クローゼットの中に居た小町、いろは、結衣の反応により、どうやら他にも侵入者が居るらしいことを知る。一体何処に居るんだ……と辺りを窺うが、気配を読む能力がある訳でもないので全く分からない。円を使えたらなーと生まれて初めて思った。ところで34巻が出るのは東京オリンピックが終わってからだろうか。33巻が4年半ぶりの刊行だったし。
しばらくきょろきょろして、どうしたものかと考えていると。
『そろそろ良いかー』
と言う呑気な声が、すぐ近くから聞こえた。直後、もう1つのクローゼットがかちゃりと開く。
「……陽乃さん……と、めぐり先輩!?」
「比企谷くん、ひゃっはろー」
「ひ、比企谷くん、こんばんは……」
クローゼットから飄々とした様子で陽乃さんが出てきて、その後に続いて何だか気まずそうな顔でめぐり先輩が出てきた。気まずそうな顔も可愛い。
『ふむ、頃合いか』
『そうみたいですね~』
続いて、ベッドの下から平塚先生と由比ヶ浜マが。何だこれ、登場の仕方は完全にホラーだけど何だかすごく馬鹿っぽい。あと二人ともすげえ楽しそうで何か腹立つ。
『……あたしは、別に……っ』
『八幡、裸のままなのはちょっと……』
『何この状況、超ウケるんですけど』
続いて寝室のドアから川崎、留美、折本が入ってきた。ここに入ってくる前に3人がどんな会話をしていたかすげえ気になる。絶対変な空気になってるって。
『……………………………………………………』
そして訪れる。
沈黙。
楽しそうに笑っている人(訳:陽乃さん、平塚先生、由比ヶ浜マ)や気まずそうにしている人(訳:結衣、めぐり先輩、)と何かウキウキしてる人(訳:小町、いろは)と生娘組(訳:失礼。川崎、留美、折本)と……。
「…………」
止まっていた時が動き出し、流れるように布団に包まり、小さな山を作って引き籠っている人(訳:雪乃)。
うむうむ。
よし、落ち着こう。
「これはアレだな、タグ付けされた人物総出演、ってとこだな」
「先輩、落ち着いてください」
「て言うか、あれ? 戸塚は? タグ付けされてたよな?」
「お兄ちゃん落ち着いて、その道に行くにはまだ修行が足りないよ。あと戸塚さんはそもそもタグ付けされてないよ」
2連続でツッコミを受けて、少し落ち着いた。
ふいー。
落ち着け、落ち着け、状況を整理しろ……!
「……誰が首謀者ですか」
「わたしだよ、わたし。皆を呼んでみちゃった」
陽乃さんがそれはもう素晴らしい笑みを浮かべて手を振ってくる。陽乃さんの仕業と聞いて一発で納得してしまうのがこの人の恐ろしい所だ。確かにこのメンバーなら、陽乃さんの知り合いもしくは知り合いの知り合いだから、連絡は容易いのだろう。
「……陽乃さんなら、雪乃の家の鍵を持ってるのも頷けますね」
「……私、姉さんに鍵なんて渡してない……」
布団の中から悲痛な声が聞こえた。陽乃さんに視線を向けると、適当な方向を見ながら口笛を吹いている。こう言う時の口笛って下手なのが相場だと思うんだけど、鬱陶しいくらいに上手い。なんなのこの人。
「どうやって入手したかは……乙女の秘密、ってことで」
そう言って、陽乃さんが人差し指を唇に当て、片目をぱちりと閉じた。強烈に可愛いが、言いたいことは言っておく。
「乙女って……」
「比企谷くん、何か言った?」
「ごごごごめんなさい……」
急に蛇のような目つきで睨まれた。死んじゃいそう。
動きが止まりかけた心臓を懸命にマッサージして何とか持ち直し、改めて尋ねる。
「……こんなことになってますけど。何がしたいんですか?」
「……それはね? …………」
陽乃さんがもったいぶりつつもやって話してくれそうになったが、急に動きを止める。何ぞやと思っていると下腹部に小さな痛みが。
「お兄ちゃんの、流石にちっちゃくなりましたねー」
「この状況でも勃ったままだったら、流石にわたしでも引くよ小町ちゃん……」
「…………」
流石にしんなりしていた俺の分身を、しゃがみこんだ小町といろはが興味深げにデコピンしていた。
デコピンて。
「…………」
無言で2人の頭をチョップした。
「ふおぉ……」
「あうぅ……」
小町の痛がる声が何だか変だが、まあ気にしない。
「それで……どうしたいんですか?」
チョップした2人の頭を撫でながら真面目に尋ねるが、陽乃さんは今のやりとりを見て腹を抱えて悶絶していた。
「……で、デコピン……っ、しかも左右から……ぷらぷらしてる……っ」
「…………」
美人がひいひい言って笑ってるのを見るのも、結構良いものだと知った。
それは良いとして。
「陽乃さん、そろそろ本題を……」
「ああ、ごめんごめん……」
別にめんどくさい事は考えてないよ……と、既に盛大にめんどくさいことをしでかした陽乃さんが笑い、俺と雪乃を交互に見つめた。
「2人がエッチするのを、わたし達も手伝ってあげる」
『!!??』
陽乃さんの言葉に、部屋中の皆――アダルト組とデコピン組を除く――が目を向いて驚く。雪乃は包まった布団ごとびくりと揺れた。
差し当たって……と、陽乃さんが獲物を見る目で雪乃を見る。雪乃は亀のようにそろりと首を出して(可愛い)、恐る恐る陽乃さんと目を合わせた。
「雪乃ちゃん、そこから出ようか」
「姉さん、帰って」
「やーだ。こんな楽しい状況、見過ごせる訳無いじゃない」
「姉さんがこんな状況にしたんでしょ……っ!」
やばい、喧嘩が……! と思った直後、陽乃さんがベッドに足を向けた。
× × ×
陽乃さんがベッドに近付き、縁に腰掛けると、雪乃は再び頭まで布団にすっぽりと包まった。うつ伏せになって丸まっている。
「雪乃ちゃーん、出ておいでー」
「…………」
「出ておいでー? ……出てこないと……」
「……っ」
「……こうだっ!」
「きゃあっ!?」
陽乃さんが突然布団の上から雪乃の背中に抱き付く。雪乃は悲鳴を上げて振り払おうとするが、いくら雪乃が身体を揺さぶったところで陽乃さんはまるで離れない。
「んー、ここかなー?」
「……あぁっ!?」
陽乃さんが布団に手を突っ込んだ直後、甘い声が寝室に響いた。ドアの方を見ると川崎と留美と折本は顔を真っ赤にして顔を両手で覆っている……が、皆指の隙間から覗いている。むっつりめ。俺の腰の辺りから「おっきくなった!」「おっきくなった!」とはしゃいでいる2人にチョップしながら、事の成り行きを見守る。
陽乃さんは「ん、当たり」と嬉しそうに呟く。陽乃さんの腕の位置や雪乃の反応から察するに、雪乃の乳頭が摘ままれたのかもしれない。布団越しに一発で触れる陽乃さんの勘が怖い。
「よーし、お邪魔しまーす!」
「ちょ……うあぁっ!?」
雪乃の力が緩んだ一瞬の隙に陽乃さんが布団の中に潜り込み、取っ組み合いが始まる。一体何が起きているのか分からないが、決着はすぐについた。
布団が陽乃さんにより払われると――雪乃は真っ赤な顔をして仰向けになり、陽乃さんは雪乃の上に跨り、マウントポジションを取っていた。
「ふー……ようやく顔を出してくれたね、雪乃ちゃん」
「……離し……て……っ」
雪乃が必死で身体を捩るが、陽乃さんはロデオに跨るが如く巧みに腰をくねらせて、全ての抵抗を無効化している。腰つきが色っぽいな……と思っていると、またしても俺の腰の辺りから「硬くなった!」「硬くなった!」と聞こえてきた。取り敢えずもう一度チョップ。
陽乃さんは雪乃に跨ったまま、妖しい流し目を俺に送った。
「比企谷くん、良いものを見せてあげる」
「え……っ」
長く紅い舌でぺろりと唇を舐めた陽乃さんが、徐に着ていたワイシャツのボタンを外していき、あっと言う間に脱いでしまう。露わになった黒のシースルーの下着を外すと、暴力的なまでに艶やかな双丘が顔を出した。
陽乃さんが腰の位置をずらし、雪乃の両足の間に座る。戸惑う雪乃の背中に腕を回すと、するりと抱き寄せた。
「雪乃ちゃん……んむ……っ」
「……っ!?」
『っ!!??』
目の前で起きた光景に息を呑む。
上半身裸になって、女神のような肢体を露わにした陽乃さんと。
一糸纏わぬ姿のまま、妖精のような肢体を曝け出している雪乃が。
互いの身体を密着させて、口付けをした。
「んむふぅ……んちゅるっ、んっ、ふぅん……んんんん……っ」
「んーっ! んーっ! ん……んぅん……んんんん……っ!」
雪乃は必死で口を離そうとするが、背中をぴったりと拘束する陽乃さんの腕が離してくれない。豊満な乳鞠がひしゃげて雪乃の乳房を飲み込んでいた。
こちらにも見えるように、陽乃さんが紅く長い舌をちらつかせて雪乃の口内を犯し続ける。ぴちゃぴちゃといやらしい音を幾度となく反芻させると、雪乃の身体から力がぐったりと抜けた。
陽乃さんが雪乃の両手を握る。雪乃は抵抗することなく、陽乃さんにされるがままになる。陽乃さんは嬉しそうに目を細めると、互いの陰部を擦り合わせ始める。陽乃さんが腰をもぞもぞと動かす度にくちゅくちゅといやらしい音が漏れ、雪乃の細い肢体ががくがくと震えた。
呼吸さえ疎かにして食い入るように見つめていると、ごくりと息を呑む音がすぐ近くで聞こえた。見ると、結衣が雪ノ下姉妹に見入ったまま細い喉を鳴らしていた。
「ん……ふぅ……んん……はむっ、ふむぅん……っ」
「んふぅ……んちゅるっ、れろっ、ちゅぴ、ちゅぷ……っ」
「うぁ……っ?」
下腹部を貫く甘い痺れに腰が震える。見下ろすと、さっきまでは楽しそうにはしゃいでいた小町といろはが、俺の足元に跪いて必死で肉竿をしゃぶっていた。小町は竿と玉を懸命に舐めて、いろはは亀頭に舌を艶めかしく這わせている。雪ノ下姉妹に当てられたことは明白だった。
雪乃の舌が陽乃さんの唇に引きずり出されて、まるで剥き出しの性器を愛撫するかの如く啜られる。
「んふぅぅ……んふぅぅ……っ!」
ぶるぶると断続的に身体を震わせながら、雪乃が目から一筋の涙を流す。絶頂が近いのは明らかだった。陽乃さんを見ると、瞳には獰猛な嗜虐の炎が灯っているが、雪乃以上に敏感な身体は雪乃と身体を密着させているだけで絶頂に達そうとしていた。
『…………』
不意に。
手の指まで絡め合った雪乃と陽乃さんが、同時にこちらを見た。
あまりにも艶やかで、あまりにも背徳的で、あまりにも官能的な流し目にごくりと喉を鳴らすと――
『……んふぅぅぅぅぅ……っ!!』
雪乃と陽乃さんの身体が同時に痙攣して、美人姉妹の全身から汗が噴き出した。身体をぴったりとくっつけたままの絶頂は息を呑む程凄絶で、部屋中に甘ったるい牝の匂いが撒き散らされる。
「う……っ!?」
突然下腹部を襲う快感が増して視線を下ろすと、小町が玉を咥えて、いろはは肉竿を亀頭からぱっくりと咥え込み、頬を窄めてぬめった口内でぐちゅぐちゅとしごき上げていた。
「うぁ……っ! これ、やば……っ!」
本来絶対見ることの無かったであろう美人姉妹の淫猥な行為を、目の前で一部始終見届けた上で、小町といろはがうっとりとした顔で口淫をしてくる。もはや我慢出来る訳が無かった。
「出る……っ!!」
「んぐぅぅ……っ!?」
小町といろはの頭を押さえ、いろはに喉奥まで咥えさせて一気に身体の奥から欲望を解き放つ。
――ごぶっ、ぶびゅるるっ、びゅぶるるるる……っ。
「んぐっ、おごっ、んぶ……んふぅぅん……っ」
いろはが涙目で、大量の白濁を喉奥で受け止める。脈動が収まって肉竿を口内から引き抜こうとすると、頬を窄められて尿道から残った精液が搾り取られた。
いろははうっとりとした顔で口の中の精液を咀嚼し、飲み込む。そして力なくにへらっと笑みを浮かべると、床の上にこてんと転がってしまった。
「お兄ちゃん、小町も……っ」
唾液と精液で濡れ光る肉竿の前で、小町が跪いて物欲しそうに口を開ける。あまりの興奮に足腰ががくついてろくに立っていられなかったので、俺は小町の口に挿入しながら、そのまま正面に倒れ込んだ。小町は抵抗することなく従い、仰向けになった小町の口に肉竿をねじ込んだまま、四つん這いの体勢をとる。
「んむぅん……んちゅるっ、れろっ、れるれる……っ」
「お……おぉぉ……っ」
小町のいやらしい口淫の様子と、横に倒れ伏すいろはと、正面のベッドで未だに身体を擦り合わせている雪乃と陽乃さんを見ながら、あっと言う間にもう一度射精をする。
うっとりしている小町といろはの頭をくしゃりと撫でて、よろりと立ち上がる。
「……雪乃ちゃんもすっかり出来上がったし……じゃあ、比企谷くん。雪乃ちゃんと、してみよっか」
「……はい……っ」
心地良い空間に揺蕩っているような気持ちのまま、淫魔の如き甘い声で囁く陽乃さんの言葉に従い、俺はベッドへ歩み寄った。
続く。
500達成しましたーーーーー!!!!!
「500話記念だし、登場人物皆でエロいことをしちゃおう!」と考えていたんですが、その前の流れをきちんと書こうとしたら、記念すべき第500話が自然と雪ノ下姉妹のキャットファイトになってました。あとデコピン。今朝キャットファイトを思い付いて自分でびっくりして、書いている途中でデコピンのくだりを思い付いて再びびっくりしました。
書き始めた時は各ヒロインを書けても5話ずつくらいだよな……なんて考えていたんですけども。気が付けば途方も無い数字になっていました。
「連載を初めて1年と9ヶ月後、お前は雪ノ下姉妹のキャットファイトを書いている」と過去の自分に言ってあげたいという気持ちは微塵も無いです。
皆さんにはこれまで沢山支えて頂きました。最近お返事が出来ていなくて申し訳無いですが、3500件近い感想は全て逐一読ませて頂いています。そして毎回テンションが上がっています。誰よりも「新着感想あり」の通知の喜びを知っている、かもしれません。ありがたい話です。
今回は節目と言う事で、初めての方も常連の方もどんどん感想を書いて頂けるととてつもなく嬉しいです!! あとコメント付きで評価を下さるとまた物凄く嬉しいです!! 正直な欲求!!
今までありがとうございました!!
これからも、どうぞよろしくお願いします(^^)!!
仕事と用事の関係で、恐らく明日明後日と2連休になります! 楽しみにして頂いている方には申し訳ありませんが、ご了承ください!
それでは、今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!