Twins Knight Saga ~双子の勇者の転生戦記~ 作:破戒僧
昼前。
イオンが眠気をこらえて仕事をこなし……その合間、
イオンは仕事を一時中断し……事前に設定していた、ウルカとの面会を行っていた。
ほかの人物の一切を遮断して、ウルカと部屋に2人……という状況である。
そしてそこでは、
「1つ……『今後一切、女性との肉体的関係を持つことを禁ずる』。1つ……『公的判断によって認められた者以外に対しての、この事件のいかなる説明・釈明も行うことを禁ずる』……」
イオンは、燐光を帯びているその指で……ウルカの胸の辺りを指差しながら、今のような調子で淡々と、いくつかの事柄を連ねて述べていく。
そして最後、仕上げとばかりに、
「この誓い破られし時……この魔力の鎖があなたのその心臓を八つ裂きにします、お忘れなく……『律する小指の鎖(ジャッジメントチェーン)』……!」
直後、
ウルカの心臓に……何か、冷たい鎖のようなものが巻きつくような、ぞっとした感覚が襲い掛かり……ウルカに恐怖を与える。
しかし、事前にこうなることは聞いていたため……ウルカは驚きつつも、極力動揺を抑えられていた。
そして、その一連の手順が終わった所で、イオンはウルカの目を正面から見据えると、
「……あなたには、オールさんから直々に処罰が下るものと聞いていますし……ユキも、その事情を考慮して減罰の承認をしています。それに……あなたにはこれ以降、この事件で傾いたこの町を建て直す力がある……これは、その点を考慮しての処置です」
本当なら……口に出すのもはばかられる処遇を考えるところですがね、と、イオンは付け加えるのを忘れなかった。
女性とのセックスの禁止、情報漏えいの禁止を含めた、様々な制約を課し……破った場合には死のペナルティを課す。それが、イオンが私的にだが……ウルカに対して選んだ罰だ。
本来ならウルカの罪は、普通なら投獄、最低でも村を追放処分になるほどのそれであるが……ウルカも知らなかった『ある理由』による情状酌量が汲まれているのだ。
そしてそこには……一部だが、おそらく立場やビジネス上の問題も組み込まれているだろう……と考え、その分の埋め合わせにでも、という理屈でイオンが組み込んだのが……今回の、イオンが言い渡した『約束』を破った場合、ウルカは即死することになる……という枷だ。
それを……ウルカは黙ってうなずくことによって、承諾の意を示す。
イオンはそれを確認すると、次の予定に向かうため……その部屋を後にしようとした。
するとウルカは、突然イオンを呼び止め、
「ま……待ってください!」
「……まだ何か?」
「あの……さっき、イオンさんが俺に教えてくれた『あのこと』って……ホントに……?」
ウルカは、先ほど……イオンが、自らへの処置の前に自分に告げた『ある事実』に……下手をすれば自らへの罰以上に、動揺を隠せない様子だ。
イオンは、その問いに……
「……これに、証拠も含め……全て書いてあります。よろしければどうぞ」
そう言って、机の上に何枚かの書類をクリップでとめたものを置き……その場を後にした。
あとには……衝撃の『事実』に打ちのめされ、うつむいているウルカ1人が残された。
☆
その、さらに数時間後。
ウルカへの私的処断、という仕事も終わり、また商談云々にもどったイオンだったが……
とうとうというか、限界が近づいてきていた。
「あのー……イオンさん、大丈夫……ですか? すごく疲れた顔……してますけど……」
「え、ああ……いや、ははは……これはその、自業自得ですから」
イオンとミリスは……海岸を歩いて、真珠の養殖場の視察をしていた。
サンプルにもらった真珠は粗悪品だったが、イオンは実際に見て回ってみて……この町で作られている真珠の本来の品質は確かだ、と理解する。
明日には契約を結べるだろう……と、見通しも立っていた。
……が、
ミリスに指摘されたように……そのイオンの顔色は……明らかに悪かった。
「目の下にすごい隈ができてるんですけど……昨日、寝ましたか?」
「あー、はい、一応……3時間くらいですけど……」
「え、ちょっ……あんなに大暴れしたのに3時間しか寝てないで仕事してるんですか!? ちょ……いくらイオンさんでも無茶ですよ!」
「でもその……自業自得なので……」
セックスで起きていて眠るのを忘れた……とはとても言えなかった。
「何でそんな……まさかユキさんとセックスしてて寝てないわけじゃあるまいし……」
訂正、言うまでもなかった。
危うく当てられるところだったことにぞっとしつつ、イオンはどうにかして早く終わらせよう、と歩みを速めた。先程から……1分に1回のペースであくびが出ている。
ところで、そこがイオンが引っかかっているところだった。
(それにしても……なんで今日こんなに眠いんだ……? 前の世界では、1日くらい徹夜しても、なんとか乗り切れてたのに……)
イオンは確かに疲れてはいたが……今の時代の現代っ子らしく、夜更かしには耐性があった。徹夜で何かの仕事を片付けることもあったし……そういう日には決まって次の日は多少つらかった。
しかし、2~3時間も仮眠をとれば……その日1日くらいは何とか乗り切れるだけの体力はあったはずだ。セックスの分の疲労を差し引いても……疲れすぎでは、と思えた。
となると、原因は……その前の無双バトルだろうか。
(そういえば、前に……ブボウの時や、ユキとの試合とかの後も……なんか夜やけに眠くなったっけ……何か関係あるのかな?)
その2つの後、いずれもイオンはセックスしてから寝ているのだが……それについてはイオンは考えなかった。
ともかくイオンはなるべく急いで視察を終わらせるため、少し早足で歩き、しかし観察眼は曇らせることなく、見事な集中力で……真珠の査定を終わらせていった。
確認事項を書類に記入し……ふぅ、と息をつく。
すると、
「これで大体終わりましたね……くぁ……」
今のは……イオンではなく、ミリスだった。
小さく口を開けてあくびをした後、はっとして少し恥ずかしそうにする。
それを見て、イオンはすこしほほえましそうに思ったが……よくよく考えれば、ミリスとてここ最近忙しく、睡眠時間を削られているのだ。疲れもたまるだろう。
それによく見れば……先程からミリスが歩くペースが少しずつ落ちてきているようにも感じられた。それに気づいたイオンは、少し休もう……と提案した。
2人はそこから少し歩き、海岸近くの人気のない岩場に来た。
ここなら漁場や真珠養殖場からもそこそこ離れており……波の音くらいしか騒音はない。邪魔もなく……ゆっくり休めると思われたのだ。
…………が、その静けさが……予想外の事態を引き起こすことになる。
休憩のため、手ごろな岩に座ってふぅ、と息をついたイオンを……凄まじい睡魔が襲ったのだ。
そして、
☆
「…………て…い…………さん…………」
(…………ん?)
「イオンさん、そろそろ起きてください。イオンさん!」
耳元でなにやら呼ぶ声がしたため、イオンは寝ぼけ眼をこすって目を開けた。
と、同時に……痛烈な違和感が襲う。
声の主はミリスだ、それはわかった。が……なぜあのように、霧の奥から聞こえてきそうなか細い声で聞こえたのか。まるで、寝起きのような……
(あれ……? もしかして僕、寝たのかな……?)
それなら、この妙な聞こえ方も納得がいく。これは、眠っている自分を起こそうとしてくれているミリスの声……と言うわけだ。
疲れていたとはいえ、少々恥ずかしい、とイオンは思いつつ、徐々に鮮明になってきた視界を改めて認識すると……
「………………え?」
その景色が……どう見ても『夜』になっていることに、愕然とした。
「………………えぇ!? ちょ……今何時!? ぼ、僕いったい何時間寝て……」
「わっ!? お、落ち着いてくださいイオンさん! そ、その……ここ岩の上ですから! 落ちます海! 落ちますよぉっ!?」
と、隣にいるミリスに言われ……イオンはどうにか落ち着きを取り戻す。
ただし、『比較的』だが。
日がとっぷりと暮れ、カラスも鳴いていないこの光景。イオンはとっさに時計を見ると、そこには……『6:59』を示す文字盤があった。
「ろ……6時間半も寝てたんですか、僕……?」
「みたい、ですね……」
仕事は終わっていたとはいえ……家の中でもないのに、外での昼寝でここまで爆睡したのか、とイオンはかなり驚いていた。現実世界にいたころは……たとえ徹夜でもしっかり授業を受けられていた自分が、と。
最近たるんでいるのか、と猛省しつつ……ふと、今の今までミリスは何をしていたのか、と聞くと、
「えっと、その……気がついたらイオンさんが寝てて……疲れてらっしゃるでしょうし、起こすのも気が引けたので、そのまましばらくイオンさんの寝顔を見てたんですけど……なかなか目を覚まさなくて……それでそのまま……」
すなわち……その間ずっと、自分を置いて行くわけにも行かなかったミリスは……ここでイオンが目を覚ますのを待っていた、と。
そして、さすがにこれ以上はまずいと思ったのか、はたまた生きているかどうか不安になったのか、今この時間になってイオンを揺さぶり起こした、と。
「……すいません……ホントに……」
イオンはさっきの倍ほど猛省した。
(ど、どうしたんだ僕、ホントに……!?)
と、
「ホントです……。待たされるのは別にかまいませんけど……私危うく……」
「え?」
ミリスの口から、イーラ以外にはめったに出ることのない、恨み言が聞こえ……どういうことか、と気になってイオンが視線を向けると……
「……あやうく私……襲っちゃいそうになって……我慢するの大変で……」
「!!?」
そんな問題発言をするミリスの視線の先には……目で見てわかるほどに膨らんでいる、イオンの股間があった。ズボンの布が突っ張って、苦しそうにしている。
俗に言う『朝勃ち』であることは……言うまでもない。
それが起こっていることを、そしてそれをずっとミリスに見られていたことを知り……イオンは気まずくなり、あわてて岩から飛び降りた。
と、それを見てなぜかミリスがあわてて、
「え? あ、あの……どこへ?」
「いや、そ、そりゃどこって……帰らないと……もう夜ですし……」
「そ、そうですけど……それ、どうするんですか?」
と、ミリスはイオンの股間を指差して一言。たしかに、人前に出れる状態ではないが……今はもう夜で、道に人通りも少ない。
注意すれば大丈夫だ……とイオンは返すが、
「そ、それでも……その……」
なぜかミリスは食い下がる。
と、イオンが、なぜか必要以上に赤いミリスの顔色に気づいて違和感を覚えたとき……ミリスは不意にスカートのすそをたくし上げ、その中身を見せた。
そこにはなんと……
「…………え゛っ……!?」
「イオンさんが大丈夫でも……わ、私が……大丈夫じゃ、なくて……」
下着はすでに脱がれており、愛液がたらたらと流れ出てきている……蟲惑的な雰囲気でいっぱいのミリスの秘裂があった。
(も、もしかして……僕が寝てる間、自分でヤってたんじゃ……?)
「す、すぐ終わりますから……その……ここで……」
☆
じゅぷ、ぐぷ……ぬぷ、ずぷ、ず、ぐちゅっ!
「もう……っ! ミリスさんって……引っ込み思案なのか、エッチなの、か……どっちなんですか……っ?」
「んぅっ……わ、わかんない、ですよぉ……っ、あっ、はぁ……ひああっ!」
昼寝をしていた岩場の影で……イオンはミリスに、後ろからペニスを突きたてていた。
どうやらイオンが起きるまで、かなり長い時間1人でやっていたらしく……イオンは特に抵抗を感じることもなく、ミリスの中にその身を沈めることができていた。
そして、一旦入ってしまえば……待っていたのはやはり、伝家の宝刀とも言うべき、ペニスを全方向から刺激し、精液を搾り取らんとする……貪欲な肉壁の総攻撃。
まだわずかに眠気が残っていたイオンの意識は……それによって完全に覚醒した。
ミリスのほうも……肉ヒダが消えるのではないかと思えるほどに攻撃的なそのピストンに、油断すればその瞬間に達してしまいそうな快感を浴びせられ続けていた。
「はっ、あっ……んあっ、ひあんっ! い、イオンさんの、久しぶり……でっ……! ゃ……んあっ! すごく、いいですっ……!」
じゅぷ、ぐちゅ……くちゅじゅるじゅる……ずりゅずちゅっ!
おそらくイオンの先走り汁も混じっているのであろう、大量の愛液が、ピストンのたびに膣穴からあふれ出し、足元の砂地にしみこんで消える。
その量のおかげで……2人がつながっている場所からは、屋外だと言うのに耳によく届くおおきな水音が響き、その興奮と緊張に拍車をかけていた。
すると、それが気になったのか……ミリスはこんなことを言い出す始末。
「っ……! こんな、大きな音立てて……誰かが、んっ! 海岸とかにいたら……見つかっちゃったり、するかも……しれない、ですね……あんっ!」
「……っ!? ちょ……ミリスさ……っ、へ、変なこと、言わないでくださいよ……っ!」
「だ、だって……そう、思えちゃって……そしたら、その……よ、余計に興奮してきて……んんっ! あはぁあっ!」
その言葉を裏付けるかのように、ミリスの膣はさらにきつく……イオンの分身を絞り上げる。それに驚いて……イオンの射精へのリミットが大幅に縮まった。
いやむしろ、すでに気を抜けばその瞬間に出してしまいそうな状態だ。それをこらえて……イオンは勢いに頼り、ミリスを突き上げ続ける。
「ん……もうっ! 女の子が、そんな、こと、言ってっ! 露出願望でも、あるんですかっ!? あなたはっ!?」
「ん、ひゃぁあっ! そ、そんなこと、ないですけどぉっ! い、いけないことしてる……っていう、この感じが、好きで……ん、きぅうっ! この前の、川岸で、お姉ちゃんも一緒にヤったときも、すごく……だから、好きなんです……っ!」
(……っ! ふ、普段はおとなしい娘なのに……どんだけエロいことが好きなんだよこの人は――――っ!?)
普段、姉が平気で話す猥談に赤面しながら耳をふさぐようなミリスが……自分とのセックスになると、自分から進んでより激しく、いやらしい……しかも、限りなく普通とはかけ離れたシチュエーションでまでセックスに及ぶ。姉も言わないようなことも、ガンガン口にしてみせる。一瞬、多重人格かと錯覚するほどに。
今の彼女の状態からすれば……姉の猥談の内容も、もはや笑えるようなものだ。
そのギャップもまた、アイクには刺激となる。
その直後、雲から漏れ出た月明かりがあたりを照らし……夜の闇に浮かぶ2人の地帯を鮮明に見えるようにする。
それが2人にはトドメと呼べるものとなり……
「あっ、うっ……ミリスさん、もうっ……!」
「は、はいっ! イオン、しゃん……ら、らひて……なかにっ!!」
びゅるるるるっ! びゅく、びゅぷ……どびゅるるるるるっ!!
「あ、んっ、あっ、やあああはあぁああぁあ―――――――っ!!」
イオンが絶頂と共に、ミリスの膣内を精液で満たし……そしてミリスは、それこそ誰かに聞かれてもおかしくないような悲鳴を上げて果てた。
数分間、射精が続き……さらにそれよりも長く、2人はその余韻を味わう。
倒れこまず、2人とも立ち続けていられたのは……上出来と呼べるだろう。
「あ、はあ……い、おん、さん……」
「……っ、え……?」
「き、気持ちよかった……ですか……?」
と、まだ潤んでいる目で、ミリスは問いかけてくる。
イオンには……少し悔しくはあるが、嘘を言う理由もない。
「え、ええ……とっても……」
「そう、ですか……よかった……。じゃあ、機会があったら……また、外とかで……」
「い、いや……そこは、なるべく中で……やりましょうよ……」
「えぇ……そんなぁ……」
セックス後の2人による、そんな緊張感のない……微妙にどころでなくいやらしい会話が繰り広げられていたその時、
「おーい、終わったかー?」
「「!?」」
突然、上のほうの崖の上からそんな声が聞こえてきて……2人は飛び上がりそうに驚いた。
しかも、その声の主は……
「そ、その声って、ま、まさか……」
「あ、アイク……さん」
「そーです。君のおにーさんですよー、イオン君」
姿こそ見えないが……崖の上から聞こえてくるその声は、明らかに兄・アイク。
どこか呆れているような響きを含んだ声のまま、アイクは続ける。
「あー、安心しろ。見てないから」
「み、見てないって……そういう問題じゃないでしょ!? っていうか、何でここにいるんですか!?」
「バカ、お前らしくもねえ。仕事昼過ぎには終わるはずなのに、こんな時間まで弟が帰ってこなくて……気にならない兄がどこにいんだよ? おまけにミリスまでいねえし、ユキも知らねーっていうし……」
どうやら……心配して探していたらしい。正論だ。
突然の来訪に気が動転しているイオンは、珍しくアイク相手に何も言い返せない。
「なんか今酷くバカにされたような気がしたんだが……」
「何言ってんですか、もう……」
と、パニック寸前になりながらも服を着終わったイオンとミリスは、崖の上の、下からは死角になる部分に寝転がっていたアイクに合流する。
2人とも顔が真っ赤。ミリスにいたっては……どうやらいつもの調子を取り戻しつつあるらしく、セックス中に自分が言ったこと、アイクに声だけとはいえ聞かれていたことを脳内で思い返し……羞恥心で気絶寸前の思いだった。
その聞いていたアイクは……
「あー、腹減った。早く帰ろうぜ?」
……全くと言っていいほど気にしていなかったのだが。
ともかく、アイクの言っていることは確かなので……イオンもミリスもなんとかそれを吹っ切って、宿に戻るべく足を速めたのだった。
「……そういやイオン、お前なんであんな状況になってたんだよ、そういう趣味?」
「い、いやその……実はかくかくしかじかで、起き抜けに……」
「へー……って6時間半!? 寝起きいいお前が!? おま……そんなに疲れてたのか!?」
「さぁ……ホント、何だったんだか……」