Twins Knight Saga ~双子の勇者の転生戦記~ 作:破戒僧
「いや~、疲れた疲れた」
「ええ……。ま、いい運動にはなりましたけど」
「本当にお疲れ様でした! 2人とも!」
宿の部屋に戻ったアイクとイオンは、ソファでくつろぎながら、ミリスが用意してくれたスコーンとアイスティーに舌鼓を打っていた。
少々小規模だが、3人だけで仮の祝勝会ということでこういうことになっている。
まだ興奮冷めやらぬミリスは、子どものような笑顔でアイクとイオンに語りかけていた。
「すごいですね、お2人とも!! あんな汚い手使われたのに、勝っちゃうなんて!!」
「負けねーっつったろ? 最初によ」
「まあ、色々派手にやりましたし、興奮する気持ちもわかりますがね」
楽しそうに歓談する3人。本当は、祝勝会はどこかレストランにでも行ってやろうかと思っていたのだが、ちょっとした事情があって部屋でささやかにやっているのだ。
あの試合の後、闘技場を出た瞬間に、3人は物凄い数の報道陣や野次馬に囲まれた。
「アイクさん、イオンさん、サイミール日報、略してサイ日です!! 何か一言!!」
「お二方! ぜひインタビューを!」
「サインくださーい!!」
「イオンさん! 付き合ってくださーい!!」
「アイク殿―! 弟子にしてくれー!!」
暴君・ブボウを倒したことで、2人は一躍サイミールの英雄となり、全ての市民の憧れとして、尊敬……もとい崇拝の対象となった。それゆえ、少し人前に出るだけで人々に囲まれるため、周りを囲まれて物理的に動けない状況になったのであった。
しまいには2人を連れてきたミリスまでもが取材のターゲットになりつつあったので、イオンの『テレポート』を使って脱出し、この部屋に逃げ込んだわけである。
ちなみに当のブボウは、もともとトレーシングペーパーのごとく薄かった信頼を完全に失ったのと、『決闘』のルール違反や魔法兵器の不法所持、その他諸々の罪に問われ、即座に連行された。
「しっかし、まさかここまで大事になるとはな~……」
アイスティーのお代わりを注ぎながらアイクはつぶやいた。イオンはそれに笑って、
「無理もないでしょう。サイミールにとってブボウはあらゆる分野の妨げになる存在でしたから……。今日一日で、町が一気に活気付きましたよ」
「はい! 全くその通りです!!」
ミリスがまたうれしそうに言う。
その笑顔の裏に、親友・アリアの無事を喜ぶ心があることは、2人にはよくわかった。2人は思わず笑顔をこぼし、再び茶に口をつける。
本来ならばこの後、あらためて領主・エラにあいさつに行く所なのだが……いかんせん、向こうもこの事態の収拾に忙しい。ブボウの失脚に伴い、今まであの男に集中させていた権力の分散と再収集、さらには様々な面での政治的な調整が必要になるからだ。
嬉しい悲鳴ではあるのだが、やはりこちらの相手までする時間がないのには変わりない。
なので、挨拶は事態が落ち着いてから……ということになったのだそうだ。まあ、急がなくとも、ブボウがいなくなった今なら色々と余裕はあるし、賢明な判断だろう。
そういうわけで、戦いの疲れもあるし、今夜はこの祝勝会が終われば、3人はもう就寝……というわけだ。
☆
……が、
とっぷりと日が暮れてから数時間が過ぎても、彼らの借りている部屋のうち、談話スペースの明かりが消えることはなかった。
火がともされているのは、夜間の明かりとして使用される超長寿命の魔法の蝋燭。領主官邸での夜会の時に利用された『ライトキャンドル』と同種の魔法アイテムだ。
そのやわらかな明かりの下で……イオンは、積み上げられた資料に目を通していた。
全て昼間、ブボウとの決戦よりも前に手配していたものだ。蝋燭の、しかしそれにしては大きな明かりで、イオンはそれらをせっせと読み進める。
「……まだ起きてたんですか?」
「え?」
と、突然の声に振り向くと、イオンの背後には部屋着のミリスがたたずんでいた。
何で起きて……と聞こうとして、イオンはミリスもまた、色々と代表としての仕事を抱えていたことを思い出す。
おそらく今までそれらを片付けていたのだろう。眠そうな目をしている。
心配するような目でイオンを見、
「私が言えたことじゃないですけど……早く寝た方がいいですよ?」
「ええまあ、わかってるんですが……なるべく早くこの町の情勢を把握しておかなければ、と思いまして。大丈夫、ひと段落したし、もう寝ます。お風呂こっちでしたよね?」
「あ、はい、こっち……え? お風呂……?」
「? どうしました?」
と、イオンはその時、ミリスが妙な反応をしたのに気付いた。自分が『風呂を使う』と言った途端にである。
ミリスは少し考えるようなしぐさを見せると、妥協したような首肯を見せて、
「あ、いえ、そういうことなら……お先にどうぞ」
「え? ミリスさん……入ってなかったんですか?」
そこで、今の行動の謎が解けた。ミリスもちょうど風呂に入るところだったのだ。
「あ、じゃあミリスさんお先にどうぞ? 僕は後で……」
「い、いえいえいいですよそんな……イオンさん、疲れてるじゃないですか」
「大丈夫ですよ、僕なら。さ、どうぞ?」
「で、でも………………あ」
と、ここで再びミリスは妙な反応。
何かに気付いたようなつぶやきを見せた直後、かあっと顔が赤くなる。さっきのそれとはまた違った反応に、イオンは首をかしげた。
「あ、あの……イオンさん……」
「はい? 何でしょうか?」
「そ、その……なら、もしよければ……」
「…………?」
☆
「す、すいません、なんか……こんな変な……」
「い、いえその……別に……」
同じ部屋で、両者は微妙に気まずいまま……体を流していた。同じ…………風呂場で。
極力お互いの体を見ないようにしながら、イスを話して2人は座っている。
そういうこと……ミリスがあの状況で提案したのは『2人で一緒に入る』というものだった。イオンと、ミリスで。
この宿は賓客用の宿だけあり、個室でありながら風呂もそこそこ広い。2~3人くらいなら楽に一緒に入れる上、イスもきっちり複数個準備されているのだ。
本来は家族連れとか用の設備なのだろうが……それが今、知りあって間もない、ここにいる男女2人の手助けをしているわけだ。
イオンもミリスも裸になり(イオンはメガネもはずして)、恥ずかしさからか背中合わせになり……自分の体をごしごしと洗っている。やはり、2人とも緊張……どころではないこの雰囲気。
(な、何であんなこと言っちゃったんだろ私……!? は、はずかしぃ……!)
とまあ、立案者でありながら赤面で結構なことになっているミリスである。
まあ、それを受諾したイオンもイオンではあるのだが。
双方承知の上にもかかわらず気まずい状態の中で、イオンとミリスは湯気に包まれながら汗を流し、石鹸を泡立て、お湯を浴びていた。
……だが、
やはり、生まれたままの姿の男女が1つの部屋にいるというこの状況である。
ましてや……2度も、肌を重ねているとなれば……この均衡も、そう長くはもつはずがなかった。
ほどなくして……イオンは、ミリスのいる方から、不自然な水音が聞こえていることに気付く。シャワーの音に混じって、
ぴちゃ、じゅぷぷ……ぐちゅ……じゅぷ……くちゅ……
明らかに異質な音だ。しかも、結構な低位置から聞こえてくる。
ほどなくして、ミリスのあえぎ声がそれに混じってきたことから……イオンはその音の正体を確信し、背を向けたままゴクリと唾を呑んだ。
頭の中で、十中八九自慰だと思える水音。それを、背中あわせとはいえ自分が、しかも裸で同じところにいるこの状況で行われているこの状況。自然と……イオンの方もそれなりの反応を示してしまっていた。
「はぁ……あ……ん……ぁ……」
くちゅ……ぐちゅ……ぴちゃ……
自分がいることを忘れているのではないかと思えるほどに露骨なそれに、イオンの理性が徐々にそれを保てなくなっていった。
一方、ミリスはミリスで、自分で何をしているのかわかっていたのか……と聞かれると、また返答に窮するところなのだ。風呂の熱気でボーッとしているのか、はたまた本当にイオンを誘っているのか……どちらにせよ、今のミリスの頭の中に冷静な思考はない。
例えるならそう、押せばたちまち倒れてしまうような揺れ揺れの状態。
それを知ってか知らずか……イオンはとうとう理性をふっ切り、腹を決めて振り返った。裸体の背中を自分に向けるミリスを湯気越しに視界にとらえ、その肩に手をかける。
そして……ゆっくりと引きよせた。
「ふぁ……え……? い、イオン……さん……」
「その……嫌だったら、抵抗してくださいね……」
ここまでやるのなら、誘っている……もしくは、ヤってもいいはず……という、ある意味開き直りともとれる思考。イオンには珍しいが、男性としては自然かもしれない。
それでも、もとより、セックスにおける女性のエスコートの訓練を受けているイオンである。導入のやり方も、そう不器用ではないし、あくまでも紳士的に進める。
そして……ミリスの方も、それを拒むことはしなかった。
肩を掴まれ、抱き寄せられ……イオンの裸体に自分のそれが触れる。そこでドキッとはしたものの……期待の方が大きかったと見える。顔は上気し、さらに赤く染まっていた。
少し待って抵抗がないのを確認し、イオンはミリスの体を回して自分の方を向かせる。
一瞬目が合い、すぐにそれる。が、体の方は正直だ。
イオンのそれはいきり立って天を衝かんばかり、疲れていることも合わさっているのだろうか。そしてミリスの方も……今しがた聞こえていた粘性の水音から想像できた通り、秘裂からはとろりとした愛液がしたたり……ももまで濡らしていた。
密室に裸で2人という生殺しに近い状況でいたせいだろう。心も体も、2人とも前戯の必要がないほどにできあがっていた。
イオンはミリスを床に寝かせ、その股間に自分のペニスをあてがった。
「い、挿れますよ……!」
「は、はい……中に……んぅっ!」
ず、ずずず……ずじゅじゅぷぅ……っ!
「っ……くぅう……っ! ふ、深……っ!」
押し出されそうな膣内の圧力を押しのけ、イオンのペニスはミリスの中に侵入した。
やはり狭いが、濡れていたためだろう。今までの中では一番すんなりと入ったように感じられていた。3度目だから、ということもあるのだろうか。
自分もミリスも、ともにある程度落ち着いたことを確認し、イオンは腰を動かした。
前に後ろに、浅くに深くに、イオンのペニスはミリスの膣内をかき回し、ぐちゅぐちゅと淫靡な水音を立てた。先ほどのそれとも更に違う、男と女の愛の交わりを現すそれだ。
じゅく、じゅぷ、ぐちゅ、ぐじゅ、じゅぷ……
徐々にそれが激しくなり、水音も大きくなる。
イオンのペニスはこつこつとミリスの子宮の入り口をたたく。そのたびに、ペニスは少しずつだが大きくなり……ミリスの肉壁を押し返す。
「はっ、ふ……あ……あ、当たっ……ぇあ……! イオンさ……んああっ!」
快感に、恥ずかしげもなく吐露されるミリスのあえぎ声。イオンはそれをBGMに、更に腰の動きを早く、激しくし、むしろその声を誘発するかのようにした。
その時である。反撃とばかりに、ミリスの膣がぎゅうう……と収縮を始めた。
(き、きた……!)
本人すらそれを自覚・把握していない、ミリス最大の武器……全自動で相手のペニスをしごきあげる、変幻自在のヴァギナだ。
ミリスとイオン、2人の性欲に比例してか、ミリスの女性器は巧みに動いてイオンの剛直に快感を与える。緩急もつけて、イオンの射精を催促するかのようにもてなす。
しかも、
(……っ! え、こ、こんな……っ!?)
その動き方に……イオンは更に驚いた。
既に3度目であるために、イオンのペニスにそういう意味で慣れてきているのか……ミリスのそれは、イオンの『気持ちよくなる所』を的確につく形で動いてくる。まるで……イオンに抱かれるたびに、その癖やポイントを学習しているかのようだ。
(こ、こんなことって……!? こんなことできる人いるのか……っ!? いやむしろ、こんなオマンコってあるの……!?)
「は……ぇあ、ふあ……い、イオンさん……」
「……っく……ぁっ……?」
「き、気持ち、いいですか……? 私の、オマンコ……!」
緑色の、濡れていてそれがさらに妖艶に見える髪を振り乱しながら、ミリスはイオンの目を見てそう聞いた。
快感と高温多湿に汗だけでなく涙まで流し、潤んだ目で見上げてくるミリス。
色々と限界に来ていたイオンは、更に興奮の度合いをあげてミリスを抱き寄せる。直後、必然的にミリスの奥に更に勢いよくイオンのペニスが突き刺さった。
「あぅぐっ……へぃ、ふ……あ……!」
「気持ちいい、ですよ……っ! すごく……的確に、僕の気持ちいいところ、攻めてきて……」
「そ、そう……れすか……ぁぁあっ! う、うれし……んっ……」
イオンは腰に手を回し、一気に加速させてミリスを突き上げる。ミリスもそれに応えるように、イオンの首に手をまわし、上体を斜めに起こして姿勢を支えた。
「も、もしかして……イオンさんに抱かれてて……イオンさんに気持ち良くなるように、オマンコが学習してるの……かも……」
「え……?」
「それだと、わ、私のオマンコ……イオンさん専用のになっちゃうかも……しれないです、ね……っ!」
(……っ! そ、そんなこと、言われると……っ!)
「ふあっ!? ま、また、激しく……っ!」
無邪気ゆえに自然に発せられた、男性の心に響く挑発的なセリフに、無意識……とまではいえないが、イオンの腰の振りがさらに速くなる。
ほとんどラストスパートと言えるそれに、ミリスは、そして当のイオンも限界が近づいてきていた。
玉袋の中で睾丸がせり上がり、こころもち下半身ごと前に押し出されているかのような感覚。イオンは、そしてそこでつながっているミリスも気づく。もうすぐだ……と。
そしてミリスは、絶対に逃がすまい、とでもいうかのことく、がっちりとイオンの体に足を回して肉棒を抜きとれないように固定した。
不意打ちに油断していると、そこにミリス得意の膣圧が襲いかかり、イオンのペニスにとどめの一撃を与えた。
「くあっ! あ……で、出る……っ!!」
直後、イオンは最後の力で腰を前に押し出し、ミリスの一番奥に先端を押し当てながら果てた。
びゅぶびゅびるるるるるるる……びゅぶ、びゅくびどぴゅるるるるるっ!!
「あひあっ! あ、熱……奥っ、出てる……いっぱい……あっ、あ――――――っ!!」
子宮口を通り抜けてその奥に、中にしみ込んでくる熱い感触。何度も味わってきたイオンの射精に、ミリスは処女だったころと変わらない快感を覚え、絶頂に達した。
「あ……あー……は、ぁ……お腹の中……あったかい……」
どくん……どくん……どくっ……びゅ、どくん……
いつもどおり、すぐに収まることなく、しばらくの間続くイオンの射精。
それを余すことなく、避妊の魔法で保護された子宮で受け止めながら……ミリスは、今しがた自分の体を突き抜けた絶頂の余韻に浸っていた。
(わ、私……もう、ホントに……イオンさんだけの、女に、なっちゃうかも……。でも……それも、嫌じゃ……ない、かな……)
後で思い返して赤面することになるような考えに、わずかに頬をほころばせ、ミリスは息の荒いまま体から全ての力を抜いた。タイルの床にどう、と倒れるところだが、イオンが上手く腕で支える。
その腕も、セックスの後の脱力で少し頼りないものだったが、しっかりとミリスの体重を支えられていた。
そのまま、2人の唇が優しく重ねられた。
「ん、ふ……んちゅ……ぺろ……」
彼に甘えるように、ミリスはイオンの唇に自分のそれを寄せる。舌も使って、素直かつ大胆な愛情表現には余念がない。
ふと、イオンとミリスは、今のセックスで2人とも汗だくになってしまっているのに気付いた。セックスする前に流したはずの汗だが、今は再び、盛大に2人の体に浮かびあがり、今のセックスのなごりとなっている。
それによく見れば、秘裂からこぼれ出た精液に、ミリスの長い髪がぴちゃ、と当たって、髪に精液がついてしまっていた。
「……もう1回、洗わなきゃダメですね、これは」
「……ですね」
存分に満足しきった後のそんな会話に、イオンとミリスは苦笑した。
その後、今度こそ『そういう』展開になることなく、2人がお互いの体を再び洗い、後始末まで済ませて風呂場を出たころには……日付が変わってだいぶ時間が経ってしまっていた。