寝室のふすまを開けると、広い部屋の真ん中に布団が一組だけ敷いてあった。用意してくれたのはさっき料理を持ってきてくれた仲居さんだと思うが、ちょっとわかりやすすぎやしないだろうか。
「……わかりやすすぎだし」
同じ感想を抱いた優美子に苦笑し、頭をぽんぽんと撫でる。
「あ、そうだ」
準備は大事、ということで踵を返し、冷蔵庫から飲み物を取り出しておく。500mlの水を4本。2人分だ。水分は大事。
優美子は俺が持ってきた水を見つめ、ぷいと顔を逸らしてしまった。
「……ヘンタイ」
可愛らしい罵りにくすりとする。
枕元に水を置き、行燈型の照明を点けてふすまを閉める。月に雲がかかっていて空は暗く、光源らしい光源は行燈型の照明だけだ。
「なんか、ドキドキする」
布団に脚を流して座った優美子が照れくさそうに呟く。浴衣はふたりとも前がはだけた状態だ。優美子のきゅっと引き締まった肢体に、行燈によって陰影が浮き上がる。影のできた顔はいつも以上に色っぽく、自然と喉が鳴った。
「ヒキオ、興奮しすぎだから」
あぐらをかくと、浴衣の間からにょきりと生えた肉棒を見た優美子がくすりと笑った。
優美子は呆れながらも髪をそっと耳にかけ、唇を重ねてくる。
「ん……っ」
瑞々しい唇と熱い舌の感触に浸っていると、細指がするりと伸びて肉竿を掴んだ。すりすり、しゅる、しゅるしゅる……と優しくいたわるような、それでいてとても淫猥なまさぐりかた。俺も優美子の乳房に手を伸ばす。
「んっ、ふぅっ、あっ、やんっ、あっ、んんっ、くっ、んふぅぅ……っ」
浴衣の内側に手をすべり込ませ、双丘の外縁からすりすりと撫でていく。ほんの数ミリずつじっくりと指の腹をすべり込ませていくと、優美子がたまりかねたように唇を離した。
「はっ、あっ、ぅあっ、……ヒキオのさわりかた、ほんとやらしい……あっ、あんっ……」
「いやか?」
「……わかってるくせに聞くなし」
肉竿をきゅっとつままれた。たしなめ方が可愛いしエロすぎる。
滑らせていた指がぷっくり膨らんだ乳頭に触れると、優美子の整った眉がきゅっとひそめられた。
「あっ、んくぅぅ……っ!」
「声、我慢しなくていいぞ」
「やぁ……はずかし……っ」
「こらえてるときの優美子も死ぬほどエロいけどな」
「な……んくぅぅっ!?」
左右の乳頭を同時にきゅっとつまむと、優美子の嬌声が一段甲高いものになった。晒された首筋にちゅっと吸い付き、ねろねろと舌を這わせる。
「あっ、あっ、やっ、やんっ、だめっ、イっ、ク、イっちゃう、またイっちゃうからぁ……っ」
鼻先が触れ合うほどの距離で優美子が可愛らしく喘ぎ、ちゅっ、ちゅむっと唇を重ねてくる。両手がすがるように肉茎を撫でてきて、なめらかな手のひらに次々とカウパー液が噴き出していく。
「何回でもイってくれ。優美子のイキ顔、エロくて好きだし」
目の前でじっと見つめると、優美子は睨むような、それでいて泣きそうな表情を浮かべた。唇をきゅっと引き結び、がくん、がくんと身体を揺らす。
「イっ……ク、イク、イク、イク、やぁっ、イク……んくぅぅ……っ!」
背を反らし、顔を逸らし、腕で口元を隠してぶるぶると震えた。ちらりと下を見ると、控えめな灯りでもわかるくらい布団が濡れている。ふと横を見るともう一組の布団が置いてあった。ただの予備なのかもしれないが、寝るときはあっちを使う必要がありそうだ。
優美子がぼんやりした顔で見つめてくる。寝起きの表情にも似ているが、今はどこか気だるげな色香をまとっている。髪をかき上げ、全身を上気させた優美子が息を荒らげるさまはたまらなく扇情的だ。
「ね、……このまましてると挿れてほしくなっちゃうから……」
人差し指と親指で肉幹をすりすりとしごきながら、普段ならまず聞けない猫撫で声で囁いてくる。劣情がぐつぐつと煮えたぎる中で、優美子の言葉にはてと首をかしげた。挿れても問題ないのでは……と思ったところで、自分でさっき舐めたいと言ったことを思い出す。
「……ヒキオ。今、忘れてたでしょ」
「うぐっ」
すぐにバレた。ちょっと腰を引いて距離をとろうとしたが、竿をきゅっと持たれているため逃げるに逃げられない。こんな取り押さえ方があるだなんて……!
「……すまん。お詫びに、より丁寧に舐めます」
「……そこは別に、丁寧にしなくていいし。普段からねちっこいんだから」
「今の言い方にムッとしたので、敏感な場所を徹底的に責めます」
「ちょ、ちょっと、それは……きゃっ」
肩を掴んで押し倒すと、優美子が可愛らしい悲鳴を上げて目をぱちくりとさせた。枕に頭を乗せる形。浴衣が広がり、垂れることなく上を向いた瑞々しい乳房や陰毛のしっとり濡れた下腹部までよく見える。
「優美子、今日はいつもの5割増しで可愛く見える」
「いつもは可愛くないってこと?」
「言わなくてもわかるだろ」
「言って」
旅行に来ているからだろうか。ふたりとも普段はこんなこっぱずかしい会話は……してるかもしれない。けれど、遠くに来たことで、いつもよりテンションが上がっていることは間違いない。
「いつもめちゃくちゃ可愛いし綺麗だしエロいけど、今日はいつもの5割増しで可愛く、綺麗に、エロく見えます」
「……なんでパワーアップしてんだし」
優美子がぷいと顔を逸らす。行燈がすぐ目の前にあるため、頬や首筋の赤らみがよく見える。俺も顔が熱いのでおあいこといえばおあいこだが。
優美子の頭をくしくしと撫で、軽くキスをする。すぐに離れようとすると優美子が抱きしめてきた。浴衣の中に手をすべり込ませ、直接背中を抱きしめてくる。
「んっ、ちゅっ、んふぅぅ……ぁんっ、んっ、んふぅぅ……っ」
身体が密着して張りのある乳房がひしゃげているためか、優美子が鼻の奥で色っぽい声を鳴らす。たっぷり舌を絡めてから離すと、優美子はなぜかちょっと照れていた。
「……あーし、テンション上がってるかも」
「ん、そう見える」
「ヒキオもだけどね」
「……そうか?」
「そうだって。いつもより楽しそうだし」
「マジか」
「うん」
お互いのテンションを確認するというシュールなやりとりをしながら、優美子の足元に座る。ひざ裏をつかんで広げると、優美子は頭の横のシーツを掴んで小さく震えた。下腹部に顔を寄せると、濃厚な牝の匂いが熱気とともにむわっと立ちこめた。
「ここ、舐めてもだいじょうぶか?」
優美子の言葉が返ってくる前に、皮をかぶったままのクリトリスをちろりと舐める。
「んあぅぅっ!? だ、だいじょうぶだけど……答える前に舐めるなし」
頭をてしてしと優しくはたかれた。
「さっき敏感な場所を徹底的に責めるって宣言しちまったからな。きちんと責めないと」
「一方的に宣言しただけでしょ……」
優美子が呆れながら、なぜか俺の耳に指を入れてしゅりしゅりと撫でてくる。ぴくぴくと反応すると、優美子がくすくすと笑った。楽しそうで何よりです……。
「あっ、んくぅぅ……っ」
クリトリスにちゅっと吸い付くと、優美子の声が甘く蕩けた。皮の上からちょん、ちょんと小突くだけでも、まるで瞬間的に電気を流されたかのようにびくびくと身体が跳ねる。
肉芽の横に中指と人差指を置いて、そっと剥く。薄桜色をした大きめのクリトリスが顔を出した。
「ね、ヒキオ、今、そこ、ほんとやばいから……ぅあっ!?」
ふっと息を吹きかけると、優美子の背すじがくんと反り返った。
「ほんとにやばそうだな。じっくり責めるとしよう」
「うぅぅ……ヒキオのヘンタイ……っ」
身体をくねらせながら罵ってくる仕草にぞくぞくする。嗜虐心を煽る行動だと優美子は気付いているんだろうか。
「あっ、あっ、あっ、あっ」
クリトリスに連続で強く息を吹きかけると、優美子が壊れたような声を漏らした。ぷっくり膨らんだ肉芽を親指でそっと撫でながら、ぐっしょりと濡れた花びらに口づけをする。
「んくぅぅ……っ! あっ、やっ、だめっ、それ、気持ち良すぎるからぁ……っ」
「それ、ってどれのことだ」
「やぁ……調子、乗るなぁ……っ」
涙混じりの声にぞくぞくする。優美子は口でこそ抵抗しているものの、もっともっととせがむように下腹部を押し付けてくる。花びらを舌でなぞり、膣口にぐりぐりと押し込む。クリトリスへの慎重な責めは続けたままだ。
「あっ、やっ、だぁ……イっ、イク、またっ、すぐっ、イっ、あっ、ぅあっ、はっ、はぁぁぁ……んくぅぅっ!」
優美子の身体ががぐん、と強烈に波打つ。膣肉に埋め込んでいた舌がにぢりと締めつけられた。
「優美子、ほんとにエロい」
「言わなくていいから、ばかぁ……っ」
とろとろになった声で悪態をつきながら、優美子が上体を起こす。後ろ手をついて俺の顔に両脚を巻きつけてきた。
「むぉっ?」
予想外の柔らかな締めつけに間抜けな声を漏らすと、優美子はクリトリスに触れていた俺の手をぺちぺちと弾いた。
「口だけで……して」
唐突なリクエストに驚くが、言われたやり方のほうがお互い興奮する気がした。素直に手をクリトリスから離す……前にもう数回だけすりすりと撫で、優美子の嬌声を楽しんだ後で今度こそ離す。弾力のある太ももに手を添え、膣内をねろねろと舐めていく。
「あっ、んっく、ふっ、あっ、あんっ、あっ、はぁっ、はぁぁぁ……っ」
視界が濡れた下腹部で満たされているので顔は見えないが、優美子は明らかに感じていた。羞恥や抵抗の色が薄れ、積極的にぐいぐいと下腹部を押し付けてくる。かろうじて呼吸をするたびに濃密な牝の匂いが鼻腔に流れ込んでくる。意識が心地良く朦朧となっていく感覚。
「ね、ヒキオ、そこ、吸って、いいから……っ」
掠れた声で優美子が囁いた。目の前にはひくひくと震えるクリトリス。何度もイってさんざん敏感になっている状態でそんなことをしてだいじょうぶか……とは思ったものの、いつになく昂ぶった優美子が言っているのだから問題はないだろう。
肉芽を口に含み、ぢゅっと吸い上げた。
「ぅあっ」
ごく短い声が漏れ、優美子の身体が硬直した。直後激しい痙攣を起こし、また硬直する。
もう一度吸い付く。優美子は声も出さないままにもう一度震えた。もう一度吸い付き、ぐりぐりと舌で押しつぶすように刺激した。優美子は俺の顔を挟む太ももにぎりぎりと力を込めたまま、何度も達した。あるいはずっと達したままだったかもしれない。
「だいじょうぶか?」
太ももの力が緩んだので顔を離す。優美子は俺の質問が聞こえていないのか、後ろ手をついたままでぼーっとしていた。ペットボトルを上気した頬にぺとりと当てると、よほど冷たかったのか「きゃっ?」と可愛らしい悲鳴が漏れた。
「だいじょうぶだけど……やばいかも」
「前半は体調がだいじょうぶってことか。後半は?」
「……あーし、今日、ほんとにエッチになってるかも」
「何を今さらむぉっ」
鼻をつままれた。
「ヒキオ、立って」
「へ? なんで……」
とりあえず立ち上がると、肉竿をぱくりと咥え込まれた。俺が何か言葉を口にする間もなく、亀頭にねろねろと舌を這わせてくる。
「ぉ……あ……ちょ、優美子……っ」
よろけて後ろに1歩下がるが、優美子は頬をすぼめて吸い付いてくる。今すぐにでも口内射精してしまいそうだ。しても問題はないのだけれど、今は猛烈に優美子の中に出したい。顔をつかんでぐぐぐと引き離すと、優美子は最後まで内頬をぴったりと竿に貼り付けて抵抗した。
「さっきのおかえし」
「いや、さっきは優美子からねだってきただろ……」
「……それは気のせいだから」
ぷいと顔を逸らす。思い出して恥ずかしくなったのだろうか。
「今日の優美子はいつになく積極的で最高だと思います」
「なんで敬語だし……」
言いながら、俺が優美子の浴衣を脱がし、優美子が俺の浴衣を脱がす。相手の浴衣を脱がす間に唇、首筋、乳首とキスをしていった。きちんと取り決めをしたわけでもないのに、まるで「こうすることでお互い興奮が高まるよね」と確認するかのような行為。当然、ふたりとも劣情が高まりきっていた。
向かい合って座る。うつむいた優美子の顔は暗くてよく見えないが、まるですがるように肉竿をきゅっと握ってきた。
「……するか」
「……うん」
今までどころか今日これまでもたっぷりしているはずなのに、まるで初めてするときのような期待と緊張が漲っていた。
春休みの温泉旅行をちょっと書いて終わり……と思っていたんですが、広いお風呂とか旅館の浴衣や布団とか、こう、高まるシチュエーションが思った以上にあったもので。
最後の最後、全力も全力でエロを書きます!
<今後のお話>
①平塚先生編(リライト)
こちら、ただいまプロットを練っているところです。以前書いたかもですが、大学生になった八幡と平塚先生が色々とするお話です。
②コミケ本
誰が良いかなーと思っていたのですが、久しぶりにいろはを書きます!!
何気に以前コミケで出したのが3年前の夏なんですよね。遠い昔だ……。
初めてですが、何気ないエロスとは完全に独立したお話を書きます。
ふたりとも大学生で、いろはが小悪魔感全開で攻めてくるちょっと大人なお話です。
コミケが近付いたらサンプルを載せますので、どうぞご期待ください(^^)!
次回の更新は6月2日(日)です!
それでは、今回もお読みいただきありがとうございました(^^)!!