駅前の広々とした駐車場に車を停めて、歩くこと5分。
「ここか……」
Googleマップを見て、目的地に着いたことを確認する。
たどり着いたのは、住宅街の中にひっそりと佇む小さな公園だった。周りは背の高い木々に囲まれていて、マンションの上階から双眼鏡でも使わない限り見えることはない。なおかつ公園の前の通りは小さなもので、昼間こそそれなりに人通りはあるだろうが、夜になると人っ子ひとりいない。家族で住んでいる人が多いのかもしれない。
「これなら大丈夫そうですね」
「あ、ああ、そう、だな……」
静さんが両手でコートの前をしっかりと閉じてつぶやく。いつもの凛とした立ち姿からは想像もつかない猫背。背中を撫でると「ひゃんっ」と可愛らしい声を漏らし、二の腕に頭突きをしてきた。はいはい可愛すぎて死にそう。
公園内は薄暗かった。小さな通りの街灯と、同じく通りにある自販機の光が公園内をかろうじて照らしている。
「人がいないか、念のため確認しましょうか」
「そ、そうだな、うん……」
コート姿で背を丸めた静さんは、一見すると寒さに震えているように見える。けれど俺はコートを車に置くくらいには余裕があるし、静さんの顔も火照っている。昼間は親子連れでにぎわうであろう空間で、ひりつくほどの熱を帯びたふたりが歩いている……という状況が不思議でしかたがない。
「人は……いないですね。じゃあ、コートを脱ぎましょうか」
静さんがぴたりと止まる。マンションのベランダを開ける音さえ聞こえそうなほど静寂に包まれた空間で、静さんの細喉の音がたしかに聞こえた。
静さんが俺の目の前に立ち、コートをするりと脱いだ。車の中で見るのと、夜とはいえいつ人が通るとも知れない公園で見るのとではまるで感覚が違う。ふたりの間に漂う緊張感が一段と高まった。
「……コート、とりあえずこっちに置いときますね」
ベンチの背もたれにコートを置いた。静さんはうつむいて顔を上げようとしない。
かすかに風が吹き、街路樹がざわめいた。
「ひゃ……っ」
いつもならまず聞くことのないか細い悲鳴。静さんが自分の腕を抱いて縮こまる。
「寒いですか?」
抱きしめ、背中をさする。腕の中で静さんが色っぽく身をくねらせた。
「大丈夫だ……寒くはない。……寒くはないが……」
「恥ずかしいんですか?」
背中をさすっていた手を下に滑らせ、ミニスカート越しに肉尻を撫でる。
「うんん……っ。こ、こらぁ……はっ、んっく、ふっ、んくぅぅ……っ」
静さんの手が俺の背中と下腹部を撫でる。内股になってがくがくと震えるさまに息を呑む。元々感じやすい身体だったが、今日はことさら敏感になっている。薄布越しに尻を撫でるたびに胸元で甘く喘ぎ、熱い息を喉に吹きかけてくる。
「どんだけ興奮してるんですか」
ほんのりと蔑みを混ぜた声音。静さんがびくりと跳ね、「うぅ……」と泣きそうな声を漏らす。
スカートの裾をつまみ、果物の薄皮を剥くようにゆっくりとめくっていく。
「ぁっ、あっ、あぁ……っ」
ショーツも穿いていない、滑らかな豊臀が露わになる。
「寒くないですか」
「寒くない……むしろ、暑いくらいだ……っ」
静さんの呼吸がせわしなくなっている。俺の背中と下腹部を爪でかりかり、かりかりとこすり、寄る辺を求めるように胸板に顔をうずめる。
肉尻を両手でわしづかみ、谷間に指を這わせた。
「うぁ……はっ、はぁぁ……っ」
不意にくちりと鳴る音。両手の人差し指が、たっぷりと潤んだ熱い割れ目に触れていた。
「濡れすぎですって……」
「……今すぐ挿れてくれてもいいんだぞ?」
「それじゃここまで来た意味がないですよ。……じゃあ、ぜんぶ脱ぎましょうか」
風はやんでいた。静さんの息を呑む音がふたたび聞こえる。
その場で脱ごうとしていた静さんの手を引く。街灯が比較的届きながらも、通りやマンションの入り口からも遠い絶妙な場所を選ぶ。静さんはためらっていたが、俺の顔を見て抵抗するだけ無駄だと悟ったのか、両腕を交差させてニットワンピの裾をつかみ、一気にめくりあげた。
薄暗い中で見る恋人の裸は、ここが公園であることを忘れさせるほど強烈だった。
気温は10℃台半ばといったところだろうか。真冬ほどの寒さではないとはいえ、夏のような軽装では確実に震えるような気温だ。
けれど静さんの身体に鳥肌は見られない。それどころかうっすらと、しかし確実に火照っているのが見て取れた。乳頭はすでに膨らんでいる。恥ずかしそうに身をよじるが、乳房も陰部も隠そうとはしない。
「……めちゃくちゃ綺麗です。あとエロい」
ニットワンピを手早くベンチに置き、静さんの頬にそっと触れ、耳を撫でる。それだけで静さんがひざから崩れ落ちそうになった。
「大丈夫ですか?」
「あ、あぁ、大丈夫だ……っ。あ、で、でも……やっぱりだめかもしれない……っ」
俺の肩をつかんで息を荒らげる。艶やかな黒髪から漂う甘い匂いも、上気した肌も、じっと見つめてくる濡れた瞳も、この人がどうしようもないくらいに女であることを突き付けてくる。下腹部が張り詰めすぎて痛い。本能が「早く犯せ」とがなりたてる。
「どんどん感じやすくなってませんか……?」
喉や肩、鎖骨、お腹と撫でていく。静さんは甘く喘ぎ、身をよじるばかりだ。
「はぁぁ……ひ、比企谷……これ、は、だめだ……っ。歩ける気がしない……っ」
内股になって縮こまる静さんの肩を掴んで立たせる。乳房をわしづかみにして、唇を奪った。
「んぶ……んっ、んぐ、ふっ、んふぅぅ……っ」
静さんは降参と言わんばかりに俺の肩をタップするが意に介さない。舌を啜り、膨らんだ乳頭を指でしごく。くぐもった喘ぎがより切実に、艶っぽく変わっていく。俺の肩を叩いていた手が続いて二の腕をつかみ、それから豊乳を絞る手に添えられる。それでもやめない。乳肉の頂を念入りにこねくり回した。
「……ぁ……ぁ……っ」
静さんの顔は蕩けきっていた。屈んで静さんの太ももに口づける。ほんのりと甘酸っぱい愛液が、おもらしをしたかのように伝っている。
「今日はただ歩くだけじゃないですからね。準備もしてくれたんですよね」
静さんが何かを思い出したように目を見開き、恥ずかしそうに顔をそむける。
「……ああ、準備したとも。……君は本当に変態だな」
ぽしょりとつぶやき、拗ねたようにキスをしてくる。肉尻を掴んでぐにぐにと揉みしだき、両手の人差し指を割れ目より少し上の肛門に這わせる。
「んくぅぅ……っ」
「道具を使うだけですし、まあなんとかなると思いますよ」
「それは……まあ、君のものよりは凶悪でないとは思うが……こんなところで、と、思う、と……はぁうぅぅ……っ」
愛液をまぶした人差し指の先をアナルにつぷつぷと入れると、静さんが腰砕けになる。
「うおっ?」
準備をしようと手を離したとたん、静さんがすばやくしゃがみこんだ。固まる俺をよそにチャックを開け、パンツをずらし、外気に晒した肉茎をぬるりと咥え込む。
「んっ、んっ、んっ、ん……っ」
「ぅっ、くぁっ、ちょ、静、さん……っ」
静さんは何度か顔を前後させてすぐに口を離した。
「よし……これなら、君にいつ襲われてもおかしくないな」
いたずらっぽく笑い、肉茎をなんとかパンツにしまい込んでチャックを閉める。
「……襲ってほしいんですか?」
「どちらでも構わないさ。別に今日1回で終わることでもないし、君が獣になって、こんな場所で本能のままに私を犯すというのも一興だよ」
「静さんは……本当にエロいですね」
「元々素質はあったのかもしれないが……まあ、大半は君のおかげだ」
さ、準備をしてくれるか……と囁き、俺の股間をぽんぽんと撫でる。
今はいたずらっぽく笑っている静さんの顔が、このあとどんなふうに変わるのか……想像するだけで背すじがぶるりと震えた。
続く。
それでは、今回もお読みいただきありがとうございました(^^)!!