陽乃さんがソファの背もたれに身体を預けて、俺を不安げに見つめている。俺が陽乃さんの正面に膝立ちで座り手を伸ばすと、陽乃さんはびくりとして怯えた表情を見せた。場の空気を支配することに長けていて、いつ如何なるときも己の優位を崩さない……そんな、普段の陽乃さんとのあまりのギャップにぞくぞくとする。
「陽乃さん、ここはどうですか」
尋ねながら、陽乃さんの柔らかな二の腕に触れる。陽乃さんは目をきつく瞑ってぶるりと震えたが、すぐに目をうっすらと開けた。続きを促していると解釈して、ゆっくりと二の腕をさする。
「あ……う、うぅん……ふっ、んんん……っ」
陽乃さんが悩まし気に身をよじらせ、眉をひそませる。陽乃さんの下腹部に目をやると、じわりと愛液が零れ出ていた。大抵の人なら何も感じない、もしくはくすぐったく感じる程度の行為が、今の陽乃さんにとっては明確な愛撫として成り立っている。
この人の身体は……今、どれほど高まっているんだろう。
知りたい。知りたい。もっと知りたい。
「じゃあ……ここはどうですか」
人差し指の爪を陽乃さんの柔肌に当てて、肩口から手首までつつつと撫でる。陽乃さんの美しい顔がくしゃりと歪んだ。
「あ、あぁっ、やっ、これ、すごいぃ……っ」
唇を震わせて、ほうっと息を吐きながら陽乃さんが淫靡な声を漏らす。内ももをもじもじとこすり合わせ、必死で何かを堪えているようだ。
「じゃあ、これはどうですか。……」
「ひん……っ!?」
左手の中指をぱくりと咥え込むと、陽乃さんが右手人差し指を口に含み、ぶんぶんと勢いようかぶりを振った。ほっそりとした指の腹に舌を這わせると、陽乃さんは指で口を塞いだまま天を仰ぐ。陽乃さんの指を丁寧に舐りながら、陽乃さんの両耳に手を伸ばし、耳の中に指をずぐりと入れた。
「あ……あぁっ、あっ、あっ、ひぁっ、あぁぁぁ……っ」
熱を帯びた声を漏らして、陽乃さんが壊れた機械のような声を上げる。舌で陽乃さんの指を愛撫して、耳をくりくりと嬲りながら、じっと陽乃さんの瞳を見つめる。陽乃さんの瞳は既に焦点が合っておらず、目が合っているのかどうかも分からない。蕩けた瞳でどこかを見つめたまま、陽乃さんは陰部から愛液を噴き出して果てた。自分の指をはむはむと咥えながら、少しばかり恥ずかしそうに。
「ね……比企谷くん。……キスしよ……?」
陽乃さんは俺の耳に唇を寄せて、蜂蜜を練りこんだような甘い声で囁いた。淫靡な声音は液体よりも柔らかく耳朶に染み入り、頭の中に溢れ返る。淫魔のような恋人の囁きに身体がぶるりと震えると、何にも触れていない肉竿の先から先走りの汁がこぷりと溢れ出た。陽乃さんは透明な汁がこぼれた鈴口をじっと見つめて、「……あはっ」と笑った。今すぐ壊したくなったが、今はまだ我慢、我慢。
「それなら……入れ替わりましょうか」
言って、陽乃さんの反応を待たずに腰を浮かせて隣に座る。自分の膝をぽんぽんと叩いて陽乃さんを見つめると、仄かに顔を赤らめながら膝立ちで跨ってきた。
「……まだ挿れちゃだめですよ?」
「……バレたか」
亀頭に淫裂が触れる寸前のところで声を掛けると、陽乃さんは舌をぺろりと出していたずらがバレた子どものような笑みを浮かべた。淫猥な行為の中でこんな笑みを見ると、不意に背徳感を覚えて余計に興奮する。
「それじゃ陽乃さん、舌を出してください」
俺の言葉に、陽乃さんは目を見開く。しかし俺がじっと見つめると、逃げ場は無いのだと観念したのか、一度目を閉じた後、薄く目を開けてそろりと舌をさらけ出した。目の前に差し出され薄桃色の粘膜をじっと見つめる。
人よりも少しだけ長い舌。あくまで「少しだけ」ではあるが、限界まで伸ばした状態を見れば、恐らく誰もが「あ、長い」と思うだろう。ずっと目の前で見ていてもまだ見慣れないほどの美貌を持つ陽乃さんが、淫靡な表情を浮かべながら長い舌を晒すのだ。そんなの、興奮するに決まってる。……めちゃくちゃにしたくなるに決まってる。
陽乃さんが物欲しそうに眉を八の字にひそめて、舌をずいと突き出してくる。舌の先が少し乾くくらい焦らすと、陽乃さんは悲しくて拗ねたような色を瞳に浮かべる。本当にこの人は可愛いな……と思いながら、薄桃色の粘膜をぱくりと咥え込んだ。
「ひぅぅぅ……っ!」
陽乃さんが目を瞬かせて、豊満な肢体が盛大に波打つ。唇と唇をたっぷりと交わらせながら、俺は陽乃さんの背中をぎゅっと抱きよせた。少し痛みを感じるくらいに、力強く。
「んくうぅぅうぅぅぅっ!? ひぅっ、ひっ、ひゃうぅぅ……っ!」
乳頭やクリトリスに息を吹きかけられただけで絶頂して。
腕をさすられ、指を舐められただけでも愛液を溢れさせ果ててしまう、今の陽乃さんを。
柔らかな乳肉と胸板がこすれ合い、肉竿がぐっしょりと濡れた割れ目に押し当てられることもいとわず、強烈に抱き締める。
それも、敏感な口内粘膜をたっぷりと舐りながら。
「んくぅぅぅ……っ! んっ、んふぅっ、ひぃんっ、ひぅぅぅぅ……っ!!」
電流を流されているかのように打ち震える陽乃さんの身体を、ぎちぎちと力を込めて抱きしめる。陽乃さんは自由を失えば失うほど腕の中で狂ったように暴れ、肉竿の裏筋にとめどなく愛液を浴びせ掛ける。お湯のような熱を持った淫液に己の性器が浸されるのは、ひどく心地が良かった。
「……ぷは……っ。ひ、比企谷くんっ、んあぁんっ! ……比企谷くんの、ばかぁ……あふあぁっ! じっくりいじめるって……言ったのにぃ……っ」
唇を解放すると、陽乃さんは今なお己の身を焼き焦がす快感電流に震えながら、恨みがましい目で見つめてくる。とは言っても、眼力が普段よりも遥かに弱々しくなった彼女は、もっといじめたくなるくらい可愛らしい。
「ちょっと飛ばし気味ではありますけど、宣言したことは守ってるつもりですよ。挿れるまでたっぷりと焦らしますからね」
「……へ、へんたい……っ」
「嬉しい褒め言葉、ありがとうございます」
飄々と呟いて、たっぷりと汗をかいた陽乃さんを抱き締める。ピンと張り詰めた乳頭を咥えると、陽乃さんは悲鳴混じりの嬌声を上げた。
× × ×
「あ……っ、はぁっ、あぁぁぁ……っ」
「ね……いつまで……するの……ねえったら……っ」
「い……っ、ひぐぅ……またイク、また……イク……っ」
陽乃さんの身体が小刻みに痙攣したかと思うと、大きく後ろに反り返った。
――どれくらいの時間が経ったのかは分からないが、陽乃さんの美しい声が掠れてきていることから考えると相当の時間が経っているのだろう。あれだけ絶え間なく喘いでいれば無理もない。俺はひたすらに、陽乃さんの尻肉を両手で鷲掴みにして、肉槍の裏筋で割れ目をぐりぐりとこすりながら、母乳を搾らんばかりに乳頭を吸い続けていた。右の乳房と左の乳房を交互に吸って、尻肉を揉みしだく手は時折肛門周りの皴を伸ばすように動かす。陽乃さんの感度は一向に下がることがなく、何度も何度も絶頂を繰り返していた。愛液が溢れ出て、潮を噴き、時には失禁する。ソファが水溜りと化しても、卑猥な行為は続いて、続いて、続く。陽乃さんの肌は火傷しそうな熱を持っていて、汗腺から噴き出す汗はしょっぱくていやらしく、何度舐めても飽きることがない。
「ね、ほんとに……いつまで……うあぁぁ……っ」
陽乃さんが白い喉を覗かせて、ぶるぶると震えた。しょわぁぁ……と生温かい感覚が下半身を包み、また失禁したのだと気付く。
陽乃さんは数えきれないほど達している。緩やかに責めているからか、弱り切った声でずっと喘いでいる。
何度もイった。
何度も、何度もイった。
けれど陽乃さんは、満足しない、満足出来ない。
何故なら――
「ねえ……早く、挿れてよぉ……っ、身体の奥が疼いて、もう、だめ……っ」
――身体の奥底を、子宮を蹂躙されていないから。
陽乃さんは涙混じりの声でおねだりしながら、再び軽く達した。絶頂してなお、肉竿の雁首を割れ目に押し当てて、懸命にこすって更なる快感を得ようとする。俺はその行為を止めることはしない。俺の身体を借りて自慰をしたところで、本当の快楽への焦がれが増すだけだからだ。
陽乃さんがおでこ同士をこつんとぶつけて、潤んだ瞳で見つめてきた。
「比企谷くん……ねえ、しよ?」
ぽそりと囁いた言葉は、恐ろしい程蠱惑的で、肉竿が更なる興奮でいきり立つ。
「……お願い……ねえ、お願い……っ」
頬をすり寄せて、子猫のように甘えてくる。甘やかな髪の匂い、濃厚な汗の匂い、淫靡な愛液の匂い。全ての匂いが入り混じり、俺を誘惑してくる。
「……したいですか?」
「……うん、したい……っ」
声を震わせながら何度も頷いて、愛おしそうに唇を重ねてくる。交わるときは普段と比べて甘えることが多い陽乃さんだが、それにしても今日は特にすごい。この人が何をしても、俺は毎日惚れ直しているみたいだ。
……そろそろ、いいか。
「分かりました。しましょうか、セックス」
「……ぁ……っ」
敢えてはっきりと言葉にすると、陽乃さんは頬を仄かに朱に染めて、こくりと喉を鳴らした。肉襞は妖しくひくつき、目の前の牡の槍を咥えたがっている。
「……うん、する……っ。わたし、比企谷くんと、セックスする……っ」
「……っ」
聡明な彼女が――安易で、下品とさえとられかねない言葉を幼子のような口調で囁いた。
もう我慢はしない。
ここからは、愛おしい女性をたっぷりと蹂躙して、目の前で壊れていく様を見届けるとしよう。
「挿れます」
「え?」
陽乃さんの尻を掴み、照準を合わせる。俺の急な行動に陽乃さんが戸惑うのに構わず、一気に最奥まで貫いた。
結合部から、どちゅ……っと生々しい音がした。
続く。
はるのんでした。
寒さと雪がやばいですね……。僕は車が雪に埋もれて、出勤するときも退勤する時もひいひい言ってました。明日というか今日の出勤もまた苦労しそうですわ……皆さんもお気をつけ下さい。
そういえば、今回の冬コミには行けなかったのですが、何人かの方が僕の名前を出してくれたというのをサークル仲間から聞きまして。やはり何としてでも出向いて、面と向かって皆さんとお話したいなーと思いました。夏は行きます、絶対に!
それでは、今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!