朝目覚めたら、目隠しをされて四肢をベッドの四隅に縛り付けられていた。
全裸で。
目の前にいるのは、恐らく裸体であろう陽乃さん。
やばい。
「さ、比企谷くん」
悪戯っぽい声一つで鼓動が跳ね上がる。心の臓がこの人の手のひらの上で転がされている気がした。
「いっぱい、気持ち良くなってね」
吐息混じりの声が耳朶を打ち、絹糸のような指がそっと首筋に添えられる。
死ぬほど気持ちが良い、という体験は陽乃さんとの行為の中で数えきれないほど味わってきたけれど。
今日は――もしかしたら、気持ち良すぎて死ぬかもしれない。
× × ×
ベッドが軋み、陽乃さんが移動する。俺の身体の左側が軋んだかと思うと、身体の左側面に極上の柔らかさが押し当てられた。柔らかさと張りを湛えた乳房に顔を包まれ、まるで赤子のように抱きしめられている。
「よしよし」
「…………」
頭を撫でられた。
ちょっと恥ずかしい。
「よしよし」
まだ撫でられている。
ちょっと冷静になってきた。
「よしよし」
陽乃さんの声がものすごく楽しそう。何よりです……。
頭を撫でる陽乃さんの手つきはとても優しく、こんな異常な状況下であっても安心してしまう。暗闇の中でうとうととし始めたところで、不意に陽乃さんの身体が離れた。
「う……っ?」
耳たぶをぱくりと咥えられ、身体がびくりと跳ねる。
「あはは、比企谷くんったら分かりやすいんだからー」
頭を撫でられている間半勃ちになっていた肉竿が、一瞬で勃起したことを指摘され一気に顔が熱くなる。「君はかわいいなー……」とやけに優しい声で言われて頭をまた撫でられた。
「ん……ちゅっ、ふぅっ、んんん……っ」
「う……ぉ……っ」
陽乃さんの魅力的な唇が耳たぶの上を滑っていき、耳の中に口付けをしてくる。人よりも長い舌をするりと差し込み、悩ましい息遣いが耳から脳まで浸透してくる。
「んっ……ちゅぴっ、ちゅるっ、ちゅぷりゅ……ふふ、ねえ、先っぽから何か出てるよ?」
「う……っ」
既に先走りの汁が零れ出たことを指摘されて身体が熱くなる。しかしここで一つのことに気付いた。
陽乃さん、もしかしてギリギリまで焦らすつもりか……?
今の場面も、指摘ついでに肉竿を撫で回しそうなものだけれど、今日の陽乃さんは言葉でこそ指摘はすれど決して触れてこない。
……これは……きつい……。
「ちゅぷっ、ちゅぴっ……あはは、ぴくぴくしてる」
俺の意思が勝手に伝わったのか、肉竿が揺れた。
「……ちゅぴっ、ちゅるっ、ちゅるる、ちゅぷっ、ちゅぴっ、ちゅぷ……っ」
「う……ぅっく、うぐ……うぅぅ……っ」
左の耳を丹念に、執拗なまでに愛撫され、今度は右耳を愛撫される。身体ごと俺の右側に移動すればいいものを、わざわざ俺の胸板に豊満な乳房を乗せて、右手を俺の後頭部に回して抱きしめながら右耳を愛撫してきた。
緩慢な動きで耳の外側を撫でていたかと思えば、急に激しい動きで耳の中を固めた舌先で蹂躙してくる。決して安心させない愛撫は同時に全く飽きることがなく、陽乃さんの唇が再び左耳を舐り始め、更に右耳に移っても快感は増し続ける一方だった。
左耳から、右耳。
右耳から、左耳。
「んっ、ふぅっ、ちゅぴっ、ちゅるるっ、比企谷くんのおっきいの、ぴくぴくしてるよ……? かわいいね……んっ、ちゅくっ、ちゅるるっ、ちゅぴっ、ちゅぽっ、ちゅぷりゅ……っ」
「うぐ……あっ、うぐぅぅ……っ」
淫猥な音と共に悩ましい快感が耳から伝わってくるが、刺激はどこまでいっても焦れったく、決して身体の中心まで届くことがない。
艶めかしい言葉で責めながら、陽乃さんは耳だけを何十分にも渡って舐り続ける。
射精欲求に焦がれ続けた肉竿は、暗闇の中で何度も先走り汁を噴きこぼしていた。
× × ×
「……ぷはっ。比企谷くん、目隠しとってもいい?」
「……あ、はい、どうぞ……」
満足気で、疲れていないどころか余計に元気になったような陽乃さんの声に驚く。俺は既にぐったりとしていた。
目隠しも良いんだけど、やっぱり君の顔をみながらしたくなっちゃった――とさりげなく呟かれて心臓がどきんと跳ねながら、視界を覆っていた目隠しを外される。
目に入ったのは、まだ見慣れない天井と電灯、そしてその間に――興奮によりすっかり蕩けて、にっこりと微笑む極上の美人の笑顔。
何万の言葉を交わしても、何千回と身体を重ねても、自分の隣にいることが時折信じられなくなるくらい魅力的な陽乃さんがくすりと笑うと――身体の中心から末端に向かって、煮えたぎるような幸福感が湧いた。
「……比企谷くん、目隠し外した方がおっきくなってるよ?」
「え……っ」
視線を下に向けると、今にも腹に当たりそうなほど反り返った肉竿がびくりと脈打っている。
「お姉さんの顔を見た方が興奮しちゃうんだ、比企谷くんは」
くすくすと笑う陽乃さんを無性に抱きしめたくなるが、今は四肢が拘束されているのでどうすることも出来ない。
陽乃さんはころころと楽しそうに笑っていたかと思うと、不意に妖しく目を細めた。
こちらに覆いかぶさるように四つん這いになり、天井灯の光を遮る。影を帯びた淫魔のごとき肢体は何倍も淫猥に映り、長い睫毛が瞬きの度に揺れる様子に魅入られた。
「ん……っ」
髪を耳の上にかき上げ、陽乃さんがゆっくりと顔を下げてくる。視界が陽乃さんに覆われて、柔らかな唇がそっと重ねられた。たわわに実った乳房が胸板に当たるとむにゅりと形を変えて、互いの乳首が擦れ合う。こちらの口内に悩まし気な吐息を漏らすと、長い舌がにゅるりと伸びて口内を蹂躙し始めた。
「ん……ちゅっ、ちゅぷっ、ふぅっ、んっ、んふぅ……ちゅっ、ちゅるる、ちゅぴ、ちゅろろろ……ちゅっ、ちゅく、ちゅぷりゅっ、ちゅっ、ぢゅるっ、ぢゅるるる……っ」
「……ぉ……ご……っ!?」
両耳に手を添えて俺の顔の向きを自由に変えながら、紅い粘膜が上下の歯の裏表を丁寧に舐め上げ、舌先を擦り合わせ、俺の舌をぱくりと咥えて卑猥な音を立てて啜る。脳内に直接響く淫靡な音と思考を痺れさせる性感に背筋が反り返るが、陽乃さんは器用に体重をかけて俺の動きを封じる。
「……ぷはっ。次は……こっち」
「うぐ……っ!」
ようやく唇が解放されたかと思うと、陽乃さんの舌は俺の口周りを丁寧に舐め取り、次に首筋を舐め始めた。顔を横に向けて喉仏に吸い付き、鎖骨を舐めていく。
「ぅぐあ……っ!?」
乳首に吸い付かれると、反射的に跳ね上がってしまった。陽乃さんは俺の反応を見るとにっこりと笑い、胸板に唇をくっつけて一定のリズムで乳首を舌先で突いてくる。もう片方の乳首にも陽乃さんの手が伸び、人差し指と親指の腹がこしこしとこすってくる。
悩ましい快感に身体が丸まり、自然と腹筋に力が入る。陽乃さんは楽し気に目を細め、口と指で乳首を愛撫しながら空いた手で俺の腹を愛でるようにさすった。
何分経ったのか、何十分経ったのか分からないほどの時間が過ぎていく。いつもなら互いへの愛撫をたっぷりとした上で、とうに交わって何度も絶頂に達しているころだ。
射精出来ないことはもちろんもどかしいが、俺から手を出すことが出来ないために陽乃さんの興奮も高まる一方で、静かに荒げていく互いの呼吸が2人の限界を知らせていた。
「……責めっぱなしも楽しいけど、比企谷くんの反撃が無いのはつまんないな」
陽乃さんが独り言のように震えた声で呟き、女神のように美しくて、悪魔のように恐ろしい笑みを浮かべる。ゆっくりと腰を上げたかと思うと、俺の顔を跨いだ。
脚を開いているためにはっきりと見えた恥裂はぐちょぐちょに濡れそぼっていて、濃密な愛液が顔にぽたりと滴る。美しい笑みとは対照的な、卑猥そのものの匂い鼻腔を貫いた。
陽乃さんがくるりと身体の向きを変え、俺の肩を挟むようにして膝を付く。そしてゆっくりと寝そべり、上下逆さまの状態で身体が密着した。
「んむ……っ」
陽乃さんの淫裂が鼻と口に押し当てられると、熱を伴った甘酸っぱい匂いが強烈に快楽中枢を刺激する。嗅いだだけで射精してしまいそうな濃厚な匂いを篭らせた、鮮やかな桃色をした牝肉が嬉しそうに震えた。
これだけ密着していても、四肢が縛られていると自由に舐る場所も変えることが出来ずもどかしい。
「んん……っ、比企谷くんの、やらしい匂いしてる……っ」
陽乃さんの熱っぽい吐息が亀頭にかかり、限界寸前の肉竿が細かに痙攣する。
「それじゃ、気持ちよくなろっか」
まるで行き慣れた場所へ遊びに行くような気軽さで陽乃さんが言うと、亀頭がくぷりと飲み込まれた。
続く。
お久しぶりのはるのんでした。
はるのんアフター、完全にエロだけなのに本編よりも長くなりますわ……しかし本編も思い返すとエロ率めっちゃ高かった……。
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それでは、今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!