※この作品はR-18です。

俺ガイル 日常の何気ないエロス。   作:高橋徹

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 ゆきのん編最終回です。


(3)

 ショーツをずらして雪乃の淫裂をさらけ出し、そこに亀頭を押し付ける。もう何十回、何百回と行っている行為だ。いつもと趣向は違えど、今日も滑らかに俺を受け入れてくれるだろう――と思ったのだけれど。

 亀頭を挿入した瞬間、雪乃の膣が亀頭のスペースのみを残して急激に締め付けてきた。まるでここから先の侵入を拒むかのように、小刻みに震えながら。

 

「……え……っ」

 

 犯しているのか犯されているのかさえ分からず倒錯していると、雪乃の顔が目に入った。

 2人の結合部を凝視して、唇を戦慄かせ、今にも泣き出しそうになっている。よく見れば、ぎちぎちに締め付けた膣口からはとめどなく愛液が溢れ出し、肉竿の先を蜜まみれにしていた。

 何か言葉にするのさえもどかしくて煩わしくて、雪乃の腰を押さえてじっくりと肉槍を侵入させていく。一見侵入を拒んでいるかのような締め付けは、正確にはそうではないことに気付く。肉棒を迎え入れる瞬間は肉襞の収縮を弱めて優しく受け入れて、進めた瞬間に狂おしい程に締め付けてくるのだ。まるで罠に誘い込んだ餌を食い散らかすかのように。

 

「……ぅ……ぁ……っ」

 

 ため息よりも小さくて、悲鳴よりも濃密な声が漏れ出る。聞こえた声は本当に微かで儚げで、自分の声なのか雪乃の声なのか分からない。

 腰を進める。信じられない程の快感が、窮屈さによる苦しさと一緒に訪れる。

 

 気持ち良い。

 苦しい。

 苦しい。

 気持ち良い。

 

 互いに言葉も交わせず、手も繋げず、互いの快感を高め合う行為など当然のように出来ない。

 結合した部分に、2人の全神経が集中していた。

 もう少しで最奥、子宮の入り口に到達する……と言う所で、射精欲求が限界を迎えた。

 

「あ……っ」

 

 自分の中で肉竿が波打った事に気付いたのだろう、射精直前に雪乃が目を見開いて儚い声を漏らし、その直後に子宮へ注がれた大量の白濁を受け入れた。

 

「……ぁ……おぉぉぉ……っ」

 

 さぞや美しい嬌声が漏れるのだろうと思いきや、雪乃は猿ぐつわでも咥えさせられているかのようなくぐもった声を漏らした。もしかしたらここまでずっと小さな絶頂を迎えていて、声がろくに出せなくなっているのかもしれない。

 射精の脈動に酔いしれながらも腰を進めると、天国と地獄がないまぜになった感覚に襲われる。恐怖を覚える程の快感は、強烈な依存をももたらすようだ。他のあらゆる行為を差し置いてでも、雪乃の中を楽しみたい。単純極まる欲求が、俺の身体を突き動かしている。

 

 子宮の入り口をノックすると、雪乃が口をぱくぱくと動かした。瞳の焦点は合っておらず、どこを見ているのかも分からない。膣肉の収縮はこれ以上無いくらい生の実感を与えてくれるのに、今の雪乃の見た目は世界で一番美しいラブドールのようだ。

 腰を引く。「抜くの? 抜いてしまうの?」と淫肉が締め付けてきて、中程まで抜いた所でまた射精してしまった。三擦り半という言葉があるが、そんな揶揄の言葉よりも今の俺は遥かに早漏になってしまっている。壊れた蛇口が注ぐ精液は、雪乃の膣道に満遍なく塗りたくられている。

 

 抜ける寸前まで腰を引いたところで、今度は一気に最奥まで突き入れることにした。これなら雪乃もたまらず声を上げるだろう……と思ったのが間違いだった。

 ずん、と一気に突き入れると、雪乃がおとがいを上げて背筋が弓なりに反り返った。

 その瞬間、肉竿全体が万力の如く締め付けられて、頭の中が激しく明滅した。

 

「あが……っ」

 

 声を上げたのは俺の方だった。壊れた蛇口と言った所で、元の水が無ければ噴き出すことはない。けれど今の雪乃の肉襞の締め付けは、強制的に水を引っ張り出して無理やり噴き出させる程の圧を有している。何の覚悟も無いままに、3度目の射精をした。

 

 これ以上溺れたら一体どうなってしまうんだ……と思っていると、雪乃と目が合った。

 笑っていた。

 ひどく微かで、分かりづらく、けれど確かに――笑っていた。

 それが、どんな感情が故なのかは分からない。

 けれど、あまりにも美しく蠱惑的な笑みを、俺はもっと見たくなった。見たくなってしまった。

 

 肉棒を引き抜くと、結合部からは泡立った白濁がごぷりと溢れ出した。雪乃の腰に手を添えてゆっくり起こすと、雪乃はどこか幼く見える女の子座りをして、唇のまぐわいを求めてきた。舌を絡め、唇をついばみ、また舌を絡める。艶っぽい息遣いをしながら、雪乃は小さく果てていた。

 休憩のつもりで仰向けに寝転がると、雪乃は俺の上に覆いかぶさり、身体をぺろぺろと舐め始めた。表情を見れば飼い主にじゃれつく猫のように可愛くて、なのに俯瞰して見ればひどく淫らだ。

 

「雪乃、上から乗ってくれるか」

 

 俺の言葉に、雪乃は動きをぴたりと止めた。逡巡する様子を見せていたが、やがて上目遣いで俺の乳首を舐め始めた。2つの乳首に口付けをすると、ようやく小さく頷いた。

 雪乃がよろよろと立ち上がり、俺の上に跨る。足をМ字に開いて亀頭を淫裂に宛がうと、細い喉が鳴った。両手を繋ぐと、雪乃はもう一度喉を鳴らして、ゆっくり腰を沈めていく。

 

「……あぁ……っ」

 

 聞こえるか聞こえないかぎりぎりの声で鳴く声はどこまでも扇情的で、一気に最奥まで貫いてしまいたくなる。しかし今は我慢する。

 予想通り雪乃の腰はがくついていて、油断すれば一気に貫いてしまいそうだ。なので手を下から支えて、挿入のスピードをコントロールする。

 

「ふっ……うぁっ、んんん……っ」

 

 挿入の深さを変えられないもどかしさからか、雪乃は腰を前後左右にくいくいと動かす。先程同様の凄まじい締め付けにまた違った感触が加わり、腰が浮きかける。結合部から漏れ出る愛液が恥毛を浸し、淫猥な匂いがベッドを浸していく。

 

 ずず、ずぐ、ずにゅり。

 ぐにゅ、ずちゅり、じゅくく。

 じゅぷ、ぐぢゅり、じゅぐぐ。

 

「……ぉ……ぁ……っ」

 

 牛歩の如き挿入に、雪乃の身体は打ち震える。そもそも今の体勢だって、本来ならこんな速度の遅い抽送は想定していない。快感に加えて筋力的にも限界は近い筈だ。

 俺の予想は当たったようで、肉竿の上半分を咥え込んだ所で、雪乃が切なげな瞳で俺を見つめた。

 

「……もう、だめ、これ以上ゆっくりは……っ」

 

 その言葉を聞いた瞬間、俺は雪乃と繋いでいた手を離して、細い腰に両手を添えて一気に落とした。

 鈍い音と感触が、2人の身体を貫いた。

 

「……あ……っ」

 

 雪乃の声は小さかった。しかし、その声の大きさに反比例するように、雪乃の身体は絶大な反応を示した。

 

「うぐ……っ」

 

 子宮口と鈴口が濃厚な口付けをしながら、みちみちと肉竿全体を締め付けられたことで、再び膣肉を白濁で浸した。雪乃はほとんど表情を変えないまま涙を流し、背筋を幾度も波打たせながら失禁した。本来みっともない失態である筈の行為が、神秘的にまでに美しく見えた。

 雪乃はМ字を解くと、膝立ちになってシーツに手を添えた。もう腰を上下する余裕は無いからか、静かに前後のグラインドを始める。緩慢な動きでもその行為がもたらす快感は絶大で、俺はこの後も数えきれないくらいの射精をした。

 

 もっと乱れて、長い髪を振り乱して、まるで舞踏のように悶える雪乃が見られると思っていたけれど。

 実際は、最初から最後まで、声も動きも、静かそのものだった。

 けれど、満足度は凄まじく高くて。

 しばらくして、疲れたのか雪乃が幸せそうに眠るのを見て、俺も安らかに目を閉じた。

 

       ×  ×  ×

 

「なあ、雪乃」

「なあに?」

「これはその、あの、何なんでしょうか?」

「え? そんなの決まってるじゃない、お返しよ」

 

 素敵すぎる笑顔で雪乃が言う。

 

 

 先日のマッサージの件は、完全に俺の意思でやったことだ。途中から雪乃も乗り気だったとは言え、悪いのが誰かと言われたら間違いなく俺であると言える。

 雪乃はお返しと言っているが、実際は仕返しに他ならない。

 

 しかしここで問う。

 雪ノ下雪乃が恋人に仕返しをする場合、一体何を以て仕返しとするだろうか。

 

 罵詈雑言を並べ立てる?

 これは普段からされているので(最近はめっぽう減ったが)、あまり仕返しにはならない。友人関係で留まっているならばこれもありだと思うが。

 

 どつく?

 これは雪乃のキャラではない。ヴァイオレンスをキャラの一部として考えられるのは、精々初期の由比ヶ浜くらいだ。初期って言っちゃったよ。

 

 そんな訳で、雪乃が恋人である俺に仕返しとして選んだ方法は……何とも身を削ったやり方だった。

 

「……こうかはばつぐんだ……」

 

 独り言ちると、右腕に抱き付いた雪乃がにやりと笑う。

 端的に言うと、雪乃が選んだ方法は「人前でイチャつく」という方法だった。俺たちの生活圏から少し離れた街でデートをするのである。その時間、雪乃は満面の笑みで俺に抱き付き、クレープを買ったらあーんしてきて、不意打ちでハグをしてくる。

 

――普段なら俺も雪乃も公衆の面前ではそう言った行為を自制しているのだけども、それを逆手にとって雪乃が好き放題甘えてくるのだ。

 人を責める方法には様々なものがあるが、羞恥責めでくるとは予想していなかった。

 

「ふふ、普段なら私も恥ずかしくてこんなことは出来ないけれど……自分から攻める分には恥ずかしさが薄れるわね」

「似たようなこと、前もあったな……」

 

 と、雪乃が女王様ぶった時のことを思い出す。

 ……しかし、雪乃は気付いているんだろうか。

 

 

「なあ、雪乃」

「ん、なあに?」

「これ、俺が恥ずかしさに慣れたら、ただただお前が死ぬ程可愛くて俺が得するだけだよな」

「…………」

 

 雪乃が目をぱちくりとする。

 

「実際、そろそろ慣れてきたし。あ、恥ずかしさはって意味だぞ? 途中からはもうお前が可愛くてしょうがなかった」

「…………」

 

 雪乃の目が泳ぎ出す。

 

「ていうか何だよ、今日はずっとその感じでいてくれるのか? 俺幸せで死んじまうぞ」

「…………」

 

 顔に徐々に赤みが差してくる。

 

「何なんだお前はさっきから。どんだけ可愛いと俺に思わせれば気が済むんだ。超可愛いな」

「…………」

 

 俯いてふるふる震えている雪乃が、俺の胸に顔をうずめた。これはさっきまでと違い、素でやっているようだ。

 

 うんうん。

 攻めている間は恥ずかしくない。これは、どうやら本当のようだ。

 家に帰ったら一体何をされるやら……と思いながら、雪乃を抱き締めて頭をぽんぽんと撫でる。

 

 今日も今日とて、雪ノ下雪乃と過ごす時間は穏やかで、楽しくて、幸せだ。

 

「覚えてなさい……」

「…………」

 

 サスペンスの予感がする台詞が聞こえたけれど。

 まあ、うん。

 とても、幸せだ。

 

 

 

 お終い。

 

 

 




 という訳で衝動的に書いたゆきのんでした。1話こっきりで終わらせる以外のお話で、短く3話で終わらせるのっていつぶりかな~と思って確認したら、「やはり雪ノ下雪乃の胸は小さい」以来でした。去年の3月22日、何気ないエロスを書き始めた次の日でしたw初めの2日間だけは1日で数話書いてました。

 これからはまた、ルミルミ・サキサキ・折本の布陣をお楽しみください(^^)!

 すみません、明日はお休みします。平日の休みが不規則になって申し訳ありません。

 それでは、また【明後日】ここでお会いしましょう(^^)!
 今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!

 
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