「ひぁぁぁぁっ!」
肉棒を一気に奥まで突き入れると、甘い喘ぎ声が耳朶を打った。
手を繋いだことで、心も身体も繋がりを感じて互いに敏感になっている上に、腰を打ち付ける瞬間に手を引くことでより一層強く打ち付けることが出来るようになったため、雪乃も俺も身体を突き抜ける快感が恐ろしい程高まっていた。
「もう止めねぇぞ……最後まで行くからな……っ!」
雪乃が気をやる瞬間まで射精を我慢しようとして、震える声で告げながら抽送を続ける。
ずちゅ、ぐちゅっ、ずりゅりゅっ、と淫猥な音を立てながら腰を打ち付けると、雪乃が快感であごを反り返らせそうになるが、それでも必死に堪えて俺の顔を見つめていることに気付く。たまらなく愛おしくなり唇を重ねると、
「あふっ……んっ、ふぅんっ……」
甘い声を漏らして、目に涙を溜めながら肉棒を受け入れる。舌を口内に入れると、嬉しそうに出迎えてきた。互いの唾液を混ぜ合い、興奮と愛情を分け合う。甘い唾液の味に酔いしれながら、尚も腰を振り続ける。
「も、もう、イク、ぞっ……出すぞ……雪乃……っ」
「き、きて、きて……八幡……っ」
身体の奥底からせり上がってくるマグマの奔流に身悶えしながら、手を強く握り合って一気に腰の振りを速める。いよいよ射精の瞬間が近付いてきたと思った瞬間、大きく息を吸いこんで全力で亀頭を子宮にめり込ませると、
「ひぁっ……あぁぁぁぁああぁぁぁぁぁ……っ!」
「うぐ……っ!」
雪乃が目を細めて、俺の背中に足を回してぐっと引き寄せながら全身を激しく痙攣させると、肉襞の締め付けが一気に増した。精液を求めるような膣肉の蠕動に、下半身が決壊する。
「で、出る、射精すぞ……っ!」
言った直後に、まるで全身が持って行かれたかのように思える程の強い快楽と共に、大量の精液を雪乃の子宮に注ぎ込んだ。
「あふぁっ! あつっ、熱…い……ひぁぁぁぁぁ……っ!」
どくっ、どくどくっ、ごぶっ、びゅるるっ、どくどくどくっ……。
終わりの見えない脈動で幾度と無く白濁液を注ぎ込む。既に何度も膣内で射精していたこともあり雪乃のお腹はぽっこりと膨れて、膣口からは白濁液がぶびゅっごぶっと卑猥な音を立てながら溢れ出していた。
「あっ、あっ、あっ、は……はち、八幡、八幡……」
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、雪乃、雪乃……」
繋がったまま、雪乃と抱き合う。
雪乃は失神こそしなかったが、その下腹部からはちろちろと液体が溢れ出していた。
「……ゆっくり休んでろよ」
「……ええ、お言葉に甘えて、そうさせてもらうわ」
元々体力が無いのに、更に敏感になった身体で行為に及んだのだから、その負担は相当なものだったろう。穏やかに微笑むと、間も無く雪乃は俺の腕の中ですやすやと寝息を立て始めた。
× × ×
雪乃の身体を拭いて、今出来る範囲での後片付けをした。一応雪乃が寝ているすぐ横にペットボトルを置いておく。
すやすやと寝息を立てている雪乃の寝顔は、満足して眠っている猫のように無邪気で可愛らしい。
「……………………」
……………………。
雪乃の横のベッド際に腰掛けて、考える。
……今までずっと苗字で呼んでたのに、急に名前呼びって恥ずかしくないですか?
「……………………」
……あああぁぁぁぁぁぁぁ! よく考えたらさっきのすんごい恥ずかしいじゃん! めっちゃ恥ずかしいじゃん! うおあぁぁぁぁぁぁぁ!
顔を手で覆い天を仰ぐ。それでも尚恥ずかしい。恥ずかしい。恥ずかしい!
おい、おい、俺。
何急に名前で呼んでんの? ああもう恥ずかしい! 穴があったら入りたい! そしてやたらめったら穴を掘って地下空間を作って自活出来るようにしたい! そしてあまつさえ俺のような恥ずかしいことをしでかした穴があったら入りたい人間を集めて一大帝国を作りたい。やだ、俺ったら働き者……。
や、そうじゃなくて。
ああもう俺はこれからどうしたら良いんだ。恥ずかしくなったら「ゆきの……した」とかって言って誤魔化せば良いのか。絶対怒られるよどうしよう。ああもう恥ずかしい。私は貝になりたい。そして黒木場に美味しく調理されたい。調理されちゃうのかよ。
「……ん?」
これから送るであろう恥の多い人生を思って死にかけていると、ふと手が温かいものに包まれた。振り返ると、雪乃が目を覚まして、俺に手を重ねていた。
「おう。目ぇ覚めたか」
「ええ……色々片付けてもらって悪いわね、ありがとう」
「ああ、気にすんな。大したことじゃねぇし」
大したことあるのは名前呼びの方だしね。雪乃が忘れてくれてたら良いんだけど……なんで手をにぎにぎしてるのん?
雪乃は繋いだ手を見つめて目を細めると、俺に目を向けていたらずらっぽく笑った。
「それで、あなたはこれからもきちんと名前で呼んでくれるのよね?」
あかん。逃げられない。
でも、ちょっと粘る。
「何のことだ?」
「ここに来てとぼけるとは、いっそ清々しいわね……」
「俺はいつだって清々しいぞ。どろどろしたものなんてのは対人関係で生じるもんだろう。だからぼっちの俺はいつだって清いんだ」
「あなたが清いというのは勘違いも甚だしいけれど……清い水に魚が住まないのと同じで、あなたの周りに人が寄り付かないという意味では正解ね」
「おい、俺のどこか清くないって言うんだ」
「性癖」
「んぐぁっ」
喉の奥で変な音が鳴った。
「それで、あなたは私の名前を知ってるのかしら?」
さっきのお返しと言わんばかりの、気持ちの良い笑顔。ええ、とっても素敵だと思いますよ、その勝ち誇った顔。
「何だその意地の悪い聞き方は……」
「あら、私は意地悪くなんてないわよ。攻めるのが好きなだけ」
「意地よりもたちが悪いな……」
さっきまでの行為が行為なだけに、いつも通りの会話もどこか不思議な気分になる。
頭をがしがしと掻きながら、雪乃の手を握り返す。
「まあ、アレだ。3回に一回は呼べるように努力するわ」
言うと、雪乃がやれやれとこめかみに手を当てた。寝ながらやるとシュールだな……。
「……バカ」
「……おっしゃる通りで」
「……ボケナス」
「……全くもってその通りです」
あれ、これ、前は雪乃が恥ずかしがって途中でやめたやつか? ここで名前を呼ぶやつか……?
これから恥ずかし攻撃に覚悟に対する覚悟を固めていると、
「……うおっ?」
突然背中に柔らかなものが押し当てられて動揺する。振り向くまでもなく、抱き付かれているのだと分かった。
雪乃の声が、耳からほんの数cmの所で聞こえてくる。
「八幡」
「お、おお」
耳元でこの綺麗な声に囁かれると、頭の中が甘く痺れる。たどたどしい返事をすると、くすっと笑う声がした。
そして抱きしめる力が強められ、雪乃の柔らかな唇が耳に押し当てられる。
「好きよ」
甘い声で囁いて、手で俺の顔の向きを変えて、唇をそっと重ねた。
「…………っ」
今なら死んでも良い、なんて言葉がふさわしい時なんて人生にあるのかよと思っていたけれど。
今が正にその時だった。
俺、今超死ねる。うそ。やっぱ死にたくない。超生きたい。
頭の悪い喋り方になるくらいに浮足立っている。
雪乃は口付けをするなりぱっと離れて俺に背を向けて正座し、ぱたぱたと顔を扇いでいる。
「あーっと、その、えーっと……」
バイトの面接なんて比較対象にならないくらいに言葉が出てこない。
どうしたものかと途方に暮れていると、雪乃がこちらを向いて、自分の隣をぽんぽんと叩いた。その顔はまだほんのりと朱に染まっている。
「さあ、ほら、一緒に寝るわよ」
ほーん?
「え」
「あなたが、今私が言ったのと同じことを言えるようになるまでしつけなきゃいけないから」
「や、何でお前は俺のブリーダーみたいになってんだよ」
言うと、雪乃が不思議そうに首を傾げた。
「違うの?」
「なんでさも当然であるかのように振る舞ってんだ……」
おかしいにも程があるし、その顔やたら可愛いしマジで何なんだこいつは。
ぐぬぬと唸っていると、雪乃が寂しそうに眉根を寄せた。
「……それとも、本当にだめなのかしら、一緒に寝るのは……?」
「うぐ……そ、それはずるいだろお前……」
言いながら雪乃に目をやると、本当に寂しそうで罪悪感湧くし押し倒したいしで大変。とっても大変。
頭をがしがしとかいて、観念する。
「ほら、寝るぞ」
言うと、雪乃が幸せそうに頬を緩めた。
「ええ、ほら、いらっしゃい」
「ここ一応俺のベッドなんですけどね……」
小さな反抗をしつつも、雪乃が広げた毛布の中にすぽっと入り込む。
「……おやすみ」
「ええ、おやすみなさい」
挨拶をすると、雪乃が俺に身体を寄せ、穏やかな表情で目を閉じた。特訓の話をもう忘れたのかと思ったけど、恐らく目を覚ましたらきっちりやらされるんだろう。マジで恥ずかし過ぎて死んじゃうとは思うけれど、まあ、可愛いにも程があるってくらい可愛いから別に良いか。
そう思って、毛布の上に掛布団をもう1枚掛けて雪乃を抱きしめて、蛍光灯のスイッチを消した。
「……すぅ、すぅ、すぅ……」
「…………」
寝るのはえぇな、おい。
しかしその幸せそうな寝顔は、ずっと眺めていたい程素敵だ。
柄にもねぇなぁと思いつつも。
俺、結構幸せなんじゃねぇか?
そんな風に思った。
お終い。
平和で、甘っっっ々なお話でした。
このゆきのん編は第1話をちょろっと考えた後、他のヒロインだってまだそんなに書いてないんだからしばらく連載は始めまい……と思っていました。
しかし、日が経つにつれ「このゆきのん可愛くね!?超見てほしい!」と強く思い始め、結局我慢出来ずにすぐ書き始めました。何気に連載開始3週間くらいから始まってまして、このエピソードを連載開始した後に始まったエピソードでは
①小町
②ガハマさん
③いろはす
④平塚先生アフター
⑤小町アフター
が連載終了しているという。ガハマさんといろはすも長丁場でしたけどね。
なので、恐らくゆきのん編が一番文の書き方の変化の影響を受けていると思います。烈火の炎くらい(前も言った)。
章タイトルから「(連載中)」の文字を除く寂しさといったら、もう、もう、もう!
ゆきのんは続編もちょこちょこ書こうと思っているので、どうぞご期待くださいませ(^^)
pixivだとゆきのん人気が分かりやすいんですけど、ここだとかなりの皆さんがどのヒロインのお話も読んでくださっていて、正直誰が人気なのかいまいち分かりません笑みんな好きで良いよなと思います(^^)
一言。
ゆきのん可愛いぉあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
ふぅ。
<お知らせ>
Twitterアカウントもあります。
高橋徹
takahashi_toru_
お休みの際はこちらで伝えることもあるかと思いますので、よろしければぜほフォローの方よろしくお願いします(^^)!
嘘予告と宣言した上で何か次回予告を書いてみようとしたんですが、取り敢えず浮かんだのが「平塚先生とルミルミが八幡を奪い合うガチ勝負をする」という悲惨極まりない内容でした。あかん。
それでは、また明日ここでお会いしましょう(^^)!
今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!