※この作品はR-18です。

俺ガイル 日常の何気ないエロス。   作:高橋徹

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(6)

 陽乃さんは超が付く程の敏感体質で、彼女自身の強い心根と体力が無ければ、ありふれた性行為であっても精神がおかしくなってしまうであろう程感じやすい。

 これから陽乃さんの部屋で、何者の邪魔も無くたっぷりといかがわしい行為が出来るという期待で、いつも以上に身体が高まっているであろう状況で。

 絶対に、イカないように――と命令をする。

 それが陽乃さんにとってどれほど過酷なことか、自分なりに十分に理解したつもりで、敢えてその命令を口にした。

 陽乃さんは俺に綺麗な手の甲を晒したまま、顔を逸らしてあどけない流し目を送る。いつものように俺をからかう色気たっぷりの視線ではなく、不安に身体を強ばらせた、目の前の男に全てを委ねることに期待と恐怖を孕ませた視線。一体これからどれだけの痴態が見られるのかと、考えただけで頭がおかしくなりそうになる。

 陽乃さんの手の甲を、筆で撫でた。そしてそのまま腕の表側を滑らせていく。

「んあぁぁぁ……っ」

 筆が肘に到達する時点で、陽乃さんは固く目を瞑り唇を強く引き結んで快感を耐え忍んでいる。肘の内側をなぞると、陽乃さんはおとがいを上げて嬌声を上げた。

「んはぁぁんっ!? ひっ、うぐ、んんんん……っ」

 くりくりと執拗に撫でると、それだけで陽乃さんの身体が面白いように跳ね上がる。

――イってはならないという制約がフックとなって、快感が更に跳ね上がる。

陽乃さんにとっては地獄でしかないような状況が出来上がっていた。

 筆をベッドに置いて、陽乃さんの両手を掴む。手のひらを上に向けさせて、両腕をぴたりとくっつける。窮屈な姿勢になったことで、陽乃さんの暴力的なまでの魅力を備えた乳房が寄せられ、柔らかな谷間にじっとりと浮かんだ汗の粒がたまらない艶を醸し出している。何をするつもりなのか――と陽乃さんは陶然とした顔でくりんと首を傾げたが、俺の意図に気付いた途端に顔を青ざめさせた。

 陽乃さんの肘の内側――今は両腕が揃った状態のものを、筆の毛をいっぱいに広げて撫で回す。

「うぅぅぅ……っ!」

 陽乃さんが、泣くのを我慢する子供のような声を、真一文字に引き結んだ唇から漏らす。目尻には涙がうっすらと浮かんでいて、嗜虐心を煽ってくれる。ぐりぐりと撫で回すと、一筋の雫が陽乃さんの頬を伝った。

 肘裏をひとしきり撫で終えて、筆を肩に向けて滑らせていく。陽乃さんは時折俺を見つめては、また目を強く瞑っていた。

 肩を包み込むように撫で回した後、両腕を上げるよう指示をする。そして腕を折りたたみ、頭の上で重ねるように言った。

「……これ、やばい……っ」

 ついさっきの行為を思い出したのであろう、陽乃さんが微かな抵抗の言葉を口にする。けれど腋にぴとりと筆を密着させた瞬間、抵抗の言葉はすぐに掻き消えて、代わりに獣じみた悲鳴が響いた。

「あぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ……っ!? あっ、うっく、ひっ、あっ、あぁぁ……っ」

 女神のような美しいポーズをとった極上の牝の身体が、たった一本の筆に好き放題嬲り回される。この人の素晴らしい所をキリが無い程知っている分尚更に、この状況は征服欲をたまらない程駆り立ててくれる。

 陽乃さんとふと目が合う。吸い寄せられるように顔を近付けると、初心な乙女のような愛らしいキスをされた。唇を啄むようなキスでは物足りなくてもう一度口付けをすると、陽乃さんの瞳が甘ったるい色を帯びる。心底甘えてくる時はこんな目になるのだと気付いたのはつい最近のことだ。

 もっと唇を触れ合わせたくて、もう一度口付けをする。舌を入れようとすると唇を固く閉じて拒まれた。恐らく、今俺の舌が口内に侵入したら限りなく危険だと判断したのだろう。それでも陽乃さんのぬめった口内を蹂躙したくて、腋を嬲っていた筆を離し両腕を下ろさせ、右手に持った筆で陽乃さんの左耳を、左手の指で陽乃さんの右耳をほじくり回す。

「んっ、んふっ、んっく、んん……っ? んんっ、んっ、んんん……っ」

 抵抗は続けるが、両耳を嬲られながらでは長続きはしない。固めた舌先が陽乃さんの口内にずにゅりと入り込むと、陽乃さんは目を白黒させて両腕を俺の背中に回し、強く抱きついてきた。触れ合った身体は汗で湿っていて、身体の密着度が高まっている気がした。

 俺の舌を味わいながらも、決して絶頂に達することの無いよう必死で気を張る陽乃さんの背中を、首から腰に掛けて一直線に筆で撫でる。その瞬間陽乃さんの舌を咥えて一気に吸い立てた。

「んふぅぅんっ!? んぉぅぅぅ……んふぅぅぅ……っ」

 陽乃さんの嬌声が口内を伝ってこちらの脳内にじわりじわりと染み込んでくる。陽乃さんは身体を不自然に痙攣させながらも決して身体を離そうとしない。筆が嬲る場所全てが性感帯になっているかのような反応を示しているにも関わらず、きちんと命令の通り絶頂に達していない。

 口を離すと、互いの唇の間に情欲の残滓とも言える唾液の糸がぬるりと伸びた。陽乃さんはその糸をぱくりと咥え込み飲み込んで、うっとりとした顔で飲み干す。この表情一つで何回でも自慰が出来る程の、極上の艶を秘めた顔だった。

「うつ伏せになってください」

 囁くと、陽乃さんは俺の耳元で「うん」と囁き返した。

 

       ×  ×  ×

 

 陽乃さんが一糸纏わぬ姿で、自分の腕を枕にしてうつ伏せに寝転がる姿はあまりにも美しくて淫靡だった。真っ白な肌は浮き出た汗で輝きを増し、腰から足に掛けて盛り上がった双丘は瑞々しく弾力性に富んでいる。太ももはぴったりと閉じているが、そこから微かに漏れ出る甘酸っぱい匂いは隠しきれていない。

 ごくりと唾を飲み込んで、うなじに筆を付けてそこから双丘の割れ目まで筆を走らせる。

「あふぁぁぁ……っ」

 微かに美尻を持ち上げて、ベッドに顔をうずめたまま陽乃さんが喘ぐ。双丘の表面を丁寧になぞると、言葉にならない呻き声がしきりに漏れた。

「うぅぅ……うぅぅ……っ」

 陽乃さんの鳴き声はどこまでも情欲を煽る。太ももをなぞって膝の裏で執拗に筆を遊ばせ、ふくらはぎ、足の裏に至った。

「ひゃあんっ!? あっ、あはっ、ひぁっ、あははっ、ちょっ、比企谷くん、そこはくすぐった……あはははっ! あっ、あは……っ? ひっ、あっ、んはっ、ふぁっ、ひっ、んぁっ、うっく、ひんっ!? あれ、なんでこんな……ひっ、うっく、うぅっ、だめ、だめ、だめ……っ!」

 陽乃さんの足首をがっちりと掴んで逃げられないようにして、反応が明らかに変化していく様を楽しむ。くすぐったいのを我慢しているだけだったのに徐々に快感に侵食され、全身から汗を噴き出し、双丘を撫でている時と同じように顔をうずめてか細い声で鳴く。

 右足と左足を揃えて、両足の裏を同時に嬲る。陽乃さんは苦しみに喘ぐ人魚のように、一本に束ねられた肢体をびくびくと跳ねさせる。ひとしきりたっぷりと嬲ると、今度は足をぱっくり開かせて双丘の割れ目を集中的に撫でた。淫裂よりも後ろ側、尻穴の周辺を入念に嬲る。

「あふぁぁぁっ!? 急にそこ……だめだめだめだめ……っ!」

 陽乃さんが腰をがくがくと痙攣させる。このままでは陽乃さんの我慢も利かずにあっと言う間に絶頂に達してしまいそうだったので、ここはすぐに筆を離した。

「じゃあ最後、仰向けになってください。ここを乗り切れば無事クリアですよ」

 陽乃さんは俺の言葉に頷きや言葉を返すこともせず、力なく仰向けになる。腕はだらりと投げ出され、すらりと伸びた足はだらしなく開かれていた。恥毛は汗と愛液でべったりと張り付き、いやらしい匂いがベッドの上を満たしている。夥しい我慢を経た女体は、極上のものに仕上がっていた。

 陽乃さんの身体に覆いかぶさるように四つん這いになると、豊かに実った乳房の縁に筆を付けて、くるくると縁をなぞっていく。陽乃さんは唇を引き結んで、筆の動きを凝視している。

「ん、んっく、んぅぅっ、んぅぅぅ……っ」

つつ、つつ……とじっくりなぞっていき、円の半径を狭めていく。一定の速度で徐々に中心へ迫ってくる筆は、一体どれほど陽乃さんの神経を削り、心を蝕むのだろう。

 あと少しで乳頭に触れる、という所で、陽乃さんが小さく喉を鳴らした。一度緊張感を弛緩させるように、筆を豊かな乳房の裾野まで下ろすと、陽乃さんの身体の緊張が緩んだのが分かった。

――その瞬間、油断した陽乃さんの尖りきった乳頭をさっと撫でた。

「ぁ……っ」

 きっと悲鳴のような嬌声を上げて激しく絶頂するんだろう――と思っていたら、陽乃さんは俺の首に両腕を回し、抵抗出来ない程の力で抱き寄せてきた。慌てて筆を手放して上気した身体と密着すると、陽乃さんは俺の耳に唇をぴったりと押し付けた。甘えるような仕草はどこか子供っぽく、普段の彼女とのギャップがまた恐ろしい程の興奮を煽り立てる。

 陽乃さんは涙混じりの幼い声で囁いた。

「ねえ、イキたいの……ねえ、だめ? だめ? もうむり、イっちゃうの、お願い、イカせて、もうがまんできないの……っ」

「……っ」

 脳髄を痺れさせる甘ったるい声が、思考を容易く犯す。陽乃さんは囁いた後、俺の耳に舌を挿し入れてくちゅくちゅと卑猥な水音を立てて、更に俺の口に舌をねじ込んでたっぷりと舌を絡ませてきた。子供が親の腕を引っ張っておねだりするような感覚だったが、行為そのものは気が狂いそうになる程卑猥だ。

「……そうですね。よく我慢出来ましたね、偉いですよ」

 こんなことを言われたら、耐えてくれた分きちんとイカせたくなる。

 目を潤ませる陽乃さんを愛おしく思い、汗でしっとりした黒髪を撫でる。すると陽乃さんは猫のように気持ちよさげに目を細めた。ここまで気を許して甘えているということがたまらなく嬉しい。

  どうするか考え、乳首や下腹部を弄ってイカせるか……と考えて再び筆を手に取ったが、止めた。

 ベッド脇の台に一時的に置いた他の道具を眺めて考える。そうして浮かんだ案は、我ながらひどいとしか言いようがなかった。

「……ご褒美に、全力でイカせてあげます。遠慮なくみっともない姿を晒してください」

 俺の言葉に、陽乃さんは目を見開いて、視線を台の上に転がっている数々の道具に移した。そして、不安げに、けれど嬉しそうに、小さく頷く。

 陽乃さんが口の端を微かに釣り上げて笑うと、端正な顔立ちが淫猥に歪んだ。

 

 

 

 続く。

 

 

 

 




 はるのんでした。はるのんが甘えるのを想像しただけで死にました。

 コミケ宣伝用サンプルをpixivに上げています。タイトルは「エロデレな一色いろはが禁欲に挑戦すると、とても大変なことになる。」です。既にご覧頂いた方、ありがとうございます!評価やブックマークもお待ちしています!

 それでは、今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!
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