Twins Knight Saga ~双子の勇者の転生戦記~ 作:破戒僧
「ういーっす! ナズナさん、食材……ここ置くぜ!」
「おう、お疲れさん、オッドの旦那……ん? 今日はアイクは一緒じゃないのかい?」
村長宅から、とりおきしておいた分の食料を、ナズナの店『ワイルドハウス』の食材として店の裏手に運び込んできた、オッドとその部下達。そのメンバーの中に、顔見知りの純系の姿がないことに違和感を感じ、ナズナはたずねた。
「ああ、アイク君か……ちょっと仕事が入ってね、しばらくフローネを離れてるよ」
「そうなのかい? はぁ……純系サマは大変だねぇ」
(ちぇっ、なんだい。また犯ってもらおうと思ってたのにさ……)
期待が外れてしまったことに内心やや落胆しつつ、ナズナは事前にとっておいた注文のリストを片手に、入荷された物品に漏れがないかどうか見て回った。
すると、漏れはなかったものの……
「? 旦那……コレ何だい?」
予定にはなかったものが……混じっていることに気づいた。魚介類だ。
魚に貝、海草に……その他いろいろ、海の幸が運び込まれていた。
しかも、クーラーボックス(のように見える箱)で1箱分。家で食べるには十分だが、店の『仕入れ』としての入荷にはあまりに少ない、中途半端な量。
何より、注文したリストには……どれも乗っていない。
そのナズナの困惑に気づいたらしいオッドから、理由が明かされた。
「ああ、それはこの間、アシルスから送られてきたやつだよ」
「『アシルス』? また随分と有名な港町じゃないか……何だっていきなり?」
魚介類の仕入れはこの村にも当然あるが、それはあくまでサイミールのルートを通してのものだったはず。アシルスは……『レインゲート』の管轄だ。そこの海産物がここに届く理由がわからなかったが、
「実は……今、アイク君たちに頼んでる用事っていうのが、そことの直通の取引ルートの作成なんだ。そのために彼らはここを空けてる。それらの海産物は、『味見用』のサンプルとして、ってことで、領主様が都合してくれた物品なんだ」
「へぇ……」
つまり……これらは正真正銘、アシルスで取れた海の幸、ということだ。
そして、コレを試しに食べてみて……取引開始時に何を買うかの参考にする……と、そのために領主であるエラが送ってくれた品々だ……と。
そしてここに持ってきてあるのはその一部で、ナズナにも食べてもらって感想を聞きたい……というのが、オッドの頼みらしい。
思わずナズナの頬も緩んだ。店にいいものを入荷できるようになるチャンスと来れば、それも当然というものだ。
何よりこの魚介類の数々……純粋に美味しそうだ。
「もしナズナさんの舌にかなうようなら迷わず入荷できるし……『ワイルドハウス』で料理にしてもらうこともできるしね、頼むよ」
「そういうことなら遠慮なく! 感想は次の入荷の日にでも…………ん?」
と、ナズナはその海産物を物色中に、妙なものを見つけて目を留めた。
オッドが何事かと思ってそれを覗き込み、
「ああ……それは真珠だね。同じく、アシルスの名産品だけど……すまないな、食品に混じってそっちに届けられちゃったみたいだ」
「……………………」
「まあ、家にまだあるし、ミリスもイーラも宝石には興味がないから、ナズナさんがもらってくれても別に………………ナズナさん?」
と、さっきから返事が返ってこないことを不審に思ったオッド。
ナズナは……なにやら神妙な面持ちになり、箱に入っている真珠をじっと見つめていた。そして、オッドからの視線に気づくと、
「ああ……そうだね、なら……これももらってもいいかい?」
「もちろん! じゃあ、これで」
少し気にはなったものの、別に何か考えることでもあったのだろう、と勝手に納得したオッドは、そのまま『ワイルドハウス』を後にした。
後には……なぜか再び、神妙な顔になったナズナが残された。
いつもの彼女とは思えないその表情で、ナズナは机の中からルーペを取り出すと、オッドが残していった真珠を手に取り……じっくりと見定め始めた。
角度を変え、距離を変え……真珠の表面の繊細な煌めきを見極めている。一筋の光も逃すまいと…………今の彼女の様子を言い表すならば、このような感じだろう。
そして、一通り眺め終わると、ナズナはふぅ……と息をつき、
「これが……アシルス産の真珠……? そんなバカな……」
☆
所変わって……
「っくぅ~……ついたっ! 『アシルス』!!」
「わぁ~っ! なつかしいっ!!」
「やれやれ……はしゃぎますね、2人とも……」
「うぅ……うぷ……」
馬車に揺られること数日。
最短ルートというなの山間の悪路を走ってきたアイク達は、今回の目的地……レインゲート管轄下最大クラスの漁村『アシルス』に到着していた。
そして、今回もまた予告なく出発が決まっていたミリスは……当然のごとく、乗り物酔いですでにダウン状態である。
「や、山道はそうだけど……あれはゆれすぎです……。き、気持ち悪い……」
「ははは……酔い止めも効きませんでしたか……」
今現在、元気な人2人、普通の人1人、限界の人1人で構成されているアイク達のパーティは、アシルスの村の入り口の門のところに立っている。ここが、前もって決めていた村の代表との待ち合わせ場所なのだ。
ところで……今回の旅、前と違うところが2つほどある。
まず1つ目、商談役のミリスの補佐がついてきていないことだ。
サイミールの『総会』の時は、フローネの村役場から何人かがついていっていたが、今回はミリス1人。成長を促すため、とはイーラの弁だが、ミリスはやはり半泣きだった。出発の予定自体、あまりに急に聞かされたことだったというのに……不憫である。
そしてもう1つ。各自の服装だ。
イオンとミリス、ユキには、見た目に目立って変わったところはないが……イオンのブレザーとミリスの旅人服は、デザインはそのまま……より頑丈で性能もいい素材を使って作られたものだ。こ
れから要り用になることも多いだろう……ということで、オッドが特注で、しかも手に入る最高の素材で作ってくれた。
ただ、デイリーから送られたものだというユキのセーラー服は……もともとその素材で作られていたらしいので、そのままだが。
そしてユキは、アイクとイオンが普通に腰に装備している『女神の剣』(仮)を……大きさを小さく……短剣の形に変えてベルトにさしている。こうすると目立たないため、相手に余計な威圧感を与えないし、ユキはもともと戦闘に剣をあまり使わないので、こっちのほうがいいのだ。
一番変わったのがアイクの服。素材はイオン達のそれと同じ、しかし、本人の趣味を反映して……ということで、デザインはかの有名な『学ラン』になっている。
理由は単純明快、アイクはこっちのほうが好きだから……ということらしい。
他にも、馬車の中で聞いてみたときには、
『だってさ、そのまんま葬式とかにも出られるんだぜ? 便利でいいじゃん』
などと笑えない冗談を言ってイオンを嘆息させていた。
もっとも、周りの大人には、『(双子の)見分けがつきやすい』と好評だったが、もともとイオンはメガネなのであるから、服が変わっても大して変わらない気もする。
と、待ち合わせ時間そろそろかな……とイオンが腕時計を見ていると、
「もしかして……ユキちゃんかい?」
「「「?」」」
突然、誰かがそう声をかけてきた。
声のしたほうに目を向けると……入り口の門の向こうに、数人の村民と思しき人たちが建っていた。その中心にいる、初老の男性が、声の主のようだ。
と、ユキはその人物を視界に捕らえると……
「ああっ! オールさん!」
「やっぱりユキちゃんか! 久しぶりだなあ!」
叫ぶように言うと、ユキはその男性の下に駆け寄って、差し出された手を握る。双方共に、なんともうれしそうな顔になっている。
何か二言三言と話した後、ユキは思い出したようにアイク達のほうを振り返った。
「あ、ごめんごめん、アイク、イオン、ユキちゃんも!」
「! 『アイク』に『イオン』……では、あなた達が?」
「あ、はい。ええと……フローネからきた者です」
そろってぺこりと一礼。
するとその、ユキがオールさん、と呼んでいた男性は、後ろに控えている者たちと一緒に一礼を返した。
「どうもご丁寧に、純度10の純系……アイク・ソーヤー様に、イオン・ソーヤー様ですね。お噂はかねがね。私は、このアシルスの村長を務めております、オールと申します」
「そうなの。ここにいた間、私がとってもお世話になった人よ」
ユキの補足。
どうやら……イオンが以前に、手紙を読んだときに聞いた名前の人物と同一人物……ということでよさそうだった。同時にイオンは、アシルスの村について下調べをするために読んだ資料でも、その名を目にしていた。
本名……オール・レイモンド。目の前にいるこの男はアシルスの村長にして、このあたり一帯の漁業組合の組合長を務めている男……だったはずだ。
短めの金髪で背は高く、体はスマートな様子だ。長めのコートに、ゆったりとした服を着ているせいか、筋肉のつき方はよく見えないが……背筋も伸びていて、健康的に見える。自らも漁師をしているという内容の記述も、資料にあった。そのためだろう。
「見た目どおり優しい人だから、あんまり緊張とかしなくても大丈夫よ、みんな」
「あはは……そういうことらしいですね。では皆様、ついて早々ですが……お宿と、我々の仕事場を案内させていただきますので、こちらへどうぞ」
和やかな笑みを浮かべて、オールはそうアイク達を先導する。
そのオールの後ろにいる者たちも……それにしたがって動いた。どうやら……オールの部下か、仕事仲間か……いずれにしろ、今回アイク達をもてなす側の人間のようだ。
詳しい自己紹介は後になってしまいそうだが……早くにこの町のことを把握しておくに越したことはない。それに……そろそろミリスが限界だったため、早めに休める場所を確保する目的もかねて……アイク達は、オールの先導にしたがって歩き出した。
が、歩くのは少しだけだった。少し歩いたところに、一台の馬車が止まっていたのだ。
「この馬車をお使いください。自慢になってしまいますが……アシルスは広いので、コレを使ったほうが早いし、楽です」
と、オールの厚意から来る申し出であったが……残念ながら、アイク達はそうするわけにはいかない。
「ああ、ご丁寧にどうも……といいたいところなんですが……」
「ごめんね、オールさん。メンバーに乗り物酔いが酷い子がいて……馬車はまた今度、ってことにならないかしら?」
「ん? ああ……そうなのか」
オールは一瞬、イオンに手を引かれているミリスの青い顔を見ると、納得したような様子になった。
「なら仕方ありませんね。皆でゆっくり、歩いて回るとしましょうか」
「すいません、せっかくのご厚意に、帰ってご迷惑を……」
「いえいえ、かまいませんよ。ゲリック、馬車を片付けるように言ってくれ」
「はいよ、村長」
にこやかにオールは返し、その隣にいた男に指示を出す。
ゲリックと呼ばれた男は、返事をするとすぐに動いた。といっても……馬車の上の御者に事情を説明して帰るように言っているだけだが。
皆、一様にオールに『いい人そうだな』と感想を抱いたが……これから話すこともいろいろあるだろうし、足を止めさせてもなんだということで、ほめる役目は交流のあるユキに任せ……一行はアシルスの村に足を踏み入れたのだった。
☆
ちょうどそのころ、
村をはさんで入り口と反対側に立っている、とある高級な宿屋。
その1室にて、男が1人……女を抱いていた。
「あ、ん、ん……ああっ! やっ、う……んんっ!!」
じゅぷっ、ぐぷ……じゅぷっ、ずっ、ずっ……
「……っっ、おおぉ……っ! すばらしいオマンコじゃないか! これは掘り出し物だ……な……っ!!」
ベッドの上で、女性に騎上位で上にまたがらせながら、声の主の男は快感にあふれた声で感想を述べていた。
「でしょう? ほら、お前ももっと気持ちよくしないか! ハルネック様が自ら抱いてくださってるんだぞ!」
「は、はぃ……がんばり、ます……んぅうっ!!」
激しい勢いで攻められながらも……抱かれている女性は抗うことはせず、むしろ献身的、ともいえそうな態度で腰を振っていた。
カーテンが閉められており、部屋が暗いため、顔色などは伺えないが……声の感じから、やや苦しそうに聞こえはする。汗をぽたぽたとたらしながら、おぼつかない腰を震わせながらも、ハルネック様……と呼ばれていた男のペニスを膣にくわえ、締まりのいい膣肉でくわえこんで快感を与え続けていた。
「ん、ぐっ……んっ……ふぅ……っ!!」
じゅぷっ! じゅぷ……ずっ、ずりゅ……じゅぷぅっ!!
「うおおっ、いい……いいぞっ! も、もう、出してしまいそうだ……!」
「はぁっ、ひあ……んあぅ……っ!!」
見る見るうちに男の顔からは余裕がなくなっていき……女の下になっている腰がびくびくと痙攣し出す。呼吸もまだらになってきて……と、
突然、男は女性の腰をつかんで、自分から腰を振る。
「んぐっ……んうううっ!? あ、は……やああっ!! そんな……えぅ……あああっ!!」
「はぁ、はぁ、はぁ……だ、出すぞっ! 膣内に出すぞっ!」
そして、高速で腰を振って腰を女性の下半身に何度もたたきつけ、その何度目かで、
びゅるるっ! びゅる……びゅぷっ!!
「はぁっ、ん、んぅ……んん―――――っ!!」
勢いよく白濁液を吐き出した。
腰を押し付けたままにして、熱い子種汁を出し続ける。
ペニスのサイズの関係で……その先端は奥までは届いていなかったが、その熱い感触は、前戯から攻めに攻められた女性を絶頂させるには十分だった。
ほどなくして射精が収まると……男はペニスを抜き取り、女を押しのけるようにしてどかした。
女はベッドに倒れこみ……その際、僅かにカーテンの間から入った光が……その女性の顔を照らす。
否、女性……と言うよりも、少女といったほうが相応しいくらいに、その彼女はまだ若かった。その膣口から、今しがた射精された精液が染み出してくる。
息の上がっている少女にかまわず、男と、先程から腰を低くしているもう1人の男は……話を続けた。
「お疲れ様でしたハルネック様、お召し物をすぐに用意させますんで」
「うむ……しかし、この娘……具合はいいが、ちと難儀だな」
「はい?」
真意を測りかねるように、従者と思しき男がハルネックに尋ね返す。
「胸はまあ小さいですが、マンコの具合がよければ……締まりもよくて上出来だったんでしょ? もともとが奴隷ってところはいささか気になるが……ま、ご愛嬌」
「ああ、具合はよかったが……気持ちよすぎるのと、刺激が強すぎるので……搾り取られすぎるな。これは、場慣れした……よほどの性豪でなくば、妾にはなるまい」
「じゃあ、その方向で売り飛ばすとしますか。これにくっついてきたガキ共も、一緒に?」
「ああ……まあ、せめてもの情けだ。なるべくまとめて売り飛ばしてやるといい。しかし……」
と、男は着物を着ながら、そこで一度……ベッドを振り返って、
「灯台下暗し……とでも言うべきか。あの締まり具合は……極上だ」
そこに横たわる、黒髪の少女を見て……ふっ、と笑った。
その少女は……男達の会話を聞くことはできず、とうに意識は失っていたのだが。