1.
明くる日。
「……」
朝になり目を覚まして、寝ぼけ眼をこすりながら、掛布団を取っ払う。
「……」
胡坐をかき、頭をがしがしと掻く。
「……」
ちらりと、視線を下にやる。
「……おうふ」
小さなため息を漏らして、誰にも見つからないように浴室に向かった。
……そりゃまあ、あんなことしてれば、あんな夢も見ますよね……。
「お兄ちゃん、おはよー」
「おう、おはよ」
リビングに入り、小町と挨拶を交わす。
……いかん、視線が朝ごはんを作ってくれている小町の後ろ姿、と言うかお尻に集中してしまう。
じろじろ見るな。いや、ばれやしない。いや、それでも……。
「お兄ちゃん」
「ひゃいっ!?」
……これ以上無い程に情けない声を出してしまった。
小町がくるりと振り返り、にやっと笑う。
「……どーこ見てたのかなー?」
何故気付かれた……!? なんなの、気配でも読んだの?
「や、そ、その、包丁の磨き具合とか、まな板の染みとか、その、色々……?」
「目の付け所が絶妙すぎるでしょ……」
小町が怪しんで、ずいと顔を寄せる。
調理しているものの関係だろうか、仄かに甘い香りが漂う。
ち、近い、顔が近い、顔が近いよぉ!
「……お兄ちゃん」
「なな、なんでしょう?」
にやつきながら尋問する妹と、おどおどしながら敬語を使う兄。
……これが15年連れ添った兄妹の会話……だと……?
俺がおかしいんだけどね。
「小町のお尻、見てたでしょ?」
バレてた。
死にたい。
「いや、そんなそんな、いくら小町が可愛いからって」
「見てたでしょ?」
腰に手を当てて、更に顔を近付けてくる。
「いや、その……」
「見・て・た・で・しょ?」
更に顔が近付く。もう目の前だ。
こ、こんな、こんなベタな追及があるのか……!?
俺は断じて屈しない。屈しないぞ!
決意を新たに、小町を見つめ返す。
超威圧的。
「……はい、見てました。ガン見でした」
「……ん、正直でよろしい」
屈した。
同じ追及でも、例えば由比ヶ浜ならキモいキモいと連呼してきて、雪ノ下なら視線で俺を殺しにかかり、平塚先生ならもはや俺を殴りながら問い詰めるんだろう。戸塚なら……いや、この想像をしている時点でいろいろとまずい。
ちなみに、今の各追及パターンの予想は何の意味も無い。
小町を俺の自白を聞いて満足したのか、くるりと振り返ると鼻唄混じりで調理を再開した。
……たまにこちらをちらちら見ては、わざとらしく尻を振ったりしてる気がするけど……気のせいだよね? にやにやしてるのも気のせいだよね?
そこから数分後。
「出来たよー」
ソファに座ってだらけていると、小町がぱたぱたと料理をテーブルに運びながら声を掛けてきた。
「おう、ありがと」
さっきのやりとりの気恥ずかしさを残したまま、椅子に座る――と。
ぽん、と。
小町の手が、俺の肩に置かれた。
「今日は久しぶりに、スコーンにしてみました! どう、イギリッシュでしょ」
「お前未だにそれを言うか。イギリッシュってなんだっつの」
頑なにブリティッシュって言おうとしねえな、こいつ……。
「……」
「あ、あの、小町さん……?」
「……」
急に押し黙る小町。何が何だか訳が分からん。
「え、えーと、どうしたんでしょう……?」
……妹相手に敬語になるの、もうやめたい。
「……」
「え、えーと……っ!?」
肩に置いていた手を、するりと解いて。
後ろから、俺を抱きしめてきた。
ふわりと香るシャンプーの匂いが鼻腔をくすぐる。
……ほーん? どゆことー?
心臓が爆発した。
もはや過去形。
「……えーと……っ!?」
戸惑っているところへ。
第二波。
「あむっ」
「うおっ!?」
耳たぶを、上唇と下唇で咥えて来た。
所謂、甘噛み。
「ここここここここ小町さん?」
もう我を失う。にわとりもびっくりの「こ」連呼。
「……あむっ、あむっ……れろっ」
「……っ!?」
舌を、左耳に滑り込ませて来た。
もう、絶句。
「んちゅっ、れるっ、えろっ、むちゅっ、んんんっ……」
熱っぽい吐息と、いやらしい声が耳朶を打つ。
……今、平日の朝ですよね? 学校行く前の朝食ですよね?
抵抗の仕方すら分からず、手を膝の上に置いて、まるで卒業式に列席しているかのようにきちんと背筋を伸ばしてしまう。普段猫背だから、大してちゃんと伸ばせないんだけど。
「んむっ、はむっ、んちゅるっ、れるっ、あむっ、……ぷはっ……」
1分くらい経った頃だろうか。ようやく小町の口から俺の耳が解放された。
感覚的には小一時間弄ばれていた気がするんだけども。
小町は再び俺の肩に手を置き、耳元で囁く。
「……じゃ、食べよっか」
「お、おう」
有無を言わさぬその姿勢。感動すら覚える。
……いや、何これ?
妹の唾液で濡れた左耳を、露骨に拭いたら傷付けてしまうのかな、などとよく分からない考慮をしてしまい、指で軽くなぞっただけで朝ごはんを食べ始めた。
水分を纏った耳は少しばかり空気に敏感になっていて、ひんやりとしていた。
あ、もちろんギンギンです。放置プレイもいいところ。
2.
そして、迎えた夜。
なんかもう今日の学校での出来事が全てぼんやりしている。これは流石にまずい。
覚えているのは精々、部室に材木座が転がり込んできて「はちえもーん! 助けてよー!」とかぬかしてきたから「うるさい。たまには自分の力でなんとかしろ、この腰巾着め」と冷たくあしらったら「むおぉぉぉーん! はちえもんが冷たいよー!」と雄叫びを上げながら部室を出て行ったことくらいだろうか。
ちなみにこのやりとりの冒頭で、由比ヶ浜は俺の方を向くと「君に任せた!」と言わんばかりに親指を立てて、そこから携帯に視線を落とすと二度と顔を上げることはなく、雪ノ下に至っては材木座の入りからはけまで、一度も読んでいる本から視線を上げることが無かった。完全なる無視だ。
二人してえぐい。
「ごはん出来たよー」
「あいよー」
小町に呼ばれ、リビングに降りる。
「……はあ」
無意識に、ため息がこぼれた。
いや、今のこの状況が嫌な訳じゃ全くないんだけどね。
ただ、緊張でどうにかなりそう。
「いただきます」
「はいはい、召し上がれ~。っと、小町も、いただきます!」
二人でご飯を食べ始める。
……普通だ……。
別に黙る訳でもなく、どちらからともなく、他愛無い話をする。
それはごくごく普通の、いつも通りの光景。
……俺、何を期待してるのん?
「ごちそうさまでした」
……結局、何事も無く食べ終えてしまった。
まあ、顔を合わせる度にあんなことをする訳も無いかと思い、皿を洗おうと立ち上がろうとした。
――と。
「……」
……ん?
何かが、股座に押し当てられた。
覗き見ると、細い足がこちらに伸びている。
小町を見ると、どう考えても、さっきまで談笑していた顔とは別人のものになっている。
「……っ?」
二人の間の空気が、ぐにゃりと歪んだような気がした。
「お、おい、小町……?」
俺の声にはどんな成分が混じっていただろう。
不安か、興奮か、期待か、期待か、緊張か、興奮か、期待か。
割とポジティブだった。
「…………」
小町は何も喋らず、ただこちらをじっと見つめている。
やがて、股座に押し当てられた足がぐねぐねと動き始めた。
「あっ、くぁっ……!」
思わず、声が漏れる。
薄いジャージとパンツしか履いていないため、小町の細い指が絡み付く感覚がほとんどそのまま伝わってくる。
足の指と俺のモノとの間で布地がこすれて、遠慮無く刺激を与えてくる。
平和な食事で安心しきっていた所からの落差に呑まれ、あっと言う間にむくむくと勃ってしまった。
「あぅっ、うぅっ……」
すぐに射精してしまいそうとまではいかないが、それでも未知の快感に頭がくらくらする。
手をテーブルに置いて、ぶるぶると震える。
小町に目をやると、頬を赤らめながらにやっと笑っている。
一見すると可愛らしい悪戯っ子のようにも見えるが、上気した顔には明らかに子ども離れした色気があって。
その表情に見入ってしまい、瞬きもせずにごくりと息を呑んだ。
「ほれほれ~……お兄ちゃん、どう? 気持ち良い?」
「お、お前、なぁ……」
意地悪な言葉をかけてくる小町の声が、いつものトーンより一段低くなっている。
それが妙に艶っぽくて、鼓動が加速していく。
しかし、このままやられっぱなしなのは気に食わない。
小町がこちらに伸ばしているのは右足だ。
だから、俺は小町と同じく右足を伸ばした。
今日の小町はミニスカートを履いていたので、スカートの中に足を滑り込ませて、ショーツ越しに秘部を刺激する。
「にゃあっ!?」
俺からの反撃は予想してなかったのだろうか、ものすごく驚いたような声を上げた。
ぶるぶると震えながら、涙目で抗議してくる。
「こ、こら、お兄ちゃん、反撃は、だめぇ……っ」
いや。
なんでだよ。
若干イラッとしたので、小町に押し当てた足の指を押し当て、前後させ、震わせ、出来る限りの快感を流し込む。
「にゃあぁぁぁぁぁ……っ」
途中から小町は俺の股座から足を放して、椅子に手を置いて上を見上げた。
小町の綺麗な喉が見える。
快感に耐えられなくなっているのか、腰が引けて来ている。
このままでは責めづらい。
なので。
「なあ、小町」
「ふあ……な、なに?」
「やりづらいからさ、ぎりぎりまで椅子を前に引けよ」
「えっ!? そ、そんなこと……」
「元はお前がやりだしたことだろ?」
「あ、あう……」
「いいから、ほら」
「あうぅ……」
今にも泣き出しそうな顔をしながら、小町が椅子を前に引いた。
「足も開いて」
「えうっ……」
もはや抵抗も出来ないのか、小町は恥ずかしがりながらもすんなりと足を開いた。
……やり過ぎたかもー。
まあ、止めないけどね。
そして、開いた足の付け根に、再び自分の足をねじ込む。
親指を秘部に食い込ませるように、ゆっくりと、ぐいぐいと押し込む。
ぐじゅっと言う水分を含んだ感触と共に、小町が嬌声を上げた。
「うぐぅぅぅぅ……これ、だめ、これだめ、お兄ちゃん、これだめぇ……っ!」
さっきと比べて、より奥までねじ込まれているのだろうか。
小町は上半身をテーブルの上に倒れ込ませて、あごもテーブルに乗せたまま泣き顔で震えている。
「だめだ、やめない。ほら、頑張れ」
にやけるのを必死で堪えながら、小町に腰を引かぬよう促す。
そして、ぐいっぐいっと何度も足の指を押し込む。
「えうっ、これ、だめ、お兄ちゃ、おかしくな、いぎっ、あうっ、だめ、だめ、だめ、だめ、だめぇぇ…………っ!」
「ほら」
最後のひと押しと、一層深く親指を押し込む。
「……っ!」
すると、小町は跳ねるように顔を上げ、背筋をぴんと伸ばして、斜め上を見上げて目を見開いて、口を半開きにしたまま、ぶるりと震えた。
「にゃぁぁぁぁぁぁぁぁ…………っ」
少し長い、猫のような可愛らしい呻き声を上げて、小町の秘部から大量の液が噴き出した。
「よしよし、よく頑張ったな」
右足が小町の液でびしょびしょに濡れて行くのを感じながら、届くのかも分からない優しい言葉を投げかける。
そして、指をもう数回、くいくいと動かす。
「んあっ!? ……やっ、やっ……」
とどめの責めに小町は再び目を見開くと、こちらを見ていやいやと首を振る。
それにも構わず、もう一度親指を押し込むと、小町は「かはっ……」と小さく声を上げて、テーブルの上に崩れ落ちた。
一度目程ではないが、再び温かい液が小町の膣内から溢れ出た。
「…………」
ようやく少し冷静になったので、落ち着いて今の状況を整理してみることにする。
小町の様子:虚ろな目をして、口をぱくぱくとしている。身体全体はびくんびくんと痙攣している。
俺:妹をイカせたド変態。
結論:状況を整理するんじゃなかった。
今後の方針:でも、やめない。
よし。整理終了。
立ち上がって小町の下へ行き、脇を抱えるようにして立ち上がらせる。
そして耳元で、
「小町。この弄り合い結構気に入ったわ。ソファで続きやらないか?」
と囁いた。
小町は一瞬で目を見開いたが、俺の顔を見て抵抗は出来ないと悟ったのだろうか。
「あうぅ……分かったよぉ……やるよぉ……」
と力無げに呟いて、体重を預けてきた。
続く。
書き始めたときは弄り合いのくだりはもっと五分五分の闘いになる予定だったんです。そしたら気付いたら小町が猫っぽい声を出してました。おかしいな。
ガハマさんエピソードがスタートしたことに、予想以上の反響がありびっくりしております。今まで複数ものでしか出ていなくて、僕自身原作を知った当初からずっと好きなキャラなのに、書くタイミングを逃し続けていた為に影が薄くなっていたので、埋め合わせ(何の埋め合わせか分かりませんが)の意味も込めて今回のエピソードで可愛く書けるよう気合を入れようと思います。
いろはすのエピソードの入りを考えてちょこっと書いたのですが、形が見えました。これはもう書き始めたらいくらでも書けるやつなので、近いうちに書き始めたいと思います。これならば恐らく、良い感じに行けるかと!エロがどんな感じになるかは、書いて行きながら考えようと思います。
今はいろはすが原作で会話しているシーンのあちこちに栞を挟んで、喋り方や振る舞いの復習をしています。
はるのんはもうあと1.5歩くらい、と言った感じです。
R-18の小説にも関わらず、本当にたくさんの方にご感想を頂いております。超嬉しいです。もっとください← テンションが上がって、また頑張れますので(^^)
50話&感想数300&お気に入り数1500達成しました!!
週間連載ならもはや1年経ってる話数ですが、こっちはまだ1ヶ月半ほど!w
R-18の累計ランキングでも、上位陣は軒並み1~3年以上連載している小説の中、まだ1ヶ月半しか連載していないこの作品がその中に食い込んで行けているのは皆さんのおかげです。超嬉しい。
本当に、ありがとうございます。
俺ガイルの原作がどれだけ魅力的なんだって言う話ですよ、ええ。
引き続き、よろしくお願いします!!
それでは、今回もお読み頂きありがとうございました(^^)!!