Twins Knight Saga ~双子の勇者の転生戦記~ 作:破戒僧
「本当にありがとうね、ミリスを守ってくれて」
「いやいや、あんなもんホラ、成り行きですから」
山賊たちを退けた日の夜、藍句と伊恩はミリスの家で豪勢な夕食を御馳走になっていた。
あれから数時間、今彼らの間には、先ほどまでの殺陣(たて)とは180度違う穏やかな空気が満ちている。
山賊たちは駆けつけた自警団たちの手により逮捕されたが、どうやら親玉だけは見つからなかったらしく、逃げおおせたらしい。派手に吹き飛ばしてそのまま放置したのがまずかったようだ。
それでも、他の40人弱の下っ端たちと、街でのんきにアクセを売っていた共犯は全員逮捕できた。なのでこれからしばらくは、山賊もなりをひそめるだろうということだ。
警備隊長と名乗った男など、腰を90度に曲げて藍句たちに感謝していた。
「そのくらい凄いことよ2人とも。何せ2人で40人の山賊を倒しちゃったんだもん」
「そうですよ。でも驚きました……まさか、お2人が『術師』だったなんて……」
「や、術っていうか、何て言うか……」
「? 違うんですか? どう見ても戦闘用の『魔術』でしたけど……」
きょとんとした表情のミリスが、ソーセージをフォークに突き刺しながら言う。
「あの動きに、あの炎のパンチや電撃……『身体強化魔術』と『属性攻撃魔術』だったと思ったんですけど……」
「まあ、似たような何かだったってことでしょ。ともかく今は食事! せっかくミリスが無事だったお祝いなんだから、さ、食べよ!」
「んじゃ、遠慮なく!」
言うなり、藍句は目の前に置かれていた大皿の料理に手を伸ばす。こういう場面で必要以上に緊張せず、フランクになれるのも、彼の長所の一つだ。
それを見て緊張感が解けた伊恩も、それにならうことにした。
食事はとても豪華で、そして美味なものだった。
オーソドックスなパンに加え、コンソメスープや焼いたソーセージ、オムレツ、緑黄色野菜と果物のサラダなど、バリエーションに富んでいる。そして美味なのだ。
と、しばらくその食事が続いたところで、
「あ、そうだ……伊恩くん、ちょっといいかな?」
「? 何ですか、イーラさん」
唐突に名前を呼ばれた伊恩が、口の中に入れているものを飲み込んでから返事をした。それに藍句も反応し、イーラの方を見る。
「うん、えっとね……君たちのことについて、今回のこともあるし……もうちょっと詳しく聞いておきたいの。あとで時間いいかな?」
「ええ、構いませんけど……」
「それ、俺は居なくてもいいんすか?」
と、パンをかじりながらの藍句。
「うん。藍句君はホラ、昼間ミリスに付き合って買い物してて疲れてるだろうし……今日はもう早めに休んでくれていいよ。攻撃系の術って意外と体力使うって聞くしね」
イーラなりの配慮だろうか。その後ご丁寧に、ミリスに藍句を風呂に案内するように、と指令を出していた。
まあ実際、藍句が疲れているであろうという予想は少なからず当たっているわけである。伊恩も同様に術を使っていたのだが……という疑問はわくものの、そこはあまり気にしていないようだ。
考えた末、藍句はその言葉に甘えることにした。伊恩もうなずいて了承してくれる。
「じゃあミリス、よろしくね。あ、なんなら一緒に入って使い方教えてあげてもいいんじゃないかな?」
「ちょ、ちょっとお姉ちゃん!?」
「いや、風呂くらい1人で入れますから……」
いたずらっぽく言ったイーラのセリフに一瞬で赤くなるミリス。藍句、伊恩の2人も、これには相変わらずというか、苦笑いするしかない。
そんな感じで冗談を言い合いながら食事を続け、それが終わると、予定通り藍句はミリスに案内されて風呂場へ向かい、伊恩は一度部屋に戻って書き物をした後、呼ばれていたイーラの部屋に向かった。
☆
伊恩が侍女に案内されて部屋に入ると、そこにはすでにイーラが待っていた。
「あ、すいません、お待たせしてしまって……」
「ううん、いいのいいの。さ、座って?」
夕食を終えたばかりだが、イーラはココアを用意していた。そして、部屋の中心にある豪華な装飾の座イスを指差す。イーラの趣味だろうか?
まあ、夕食後とはいえせっかく用意してくれたのだし、何やらイーラは資料の整理をしていてまだ話すのは先になりそうだった。なので、伊恩はすすめられるままにイスに座り、ココアを口にした。
「…………!」
……そして、すぐにやめた。
「……………………」
カップをテーブルに置き、伊恩は神妙そうな視線をイーラに返す。
「あら、口に合わなかった?」
「…………ええ、申し訳ありませんが、これは少々……」
「そう? 残念ね~、けっこういい銘柄のホットココアなのに」
「いえ、ココアはともかく……しびれ薬を好んで飲む趣味はありませんので」
「……あら?」
と、さして驚いた様子もなくだが、イーラはそんな言葉を返した。一方で伊恩は、疑惑の籠った視線を、変わらずイーラに投げかけ続けている。
どういうことかというと、伊恩はココアが舌先に触れた瞬間、中にそういった効果をもつ薬が混入していることを見破ったのである。それも当然、父から進められて教わった1つの技術だ。一般基準で考えれば『どこの忍者だ』ってなものだが。
しかし、薬を盛られて殺されたり、さらわれたり……ということを防ぐ目的を考えれば、意外と有用、持っていて損はない能力なのである。
「ふーん……すごいね、伊恩くん。そんな技ももってるんだ?」
「どういうことでしょうか? まさかあなたまで僕らの敵……なんて可能性は、できれば考えたくないんですが。なぜココアにしびれ薬を?」
悪気もなさそうに、伊恩が残したココアのカップを手繰り寄せるイーラ。
真剣みはあまり感じられないが、どうやらはぐらかす気もないようで、
「ああ、それは大丈夫、敵とかじゃないし。ちょっと動けなくなって欲しかっただけ」
「何のために? 質問くらい、僕は普通に答えますよ?」
「そうじゃなくてね……あ、その前に、何か体に違和感とかないかな?」
「? しびれ薬でしたら……効果は期待しない方がいいですよ? 効果が表れるほどの量はなめてませんし……そういった類の薬には、ある程度慣らされてますから」
「すごいね~……伊恩くん、本当に何者?」
本当に、伊恩のこのアビリティは『どこの忍者だ』というような感じと言える。が……なぜか、イーラの顔からは笑みが未だに消えない。
「うん、その警戒心はお見事。でも、欲を言えば……」
「? 何を…………っ!!」
と、その瞬間、
バチチチチチチッ!?
伊恩が座っていた椅子から火花が飛び、燐光を放つ。同時に……座っている伊恩の体全体に妙な硬直感が走り、手足をほとんど動かせなくなった。
「な、何……!?」
「『術』に対する警戒心もそのくらいだったらよかったね?」
そんなことを言いながら、イーラは、イスに座ったまま動けない伊恩の傍に立った。
硬直感のせいで上手く動かせない体。それに鞭打って、何とか伊恩は口をきく。
「な、何ですか、コレ……?」
「うん。そのイス魔法加工がしてあって、座ると動けなくなる魔術が掛かってるの」
つまり、座ると発動する魔法トラップということらしい。その効果のおかげで、今現在伊恩は身動きが取れなくなっているというのだ。座ったままの姿勢で、完全な無抵抗で。
(!? そんな魔法もあるのか、この世界……!? ていうか、しびれ薬といい、何でこんなことを……)
と、その心の中を察したかのように、イーラは伊恩の正面に立ち、笑顔で言った。
「さて、じゃあ多分伊恩くん今『何で?』って考えてるだろうから、教えてあげるね? ズバリこれは、逃げられないように」
「逃げ……? どういうことですか?」
「こういうこと」
そう言ってイーラは…………
…………突如として、無抵抗な伊恩のズボンを一気に脱がせた。
「…………!!?」
「ほら、わかんない? 昼間のつ・づ・き♪」
(昼間って…………!!)
瞬間、伊恩の脳内に昼間に書庫で起こった出来事がフラッシュバックする。
赤くなる自分……自分の股間に手を当てて擦ってくるイーラ……艶めかしい声……そして、元気になって行く自分の分身……
その続き……つまり彼女のやろうとしていることとは……
「伊恩くんの精液、ちょっとちょうだいね?」
「な、ちょっ……!?」
天気の話でもするかのような軽口で言うイーラ。すでにパンツまでも脱がし、まだ勃起前で小さな伊恩の陰茎があらわになっている。
それをイーラは何の抵抗もなくつかむと……昨日、藍句にしていたのと同じように、勃起させんと手コキをし始めた。すぐに、自分でする時とは全く違う快感が伊恩の脳に届く。ペニスを全くの他者によって。予測できない調子でいじくりまわされるというのは、見た目よりはるかに興奮と快感があるのだ。
「……っ……く……!?」
「ふふ……じゃ、はじめよっか?」
☆
手慣れた……と言うほどではないが、イーラのペニスの扱いは的確だった。どうやら相応の場数は踏んでいるらしい。
一番感じる亀頭と、そのすぐ下の傘になっている部分……カリ首を重点的に、その細い指でこすって攻めてくる。力の入れ具合も、意識しているのかは分からないが、なかなか絶妙といえた。その攻め方に単調なものを感じるあたりは、やはり熟練との差か。
それでも、元の世界にいたころから通して5日以上も射精を行っておらず、思春期男子としてはかなりギリギリの所にある伊恩のペニスには、十分な刺激だった。
「……っ! くぅ……ちょ、イーラさ……」
「あ、私の手で感じてくれてるんだ? うれしー」
嬉しそうに笑いながら、時折ペースや攻める個所を変え、伊恩が飽きないようにする。
尿道の周りを攻めたかと思えば、その中に爪を軽く食いこませてみたり……また、根元から力を入れて少々乱暴にしてみたりと。
「でも、藍句くんといい、君たちのおちんちんホントに大きいよね~……何食べてるの?」
「何って、そんな……うあっ!?」
「あ、ごめ~ん、ひっかいちゃったかな?」
ご名答。カリ首の部分にイーラの爪が意図せずひっかかったことで、伊恩は不意打ち的なタイミングで快感に襲われ、声をあげていた。
「……っ! くぅ、あ……」
年上の女性とはいえ、自分の秘所をいいように扱われているというこの光景。そして、イスの魔力拘束で動けないままに嬲られているという状況は、さらに伊恩を興奮させる。
血管を浮き上がらせ、時折びくびくと震える伊恩の男根。今にもはち切れそうなサイズに膨張したそれを満足げに眺めるイーラ。
イーラがふと手を動かすと、その指にとろり、とした液体がついていることに気付いた。
指と指を離すと、まるでそれを引き戻さんとするかのように糸を引いた。
(すごーい……先走り汁だけで、もうこんなにベトベトなんて……)
指先の液体をぺろりとなめてみせるその姿は、さらに扇情的だった。
「よっぽどいっぱいたまってるんだね~、ここに」
言いながら、イーラは伊恩の玉袋をきゅっと、少し強めにつかむ。
「っくぅっ!?」
「あ、びくってなった」
衝撃にわずかに伊恩の腰が浮く。意図しない、生理的な動きまでは、イスの魔力で拘束はしないのだろうか。
それをいいことに、イーラはその左手で伊恩の2つの玉をぐにぐにともてあそび、伊恩の反応を楽しんでいた。
もむたびに出てくる先走り汁は、その都度なめとっている。そのせいで伊恩はさらなる快感を味わい、くわえてその膨らんだペニスは、なめきれなかった先走り汁とイーラの唾液とで全体が濡れ、トーチの光を受けて淫靡にてかてかと煌めいていた。
離れて見てみると、まるで表面の研磨された彫刻のようだ。そのくらい、今の伊恩の男根は重厚な雰囲気だった。
しかし、
「うーん……なかなか出ないね?」
カウパーが出てきているわけだから、いいところまでは行っているというのはわかる。しかし、それ以上いくらせめても……射精が起こらないのだ。
というのも、前にも言ったように、藍句も伊恩もこういう状況は初めてではない。父について行った商談の場、他の大企業の重役が用意した娼婦を抱いて、女性経験はそれなりに持っている。
なので、攻められてもそう簡単に射精しないだけの体力と耐久力は身についていたのだ。それも、想夜家の跡取りとしての威厳を保つため。
もっとも、昨日の藍句は寝起きで油断があったために、比較的簡単に出されてしまったが。
そう説明が聞こえたわけではないが、女だてらにこれでは時間がかかると思ったらしいイーラは、ふと、何かを思い出したような顔になる。
そして、唐突にテーブルの上のココア……さっきの伊恩の飲み残し……をとった。
「そっかそっか、コレがあったっけ」
「え?」
そしてイーラは……何を思ったのか、なんとそのカップの中のココアを、たぱたぱと伊恩のペニスにかけたのだ。残らず。
イーラの意図がわからず、困惑する伊恩だったが……異変はすぐに起きた。
「えっ!? あ、熱……!」
かけられた部分からペニスが熱を持ち、猛烈に熱くなっていく。同時にその熱さは、その後にココアが伝っていった玉袋にまで広がった。
そのココアに、しびれ薬のほかに何が入れられていたのかは……すぐに予想できる。
「まあ、せっかくだから楽しんでもらおうと思って、ココアに媚薬も入れておいたの。誰かさんは、意地悪して飲んでくれなかったけどぉ~」
「そんな、一体何を考えて……くひぃっ!?」
「あはは、どう? 気持ちいいでしょ? 隣町で買ったレア物なのよ?」
またしても一気に攻める手の動きを加速するイーラは、媚薬の効果でショック状態の伊恩のペニスを容赦なくしごく。
レア物と言うだけあって、媚薬の効果は確かだった。先端から根っこ、さらには玉袋を含めた世紀そのものの付け根に至るまで、高熱が藍句を襲う。そして、一旦はあまりのショックで停滞状態だった快感も、急激に復活してきていた。
やがて……伊恩にも限界が近づいてきていた。
頻繁にぶるぶると震え始めたペニスに、荒くなる息。イーラは何も言わず射精が近いことを悟る。懐から小瓶を取り出し、いつでも使えるようにふたを開けて手に持った。
そして……トドメとばかりに、牛の乳しぼりのように力を込めてきつく伊恩の分身を握ったその時、
「も、もう出……っくああああーっ!!」
びゅるるるるるっ! どぴゅっ、びゅくっ、びゅるるるるっ!
イーラの手の圧迫を軽々押しのけ……伊恩の白濁液は、体外に発射された。
あわててイーラが瓶の口を押し付け、飛び出す精液を残らず回収していく。まるで水鉄砲のような勢いで射精は続き、瞬く間にイーラの瓶を満たしていった。
瓶の容量が少なくなると……イーラはさらに瓶をもう1つ出し、1つ目の瓶が満タンになると同時に2つめをあてがった。それは慣れた手つきで、最初の1発以外はこぼさずうまく瓶に収めていた。
結局……射精が治まるまでに、伊恩は瓶1本半を精液で満たした。
「うわ~……媚薬使ったとはいえ、すごい量……。兄弟そろって絶倫ね」
「はぁ……はぁ……な、何を言って……」
「まあまあ、褒めてるんだから。……そうだ」
と、イーラはまだ硬化したままの伊恩のペニスを見て、にやりと笑う。そして……もう用は済んだはずのそれを手に取った。
「えっ? な、何を……? まだ要るんですか……?」
「ううん、もう検査に必要な分はもらったから。これはただの……お礼かな?」
「?」
その『検査』からして何なのか聞きたい伊恩ではあったが、今はそれよりもイーラの『お礼』の意味が気になった。
しかし、それを考える間もなく、イーラはそれを実行に移す。大仰に舌なめずりをしてみせた後……伊恩のペニスを、その口にくわえたのだ。
「……っ!? な……何を……っきあうっ!?」
「……んふ……ちゅぅ……ちゅる……だいひょうぶ、いい子にしてて?」
くぐもった声で言いつつ、イーラは伊恩のペニスを優しくなめまわす。
先ほど手でやっていたのと同じように、亀頭、カリ首、根本……まんべんなく唾液を塗りたくって刺激を与える。
しかも、手でやっていた時とは違い……冷たい外気にさらされることなく、それらほとんど全てがその暖かい口の中で、さらに唾液にまみれて、舌で行われるのだ。当然その快感も、先ほどまでとはケタが違う。
(……っ! こ、こんなに、気持ちいいなんて……っ! こんなの、すぐに……)
「ん……ふぅ……れろれろ……ちゅるっ、じゅるるるっ」
先ほどにもまして、伊恩のペニスからは先走り汁があふれ出る。イーラも、なめながらではすすって飲むのがやっと……というほどの量だ。
その甘美な味と、伊恩の震える姿は……イーラを更にやる気にさせる。
「ちゅる……ちゅじゅじゅ……ちゅぽっ……」
伊恩にとってもフェラは初めてではないし、そもそも媚薬自体何度か経験もある。しかし、やはり異世界の、もとの世界のそれとは成分が違うそれであるためだろうか、その効果は実に如実に出ており、先ほど射精したばかりのペニスは、早くも追い詰められつつあった。
「ずずず…………んふっ……いつでも出していいからね?」
(それにしても……ホントすごい大きさ……。くわえるのも一苦労ね。持ってる人は持ってるものなのね……こんなおおきなおちんちん)
「あっ、く……あぁ……そ、そんな……」
快感に目の前がチカチカしそうな状態の中、伊恩は玉袋の中の睾丸がせり上がってくるのを感じていた。腰のあたりが小刻みに震え、自然と、腰そのものも浮き気味になる。
それを察知したイーラは、ここぞとばかりにラストスパートに入る。
舌に合わせて頭ごと動かし、喉の奥まで使ってペニスを刺激し……そして、今までおまけ程度に行っていた吸引を一気に強める。まるでバキュームのように、伊恩のペニスから全てを吸い取ろうとするかのように。
その瞬間、伊恩は再び限界を迎えた。
「くぅ……ぃあああああっ!!」
びゅくぅ! びゅるっ……びゅうううううっるるっ!!
「……ん……!? ふ、ん……うう……んんっ!!」
2度目ながら予想をはるかに超える勢いの射精に、さすがにイーラも驚いた様子だ。
しかし、そこは女の意地とでもいうのか、イーラは口を離そうとはせず、放たれる精液を全て口の中で受け止めた。口に、鼻に、精液独特のにおいと味がいっぱいに広がる。
おそらく一回目と同等の量であろうそれを、どうにか飲み下す。ごくん、と喉を鳴らしたまではいいが、やはり粘性の高い精液は、多少なり喉に絡むようだ。
それでも、女としての喜びが勝るのだろう、イーラは恍惚の表情だ。
飲んでからずいぶん経ってから、イーラはぷはっ、と息を吐き出した。
「はー……はー…………ホントにすごい……ちょっと多くて飲むの大変だったけど……癖になりそう」
「はぁ……はぁ……か、勝手に……なら……ないで……くださいよ……。精液、僕の……なんですから……」
「あら……そういえばそうね。じゃあ、その時はまたよろしく頼もうかしら?」
「あ、あのね……」
伊恩はしかし、何か言い返す気力もなかなかわいてこない様子である。
媚薬による精力のオーバードライブに加え、イーラによって2回も射精させられたのだから、ある意味当然ではあるが。それにもともと、伊恩は疲れていたわけだし。
そんな伊恩を多少気遣ってだろうか、イーラは少しだけ休むと、伊恩の座っている椅子に向けて何事かつぶやく。すると、とたんに伊恩の手足が軽くなった。
伊恩が、それが、イスの呪縛がイーラによって解除されたから……だからということに気づくまでに、そうかからなかった。
「ふふっ、お疲れ様。はい、ズボンとパンツ」
「どうも……」
くたくたながら、伊恩はしっかりと自分の足で立ちあがり、イーラから手渡された下の衣類を手早く……とはいえないまでも、身につける。
そして呼吸を整えて、イーラに向き直った。
「はぁ……」
「ふふっ、どう? 気持ち良かったでしょ?」
「それはまあ……でも、余計疲れました」
「あら残念。私はすっごく楽しかったわよ? コレも手に入ったし」
そう言って、小瓶を振って見せる。無論、中には伊恩の精液がなみなみと入っている。
伊恩は何か言おうとしたが、はぐらかされることは明白なのでやめた。
それよりも、まだ生産的な会話につなげることにしたのだ。
「それで?」
「? 『それで』って?」
「僕に質問があって書斎に呼んだんでしょう?」
「ああ……それ明日でいいわ。ちょっと早くコレ調べたいから。もう休んで?」
言ったきり、イーラは伊恩の返事を待たずに奥の部屋に消えた。
「…………………………はぁ」
決して性的なものではない激しいめまいに、伊恩は襲われた。