帰りの電車で座っているときも、静さんと指を絡めて手をつないだ。静さんはほんのひとときでも興奮を薄れさせまいとするように、俺をちらりと見つめては指の腹をそっとしごいた。コートを着ていなければ、下腹部の膨らみが周囲にバレてしまうところだった。
駅から出ると、いっそう厳しくなった夜気が肌を撫でる。けれど身体の芯に灯った熱はまるで冷めることがない。駅からマンションまでは歩いて10分ほど。その時間がたまらなくもどかしく、たまらなく楽しい。
「あ、こら……っ」
コートの上から肉尻を撫でると、静さんが甘えた声でたしなめた。周りにひと気はない。静さんが腕を組み、俺のコートの中に手をすべり込ませた。歩きながら器用にチャックを開け、ボクサーパンツの中に細指を潜り込ませる。
「ずいぶん硬くなってるな……。それに、先が濡れているぞ?」
噴きこぼれた先走り汁を亀頭に塗りたくられ、思わず立ち止まる。
「……静さんもですよ」
タイトスカートの中に指を滑りこませ、下着の機能を果たしていないショーツの上から割れ目をかりかりとこする。
「んん……っ、く、ふぅぅ……っ」
がくん、とひざから崩れ落ちそうになる静さんの腋から腕を挿し込み、乳肉を掬って支える。静さんが泣きそうな目で弱々しく睨んできた。
「……君は本当に鬼畜だな」
細指で作った輪でカリ首を絞めつけ、耳をちろりと舐めてそっと囁く。声が震えているのは寒さのせいではないんだろう。
「寒いですし、早く帰ったほうがいいですよね」
「それならまずこの手を止めなさ……ぁっ、うんんっ、うくぅぅ……っ」
マンションに着くまで、静さんの押し殺した声が途絶えることはなかった。
× × ×
エレベーターに乗った瞬間、静さんの背を壁に押し付けた。目を見開いて固まる静さんのコートの前を開き、ニットセーター越しに胸を触る。
「はぁうぅぅ……っ」
よじった首に綺麗な筋が浮かんだ。ひざががくがくと震えるさまがあまりにもいやらしい。充分に興奮した今は強めの愛撫でも感じるようで、もみくちゃにすればするだけ静さんの声が、表情が甘くなる。
「ひ、比企谷……さっきから、鬼畜にもほどがあるぞ……っ?」
「静さんがエロいのが悪いです」
コートの前を開かれた。お返しとばかりに乳首と股間を爪でこすられる。静さんの部屋がある階までのほんのわずかな時間さえ惜しむように互いの身体を貪る。
ドアが開いた瞬間にふたりともコートの前を閉じた。誰もいないことを確認すると、静さんが俺の股間を掴んで歩き出す。
静さんはせわしない手つきで鍵を開けると、すばやく中にすべり込んだ。俺も入るとすぐさまドアを閉め、鍵をかける。
俺が動くより先に静さんが抱きついてきた。唇が重なる。
「ん……っ、ふっ、んふぅぅ……っ」
顔を傾けた静さんがためらいなく舌を伸ばしてくる。絡めようとする俺の舌をぐりぐりと押す。内頬や歯列を舐められる。お返しに同じことをすると静さんのひざが笑った。
「んっふ、ちゅっ、ぢゅるっ、ひき、がやぁ……はぁぁぁ……っ」
静さんの瞳がどろりと濡れている。髪の毛に細指が差し込まれ、ぞくぞくとした愉悦が背すじを駆け抜ける。
互いにコートを脱がせ合い、床に放る。いつもは丁寧に扱うが、今はそんな余裕がかけらもなかった。
「ひきがやぁ……っ」
囁かれた声はたっぷりと吐息が混じり、夜気で冷えた耳を溶かすような熱を帯びていた。
静さんがするりと腰を下ろす。タイトスカートの中を遠慮なく剥き出しにする蹲踞の姿勢。両手で勃起をこすられて腰がわななく。すばやくベルトを外してジーンズを下ろし、パンツの上からじっくりと撫でてくる。
「ぉ……ぁ……っ」
膨らみの先端には先走りが染みていた。そこへ静さんが愛おしげにちゅっ、ちゅっと何度もキスをして、裏スジに鼻を押し付ける。
「はぁぁ……いやらしい匂いがする……っ」
俺の腰を両手で抱きしめ、睾丸から亀頭にかけてゆっくりと裏側の匂いを嗅いでいく。そのたびにもどかしげに揺れる腰遣いがあまりにいやらしい。
すぐにパンツを下ろすかと思いきや、静さんの手は両の太ももからパンツの中にすべり込んできた。
「おっ、おぉ……っ?」
不意打ちに間抜けな声が漏れてしまう。静さんはいたずら成功とばかりに楽しげに笑い、玉袋や竿の根元をさわさわとまさぐる。
「ふふ……さっき出したばかりなのに、まだまだ入っているな」
玉袋を手のひらで転がしながら目を細め、カリ首の裏側にキスをする。
「あの、静さん……そろそろ……」
「んー? 舐めてほしいのか?」
「いや、こんだけエロいことされたらそりゃそうでっ」
パンツをずるりと剥かれた。勢いよく飛び出た肉槍の先端を、静さんがためらいなく口に含む。
「んっ、んっ、んっ、ん……っ」
ぴっちりと締めた唇にカリ首を弾かれるたびに腰が跳ねる。静さんの鼻の下は、遠慮のない吸いつきによって卑猥なほど伸びていた。肉茎を引っこ抜かんばかりに引っ張られ、さらに鈴口を舌でほじくられる。カウパー液が次々と噴きこぼれて、静さんが大量の唾液とともに美味しそうに嚥下する。
「ふふ、どうした比企谷? さっきからずいぶんと切なそうな顔をしているが?」
小生意気な反論でもしたくなるが、舌を左右に揺らしてカリ首の裏を愛でる艶姿に視線が引きずられ、思考がまとまらない。ドア一枚隔てた向こうはマンションの廊下だというのに、静さんは躊躇せずにぐっぷぐっぽと淫猥な水音を鳴らす。
「んっ、ちゅっ、ぢゅるっ、んっ、ふぅぅ……んふぅぅぅ……っ」
店でたっぷり搾り取ってから、まだ数十分しか経っていない。それなのに、静さんはまるで何日何十日に及ぶ渇きを潤すかのように口淫に耽る。
「静さん……ぉあっ、舐めるっ、のっ、ほんとっ、好きっ、ですよね……っ」
静さんは目をぱちくりとさせると、竿の根元をしごきながら口を離した。何を話そうか考えるあいだも固めた舌先で鈴口をほじくっている。この人エロすぎません?
「そうだな……正直、君のたくましいものを舐めるたびにどんどん好きになっている」
「……エロすぎですって」
艶やかな黒髪を両手で押さえて引き寄せる。静さんは抵抗することなく肉竿を口に含み、顔を傾けて徐々に奥へ奥へと咥え込んでいく。
やがて、亀頭が喉奥にこつりと当たった。
「んふぅぅ……っ、んっ、んぐっ、ふぅぅぅ……っ」
静さんは目じりにほんのりと涙をためながら、自分からゆっくりと顔を右に左にと倒す。俺の腰をキツく抱きしめ、肉竿を口全体で頬張り、愛でる。
「んんん……ぷはっ、はっ、はぁぁ……っ」
たっぷり数十秒に渡って喉奥まで咥え込み、ようやく離す。肉竿は湯気が見えそうな気さえした。竿と静さんの唇のあいだにてろりと唾液の糸が伸び、それがゆっくりと弓の形を描く。落ちる寸前に静さんが手のひらで受け止め、その手で竿の根元をしごきだした。
「おぁっ、静さんっ、それ、気持ちよすぎ……っ」
ほんの少しだけ握る力を強めた指の締めつけ。射精に追い込むことを目的にしているのが、静さんのいたずらっぽい表情からもわかる。
「たくさん出してくれ……」
うっとりとつぶやき、空いた手でぶどうの実のなりを確かめるように、玉袋を逆手で螺旋を描いて撫でさする。続けざまに亀頭をぱくりと咥え込み、温かな口内で舌が亀頭を何周も何周も回る。
「ぐ……うぅぅ……っ」
3ヶ所を同時に責められ、立っているのが不思議なほどに身体が震える。唇と指の隙間から見える肉槍は青筋を浮かべてがちがちに張り詰めている。
柔らかな手のひらに愛でられる玉袋がきゅっとせりあがった。
「静さん……出ます、もう、出る、出る……っ」
竿をしごく手と、亀頭を磨く舌にわずかに力が込められる。ほんの数秒後に、せりあがった白濁が亀頭の割れ目から勢いよく噴き出した。
「んふぅぅぅ……んっ、んっ、んっ、ん……っ」
静さんの目が三日月を描く。根元をゆるゆるとしごきながら、次々と噴き出す精液をためらいなく嚥下していく。そのあいだも玉袋はずっと撫でられていて、鋭い快感と安心感に挟まれたまますっかり搾り取られた。
「……ぷはっ。ふぅ……たくさん出たな」
静さんが満足げに笑う。俺の限界を察してか、さりげなく腰を支えてくれていた。
「さて、そろそろベッドに行こうか」
「……その前に、俺も反撃していいですか?」
肉尻をさすって囁くと、静さんの細喉がこくりと鳴った。
続く。
今年の更新も残り3話になりました。
最後の1回は冬コミ本(コミケはありませんが便宜上こう呼んでます)の一部を掲載します! 年2回のこのやり方もすっかりお馴染みになったなーと。
それでは、今回もお読みいただきありがとうございました(^^)!!