※この作品はR-18です。

俺ガイル 日常の何気ないエロス。   作:高橋徹

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<8月1日追記>
 今月の前半がすこぶる忙しいため、
【30日(日)に2話同時更新】
 という変則的な形をとりたいと思います!
 ドライブ編を最後までお届けする形です(^^)
 楽しみにしていただいている方は申し訳ありませんがよろしくお願いします! 感想いただけるとほんと嬉しいです!!


<お知らせ>
 活動報告のほうで、近況報告などをもりもりっと書いてます! よろしければ覗いてみたいただけると嬉しいです(^^)


(21)

 静さんが見守る中で運転を始めて、いきなり盛大に戸惑った。

 

「……音、こんなにしないもんなんですね」

「ああ、そうだな。私もすっかり慣れてしまったが」

 

 静さんの乗りこなすこのスポーツカーはわけがわからないほど音がしない。レンタカーで使っていた軽自動車との差がすごい。昔プレイをしたレースゲームのごとく走り出したくなる。

 

 それと車体のサイズが掴めない。軽ならば問題なく行けるところでも、フロントが面長な印象を受けるこの車だと盛大にぶつけかねない。慎重に慎重を重ね、マンションの薄暗い地下駐車場をのろのろと進む。

 

「はは、ぶつけたところでさして気にしないよ。私も覚悟の上だ」

「や、そうは言っても……」

「なぁに、大学生の君に金銭的な償いなど求めはしないさ」

 

 横顔に感じた視線がすべり落ちる。人の視線を、生まれて初めて触覚を伴って感じた気がした。

 

「……身体で払ってくれればいいとか言いそうなんですけど」

「ああ、その通りだな」

「堂々としすぎなんだよなぁ……」

 

 この人ほんとサキュバスなんじゃなかろうか。アラサーサキュバスとか、今Twitterでマンガを描いたら普通にバズるだろ。本気でエロいやつでもいいしラノベくらいのほんのりエロでも可。

 

「君がろくでもないことを考えているのはわかる」

「あ、はい、ごめんなさい」

 

 じぃ……っという視線が頬に刺さった。

 

 駐車場を抜けて地上へ出る。助手席に乗っているときならば眩しいなーくらいにしか感じなかったのに、今はすさまじく不安だ。ずっと家で大事に育てられていたのに急に外の世界へ放り出されたような、そんな感覚。教習所でも初めて公道に出るときは死ぬほど緊張したが、今はそのときとは別種の緊張がある。

 

「この辺りは車の通りもほどほどだし、無理に飛ばす輩もいない。目的地もないんだしゆっくり慣らすといい」

「……了解です」

 

 あまり複雑な道に行くのはなぁ……などと思っていると、さっそく優しい言葉をかけられた。こういうところを見ると、この人は本当に先生なんだなと改めて感じる。

 

 サキュバスの先生って、エロくない?

 

「君も性欲が強くなったものだ。いや、元々持っていたものが剥き出しになったのか?」

「読心術でも使えるんですか?」

 

 恥ずかしいなんてもんじゃなかった。心の平穏を取り戻すべく、最近会っていない戸塚のことを考える。ああ、戸塚……。アンソロでがっつり出番があった戸塚……。

 

 いつもは歩くか、静さんの運転で通りかかる街並み。歩いているときの視線の高さ、助手席に座るときの視線の高さのそれぞれを経験してはいるが、運転席に座ると同じ信号で止まったときでも微妙に見えるものが違う。店の奥にあんな商品があったのか、とか。カフェのカウンターでマスターがコーヒーを淹れてるところまで見えるな、とか。ほんの少しの違いがなんだか楽しい。

 

「だんだんリラックスしてきたじゃないか。私も快適だぞ」

「快適……ですかね? 自分じゃ分かんないんですけど」

「教官のような言い方になってしまうが……アクセルもブレーキも穏やかだぞ。私の車を丁寧に扱ってくれて何よりだ」

 

 信号で止まったときに肩をぽんぽんと撫でられる。発車したときに比べれば幾分マシになったとはいえまだまだ緊張の滲む身体。慣れた柔らかな手のひらの感触に思わずびくりとしてしまう。

 

「おっと、すまない」

「いや、俺こそすんません、敏感になってるだけなんで……」

「感度三千倍というやつか?」

「なんでその用語を知ってるんですか……」

「君との性生活のために私なりに勉強しているのさ」

「それはありがたいんですけど、三千倍は勉強しなくてもいいんじゃないですかね……」

 

 静さんがこほんこほんとわざとらしい咳払いをする。どうやら自分で言っておいて恥ずかしくなったらしい。

 

「静さんの顔、いま赤くなってる気がします」

「……見なければわからんだろう」

「シュレディンガーの猫みたいですね」

 

 運転の邪魔にならない絶妙な範囲で腕をてしてしと叩かれた。危うく意識を失うところだった。や、本当に危ないなそれ。

 

       ×  ×  ×

 

 運転そのものは慣れてきて、流れゆく景色を楽しめるようにもなってきた。しかし、静さんが「そういう面」を期待しているのではないと分かっていながらも、「運転するときは男として見られたい」という欲が湧いてしまう。

 

 とはいえその気持ちを芽生えさせるための行動などまるでわからないので、さっき褒めてもらえたときのようにとにかく丁寧に運転を心がけるしかない。

 

「ふむ、すっかり慣れたようだな。上手いぞ」

 

 楽しげに褒めてくれる。ちらりと横を見やると、静さんは窓の外に目を向けていた。

 

「静さんが優しいおかげでなんとかなってます」

「ふふ、それなら何よりだ」

 

 横顔に視線を感じる。もういちどちらりと横を見やると、頬杖をついた静さんが俺を見つめていた。穏やかに目を細め、本当に楽しそうに。

 

「……あの、あんま見られると恥ずかしいんですけど……」

「彼氏が運転する姿を見るのも良いものだな、と思ってな」

 

 ぐぅ、と喉の奥で唸った声が、静かなエンジン音にかろうじて紛れた。

 

「どうした、黙り込んで」

「……わかってるでしょ」

「はて、なんのことだか」

「……てか、どんだけ見るんすか」

「ああ、すまない」

「……そういうこと言うときって普通見るのやめません?」

「はて、夜の君は謝ってもやめることがまずないと記憶してるんだが」

「やめてほしいんですか?」

「いや、そういうわけでは……って、なんで逆に攻められているんだ私は……」

 

 信号で止まると、股間をきゅっと握られた。

 

「運転中に淫行はご遠慮ください」

「それならわざわざ煽るな」

 

 会話が徐々に軽快になる感触。部屋で話すときとあまり感覚は変わらない。

 

「んー、……本当に、なかなか……さまになっているじゃないか」

 

 静さんの声がほんのり熱を帯びる。

 

「……お褒めに預かり光栄です」

「どうしたんだね、そんなにかしこまって」

「いや、なんでも」

 

 車という密室でふたりきり。いつもならとっくにもっと色々なことをしている。

 

 褒められて浮かれた俺が迂闊なことを口にすれば、静さんに車を停めさせられ、今にも飛びかかられる気がした。いや、どこの猛獣だよと自分にツッコみたくなるが、その感覚はあながち間違っていないと思う。

 

       ×  ×  ×

 

 昼食をとったあと、替わろうかと言われたが運転を続けることにした。レンタカーを使っているときはまったく感じなかったが、今は不思議と運転が楽しくなってきていた。

 

 静さんは俺の変わりように目をぱちくりとさせながらも、

 

「疲れたらいつでも代わるからな」

 

 と笑った。

 

 気ままに下道を走り続けると、人通りのぐっと少ない道に出た。信号で止まったときに対向車も後続車もいないような道。

 

「ぅ……っ」

 

 静さんの手が股間に伸び、細指がうねうねと波打つ。焦れったくもたしかな快感を刷り込むようないやらしい手つき。

 

 信号が青に変わる。細指は股間から離れたが、代わりに内ももに触れて動かなくなった。動いてほしい、という淡い期待。

 

 分かれ道が見えた。街のほうへは行かず、人の少ない道を選ぶ。

 

 ふたたび信号で止まった。静さんの手がふたたび股間に触れる。期待で張り詰めてしまっていた。静さんがわずかに驚き、細喉をこくりと鳴らす。

 

 信号が青になる前に、静さんの太ももに触れた。

 

「ぁ……っ」

 

 唇の隙間から漏れるあえかな声。なめらかな指に包まれた勃起が力強さを増す。

 信号が変わってふたたび進みだす。ハンドルを両手で握りなおすと、静さんが名残惜しんだのが気配で伝わった。

 

 視界の端に広い駐車場が見えた。

 

「5分だけ停めます」

「へ? あ、か、構わないが……」

 

 駐車場の一角、周りに誰もいない場所に停まる。戸惑う静さんの太ももに触れ、内側にすべらせる。

 

「うんん……っ」

 

 静さんが顔を赤らめ、お返しとばかりに俺の股間に触れてくる。

 

「脚、広げてください」

 

 静さんが顔を窓の外に向け、おずおずと開いた。タイトスカートがずり上がる。タイツに包まれた脚ががに股になるさまは息を呑むほど卑猥だ。そっと触れた指を太ももから内もも、鼠径部、淫部へと這わせていく。

 

「はぁうぅ……っ」

 

 ショーツとタイツの上から指を押し込むだけで、静さんの下腹部が熱く、濡れているのが伝わった。

 

「静さん、興奮しすぎじゃないですか?」

「そん、な、こと……っ」

 

 顔を逸らす静さんの耳が赤い。タイツの上から陰部を爪でかりかりとこする。かくかくと小刻みに揺れる腰がたまらなくいやらしい。

 

「うぅぅ……うぅぅぅ……っ」

 

 静さんの手が急くように俺のジーンズのチャックを開け、パンツの中に指を入れてくる。たっぷりと溢れた先走りを竿に塗りたくられ、俺の腰もがくがくと揺れる。

 

「はぁぁ……とても硬くなってるぞ……」

「そう、ですね……。……そろそろ行きますか」

「へ……?」

「車が来そうなんで」

 

 静さんが熱に浮かされたような顔で辺りを見回す。実際、俺たちの近くに停まろうとする車がいた。

 

「……やめる気かね?」

「いや、そんな『マジかこいつ』みたいな目で見なくても……」

「みたいな、というか、そのままだぞ」

 

 俺の喉に鼻を押しつけ、すんすんと匂いを嗅ぐ。そのあいだも肉竿を揉む動きは止めない。

 

「ドライブはまだまだこれからですよ」

「打ち切りマンガの最終回みたいなセリフで逃げるな……」

 

 勃起肉をにぢり……と握られる。痛くは感じないぎりぎりの力加減。

 

「どういうつもりだ? 本音を言え」

 

 耳に舌を這わせ、吐息たっぷりの声音で囁かれる。この声だけでも射精してしまいそうだ。

 

「あー……その、運転に余裕が出てきてですね」

「……ふむ」

「ここに停まったのは勢いだったんですけど……このドライブに乗じて、静さんを徹底的に焦らしてみようかと」

「正直すぎだ、馬鹿者……っ」

「どうすりゃいいんですか……ぉっ、あっ、ちょ……っ」

 

 亀頭を手のひらで撫でまわされ、新たなカウパー液がびゅる、ぶびゅるっと噴き出る。

 

 静さんはパンツから手を抜くと、俺に見せつけるように手のひらを舐めた。

 

「……面白い。先に相手を襲ったら負けという勝負のわけだ」

「いや、そういうわけじゃ……」

 

 ない、とは言い切れなかった。静さんの艶姿を見ていたら、俺の理性も歯止めが利かなくなる可能性は充分にある。

 

「……まあ、そういうことにしときます」

「わかった。覚悟しておくといい」

 

 不敵に笑う静さんの脚のつけ根をかりかりとこする。

 

「ふっ、んん……っ」

 

 人差し指の背を噛んで耐える静さんを見て気付く。

 

 これ、静さんの理性を削ると同時に自分の理性も削られるヤツじゃないですかぁ……。

 

 

 

 続く。

 

 

 




 メタネタを一瞬でも入れたのはかなり久しぶりでした。戸塚ー!

 冬コミが中止になりましたね。致し方ないですが寂しいなぁ……。
 新刊は出すはるのん本をふたたび出す予定でして、昨年のいろは本のような続きものにしようかなーと考えています(^^)

 それでは、今回もお読みいただきありがとうございました(^^)!!


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