Twins Knight Saga ~双子の勇者の転生戦記~ 作:破戒僧
びゅくっ、びゅる、どぴゅ……どくどくっ、びゅるるぅっ……
「はぁ、はぁ……はぁ……ひあっ、あ……」
「…………ごめん、ユキ…………」
台の上で、今は仰向けのユキの膣に、硬く勃起した肉棒を突きたてたまま、そして……今日8度目となる射精、7度目の膣内射精をユキの子宮に流し込みながら……ウルカはそんなことを言っていた。
先程まで激しく腰を振り、体力の尽きたユキを容赦なく絶頂に追いやっていた彼には……状況的に不自然すぎるセリフである。
その様子を……牢の外の番兵3人が見物し……同じ牢につながれているカナは、数時間前に知り合ったばかりのユキのために涙を流しながら……つらそうに見ていた。
そのユキは、先程行われた陵辱の総攻撃で、自慢のスタミナを使い果たし……満身創痍で台の上に横たわっている。放心状態だが……どうにか意識は保っていた。
ユキの膣から、ようやくウルカはペニスを抜いた。
ずず……ずりゅ、っ…………
「く、ふぅっ……あ、はぁ……はぁ……」
直後、ゴボッと音を立てて……ユキの膣から精液があふれ出る。先に出された盗賊たちの分もあわせて、ユキが注がれた精液の量は、とうの昔に子宮の容量を超えていた。
それ以降に注がれた精液は全て……古い精液を入れ替わりであふれ出させ、床に大きな染みを作っている。
その様子を見ながら……ウルカは再び、息も絶え絶えなユキに謝罪した。
「ごめん、ユキ……ごめん……っ!」
「…………なん、で……謝ってる、のよ……?」
ユキは、どうにか保たれている意識を保つため、意図して返事を返す。
「だ、だってよ……お前を巻き込んで……こんな、ことまで、しちまって……」
「……謝る、くらいなら……っ、……最初から、やらない、って選択肢、なかったの……? レイプもそうだけど……こんな、アシルスを裏切るような、こと……」
それを聞いて、ウルカの顔が……悲痛そうなそれに変わる。
それを見て……ユキはやはり不自然だと考えた。目の前にいる、自分の知るウルカが……やはり、私利私欲でこんな犯罪の片棒を担ぐような男だとは思えないのだ。
今までのレイプは一旦頭からどかして、ユキはまずその謎を考える。考え事をすることで、途切れそうなこの意識をしっかり保つ……という狙いもある。
すると、それより前に……ウルカが、その重い口を開いた。
「俺だって、やりたくてこんなこと……やったわけじゃないさ。けど……これをやらないと、このアシルスは……未来はない、って、ゲリックさんが……」
そこで一旦ウルカは切って、
「……ゲリックさんが、言ってたんだ……! この村は、このままだといずれ、財政破綻する、って……っ!!」
(………………?)
☆
それから、ウルカは服を着てから、その胸の内を明かした。
聞くところによると……2ヶ月ほど前、ゲリックにその話を聞かされたらしい。
最初は特に信じもせず、気にしていなかったウルカだが……その後から徐々に、その予告を裏付けるような出来事が起こり始めたのだ。
漁獲高の減少に始まり……真珠の品質の劣化、さらには他の都市との商取引の量の減少……それらが一括して、徐々にではあるが起こり始めたのだ。
さらに、前の2つはともかくとして……『商取引の減少』については……ゲリックはその原因を、『サイミール地方の活性化』にあると話した。
純度の高い『純系』……アイクとイオンが現れたことによって活気付き、商業都市としてのステータスが上がったサイミール地方。そこと交流を結びたいと考えた他の都市が、サイミールとの取引を増やした分、自分たちとの商取引額を減らしたのが原因、と。
しかしこれは間違ってはいないし、かといってそれを理由にアイク達を恨むのはお門違いだ、とウルカは知っている。
しかし問題は……先に挙げた2つだ。今までにも何度か起こったことだが……今回は今述べた商取引減額の問題もあって、時期が悪い。こんな時に商品の量や品質がおきれば……信用問題に発展し、これからの取引継続に支障をきたす……と、聞かされた。
そして、その2つは、現在一向に回復の兆しが見えない。
そうなれば、どんどん財政は悪化し……1年もたたずに、アシルスの財政は赤字になる、とも聞かされた。現実にだんだんと不安定にな方向に進むアシルスの現状を見ていたウルカは……いよいよその話を信じ始めた。
☆
「真珠も、魚も……現実に、だんだん取れなくなってきてるんだ。しかも、理由はわからない上……回復する気配もない。はじめは余裕があった財政も、右肩下がりで……」
「それで……ゲリックさんは、その危機から村を救うために、そのために必要な資金確保のために……これをやろう、って言い出したの?」
話を聞いている間に、徐々に体力と意識が回復してきたユキは……はっきりとした口調でしゃべれるようになっていた。
「……金さえあれば、それを裏で動かして……村の危機を救うことができる。そうすれば、いずれ漁獲量も元に戻るだろうし……今までと同じように、アシルスで楽しく暮らせる……って、そう言われたんだよ」
「で、でも……そんなやり方……犯罪じゃないですか……」
と、今まで黙っていたカナが会話に入ってきた。ユキが無事だと知って、自分もある程度、心に余裕を取り戻したようだ。
そんなカナの言葉に……ウルカは悲痛そうな声のままで反論する。
「わかってるけど……このままじゃ、村が……! それに、それに……!」
そしてウルカは一旦切って、
「その財政再建のために、親父が……親父が自ら私財を削って投じてる……って……!」
搾り出すように言ったウルカの言葉に……嘘は感じられない。
ウルカは心からオールを、このアシルスを支える父を尊敬している。その父が、自らの苦しみと引き換えにこの村を救おうとしている……そこまで言われてしまったら……ウルカの追い詰められた精神は、何をしてでも村を救いたい……と思うだろう。
状況証拠も、事実もある……そして、ウルカは納得し……計画に荷担したのだ。
同情を誘う理由だ。あのまっすぐなウルカが、こんな犯罪の片棒を担ぐにいたった理由も……これで納得がいくというもの。
現に、カナは……何も声をかけることができずにいた。
その一方で、ユキは……まだ何か引っかかるものを感じていた。
(……? そんな事実、ホントにあったのかしら……? っていうか、何もかもが示し合わせたように、アイクとイオンの登場と同時に起こるって……出来すぎてない?)
「よい、しょっ……と……」
ある程度体力が回復したユキは、自力で台から降り、床に座る。
そして、下腹部に力を入れ……同じところにお腹から手のひらを当てて……ぐっ、と押した。
「……ん、っく……ふぅっ!」
ごぽっ……とぽぽっ!
一瞬遅れて、ユキの膣内と子宮内に溜め込まれていた精液があふれ出てくる。
ユキが現実世界で、今回のように大量の精液を膣内に出されて苦しくなった時のために覚えた技だ(想夜兄弟のときはほぼ毎回コレの世話になった)。
少し苦しくはあったが、それを何度か繰り返して……ユキは膣内の精液のほとんどを体外に出した。
「ふぅ……まあ、許される行為じゃないわよね……。けど、ウルカ君がこんなことしたの、私利私欲とかのためにじゃなくて、少し安心したわ」
「……ああ、でも……ユキを犯したのは、私利私欲だけどさ」
と、ウルカ。その声には……悔しさのようなものが含まれている。
「……ウルカ君も、あのおじさんたちと同じように……私を犯したかったってこと?」
「違う! 俺はっ……」
そこで、ウルカははっとしたように声を荒げた。
少し驚いているユキと、だいぶ驚いているカナの顔を見て、音量を落とし……
「……悔しかったんだ。俺……ユキと一緒にいたいって、ずっと思ってて……それなのに、何もできないまま、ユキはレインゲートに行っちまって……。次に会う時には、絶対にユキに気持ちを伝えよう、って思ってた」
その言葉を、ユキは静かに聴いている。
「けど、帰ってきたユキは、お前は……純系の愛人だった! 俺、自分がいないところでユキをかっさらわれちまったみたいで、悔しくて……」
「いや、愛人ってそんな……」
「セックスしてたじゃないか! あのアイクって奴と!」
いつもは『様』づけで呼んでいることも忘れて、ウルカは言う。
覗かれてたのホントだったんだ、とユキがアイクの勘に驚いているそばで、ウルカは語気を荒げたまま、
「嫌なんだよ! ユキが……ユキみたいに優しくていい娘が、そんな体だけの関係で飼い殺しにされるなんて……っ! だから俺、あいつからユキを奪ってやりたくて……」
「あのねえ、体だけってそんな……っとと」
その言い草に、彼が事情を知らないからだとはいえ、さすがに頭に着たユキが言い返そうとしたが、頭がくらっとして言葉を止めた。
(ん~……まだ思うように体力が回復してないか……)
そう思ったユキは……床にどさっと大の字で仰向けに寝転がった。無論、裸のままで、体のあちこちにかけられた精液がこびりついたままで、だ。
いくらもう裸を一度見られているとはいえ……他人であるカナやウルカに見られることよりも、体力の回復とリラックスを優先するあたり、ユキの神経が太巻きだとわかる。というか実際……心の傷も癒えてきていた。
「……やめろよ、そんなカッコで寝るの……また犯したくなる」
「ホントにやめてよね、もう限界なんだから」
その返事を聞き、不機嫌そうに目を逸らしつつ……ウルカは話を続けた。
「ユキが盗賊に犯されてるとき、こうしなくちゃカナが殺されるって思って……つらかったけど、助けられなかった。けど……俺、さっき……ゲリックさんに『ユキを犯せ』って言われた時、抵抗あったけど……」
一言一言、かみ締めるように、
「この前のお前とアイクのセックスが頭に浮かんで、かっとなって……カナをあいつじゃなく、自分のものにしてやる……って思えて……それでお前を……」
「………………」
本当に反省しているようだ。軽率な行動で、ユキの女としての部分を傷つけてしまった……と、謝罪を表している。
しかし、ユキへの思いには正直なまま……であるようだ。
「なあユキ、このこと……黙っててくれよ! そしたら、アシルスもユキも助かる、全部丸くおさまるじゃんか! 俺、ゲリックさんを説得して……お前を解放してくれるように言うから! そしたら……一緒にアシルスに帰ってさ、これからは俺と……」
その時、
ズゥ…………ン…………
「「「!?」」」
何か、大きな地響きのようなものが轟き……地下牢全体が微妙に揺れた。
それに驚いたのだろう、ウルカは一旦言葉を切り、何事か、と見回していた。カナも、番兵達もそうだ。思わず身構え、武器を取る。
しかし、ただ1人……ユキだけは、違った。
「……はぁ……やっと来た……」
そうつぶやいてニヤリと笑い、番兵に気づかれないように……口を動かす。
「えっとたしか……『君臨者よ 血肉の仮面・万象・羽搏き・ヒトの名を冠す者よ 真理と節制 罪知らぬ夢の壁に僅かに爪を立てよ……』」
「? ユキ?」
と、何か言っていることにウルカが気づいたその時、
「破道の三十三、『蒼火墜(そうかつい)』!!」
上体を起こしたユキは、突き出した手のひらを鉄格子の向こうの番兵に向ける。すると次の瞬間、その手から青色の爆炎が放たれ……
ドゥッ!!
「「「ぎゃ……っ!」」」
悲鳴を上げる暇も与えず、鉄格子ごと番兵を全員吹き飛ばした。
「「……………………?」」
いきなりの出来事に唖然とする2人の目の前で、ユキは回復した体力ですっくと立ち上がり……自分の裸体にこびりついた精液を見て、
「コレまず何とかしたいわね……『アモールの雨』!」
すると、密室のはずの牢獄で、突然雨が降り出した。しかもユキの頭上だけ。
カナとウルカが驚いているそばで、その雨ユキはそれを利用して体を流し、さらには……その魔法『アモールの雨』が本来持っている効果により、体力を回復させた。
すっきりした体でユキは今度は、番兵達が使っていたゴミ箱の中から……切り裂かれた自分のセーラー服を、そして、取り上げられていた武器……腕輪と剣を取り戻す。
さらに、両手をぱん、と打ち鳴らして錬金術を発動し、服を復元させた。それを着て、今度はユキはカナとウルカに向き直る。
「さて……人質の心配も要らなくなったし、タイミングもいいし……脱出しますか」
「だ、脱出……?」
「ゆ、ユキ? お前、何を言って……」
そこまで言って……ウルカは気づいた。
先程の地響きのような音が……だんだん大きくなっている……否……だんだん近づいてきていることに。
そして、
『ひいぃっ、く、来るな! あっちへ行け! 消えろ!』
『テメェが消えろ』
そんな声が聞こえた次の瞬間、
ズドガアアアアアアアアン!!
牢獄前の通路の天井がいきなり砕け散り……その上から、番兵達を盛大に巻き込みながら、大量の瓦礫と一緒にアイクとイオンが降りてきた。
「「!?」」
驚くカナとウルカの目の前で、2人はユキを、そしてそのそばのカナとウルカを発見するやいなや、学ランとブレザーをひるがえし……その傍らに跳んできた。
「悪りィ、遅くなった」
「ホントよもう、いろいろ大変だったんだから」
「……その『いろいろ』っての……僕らが想像してるので間違いない?」
ユキの隣に立つイオンは、床の……アモールの雨で濡れてしまっているが、その下の石の床に残る……明らかに行為のあとの痕跡から、そして地下牢に充満する独特な臭いから……その展開を予想して聞いた。
その問いにユキは……首肯で答える。
「お前それ……大丈夫か?」
「このくらい大丈夫よ。結構キツかったけど……まあ、輪姦プレイだったと思えば」
「……そっか、ならもう何も言わないよ。ところで……」
と、イオンはここで、同じ牢獄にいる他の2人……カナとウルカを見る。
しかしカナに関しては、
「カナ! お前大丈夫かおい……って大丈夫じゃねえな、くそっ!」
「あ……あ、アイク、さん……っ!?」
アイクが四の五の言わずに救助に向かっていた。
事前にユキがアイクの知り合いであることを聞いていたとはいえ……その驚きは相当なものだった。頭がついてこないらしい、カナが目を白黒させているのにかまわず……アイクは錬金術でカナの鎖を破壊すると、持ってきたマントを着せた。
「その……あの時あんなこと言っといて、こんなこと言えた義理じゃねーが……もう、大丈夫だから……安心しろ」
「アイク、さん…………わ……私……っ……!」
肩を抱くそのアイクの腕の温かみに……どうやらカナの心に、ようやく『助かったのだ』という事実がしみこんできたらしい。安堵からか……その目には涙が浮かんでいた。
そしてそのまま……アイクは、胸にもたれかかってきたカナをしっかり受け止めた。
一方イオンは……鋭い、冷徹な目で、床に座るウルカの方を見ていた。
「イオン、ウルカ君はその、私と一緒で……」
「ユキ、もう……知ってるから」
「! ……そう……」
事情を知ってウルカをかばおうとするユキを、イオンは手で制する。イオンはすでに……『過去視(サイコメトリー)』で、ウルカが共犯だと知っている。そして……その理由も。
しかし……ユキの言動から、彼女が何を考えているか……すなわち、少なくともこの場はウルカも無事に村に返したい、と思っていることを察し、何も言わない。
が、アイクはさすがに何か言いたそうだった。牢屋のこの状況から……ウルカの人質を装った裏切りのおかげで、ユキが耐え難い陵辱を受けたことは推測できたし……もしかすると、ウルカも一緒になってユキに乱暴したかも、と考えて、だ。
しかし、ユキの意思をこの場は尊重すべき、とイオンに視線で諭され、アイクはしぶしぶ引っ込んだ。安堵と疲労で気を失ったカナを抱え、
「……んじゃ、ひとまず……ここ出るか」
「その前にユキたちを消臭・消毒しておきましょう。オールさんたちに要らない心配を与えかねませんから。ユキ、膣内の精液は抜いてある?」
「ん、可能な限りね」
「!? お、親父が来てるのか!?」
その質問には答えずイオンは、
「『マーキュロン』!」
唱えた瞬間、一同はエタノール臭のする煙に包まれ……今までユキとウルカ、カナにこびりついていた精液の匂いが、体臭までも一緒にきれいに消えた。
「んじゃ、今度は俺が……『リレミト』!」
アイク達は光に包まれ……次の瞬間、星空を上に見上げる、明らかな『屋外』にいた。
それも……周りを、アシルスの警備隊に囲まれて、だ。アイク達が門番を一掃した地点にこの陣を引き……ダンジョンの入り口に戻る呪文『リレミト』に備えていたのだ。
ウルカも、周りの警備兵達も驚いていたが……その静寂を破って、
「ウルカ、無事だったかっ!!」
「! お、親父……!」
自らここまで来た、父親のオールが走りよってきて……その体を抱きしめる。
心中複雑なウルカを、オールは涙ながらに抱きしめてその無事を喜んだ。そして、アイク達に向き直り……
「アイク様、イオン様、本当にありがとうございます! うちの息子を……無事に連れ戻してくださって……っ!」
「いえいえ、礼には及びません。当然のことをしたまでですから」
「それよりオッサン、納屋に閉じ込められてた子供達は?」
「ああ……もちろん、言われたとおりに救出完了しました。テントで保護しています」
「そっか……よかった。じゃこの子、そのテントに連れてってやってくれ」
アイクはそういって、抱えているカナを差し出す。アイクの言う『納屋の子供達』とは……イオンが『写輪眼』で居場所を探り出した、カナの弟妹達だ。
オールは一瞬戸惑ったが、アイクの言うことに従った。
担架で運ばれていくカナをアイクが見送っていると……それと入れ違いに、
「あっ! よかった……ユキさんっ! 無事だったんですね!!」
「あ、ミリスちゃん!」
防寒用のコートを着て駆け寄ってくるミリスが目に入った。
不安で不安でたまらなかった……と、今にも泣き出しそうな顔で語っているミリスは……ユキのそばに来るやいなや、両手をかざす。
すると……ユキの体を暖かな光が包む。ミリスが詠唱もなしに発動させた治癒の魔法は……ユキの体を活性化し、瞬く間に疲労を取り除いていった。
「わ、コレ、気持ちいい……なんか幸せ」
「おいミリス、それ……後でテントにいるカナにも頼むわ」
「あ、はい!」
ミリスが、元気にうなずくのを確認して……
「じゃあ……そろそろ始めるか」
「ええ……頃合でしょう。逃げるにせよ戦うにせよ、連中は地上に出てくる……」
着崩れた服を直すと、アイクとイオンはユキ達に背を向け……今さっきまで自分たちが暴れていた、盗賊のアジトの方へ向き直る。
その後ろ姿は……不気味なほどに落ち着いていて、静かだった。
「では……僕らはこれからまた行ってきますので、オールさんは全部隊を率いてアシルスに退却を。先程押収した証拠品を忘れずに持ち帰ってください」
「え? し、しかしイオン様は……」
「あ、待って! アイク、イオン」
「「?」」
と、ユキが今まさに歩き去ろうとしていた2人を呼びとめ……何かをささやいた。
それを聞いた2人は、
「わかりました、伝えます」
「会えたらな。じゃ、行ってくる」
「うん、行ってらっしゃい」
「あ、ちょっ……アイク様!? イオン様!?」
今度は待たずに、アイクとイオンは凄まじい速さでその場から消えた。
残された者たちが唖然としている中で……ユキが、
「さて! じゃあオールさん、ウルカ君も、アシリスに帰らないと」
「で、でもミリスちゃん!? アイク様とイオン様はどうするんだい!?」
「そ、そうですよ! いくらアイクさんたちでも、盗賊数百人を相手になんて……」
「あーあー、大丈夫、あの2人なら。っていうか……早く逃げないと私たちがヤバイと思うわよ? だって……」
と、そこまで言って、ユキは一拍空け、
「嬉しいっちゃ嬉しいんだけど……あの2人……完全にマジギレしてたから」
直後、アジトの方から……凄まじい爆音がとどろき始めた。