Twins Knight Saga ~双子の勇者の転生戦記~ 作:破戒僧
第56話 突然の襲撃者
そこには何もない。どこを見ても、視界には「黒い空間」だけがある。ただただ暗黒の世界が広がるのみである。
いや、暗黒という表現は少々違うだろう。周りは確かに黒いが、暗いわけではなく、はっきりと先が見えるからだ。ただ『黒い』だけの空間で、そこにいる人物や物などは、明かりもないのにはっきりと見える。
と言っても、何があるかというと、何やらカフェテラスのようなテーブルとイスだけ、あとは……周囲に何やら、白いドライアイスのような煙が立ち込めているだけだ。
そのイスに座り、一人の見目麗しい女性がその空間にいた。
その眼前には……2人の少年と1人の少女が、それぞれ学ラン、ブレザー、セーラー服を身にまとって、同じように椅子に座っていた。目を……ジト目にして。
「さて……『黄泉の川原』へようこそいらっしゃいました、みなさん。私のことは……覚えていらっしゃいますか?」
「「「そりゃもう」」」
と、アイク、イオン、ユキの3人の声がきれいにそろった。
ここ、『黄泉の川原』で……アイク達3人は、なぜか再び、自分たちをこの世界に飛ばした女神……ロローラとの邂逅を果たしていた。
「そうですか、それは何よりです」
「あのな、忘れろって方が無理だろ」
「それで……今になって、なぜまた僕らの目の前に現れたのですか?」
アイクとイオンの質問に、ロローラは席に座ったまま、ゆっくりと答えた。
「どうやら、フェルガルドの世界の仕組みにも慣れ、知識もある程度得たようですし……このあたりで、あなた方に伝えることがあるのです」
最初に会ったときは時間がありませんでしたからね、と付け足すロローラ。
いろいろと言いたいこと(主に文句)はあるアイク達だったが、それは後回しにして……まずは、素直に女神の話を聴くことにした。
前回……『死んだ』時がそうだったように、今回も時間制限がある可能性がある。ここでごねて肝心な部分が聞けないうちに終わってしまったら、元の木阿弥もいいところだ。
女神の話が有意義なものであることを願いつつ、アイク達は黙る。それを確認し、ロローラは再び口を開いた。
「まずはあなた方の力……あなた方は『超(スーパー)中二病』と呼んでいるようですが……それについては、あなた方のほうで理解しているようなので、話すことはほとんどありません」
「? 『ほとんど』……といいますと?」
耳ざとく聞き取ったイオン。
「ええ、力の使い方については……という意味です。ただ……その力を使う分の代償についてのみ、あなた方にお話しておかなければなりません」
「「「『代償』?」」」
声が再びそろう。代償……あまりいい響きではない言葉だ。
何かを得るためには、それなりに釣り合いのとれる何かが必要。どこかの漫画でよく使われる言葉をもじれば……『等価交換』というやつだ。
と、アイク達の緊張を感じ取ったのか、
「ご安心ください。力の所持そのものについてではなく、『使う』ことに関する代償……まあ、あなた方に馴染み深い言葉で言えば……MP(マジックパワー)とか、そういったものです」
「あ、そうなんだ?」
ユキの言葉を皮切りに、アイク達は幾分ほっとした。
しかし、聞き捨てならない話題でもある。今までそういったものを特に気にせずに使ってきた能力だが……それに関して『MP』という絶対使用量があると言うのだから。
「つまり……僕らがあの力を使って戦うに際して、何らかの形で限界があると?」
「ええ。もっとも……アイク、イオン、あなた達は……既にその片鱗を経験しているようですが」
「「え?」」
自分たちが、その『MP切れ』の経験があるのか、と、アイク達兄弟は驚きの声を返す。
全く身に覚えがない……と言いたかったが、次の瞬間、2人の脳裏に……アシルスでおこった『あること』が突然フラッシュバックした。
それは……
「アイクは空腹……イオンは眠気……どちらも『MP』の消耗によって起きたことです。そして、2人でその回復方法が違ったのは……回復効率に向き不向きがあったからです」
「……! あんときのアレ……やっぱ能力の使いすぎだったのか……」
「……なるほど……そして消耗したものが同じでも、兄さんは食べることで、僕は寝ることで……そうするとより効率よくエネルギーの回復を図れるわけですか」
「え? え? ど……どういうこと?」
どうやらついていけてないらしいユキに、イオンが噛み砕いて説明した。
「つまりほら、ストレス発散の方法みたいなもんだよ。食べることで発散する人もいれば、寝ることで発散できる人もいるでしょ?」
「本人に一番なじむ方法でその『精神力』を回復するってことか……まあ、何を基準に違いが出るのとかは……聞いても仕方なさそうだな。変わるもんでもなさそうだ」
「そういうことです。まあ、他の方法……アイクが睡眠、イオンが食事で……という回復ももちろん可能ですが……効率は当然落ちますので、あまり進めませんね」
会話の終わりを待ってロローラは、
「これから先……強力な敵も数多くあなた方の目の前に姿を現すでしょう。彼らとの戦いにおいて、エネルギーの残量を気にかけた上での戦い方は特に重要です。成長していく中で、エネルギーの最大値は増えていくと思われますが……くれぐれもそれを忘れず、無理せず、気をつけてくださいね……」
そう聞こえた次の瞬間、再び3人の意識が遠くなった。
☆
「「「………………ん?」」」
「あ、起きました?」
と……アイク、イオン、ミリスは……全く同時に、馬車の荷台に揺られながら目を覚ました。
首を起こして前を見ると……ミリスとカナが、目をぱちくりさせながらこちらを見返してきている。どうやら……いきなり寝てしまった3人に、何が起こったのか、と多少なり心配していた様子だ。
アイクがとっさに馬車の外を見ると……時刻は、まだ明るいが、夕暮れ時、
外の景色は……山道。
「ああ……今、帰り道か」
「そうですよ。もう……驚きましたよアイク様、いきなり3人ともすやすやと……」
と、カナのセリフを適当に聞き流しながら……アイクは、そしてイオンもユキも、今の自分たちの状況を再度思い出していた。
☆
イーラに言われ、商談と視察のためにフローネを出たのが数日前。
サイミールよりもさらに遠くにある都市へ、アイク達は出発し……山を2つ3つほど越えて、そして無事に商談をまとめて、今は帰路についているところだったのだ。
夕暮れ時だが……暗くなる前には次の中継地点につけるだろう、ということで……一行は馬車に乗ってきた道を戻っているところだったのだ。
ちなみに今回の旅、カナが一緒についてきている。アイク達の身の回りの世話をするためだ。カナはオールラウンドな分野で、しかも1人で5人分は働けるので、連れて行くと色々と都合がいいし、何より……カナ自身、それが嬉しい。
そういうわけで、アイク、イオン、ミリス、ユキ、そしてカナの5人の初めての旅路は……今、終わりに近づこうというところだ。大成功という形で。
アイクは荷馬車の前まで行き、
「御者のおっちゃん、町まであとどんくらい?」
「そうだな……まあ、もうすぐ見えてくるころだと思うよ?」
「そっか、ならいいや」
そう言って、アイクは元の位置に戻る。
どうやら……アイクたちはそれほど長く寝ていたわけではないらしい。
ミリスとカナの話だと、前の町を出てしばらくしたころにアイク達は寝たとのこと。時間にして数分程度……どうやら、女神ロローラの世界と同じくらいだ。自分たちも、それほど長く話していた記憶はないため……アイクも納得した。
同時にカナが、町で買ってきたグミ(のようなお菓子)を進めてくれたので、もらっておいた。気分はまさに、遠足の電車内でのお菓子の分け合いっこだ。
「非日常もいいとこだってのに、慣れたもんだな……」
「はい? アイク様、何か?」
「いや、なんでも……」
「そういえばミリスさん、今回は乗り物酔い、大丈夫そうですね?」
と、イオンは前回、前々回と……ミリスが馬車の揺れで悲惨なことになったのを思い出し……ミリスのほうを見た。
そのミリスはというと、全然平気……というわけではなさそうだが、前の2回に比べると格段に調子はよさそうな印象だった。顔色もいい。
「あ、はい……最近、回復魔法が上達してきたからか……酔い止めに効果がある魔法をこまめに使って、どうにかなってます」
「それは何よりですね」
どうやら……『等級白魔術師』を目指してがんばっているミリスの努力が報われつつあるようだ。実技試験に向けてしていた、回復魔術の訓練。それが上達してきており、ミリスの治癒能力はかなり上がりつつあると見える。
まあ、まだやや顔が青い気はするが……一応、許容範囲内のようだ。
と、
「…………兄さん?」
アイクは……なにやら先程から急に黙り込み、何か……周囲をきょろきょろと見回すようなしぐさをしていた。心なしか……落ち着きもない。
イオンの声につられて。全員の視線がアイクに集中する。
すると、
「……イオン、ユキ、構えろ。何か来たぞ」
「「「!?」」」
と、他の4人が驚いた瞬間、
「そこの馬車、止まれッ!!」
馬車の外から……何か大きな声が聞こえた。
同時に、馬車の動きがぴたっと止まる。
何かと思い、窓に一番近かったユキが外を覗くと……
「…………盗賊……かな?」
「「ええっ!!?」」
カナとミリスの声には、はっきりとした同様が聞き取れた。
一方で、冷静さを失わないアイクとイオンは、ユキと同じ窓から外の様子を伺う。
そこには……前にも見たような光景が広がっていた。
馬車を囲むように展開している、盗賊と思しき一団……皆、手に手に武器を持ち、さっきを丸出しにしてこちらをにらんでいる。人数は……ざっと20人前後か。
やれやれ……と、アイクはため息をついた。また、あの時と似たようなことになった、と。
ここに来て間もないころ、山賊に囲まれ……同じように品物を要求された。武器を手に、殺すと脅されて。
まあ当然……アイクとイオンで蹴散らしたのだが。
しかし、
「……何か、違和感が……」
と、イオンはそんな事を思っていた。
取り囲む者たち、1人1人に……どこか気になる部分があるのだ。
程なくしてそれは明らかになる。服装が違いすぎるのだ。
前に戦った山賊たちは……皆、荒っぽいつくりの麻布か木綿と思しき服で、統一性もほとんどなかった。あってもマントか……粗末な革製の鎧くらいだ。
しかし、今の連中は……なにやら立派な、明らかに鉄製と思しき鎧を身に着けている。よく見れば……持っている武器も、かなり上質かつ頑丈そうな剣だ。その2つの装備には、どこか清潔感すら漂う。
(……本当に、ただの山賊か……?)
「ひいいいっ、い、命だけは、命だけはお助けを!」
違和感を感じつつも、御者の男がビビッていてかわいそうに思えるので、アイクとイオンはさっさと外に出る。
そして、前と同じように……馬車の上に立った。
颯爽と登場した2人に驚き……山賊(?)たちの視線が、車上の2人に集まった。
「何だきさまら!」
「テメーらこそ何だ。出てくるなり追いはぎまがいのことしやがって」
「何っ!? 貴様……誰に向かって口をきいているかわかっているのか!?」
「は?」
その言葉を聴いて……イオンはより一層不自然に思った。『誰に口を聞いているのか』……有名な賞金首などならともかく……悪党が好んで使う言い回しではない。
本当にこの者たちは何者なのか、2人が考えていると、その中の一人が声を張った。
「お前達! おとなしく持っている食料を差し出せ! そうすればこの場は、数々の無礼と共に見逃してやることにする!」
「……? 何だいったい、盗賊が偉そうに……」
「盗賊だと!? 貴様ら……我々を何だと思っているのだ!?」
「何だかしらねーから困ってるんですけど。ていうか、さっきから気になってたんだけど、そんなに偉そうにするんならまずきっちり名乗ったら?」
「くっ、言わせておけば……」
明らかに不機嫌になる男達。
そしてどうやら……話す気が失せてきたらしい。武器を構えなおし、明らかに……襲いかかる体制をとってきている。これ以上は……アイク達といえど、油断できないだろう。
結局こうなるのか、とまあ少々呆れつつ、さらにイオンは未だに不自然さを関しつつも……自分たちもまた、戦闘体勢に入る。
そして、
「こうなっては仕方ない……緊急時ゆえ、やむをえんと判断する! かかれっ!」
「「「おおおぉぉぉおお――――っ!!」」」
と、雄たけびと共に……男達はいっせいに馬車に襲い掛かってきた。同時に、アイク達も馬車から飛び降りる。
すると、
「せいっ!」
「………………お?」
戦いが始まると同時に、違和感が増えた。
それは、アイクとイオンが……かわし、受け流し……で立ち回っている感覚から、あまりにありありと伝わってくるものだった。
(……!? こいつら、動きがいい……?)
ひゅんひゅんと風を切って飛んでくる、敵の剣による斬撃。
その太刀筋の、動きの、体さばきの1つ1つが、明らかに……山賊や盗賊のものとは違うのだ。荒々しくなく、洗練されたものを感じる。
明らかに……ちゃんとした戦闘訓練を受けている、と2人は感じた。
「これは驚いた……油断して勝てる相手ではなさそうですね」
「ああ、前に戦った山賊なんかとは別格……けどっ!」
瞬間、アイクとイオンは同時に攻撃に転じた。
アイクは腕輪の力で鋼鉄の手甲(ガントレット)を出して装着し、かかってくる男達に向き直った。
うまく剣をよけ……相手が体勢を立て直すよりも早く、距離をつめて拳を叩き込む。
「ぐああっ!!」
顔面に拳を受け……衝撃で脳震盪を起こしたのだろう、男は一撃で崩れ落ちた。
続いて、集団で向かってきた者たちには……アイクは接敵されるよりも前に手を打った。両腕を顔の前に構え……親指と人差し指でひし形を作るようにして、その向こうに相手を見据える。
「気功波ぁッ!!」
その手から、空気を跳ね除けて進む『気』の砲弾が飛び出し、向かってくる男達を吹き飛ばした。まとめて地面にたたきつけられ……動かなくなる。気絶したようだ。
隣ではイオンも、
「『エレキネット』!!」
「「「ぎゃあああああっ!?」」」
電撃を帯びたくもの糸を手から出し、それを男達に絡めて感電させていた。がんじがらめになっているため……男達は振りほどくことができず、もがき苦しんでいる。
その後ろから一瞬の隙を突いて斬りかかってきた男がいたが、イオンにひらりとかわされ、もう一方の手から放たれた衝撃波で吹き飛んだ。
そして、アイクもイオンも……同様の感想を抱く。
「こいつら……何だか知らねーが、結構強いな」
「ええ……きちんとした戦闘訓練をつんだ動き……何者なんでしょうか?」
2人ともわざと聞こえるように言ったのだが……男達の生き残り達から返事が返ってくる様子はない。
どうやら……『俺達が誰だか云々』と言っている割に……正体を明かすわけには行かないようだ。理由はわからないが。
「くっ、ひるむな、かかれぇーっ!」
「我らが大義のもと、この場で斬りふせろっ!」
そして……何やらまた意味がよくわからないことを叫びつつ、再び向かってくるが、
「はー……略奪に大義も何もあったもんじゃねーだろーがよ、『波(は)』ぁ――――っ!!」
いい加減にうっとうしくなってきたアイクの放った、広範囲型の『気功波』に巻き込まれ……全員ノックアウトした。
ガラガラと鎧を鳴らしつつ、倒れていく男達。
その様子を見ながら……イオンは先程、戦いのために一旦押さえ込んだ違和感を再び掘り起こし……もう1度よく考えてみていた。
同時に、不意打ちを狙った狸寝入りの者がいないかどうかの確認も含めて……今倒した男達の様子を、装備をじっくりと確認し……観察していた。
すると、戦闘が終わったことを悟ったカナとミリス、それにユキが、そーっと馬車から顔を出したころ……イオンは、その鎧に1つの気になる点をみつけた。
「……? これは……」
ちょうど、鎧の左胸の……一番目立つ部分に、何かマークのような、模様のようなものが見つけられた。
いや、それよりももっと……エンブレム、もしくは……紋章とでも言うべきものか。それも……イオンはそれを、どこかで見たことがある気がした。
中心に1本の剣。その両側にバラ。バックには……飾りつけと思しき額。
雑に言って……かなり偉そうなデザインだ。
このかなり上質な剣が、鎧が、そしてあの訓練された動きが匂わせる違和感の正体を、このエンブレムが教えてくれるような気がしたのだ。
(たしか、前にサイミールで読んだ本で……)
と、その後ろから……
「あれ? それって……王国騎士団の紋章じゃ……?」
「? ミリスさん?」
いつの間にか降りてきて、イオンの後ろに立っていたミリスがそんな事を言った。
その言葉に、イオンもようやく思い出す。これは……前にサイミールの文献で目にした、この『アーサランド王国』の王国騎士団のエンブレムだ。
王国を守るために組織され、厳しい訓練の上に存在する、王国の最精戦士団。有事の際には颯爽と現場に推参し、悪を打ち倒して国の平和を守る。
簡単に言うと、軍隊の中でも選ばれたエリート集団、ということである。
その騎士団の証であるエンブレムが、なぜこの略奪者達の鎧に装着されているのか……。盗品か、ともイオンは考えたが、これほどの数がそろうのか、と疑問も残る。
それに、気になる点がもう1つ。鎧にや服に、傷やら汚れやらがやたら多い。装甲が欠けている部分すらある。武器も防具も、新品とは明らかにかけ離れた状態だ。
まるでつい最近……自分たちと戦う以前に、一戦交えてきたかのようだ。
と、その時、
「おいイオン! また何か来たぞ!」
「「「!?」」」
またしてもいち早く察したアイクの声に気づいて振り向き、イオンが馬車の前に出る。
すると……向こうから、今の襲撃よりもさらに多くの、そして同じ装備の者たちが押し寄せてくる。しかも、馬の蹄の音まで聞こえてきた。
ユキを除く、馬車の乗員達が息を呑む音が聞こえた。カナとミリス、それに御者の男は、ユキに連れられて再び中に戻る。
「―――っ、めんどくせーな次から次へとっ!!」
外に残った2人は……再び武器を出し、より激しい戦いになることも想定して、今度は腰にさしている剣も抜いてそれらの到着に備え、構える。
すると、
「……? 待ってください兄さん、何か様子が変ですよ?」
イオンは……向かってくる集団の……その先頭の男が、なにやら声を張って、自分達に伝えようとしているのに気づき、兄を手で制した。
武器も構えていないし、急いで向かってきているわけでもなさそうだ。
すなわち、向こうが戦いをしに来ているわけではない、ということをさすのだが……
そして、耳を澄ませてその声をよく聞いてみることには……
「旅の御仁、はやまるな! 我々はアーサランドの王国騎士団である! 戦意はない!」
「「………………??」」
その言葉に、アイクとイオンは余計に混乱した。
なぜ、ここでそのような団体が姿を現すのか……
こいつらの襲撃はなんだったのか……
そもそも、本当に騎士団なのか……。
疑問に自答できないアイクとイオンに、近づいてくる一団は変わらず語りかけ続ける。
「繰り返す! 我々はアーサランド王国の王国騎士団である! 戦意はない! 旅の御仁、警戒は不要である! 話がしたいゆえ、武器を収められよ!」