※この作品はR-18です。

俺ガイル 日常の何気ないエロス。   作:高橋徹

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1.

 翌日。

 朝、学校を出るまで、それはもう間抜けに映るであろうくらいに、ぽけっとしていた。

 昨日は結局、ソファから離脱した後も小町の笑顔が頭の中を回って、なんかもういっぱいいっぱいだった。

 何これ、思春期?

 学校でもぽけっとしていると、由比ヶ浜に心配され、雪ノ下にバカにされ、戸塚に心配されて危うく全力で抱きしめそうになって、材木座ははぽーんとか言ってるのがウザかったので流した。戸塚は可愛いなぁ……。

 家に帰ると、既に小町の靴があった。どうやら先に帰って来ていたようだ。

 コートを脱いで鞄を置いて、さっさと着替える。

 炬燵に入って、ひとまずこたつむりと化す事にした。

 考え事が多すぎて、頭がまとまらない。

 や、考え事って言っても、一つしか無いんだけど……。

 それにしても、あのクッションを買わなくても、この悪魔の機械一つあれば簡単に我が家は全滅すると思う。

 母親と親父はまともに利用するタイミングはあまり無さそうだけど。つまり、俺と小町だけダメになる。

 ぬくぬくだにゃーなどと思っていると、愛猫のカマクラがよたよたとやって来た。

 そしてノータイムで炬燵にすぽっと入る。流石だなお前は……。

 炬燵の中でだらけているカマクラをもみくちゃにしていると、リビングのドアがガチャリと開き、小町がやって来た。

 「ふいー、ちょっと休憩~……」

 どうやら部屋で勉強していたようだ。集中していて頭をがっつり使っていたと一目で分かる疲れ顔をしている。

 上は長袖なのだが、下は何故かショートパンツ姿だ。え、なんで?寒いでしょ?

「おう、お疲れ。コーヒー飲むか?」

「飲む~……」

 服装にいちいち口を出す小うるさい兄になるのもいやなので、敢えて質問はしなかった。

 小町と入れ替わりに炬燵を出て、コーヒーを淹れるためキッチンに向かった。

 

「ほれ」

「ありがと~。あ~、沁みるね~」

 中3でそんなババくさいことを言うな。ん、ジジくさいか?どっちでも良いな。

 再び炬燵に入り、小町がいる面の右側の面を陣取る。

 小町はコーヒーをくいっと満足気に飲み干すと、うつ伏せに寝転んで雑誌を読み始めた。また偏差値の低そうな記事を……。

 再びだらけようと足をだるーんと伸ばすと、足に柔らかいものがぶつかってきた。

 ははーん。さては、またカマクラだな?

 前はそれで小町かと勘違いして内心恥ずかしい思いをしたから、もう騙されないぞ。それにカマクラがさっき炬燵に入ったのを知ってるんだしな!

 ――と、思っていたら。

「……あれ」

 小町にも聞こえない程、小さく声が漏れた。

 カマクラが、炬燵の外に出てソファでのびーっと伸びをしている。

 ……んん? じゃあ、この柔らかいものは……。

 今こうやって考え事をしている間にも、足に絡み付いてきてやたらとどきどきする。

 ちらっ、と左にいる小町を見た。

「……」

何も言わないまま、俺の視線に気付いたのか、流し見るように俺の事をちらりと見た。

ああ、この表情は、まずい。

そんなに何度も見た訳ではない。

だけれど、普段の小町のキャラからは考えられない程の艶っぽい顔。忘れる訳がない。

今はほんの一瞬、しかも横顔が見えただけだけれど、さっきまでのリラックスムードが一瞬で吹っ飛んだ。

足に絡み付いているものが、徐々に近付いてきて、手でも触れられる位置まで近付いて来た。

どくん、と心臓が跳ねる。

「……あー、小町。勉強はどんな感じだ?」

 さして意味も無い会話を振りながら、小町の生足をさする。

「……あぅっ……」

 ショートパンツ姿なのは、もしかしてこの為だったんじゃないかと邪推してしまう。もしそうだったとしたら正直理性がやばいけど、外れてても当たってても恥ずかしいので聞けない。

 小町の様子を窺うと、雑誌をめくる手が止まり、ふるふると震えている。

「まあ、それなりかなー。試験直前までどれだけ頑張れるかどうか、って感じ」

 他愛も無い問に対する、他愛も無い返事。

 しかしその声は、かすかに上ずっている。

「そうか。ああ、そう言えばこの間、雪ノ下と由比ヶ浜がな――」

 さっきとはまた別の、これまた他愛もない会話を始める。

 今度は、小町の左足を少し引っ張ってこちらに引きずり込んで、ふくらはぎをつつつっとなぞった。

 「あぐぅ……へ、へえ、そうなんだ……ひっ、ひんっ」

 小町はもはや雑誌を手に取っている余裕さえないのか、雑誌を脇にやって、拳を握ってぷるぷるとしながら、必死で会話に応じている。

 その様子に、ぞくりと背筋に走る何かを感じた。

「そうそう。それで――」

 話を続ける。

 話の内容は何でも良いのだ。

 ただ、いつも通りの兄妹を演じながら、決して口に出さずに淫猥な行為に及んでいると言う今のこの状況が、たまらなく楽しい。

 小町のふくらはぎをさすりながら、時折足の裏をつつつっと撫でる。

 触れ方を変える度に、小町は面白い程にびくびくと身体を反応させ、熱っぽい目でこちらを見て来る。

 カマクラは気付くとリビングからいなくなっていた。

 テレビも元から点けていなかったため、俺たち二人が何も喋らないと、家の前をたまに通り過ぎる車の音と、時計のかちっかちっと言う針の音しか聞こえてこない。

 耳を澄ますと、小町の荒く深い息遣いが聞こえて来る。

 うつ伏せで震える小町の足を、何度も何度も、ねちっこく撫で回す。

 いつの間にか小町は、顔も完全に伏せて「あうぅぅ……」と小さく呻いていた。

 

 

2.

 ひとしきり撫でると、小町が不意に振り向いた。ああ、このお楽しみ時間も終わりか――などと思っていると。

「あー……お兄ちゃん、そっち行っても良い?」

 ……なんだって?

 小町は俺の隣に入ろうとしているらしい。

 更に続けて良いのかと、胸が高鳴る。

「別に良いぞ」

 言うと、炬燵の掛布団を捲り上げて、左側を空けた。

 

「……んぁっ、ひんっ、うぅっ……」

 小町の甘い声が、耳元で絶え間なく聞こえる。

 俺の左隣を陣取った小町は、胡坐をかく俺の股座に右足を伸ばし、「どうぞお好きなように」と言わんばかりの体勢になった。

 それに甘えて、さっきとは違い今度は両手で小町の足をさする。

 左手は小町の足の太腿を、右手はふくらはぎを、好き放題撫でて、揉みほぐす。

 小町はまるで抵抗する様子を見せず、俺に肩を寄せて体重を預け、甘えるように顔を俺の耳元にすり寄せている。

 耳にかかる熱い吐息と甘い喘ぎ声が、理性をゆっくりと焼き溶かして行く。

 ……なんでこんなに興奮するのん? 服を脱いでもないのに!

 太腿をさする手が、自然と、求めるように、足の付け根に向かって行く。

「あぅっ、あっ、そこっ、あっ、あっ……」

 戸惑う様子を見せながらも、まるで止めてこない小町の様子を見て、更に気分が爆発的に高揚して行く。

 視線を小町に向けると、はたと目があった。

「……」

 互いに無言。

 だけれど、それは気まずいが故のものではない。

 距離が、近い。

 それはもう、今にも唇と唇が触れてしまいそうな程に。

「……お兄、ちゃん……」

「小町……」

 互いを呼び合う。

 何百ではきかない程に呼ばれ慣れたはずのこの言葉が、やけに耳朶を打つ。

 ああ、これはもう、無理だ。

 我慢なんて、出来ない。

 小町の吐息が唇に触れる程の距離まで近づくと、互いに少しだけ首を傾ける。

「――――――」

 

 

3.

「……ぷはっ」

 息が持たなくなり、名残惜しむように唇を離す。

 時間にすればほんの10秒程度で、普通ならその程度の時間息を止めていたくらいでは何ともないのだけれど……尋常じゃないくらいに興奮状態にあったのか、すぐ息切れしてしまった。

 それは小町も同じだったようで、まるで短距離ダッシュをした直後であるかのようにはっはっと息切れをしている。

「……お兄、ちゃん……」

 ……やばい。

 そんな潤んだ目で見ないでくれ。心臓が爆発しそう、と言うか、もう、した。粉々に爆砕した。誰かペアを!

 ふと、時計を見る。小町が炬燵に入ってから、結構な時間が経っていた。

「……あー、もう結構時間が経ってるな。そろそろ勉強に戻った方が良いんじゃねえか」

 言うと、物凄く切なげ顔をされた。

「……あ……そ、そうだけど……でも……」

 小町の勉強面を気遣いたいのか、ただ俺の心の準備が全く間に合ってないが故の時間稼ぎなのか。

 それは、正直分からないけれど。

 それでも、ちょっと今はやばい。まだ。

 ……ほぼ後者だな、これ。

 とにかく、今は一刻も早く小町のこの切なげな顔を何とかしたい。

 頭をがしがしと掻いて、小町の肩に手を回す。

「あー……その、なんだ、俺は明日もこの時間に炬燵でだらだらしてようかなー……」

 ……下手とか色々通り越して、ただの阿呆みたいな言い方になった。

 しかしそれでも、小町の気はいくらか紛れたようだった。

「……ぷっ。……お兄ちゃんはしょうがないなー」

 言うと、俺の腰に手を回してにひっと笑った。

 ……え、何この子。超可愛いんですけど

「……じゃあ小町も、明日のこの時間にまた、休憩で来ようかなー……」

 少し目を逸らして、斜め上を見ながら言う。

「ああ、それが良い。休憩は大事だ」

 ふっ、と笑い、片眉を上げながら言う。

「うん、大事だよね、休憩。……じゃ、もうちょっと勉強頑張るよ」

 言うと、小町は両手を握って気合を入れる仕草をした。むん、って感じで。可愛いなこいつ……。

「ん。頑張れ」

 そう言って、小町の頭にぽんと手を置く。

「……ありがと」

 俺の手の上に自分の手を重ねると、小町はくしゃっと笑った。

「……」

 小町がとてとてとリビングを出て行く後ろ姿を見ながら、ほんの数分前に味わった唇の柔らかさを思い出していた。

 ……俺の妹がこんなに可愛い訳が(自主規制)

 

 

続く。




最後にがくっとさせたかったんです、悪気はあります。
突然のラブコメ臭……。

ここから徐々に艶めかしさを加速させて行きます。

R-18の作品、且つ初めてまだ5週間程の割に、感想が凄く多い感じがします。超嬉しいです。あわよくばもっと下さい← 通りすがりの方からもどうぞどうぞ!

明日は小町or平塚先生です。ノった方で書こうかなと(^^)

5月ですと。何と言う事でしょう。
引き続き、精進致します。


それでは、今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!
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