童森町の管使い 作:ユッケ
第3話 〜霊の気配と魂の繋がり〜
窓の外ではとっぷりと陽が沈み、夜の帳が下り始めている。
美樹を抱いていた3時間というのは、バイト中の体感時間とは違い、どうにも時間が短く感じてしまうものだな……。
「うーん……いつもの事だけど、あれだけ出したのにどうして中から流れてこないのかしら?」
美樹を後ろから抱きしめる様にして2人で湯船に浸かっていると、そんな疑問を投げかけられた。
俺が注ぎ込んだ大量の精液が、美樹の膣から一切溢れてこないのが不思議でしょうがないようだ。
「……別にいいじゃないか。その方がパンツも汚れずに済むだろ?」
膣内に勾弧が居る限り、精液が溢れ出す事はない。
アイツが子宮口に精液を閉じ込めて、1日かけてゆっくりと食事しているからな。
「そうなんだけど……でも、不思議よねー? どこに消えちゃうんだろ? 私の中に、全部飲み込んじゃってるのかしら?」
「……かもな。きっと、美樹の身体も俺たちの赤ちゃんを産みたがっているんだろう。」
「私の身体が? ……うふふっ♡ なら、私と雄夜の赤ちゃんが出来る日も近いわね♡」
「そうなると、このおっぱいがもっと大きくなるな。」
そう言って、美樹の胸を鷲掴みにして揉みしだく。
「あんっ♡ そうなの? じゃあ赤ちゃんが出来たら、小学校を卒業する前にはEカップ超えちゃう?」
「ん〜……Eカップ以上かもな。」
「本当っ⁉︎ ……ねぇ、雄夜? 胸が小さい子でも、私みたいに大きくなる?」
「美樹みたいに? いや、流石にこれだけ大きくなるかは分からないが……少なくとも大きくはなるんじゃないか?」
「ふーん……そうなんだ。雄夜は、赤ちゃんいっぱい欲しいんだよね?」
「ん? そりゃ欲しいよ。最低でも10人は欲しいかな?」
「10人……私だけでそんなに産めるかな……。」
「無理じゃないだろうけど、少し厳しいかもな。」
「うーん……10人、かぁ。」
そんな事を話しながら、俺たちはどちらともなく唇を合わせ、互いの口内を確かめ合っていった。
しばらくキスを堪能してから風呂を上がり、バスタオルで身体を拭いた美樹が服を着ていく。
ブラをつける時にはぷるぷると大きな乳房が揺れ、パンツを履く時には無毛の割れ目が見え隠れする。
その姿がまるで俺を誘っているように思え、再びチンコがむくむくと立ち上がってしまった。
……風呂の中で、もう一発ヤっとけば良かったな。
「それじゃあな。近所とはいえ、気を付けて帰るんだぞ? この合鍵を渡しておくから、明日からはいつでもウチに入ってきてくれ。」
「わあっ! ありがとう、雄夜っ! じゃ、また明日ねっ♡」
玄関のドアを開け、そんな風に美樹の見送りを済ませる。
美樹は渡した合鍵を大事そうに胸元に抱え、子宮内に精液をタップリと溜め込んだお腹に勾弧を住まわせながら、るんるん♪とスキップで帰って行った。
「あの喜び方は、確かに小学生だな。」
美樹は小学生、か。
随分抱いてきて実感が薄れてきているが、美樹はまだ11歳なのだ。
……ちゃんと守ってやらないとな。
『勾弧、美樹を頼んだ。』
そんな念話を勾弧に送り、美樹の身の安全を託す。
『……ったく、反応ぐらいしろよ。』
勾弧の返事がないが、おそらく食事を優先しているのだろう。
それとも言われるまでもない、という意思表示なのだろうか?
……何にしても、勾弧が居る限り美樹は安全だ。
ならば俺は夜勤に向けて、軽く仮眠を取るべきだな。
「ふわぁ〜……。来週からは、土日の夜勤シフトは入れないようにしよう。」
やはり、睡眠が足りていない。
散々SEXした所為もあるだろうが、今になってどっと眠気が襲いかかってきた。
……早くベッドに入ろう。
美樹の匂いが染み込んだ布団でゆっくり眠るのも悪くない。
「っ! なんだ……?」
布団に入ろうとした時、不意に霊の気配を感じた。
その霊は割と強い力を持っているようだが、その近くには悪霊の気配もあるようだ。
……あまり関わりたいとは思わないが、強い霊の存在もあるので、どうにも気になってしまう。
何よりこのまま放置して、美樹が襲われでもしたらたまったもんじゃない。
「……はぁ。仮眠は諦めるか。少し様子を見に行こう。」
溜息を吐きながら、アパートを出る。
まずは、強い霊の方から当たってみるか。
しばらく歩き続け、次第に辺りが夜の闇に包まれていく。
悪霊は移動する気配はないが、強い霊はその付近を漂うようにウロウロしている。
…悪霊は誰かに取り憑いているのか?
だが、イマイチもう片方の霊の目的が分からない……その付近で一体何がしたいんだ?
思考を巡らしながら霊の居る場所に近づいていく。
やがて住宅街に入り、とある一軒家の前でようやく霊と顔を合わせる事になった。
「鎧武者……? 武将か何かだろうか?」
その一軒家の玄関先に、見るからに強そうな鎧を着た霊が座り込んでいた。
「あの……あなたは、何故ここに?」
鎧の霊にそう話しかけ、彼がここに居る事情を聞き出していった。
………………
…………
……
「守護霊交代、か。……その坊さん何やってんだ。」
鎧の霊の話によれば、どうやら未熟な坊主が金目的で強引に守護霊を入れ替えてしまったらしい。
そうやって鎧の霊と守護霊を挿げ替えられた女の子には、俺がアパートで気配を感じた例の悪霊が憑いているようだ。
「やれやれ、傍迷惑な話だな……。よし、俺が何とかしますよ。」
俺は悔しそうな念を纏う鎧の霊にそう告げた。
あの程度の悪霊なら、
……だが、まずは勾弧に頼んでみよう。
万が一殺されでもしたら美樹に会わせる顔がない。それにこういう時こそ勾弧の本来の出番だろう。
『勾弧。悪いが、少し力を貸してくれないか?』
そう考えて、美樹の元に居る勾弧に助けを求める。
……待てよ?
アイツは俺の呼び出しで来てくれるのか?
あれだけ食事を用意したんだから、今なら俺の指示を聞いてくれると思うんだが……。
しかし数分経っても勾弧が中々来てくれる気配はない。
やはり、このまま来ないつもりなんだろうか?
『……こ、勾弧さーん?』
しばらくして、渋々な雰囲気を醸し出しつつも勾弧が来てくれた。
そんな勾弧は、此方に来るなり何やらスンスンと匂いを嗅いでいるような仕草を見せた。
……何か気になる事があるのだろうか?
いやまぁ、とにかく来てくれて良かった。
後は悪霊退治に付き合ってくれるかどうか、だな。
『この一軒家の中に、悪霊が取り憑いた人が居る。サクッと倒してきてくれないか?』
しばし説得するつもりでそんな風に軽く頼んでみると、やけにあっさり一軒家へと入っていった。
そしてすぐさま家の中から悪霊の断末魔があがり、一仕事を終えた勾弧が出てくると、そのまま美樹の元へと戻っていった。
『終わったのか? ……なぁ、俺ってお前の主だよな? せめて、退治が終わったなら報告ぐらいしてくれよ。』
そう話しかけるが、何の返事も帰って来なかった。
……アイツにとって俺は主じゃなく、食糧庫に過ぎないのだろうか?
「……まぁいいか。さて、それじゃあ今からあなたを守護霊に据えますので、その場でジッとしていて下さい」
気を取り直して鎧の霊にそう告げる。
俺が経文を唱えていくと、鎧の霊から俺に対する感謝と子孫繁栄を願う念を送られつつ、無事に彼を守護霊とする事に成功した。
子孫繁栄、か。
願ってくれるのは有難いが、守護霊に何かできる訳じゃあるまいし……。
まぁ、気持ちだけ受け取っておこう。
「さて、仕上げだ。」
そう呟き、守護霊交代を強要した坊主の霊力を探る。
……どうやら、近所の商店街裏手の風俗店にいるようだな。
すぐさまその風俗店に向かい、店前で坊主が出てくるのを待つ。
すると、数分もしない内に満足げな表情の坊主が出てきた。
……迷惑な事をして稼いだ金で、女と楽しむなんてのは気にくわないな。
「守護霊交代っ!」
数珠を握った拳で坊主を後ろから殴り飛ばし、生前インポテンツに悩まされていた霊に守護霊をすげ替える。
俺は気絶している坊主を軽く見やり、警察に捕まらないようそそくさとその場を後にした。
「これで、あの坊主のは役立たずになるな。はぁ〜……疲れた。早く帰って寝よう。」
どうにも身体が怠い……。
悪霊退治は勾弧に任せこそしたが、寝不足の身体での二度に渡る守護霊交代は、やはりかなりの負担がかかっているようだ。
……今日はバイトを休もうか。
今から交代要員を確保出来るか分からないが、この怠さでは流石に働く気にはならない。
「しかし魂の繋がりってやつは、こんなにも負荷が掛かるもんなんだな。」
勾弧と俺の魂の繋がり。
もし、これがなければ俺はすぐにでも勾弧に殺されてしまう……謂わば、俺の命綱だ。
……だがそんな魂の繋がりによって、俺の霊力は常時6割を勾弧に奪われており、発揮できる霊能力が限られている。
その所為で霊能力を使う度これ程に疲れるなら、殺されこそしないが、むしろ生殺しもいいところだ。
「せめて勾弧が俺に従順だったらな……。まぁ、そんな夢物語を考えるだけ無駄、か。」
まぁ、今回のように協力してくれる事もある。
全く思い通りにならない訳じゃないんだから、これで納得するしかないだろう。
「……気分転換にパチンコでも行くか。」
どうせ、今日はバイトを休むんだ。
せっかくだからパチンコで貯金を増やしてから寝る事にしよう。
ジャラジャラと金属の玉がぶつかる音と、俺の座る台から喧しく鳴り響くBGMが店内の活気を引き立てる。
「ぃよっし! 吐き出せ、吐き出せ〜!」
隣に積まれたドル箱に、多くの視線が集まっている。
はっはっはっ! さぞや羨ましかろう!
「おっ、管内くん! また今日も派手にやってるな〜。」
「ん? ああ、鵺野先生! ……あれ? なんでパチンコ屋に? 確かお金ないんじゃありませんでした?」
久々にパチンコ屋で鵺野先生と会うな。
でも、鵺野先生は弁当を強請りにくるぐらいには金欠だった筈。
いや……まさかとは思うが……。
「た、頼むっ!」
「やっぱりかっ⁉︎ はぁ……最近、俺に頼り過ぎですよ?」
さては、俺がパチンコ屋に入る所を見たな?
そんなに困っているなら、俺みたいに霊能力で玉を出す台を探ったらいいのに。
まぁ、鵺野先生はこういうのに霊能力を使う事に抵抗があるみたいだからな。
……俺に頼っていたら元も子もないと思うが。
「仕方ないですね……。ドル箱から一掴み譲りますよ。俺も金が必要なんで、これ以上はダメですからね?」
そう言うと、鵺野先生は嬉々として鬼の手を取り出した。
そして右手よりも遥かに大きな鬼の手で、俺のドル箱から大量の玉を掴みとっていく。
「ちょっと⁉︎ 鬼の手は反則ですって!」
「いーや、一掴みは一掴みだ!」
「それでも教師かッ!」
そんなやり取りを経て、鵺野は俺の隣の台についた。
……その台はあまり良くないんだがな。むしろ、良くないどころかその台が玉を吐き出した所を見た事すらない。
「管内君、少し話があるんだ。」
そんな事を考えていると、唐突に鵺野先生がそう切り出した。
「話……ですか? そんな改まって何です?」
「君の管狐、勾弧の件なんだが……。アイツは、女の子の身体に取り憑くだろ?」
正確には膣内に、な。
今も美樹の中に……ん? 違うな、勾弧のヤツ美樹の家から離れた場所に居るようだ。
あの辺りは……鎧の霊が居た場所じゃないか?
また妖怪退治でもしているんだろうか?
「ええ、まぁ……。それが何か?」
「……。」
しばし鵺野先生が黙り込んだ。
これは……美樹との関係がバレてしまったか?
だとすると今から鵺野先生とは敵になる、か。
……案外早かったな。
「管内君。」
そう言って、此方に真剣な顔を向けてくる。
もう来るか?
だが、店内で戦う訳にも……。
そう考えながらも、戦闘に備えて胸元に下げた
しかし俺が身構えているのも知らない鵺野先生は、手で口元を隠しながらスッと耳元に顔を寄せ、こう囁いた。
「勾弧を使って、リ、リツコ先生の具合を教えてくれないか? 住処がアソコなら、分かるんじゃないかと思うんだが……。」
「アンタ、それで本当に教師かっ⁉︎」
「い、いいじゃないかっ! 俺だって男だっ!」
身構えていたのが馬鹿らしく思える。
この様子じゃあ、勾弧の媚薬能力を知ったらどうなる事やら……。
「まったく……もし、分かったらですよ? 勾弧が住み着くかも分かりませんし、そもそも教えてくれるかも分かりませんからね?」
「それで充分だよ! いや〜、持つべきものは友だねぇ!」
鵺野先生は、あっはっはっ、とエロ親父のような顔で大笑いした。
……友、か。
やはり鵺野先生とは、何とかして敵対しないで済ましたいものだ。
まぁ、この関係が崩れるまでは今の間柄を大切にしよう。
「……鵺野先生、今から呑みに行きましょう! どうせ、その台は玉出しませんし。」
「なにっ⁉︎ 早く言ってくれよ! 殆ど吸い込まれてしまったじゃないかッ⁉︎」
「まあまあ、飲み代は俺が出しますから。さぁ、行きましょう。」
そう言って換金を済ませ、2人でパチンコ屋を出て近くの居酒屋に向かった。
最初は明日は授業内容を考えたいから、と飲む量を控えていた鵺野先生だったが、いざエロトークに花が咲くと、終いには2人してベロベロに酔っぱらうまで大いに語りあってしまった。
やはり、友とはいいものだな。