※この作品はR-18です。

俺ガイル 日常の何気ないエロス。   作:高橋徹

596 / 700
☆☆☆W書籍化のお知らせ☆☆☆
 活動報告にて詳しいお知らせをしております! あと5日でデビューします!!!
 よろしければぜひご確認くださいませー(^^)!!


(44)

 家に帰って、ご飯を食べて、お風呂に入った。

 いつも通りの流れ。

 

 でも、親と話をしていてもほとんど頭に言葉が入ってこなかったし、お風呂に入る時も、いつの間にか髪や身体を洗い終えていた。

 

 パジャマを着て布団に潜り込む。

 

 頭の中で、ヒキオとの時間を何回も何回も再生する。

 等倍再生、スロー再生、早送り、停止、等倍再生……。

 

 ヒキオの何気ない仕草、キスをしすぎてちょっと苦しそうに息をするところ、あーしを優しく抱きしめてくれる、意外とがっしりした腕。

 

 一つ一つ、一つ一つ。

 思い出すたびに、心が、身体が、熱くなっていく。

 

「……ヒキオが……あーしの、彼氏……」

 

 誰にでもなく、自分に行なう確認。

 

「……で、あーしが……ヒキオの……彼女……」

 

 頭の中が沸騰するかと思った。うつ伏せになって足をバタつかせる。

 

 これ以上考えると考えると寝れなくなる……と思っても、あーしの頭は今日の出来事の再生をやめてくれない。

 

 ヒキオの唇はちょっとかさついてた。男の人の唇ってこんな感じなんだと驚いた。

 けど、何度も何度もキスをする内に、自分とヒキオとの境界線がドロドロに溶けていくような感覚がして、よく分からなくなった。ただ心地よくて、気持ちよくて、安心して、好きという気持ちがあふれて、止まらなくなってしまった。

 

 キスをやめないなんてわがままだなと思ったけど、ヒキオはきちんと受け止めてくれた。あーしに気を遣ったのか自分も乗り気だったのかは分からないけれど、ヒキオからも積極的にしてくれた。……いや、あれはノリノリだった。途中ちょっと目がギラついてたし。イヤじゃないけど、ぜんぜん。

 

「……あーしって、あんな風になるんだ……」

 

 ヒキオの感触をひとしきり思い出したところで、今度は自分の素振りを思い出す。小さい頃に母親に甘えていた時とさえ比べ物にならないような甘え方。ヒキオと接する身体の面積をほんの少しでも増やそうとしていたかのような、そんな切実な感覚。もっとヒキオに自分の身体を押し当てて、ヒキオのごつごつした身体の感触を味わって、ヒキオの腕にぎゅっとしてもらいたい。

 

――恋人に、あんな風に甘えるんだ、あーしは。

 

 なんとも思ってなかった男子に、何度も励ましてもらって、一緒にいたいと思うようになって、弁当まで作るようになって――好きになるなんて。

 

 また頭の中が沸騰しそうになった。もう爆発しそう。

 

 枕に顔をうずめて、ひとしきり足をバタつかせた。こういうのは可愛い女子がやった方が似合うんだろうな……と思いつつも止められない。

 

「……はぁ……」

 

 仰向けになっても、天井の灯りを遮るように覆いかぶさってくるヒキオの姿を思い浮かべてしまう。ヒキオは見た目よりも身体が重かった。ぎゅうっと抱きしめられるとベッドが軋んだ。苦しいのに、ヒキオにされてると思うといやじゃなかった。むしろ……いや、これ以上考えるとなんだか変態みたいだからやめとく。

 

 ヒキオが覆いかぶさって、口の中をめちゃくちゃにしてきた時の感覚を思い出していると――ふと、へその下がキュンと疼いた。疼いた場所は、ヒキオの感触の中でひときわ強烈な印象が残っているものが押し当てられていた場所。

 

「あれって……アレだよね……」

 

 自分でも何を言ってるんだろうとは思ったけれど、そうとしか言いようがなかった。ヒキオはちょこちょこと気にする素振りを見せていたけど、あーしが反応する余裕もなかったからか、途中から気にせずぐりぐりしてきた。いや、わざとぐりぐりしてきたのかは分からないけど。無意識でぐりぐりしてたとしたらヒキオもかなり変態なのでは……って、ヒキオ『も』ってなんだし。

 

 ああもう。

 

 ヒキオが穿いていたのはジーンズだった。あんな硬い生地を内側から押し上げて、はっきりと伝わるんだからよっぽど大き……。

 

「…………っ」

 

 ダメだダメだダメだダメだ。

 

 ものすごい速度で変態になってる気がする。

 

 掛け布団で目の下まで覆う。見慣れた部屋の天井しか見えないのに、頭の中は相変わらずヒキオを映し出してる。

 

「……これから……ヒキオと付き合うんだから……キスだけじゃ、終わんないよね……」

 

 自分に確認するようにつぶやく。マンガで見たことがあるような、『高校を卒業するまでは手をつなぐだけ』なんていうカップルには……あのキスの時間を考えると、とてもなれそうにない。あーしも、ヒキオも、あれ以上のことをしそうになるのを必死でガマンしてたような気がする。

 

 ヒキオと……あれ以上のこと……?

 

 考えた瞬間、身体の芯が燃え上がるように熱くなった。ヒキオの手の感触を、へその下に当たっていた硬い感触を、もっともっと味わうことになると――そう思っただけで、もうこれ以上熱くならないだろうと思っていた身体がもっともっと熱くなる。なんだか汗まで出てきた。お風呂に入ったのに。

 

「…………」

 

 本当に暑くなってきたから掛け布団を取り払う。そして自分の胸をそっと触った。

 

「ぅあ……っ」

 

 ブラはつけていないけれど、それでも今までと比べものにならないくらい甘い感覚が突き抜けた。自分の手じゃなくて、ヒキオの手を……あの、自分よりもずっと大きくて、ごつごつした手を思い出す。あの手に胸を触られているつもりで、自分の手をゆっくりと動かす。

 

「ん……ふぁっ、はぁぁ……っ」

 

 そっと撫でてるだけなのに、腰がくねくね動いてしまう。知らない、あーしはこんな自分を知らない。一人でしたことはあるけど、もっと淡白だった。なのに、今はちょっとした感触一つで身体に電気が走り抜ける。

 

 怖い。

 怖いけど、やめられない。

 

「んくっ……あっ、んぁっ、はぁぁ……んふぅぅ……っ」

 

 唇を引き結んで悶える。優しく揉んでも、ちょっと指を沈ませても、ぜんぶ気持ちよくなってしまう。ヒキオがあーしの今の反応を見たらいったいどうなるんだろう。獣みたいになりかけて、でも結局なんとかこらえて優しくしてくれそう。考えただけで嬉しくなってしまって――身体の奥に、さらに熱がたまっていく。

 

 パジャマのボタンを外した。

 

「やだ……っ」

 

 2つとも、ピンと立ってしまっている。自分の身体がこんなやらしい反応をする日が来るなんて、想像もつかなかった。ヒキオとするのを想像してるだけでもこんなことになってるのに、本当にヒキオに触られたら……と思った瞬間、身体がビクリと跳ねて、ピンと立っていた2つがさらにむくむくと張りつめた。耳まで熱くなる。あーしは、ヒキオのことを想像するだけでどんどんエッチになっているんだ。恥ずかしいのに嬉しくて、嬉しいのに恥ずかしい。

 

「んくぅぅ……っ!? はっ、はぁぁっ、あっ、んくっ……はぁぁぁ……っ」

 

 膨らみをキュッとつまむと、甘い電流みたいなものが背すじを突き抜けた。キュッ、キュッ、とリズムよくつまむと、身体が勝手に動いてしまう。腰が揺れる。背中が反り返る。へその下が熱くなる。ヒキオのことを考えて……なんだか泣きそうになる。

 

「ヒキオ……ヒキオ……っ」

 

 こんなに情けない声が出るんだな……って驚いた。ほんの少し前まで目の前にいたのに、もう寂しい。もっと抱きしめてもらいたい。もっとキスがしたい。

 

「んっ、ひっ、んくぅっ、はっ、んはぁぁ……っ」

 

 泣きそうになりながら、右手を下着の中にすべり込ませる。脚をこすり合わせてる時から薄々気づいていたけど、下着の中はとんでもないことになっていた。ぬるぬるになってぐっしょりと濡れていて、自分の身体とは思えないくらい熱い。

 

 パジャマの下と下着を一緒に脱ぐ。湯気が見えそうなくらい熱かった場所が、途端にスースーとした。

 

 くちゅ……っ。

 

「んくぅぅ……っ!」

 

 右手の中指を割れ目に沿わせただけで、もう声がガマンできないと分かった。左腕を口に押し当てて、右手をそっと前後に動かす。割れ目に指がほんの少し沈むだけで、熱い液体がどぷ、ごぷっと溢れ出す。自分の身体がどんどんエッチになっていく。怖い。けれど、止められない。

 

「はっ、はぁぁっ、あっ、んくぅっ、んふぅぅ……うぅぅぅ……っ」

 

 ぐちゅ、ぐちゅっとエッチな音がする。割れ目をこすりながら考える。ヒキオの指はもっとごつごつしてる。ということは、いま自分がしていることと同じことをしてくれたら、きっと今よりもっと気持ちいい。いや、そもそも、ヒキオが触ってくれるだけでもきっとあーしはおかしくなってしまう。

 

「あっ、ふぁっ、あっ、あぁぁ……っ」

 

 想像が止まらない。指でこする動きが速くなる。にちゅ、ちゅぐ……っとエッチな音が鳴るたびに恥ずかしくなって、身体の奥が熱くなって、もっと気持ちよくなってしまう。

 

「ふっ、ふぅっ、ふぅぅ……っ」

 

 左手を下半身に伸ばして、そっと皮を剥く。これだけ興奮している状態で触ってしまったら、一体どれほど気持ちよくなってしまうんだろう……という、恐怖と期待が入り混じった感覚。

 

 ガマンできるわけがなかった。

 薄ピンク色をした豆を、たっぷりと濡れた右手で撫でる。

 

「あ……んぅぅぅぅ……っ!!」

 

 気が狂いそうなくらいの波が頭をガンと叩いた。とっさに左手で口を塞ぐ。今まで体験したことのない甘い電流が身体中を暴れ回り、重力を忘れたみたいに腰がふわりと浮く。頭の中が真っ白になる。漏らしてしまったのかと思うほど、たくさんの熱い液体があふれ出してくる。

 

「はっ、はぁっ……うっく、うぅぅ……っ」

 

 身体に力が入らない。とんでもないことをしてしまった気がする。それなのに、豆をこする指が止まらない。壊れちゃったのかと思うほどに腰がヒクヒクと浮く。なんで、なんで止まらないんだろう。ヒキオが、あーしがイっても止めてくれない……とイメージしたからだ、きっと。

 

 あーしがぐったりとしてるのに、ヒキオが熱っぽい目でじっと見つめながらあーしを責めてくる。あーしがなんだかんだでそんな風に、強引にしてもらいたがってると思ってるのかもしれない。やめて、だめ……と言いながら腰を揺らしてるあーしを、ヒキオは責め続ける。

 

「あっ、あっ、あっ、ぅあぁぁ……っ!」

 

 さっきほどではないにしろ、大きな波が二度、三度と押し寄せる。ここでようやく限界が来て、右手の動きも止まった。台風が過ぎ去ったような静寂。部屋の中はこんなに静かだったんだと思い出す。ぐしょぐしょに濡れたシーツと信じられないくらい甘酸っぱい匂いが、今の時間が夢でなかったことを教えてくる。

 

「……全部着替えて、シーツも替えて……もっかいシャワー浴びなきゃ……」

 

 着替えもシーツの替えも全てあったからよかった。あとはジュースをこぼしたとでも言って、いまの内に洗濯機を回してしまおう。

 

「……ヒキオのバカ、変態……」

 

 我ながら、さすがにそれは理不尽では……と思いつつも。

 

 自分の心と身体を占領したんだから、これくらい理不尽なことは言わせてほしいな……などと考えながら、一時的に着替えて、窓を開けて換気して、片付けを始めた。

 明日は用事があって、ヒキオと会えない。

 

 こんなにも明後日が――月曜日が待ち遠しくなるなんて、思わなかった。

 

 

 続く。

 

 

 

 




 ひたすらあーしさんのターンでした。あーしさんが開花していく……!

 今月の21日でこの作品が3周年を迎えます!! わーい!!
 当日の更新は厳しいので、2週間後の更新の際に後書きでしんみりしようと思いますw

 それでは、今回もお読みいただきありがとうございました(^^)!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。