…絶対怪しまれるな。

「小町さんには連絡したの?」

しばらく喋らなかった雪ノ下が、穏やかな声で聞いて来た。

「ああ、さっきお前が職員室で鍵を返してる間にな。返事も来たよ」

「何て書いてあったの?」

「…これ」

読むのは気が引けるから、直接見せた。…直接見せるのも気が引けるんだけど。

『了っっっ解!

晩御飯要らないだけ?違うよね?朝まで居ないよね?

そのまま貰われちゃってくださーい☆☆☆』

…なんだよこのテンション…。

「…た、楽しそうで何よりだわ…」

返し方下手過ぎるだろお前。顔めっちゃ赤いし。

…俺も赤いと思うけど。

 

短いやりとりを終え、二人の間に再び沈黙が訪れる。

別に、いつも部室でだって、他の場所でだって、仲良くぺらぺらと話す様な関係ではない。

いつもの沈黙であれば、心地良くさえ感じているのだ。

しかし、今は少し違う。

気まずさ、では無い。もっと温かいものだ。

…緊張、だろうか。…そうなんだろう。

この後の事を考えると、正直部室で勢いに任せてもう少し先まで行って良かったのでは無いかと思ってしまう。

帰り道と言う1クッションを経て、気持ちがすっかり落ち着いてしまうのだって有り得る。

それが、少し怖い。

以前、テレビで芸人が『合コンの1次会ですごい盛り上がっても、場所を変えて2次会を始めると女性陣のテンションが完全に0に戻ってて、本当にやりづらい』と言った事を話していた。

雪ノ下がそんじょそこらの女性と同じ感覚を持ち合わせているとは到底思えないが、いざこう言う状況になると、家の前まで来て『やっぱり今夜は気が進まないわ。送ってくれてありがとう。おやすみなさい』とか言われそうで怖い。

家に帰った時の小町の蔑みの目を想像するともっと怖い。

考えただけで涙が出るよ!

 

そんな悲しい妄想をして一人途方に暮れていると、雪ノ下が由比ヶ浜に貰った猫の手ミトンの片方を外して、素手になった左手を俺の方にすっと近付けた。

なんだろう、静電気を食らわせたいのかな?

こんな状況下でも俺にダメージを負わせようなんて、雪ノ下さんマジぱないわー。

っべーわー。マジっべーわー。

あれ?何か少しむっとしてる。

…やめてよ可愛いんだから。

こう言う時、君妙にねこねこしいよね。マジねこねこしい。

「…手」

言葉少なに言って、近付けていた左手をぷらぷらと動かす。

あ、そう言うことか。

いや、分かってたよ?そりゃもちろん。こんな状況ですからね!

俺は右手の手袋を外して、雪ノ下とそっと手を重ねた。

人と人とで温もりを分かち合う。

それが温かいものだろうなんて言うことは十分分かっていた。相手は小町だけど。

だが、雪ノ下と繋いだ手の温もりは、小町のそれとはまた別の心地良さだった。

正直、今なら恥ずかしさによる熱も相俟って、コートすら要らないと思える。

難ならTシャツでも行ける。

ごめん、うそ。死んじゃう。

とにかく、身体の芯からぽかぽかとしていた。

互いに目線を合わせる訳でも無く、前を向いて歩き続ける。

それだけで、十分だった。

ちらりと見た時の雪ノ下の顔はいつも通りのすまし顔だったが、なんだかとても幸せそうに見えた。

 

 

3.

雪ノ下の家まで、あと半分くらいと言う所まで来た頃だろうか。

繋いでいた手が、少しだけもぞもぞと動いた事に気付く。

俺は何もしていないのだから、当然雪ノ下が動いたのだろう。

どうしたのだろうか?

ちらりと雪ノ下の方を向いたが、彼女は何事も無かったかのように前を向いたまま歩き続けている。

何だったのだろうかとは思いつつも、足を止めること無く歩き続けた。

もう数十歩歩いた所で、また手が動いた。

今度ははっきりと、こちらにより絡める様にその細い指を動かして来る。

動き自体は極めて些細なものなのだが、その感触がたまらなくむずがゆい。

と言うか、ごめん。勃った。これだけで。

せっかくだからと思い、その動きに応じて俺も彼女の指に絡み合う様に指を滑らせる。

すると、向こうも更に艶めかしく指を絡ませる。

彼女の口の中に指を入れた時のいやらしい舌の感触が、ふと蘇った。

 

しばらく指を絡ませ合っていると、雪ノ下が足を止めた。

どうしたのかと思い彼女を見ると、唇が僅かに震えている。

やがて、ゆっくりと俺を見つめた。

「…ごめんなさい。こんな事をしたら、あなたが我慢するのが辛くなるだけなのは分かっているのに…。

家まであと少しだと分かっているのに、何だか身体と心がばらばらになってしまったような感覚になって、気付いたら指を絡ませてた…」

雪ノ下の言葉に、心がざわつく。

心の臓が焼けたように熱を持つ。

「少し、急ぎましょう?家に着いたら、いくらで―」

彼女の言葉を最後まで聞くことすら我慢出来ず、俺は右手を離し両手で彼女の顔を押さえ、強引に唇を奪った。

雪ノ下の目が驚きで見開いている内に、畳み掛けるように舌をねじ込む。

「んむぅっ!?んっ…んちゅる、んふ…んあ、んんん…っ」

雪ノ下の悩まし気な声が、路地に響く。

先日の十数分と、ここ数時間で、俺の中での雪ノ下のイメージが随分と変わった。

いや、正確に言えば、『イメージが広がった』と言うのが正しいのだろう。

気を許すと、こんなにも甘えて来るのか…。

正直、たまらなかった。

やがて俺の首に両腕を回して、より強く求めて来る。

いつ人が通るのかも分からない場所だと言う事も忘れ、互いの口内を貪った。

 

 

4.

長く濃厚な口付けを終え、ようやく雪ノ下の住むマンションに着いた。

手を繋いだままエレベーターに乗り、彼女の住む部屋がある階の数字のボタンを押す。

「…」

先程の余韻もあって、二人はまた更に沈黙していた。

っつうか、思い出すとさっきの恥ずかしすぎんだろ…。

いやまあ、部室での行為も十分に洒落にならんのだけど。

…やばい、思い出したら熱くなって来た。

ふと、右前に居る雪ノ下の後ろ姿に目が行く。

白いうなじと、視線を下に滑らせた先にある、形の良いお尻。

ごくり、と喉を鳴らして、思わずそのお尻に右手を伸ばした。

「ひあっ!?あっ…んぁ…」

ショーツ越しに手が触れた瞬間、飛び上がる様に驚いた。

しかしその後、すぐに触られるがままになる。

「…あ…ん…も、もうすぐだから…待って?待って…ったら…んん…っ」

赤らんだ顔を振り向かせながらも、言葉とは裏腹にお尻を突き出して来る。

エレベーターはもう10秒もすれば扉が開く。時間は無い。

だが、その時間さえ我慢が出来なくなっている。

俺はすかさず左手も伸ばし、両手で鷲掴みにした。

「んああっ!?」

雪ノ下はがくがくと震えると、エレベーターのボタンのすぐ下に手を置き、こちらに腰を突き出して、まるで立ったまましているかの様な体勢を取った。

そのまま容赦無くお尻を揉みしだき、とどめに両手親指を秘部に当て、ぎゅむぎゅむっと何度も押し込んだ。

「だ、だめ、だめ、このままじゃ…ひぐぅっ!?あっ、イっ、イく、イく、イっ…」

エレベーターのドアが開くと同時に、雪ノ下はか細い声で鳴いて、全身を痙攣させて膝から崩れ落ちた。

 

誰も居なかったのは幸いだった。

俺はふらつく雪ノ下を右手で抱きかかえ、ついでにその手で彼女の胸を触りながら部屋まで連れて行った。

途中で『…へ、変態ぃぃ…』と呟いて、俺の頬をつねって来たのだが…あまりの力の弱さに少し笑ってしまった。

それでまた怒らせてしまったのだが、胸を揉む力を少し強めた途端に甘い声を上げて黙ってしまった。

…こんな敏感な妹を、陽乃さんがおもちゃにしない訳が無いよなあ…。

今の陽乃さんが雪ノ下をイジメている光景を想像してしまい、ちょっとぞくっとした。

 

そして、雪ノ下の部屋のドアを開け中に入ると、彼女は震える手で内鍵を閉めた。

 

 

 

続く。




官能モード全開放にして書いております。次回はより濃厚に。
ようやく土日に入ったので、ゆきのん話も川崎話も一気に進められたらと思います。

並行している作品もそろそろ書き進めたくなって来たので、来週は少しだけペースを落としたいと思います。先週今週とハイペース過ぎましたw
ゆうて書くペースは変えず、あくまで書く小説がばらけるだけなのですが!

ちなみに今のエピソード2つを書き終えたら、平塚先生のお話を書こうかなと考えています。
ガハマさんのももうアイディアはざっくりとまとまっているんですが、平塚先生を書きたくなって来ました。
笑いも糖度もエロも全開で行きますので!


それでは、今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!
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