Twins Knight Saga ~双子の勇者の転生戦記~ 作:破戒僧
その名も『モーガン・ドーラント』。
帝国軍第9師団(元)師団長。『16師団長』の1角。
かなり手ごわい戦士で、武術と魔術の両方を使いこなすその実力は……普通の兵では百人束になってかかってもかなうことなどない、と言われている……それがギオの弁。
任務のミスで更迭されたその男が、名誉挽回を狙ってこの地に攻めてきた……というのが、報告書にまとめられていた内容だった。
時間も時間と言うことで、アイク達はギオらと共に食事をとりながら話を聞いていた。
食事といっても、軍の食事であるから……保存の利くパンと干し肉、それに芋のスープという、簡単なものだが。
「現在……モーガンの軍は、占領した港町・テイロスに拠点を構え……そこから方々へ兵を派遣しております。首謀者のモーガンも、今はまだテイロスに」
「いるってわけか……その後の動向なんかは?」
「偵察兵を出して探らせております。時間はかかるかもしれませんが、いずれも優秀な者たちゆえ、いずれ明らかになると」
そこまで言って、ギオはさらに地図を取り出し……今いる町の周辺をさしながら、
「この山一帯に、追撃目的でわが軍を探している帝国の部隊がかなりの数おります。ゆえに今、この山の中で動くのは自殺行為……フローネにお戻りになられますにしても、事態の収束を待ってからにすべきかと」
「収束って……あの、あてとか……あるんですか?」
「……そのご質問に、納得できるようなお答えは……返しかねます」
悔しそうに、ユキの質問に答えるギオ。
つまり……勝てる確率がかなり頼りないものである、ということのようだ。
一応、帝都に文を飛ばし、帝国との交渉と援軍派遣の要請をしているらしいが……その到着もいつになるかわからないらしい。最悪、全員玉砕してでもここでなるべく食い止めるつもりだったのだそうだ。
そこに、国の宝とも呼ぶべき『純系』が通りがかってしまった……ギオの落胆も仕方のないことといえよう。誰が悪いわけでもない、間が悪かった。
「最善は尽くします。しかし、万が一の時には……我らが時間を稼ぐ間に、どうにか逃げていただきたく……」
「は、はあ……」
「まもなく偵察たちも戻るころ……そうなれば、比較的安全なルートを割り出して報告できますので……」
「ほー。そうかい。ところでちょっと聞きたいんだが……」
と、アイクがふと言ったかと思うと、
「あそこの木陰からかくれて俺らの様子を伺ってるやつって、あんたの仲間?」
「何……ッ!?」
その発言に驚いたギオが立ち上がり、アイクが指差した木陰のほうを見る。
すると……がさり、とそこで何かが動き、何か黒い影が逃げていくように見えた。
「……っ! 帝国の偵察兵か!?」
「まずいです連隊長、アイク様たちの存在を知られては……」
と、ギオとその部下が追いかけようとしたその時、その横を凄まじい勢いで何か光る弾丸がすり抜けていった。
イオンが放った『スピードスター』が4発、逃げようとする帝国兵(多分)を追って茂みの中に消える。そしてその数秒後、光弾が着弾する音と『ぐえっ』という声が重なって聞こえた。
あっけにとられるギオたちの目の前で……護衛の兵士達が数人あわてて茂みに向かう。
そして、戻ってくると……2人の黒服の兵士を捕まえていた。
灰色の軽鎧を身に着けた彼ら(気絶している)は、明らかに……ギオら『王国騎士団』とは違う雰囲だ。どうやら……ギオの予想通り、帝国軍の偵察だったようだ。
どうにか捕えられたものの……この付近に既に敵兵が潜みつつある、ということを認識し……ギオはさらに動揺を隠せない。
「まずいな……まさかもう偵察を放ってくるとは……。これは、早くて……1両日中にまた戦いになるかもしれん」
「た、戦いって……そ、それ、私たちはどうすれば……」
あわてた様子のミリス。それに……申し訳なさそうにギオは、
「……遺憾ながら、お逃げいただくことになるかと。聞けば……純系のお2人、アイク様とイオン様は、なかなか腕が立つご様子……どうにか、我々が時間を稼ぐ間に……ということになるかもわかりませんな」
つまり……アイク達に護衛でつけられる兵士すら満足に都合できないということだ。
聞けば、現時点での彼らの残存兵数は600前後。倍近い数の帝国軍を相手に、ましてや猛将といわれるモーガンを相手にするには……どう考えても不安すぎる。
敵兵の半分以上はテイロスにいるらしいが、偵察兵すら節約したいこの状況下で、それ以外の小部隊への対応だけでも正直限界に近いとのことだ。
かなりのピンチと言えるこの状況下で……苦渋の決断ではあるが、ギオはそう言うしかなかった。それが一番、可能性が高い。
王国騎士団を丸ごとアイク達の護衛に当てれば……他の村々を見捨てることになる上、大人数で目立つ。帝国の総攻撃を受けかねないのだ。
アイク達の武勇伝は……どこまで本当か、はともかく、王国各地にまで広がっているのだ。噂には多少なり尾ひれがつくものだが、仮に噂の10分の1の実力でもアイク達が持っていれば、何とか逃げ切れるかもしれない、ギオはそう考えていた。
カナもミリスも、それにユキも、自分たちの置かれている状況が予想以上に深刻なものだと認識しつつ、ギオの次の言葉を待っていた。
と、
「あのさ、俺、ちょっと考えたんだけど……」
いきなりアイクが口を開いたかと思うと……次の瞬間、
「それ、さ……俺達が行って全員ぶっ飛ばしたらおさまるんじゃね?」
「「「!!?」」」
アイクが言った言葉に……一堂はしばし絶句する。
そして、やはりというか……数秒後に騒然となった。
「ちょ……あ、アイク様ぁ!?」
「な、何言ってるんですかアイクさんっ!?」
あわてるカナとミリス。それに続いて……ギオも、裏返る一歩手前の声で聞き返した。
「あ……アイク様!? な、何を申されます!? 正気ですか!?」
無理もない。守るべき対象であるはずのアイクが……いきなり、何の前触れもなく、自分が戦うなどと言い出したのだから。
驚いていないものといったら……乾いた笑いを浮かべているユキと、ため息をついているイオンくらいのものだ。他の者たちは、アイクが頭がおかしくなったのかとさえ思う。
「ご冗談を……い、イオン様、あなたからも何か……」
「いえ、僕は賛成ですよ?」
「なっ!?」
と、位置的な雰囲気が漂うイオンからまでも予想外の言葉が発せられ、またしても全員が驚かされた。
「まあ、兄さんのは言い方が悪いですけどね。戦うのはそうですが……何も僕らが正面から2人VS1300人であたる……ってわけじゃない。本拠地(テイロス)に潜入して、相手方の敵将1人討ち取れれば……それで済む話かと。僕らとしても、なるべくこのような状態からは早く脱却したいですしね。それに本拠地にいる人数も、半分くらいだと聞きますし」
淡々と述べるイオン。
言うこととしては間違ってはいないが……あまりに突拍子もない計画だ。
何せ、『見つからないように潜入』とはいえ……相手は600人以上の帝国軍。そして仕留めるべきは……その頂点に立つ一揆当選の武将・モーガン。
有言実行が不可能に等しい、無謀が過ぎる作戦だ。そのようなことを実行できる者など……王都アルビオンにも数人いるかどうかだろう。
しかし、なんら同様も茶目っ気も出す様子はなく。イオンは淡々と続ける。
「しっかり計画を立てれば……不可能な作戦ではありません。もっとも、それに際しては町の地図なんかがいるんですが……この陣営で確保していらっしゃるでしょう?」
「あ、あるにはあるが……しかし、本気なのですか!?」
「本気も何も……こんだけ酷い有様見せつけられて……しかも、ここが落ちたら次はまたその周辺に攻め込むんだろ、そのモーガンってのは? だったらもう、ここでぶっ潰しとくしかねーだろうがよ、男としては!」
ぱしんっ、と拳を手のひらに打ち付けて気合を表すアイク。
「想夜家家訓第7条! 『義を貫くのに理由は要らぬ』だ!」
その隣のイオンは、
「まあ、兄さんの熱血気質(かたぎ)はいつものことですが……僕には別の思惑もありましてね」
「別の……?」
「ええ。テイロスといえば……貿易港として栄えている有名な都市。ここで助けて差し上げておけば……後々友好的な関係を築けるかと……とまあ、俗物的なものです」
ここではイオンの現実的な意見。
しかし、そういう性格で通っているイオンの、そのイオンらしい意見が……逆にこの兄弟の言っていることに現実味を持たせる。そこにいる者たちが全員、『この2人は本気だ』ということに気づきつつあった。
しかし……いかんせん、ギオ達に比べれば華奢にも見えるその2人が、一騎当千の働きをしてテイロスを開放するなどと……どうしても世迷言にしか聞こえない。少なくとも……騎士団員達は。
……もっとも、その勇姿を何度も目にしてきた、ミリスやカナ、それに……同様に戦える力を持つユキは、この時点で……ある程度、アイク達に賛同してきていたが。
「やれやれ……実演できりゃ早ええんだがな」
と、アイクが言ったその時、
「て、敵襲です連隊長! 町の外に……帝国軍の分隊が! その数、およそ200!」
「な……何ッ!?」
「お、ナイスタイミング」
「「「は?」」」
と、ギオらの驚愕のすぐあとに……思っていたことがそのまま口から出た、アイクの不謹慎な発言がかぶせられた。
その兄に呆れてため息をつきつつ……イオンはイオンで、まあ超弩いい機会だと考え、準備体操でもしようかと立ち上がるところだった。
☆
ちょうどそのころ、
貿易港・テイロス……帝国軍に占領された町
その中枢府の地下室に設けられた牢獄でのこと……。
そこでは先程から……1人の女性が、帝国軍の兵士達による責め苦を受けていた。
「ん、ぐぅっ……! は、はぁ……っ、はぁ……っ! も、もう、やめろ……っ!」
「はっ、やめろって言われてやめるバカがどこにいんだよ!」
女性は全裸で、地下牢の石の床に寝かされていた。髪はきれいなブロンドで、髪型は男のように短いベリーショート。額に汗を浮かべ、そのせいで前髪が張り付いている。
仰向けに寝かされた状態で、足をつかんで下半身を持ち上げられ……その秘裂に、中腰の帝国兵が、上から怒張したペニスを突き刺して抜きさししている。
淫靡な水音を立てて、女性の膣内を兵士は堪能していた。
「はぅ、っ、んぐぅ……こ、このぉっ! 絶対、許さねぇ……っ!」
今のが……その女性の声だ。
「はははは、許さないってよ、おーこわ」
「しっかしこいつのマンコ、マジですげーぜ! こんな締まりのいい上玉、初めてだ」
「おいおいマジかよ、早く代われって!」
「胸が少し小さいからな、まあ、ちょうどいいってもんじゃねーか?」
「ちくしょう……っ!」
涙こそ見られはしないものの、女性は怒りと嫌悪感をむき出しにして男達をにらみ返す。
すると、挿入していた男は、女性の体を抱えて体位を変えた。今度はその体をうつぶせに寝かせ、後ろから突き上げ始める。
「あ、ぐ……ひぃっ!」
女性は手錠で縛られているため、抵抗も満足にできない。体はただ……与えられる快感にびくびくと正直な反応を返すのみだ。
目と口、それだけが……彼女が男達に歯向かうために使える武器だった。
その口に、
「ほら、しゃぶれや」
「んごぉっ!?」
前に回った別の男のペニスによってふさがれる。
体臭が口の中に広がり、むせそうになるが、どうにかこらえた。
「歯、立てたら殺すからな」
「ん、くっ……!」
舌の上に異物の感触が感じられる。その正体が何かなど、彼女は考えたくもなかったが……その形に合わせて、ゆっくりと舌を這わせる。口の中に何かが入ってきたことによる条件反射、というものだろう。唾液が出てきたのを感じた。
「ひゃっひゃっ、前後から串刺しだぜ、いい眺めだな」
下卑たことを言いながら、その回りで……順番が回ってこない男達は、その光景をオカズに自分で各々のペニスをしごき上げていた。
完全に女性は、その場で……ただの慰み者にされている。
体の中を蹂躙され、抵抗も許されない。自分の無力さに、女性は心中にたぎる色々な怒りでどうしようもなかった。
「ひくひょぉ……っ!」
口の中の異物のせいで、発音できていなかったが……意味は伝わったらしい。男達は再び、女性の悔しそうな様子をげらげらと笑う。
「くくく……仲間には見捨てられて、俺達に犯されて……とことんついてねえなあ、女」
「そんなかわいそうなお前には、俺達から餞別をくれてやるよ」
膣に突き入れている男のピストンがより早く、そしてより重くなる。いきり立った肉棒が……膣内でぴくぴくと震えは締めたのを女性が感じた。同時に……男の睾丸は、だんだんとせり上がり……準備を進めていた。
前に座っている男も、同じだ。
そして、その先端が膨らんだかと思うと、
「よぉし出すぞっ!」
「ああ、俺もだっ! 全部のめよっ!」
びゅるっ! びゅくびゅるるるるるっ! どびゅびゅるびゅくるるるっ!
「んく、げぼっ! ん、ふぅうぅうぅ―――――――っ!!」
煮えたぎる2人分の精液が、上と下の口から流れ込む。
体内に殺到する子種汁の感覚に……さきほどから蓄積してきた抗いようのない快感に合わせて、限界を超えてしまった女性は……絶頂した。
びくん、びくん、と震える女性の前後のペニスが抜き取られ……あふれ出た分の精液がぽたぽたと石の床にこぼれ落ちる。
その光景と、絶頂する女性の姿に興奮し……周りの男達も、次々と精を吐き出す。
女性の髪に、顔に、背中に、尻に、白い粘液が降りかかり……その着弾の度に、女性の体がぴくっ、と細かく反応する。
それが終わるころ……全身をかけられた精液で汚された女性は、力なく石の床に横たわっていた。
「ぅ……げほっ、はぁ……はぁ……くっ……!」
この状況でも涙を流さない、その気骨は……見事と言えるだろう。
しかし、さすがに……この白濁のシャワーに罵声を返す力は残っていないようだが。先程まで肉棒で蹂躙されていた口は、まだうまく動かない。
(ちくしょうっ……何であたしがこんな目に……! こいつら絶対許さねぇぞっ!)
その女性の体を、布で軽く拭くと……男達は、今入っている地下牢から次々と出て行った。後には、女性一人が残される。
荒い息がおさまるまで……彼女は動けそうになかった。
……と、
その女性の視界に……牢の奥にポツリと置かれている、あるものが入ってきた。
(あれは……針金? しめた……っ!)
その存在に気づいた女性は……レイプに落胆する振りをして……ゆっくりと壁際まで這っていった。
☆
「……っ! こ、こんなことが……」
王国騎士団連隊長、ギオは……目を見開いて驚いていた。
その横には、同じようにしている補佐と、
「あ……相変わらず、すごいです……3人とも……」
「こ、こんなに強かったんですね……皆さん……」
驚きつつも、前の2人ほどではない、ミリスとカナ。
その後ろには、報告を受け、200人の帝国兵士を相手に戦うつもりだった王国騎士団の面々が、口をあんぐりと開けて絶句していた。
その、彼ら彼女らの視線の先には……
「ふぅ……いい運動にはなったな」
「ええ。大人数相手に戦う時の、エネルギー消費計算の参考にもなりました」
「でもさすがにちょっと疲れたかもね。一旦休まない?」
たった3人で200人の敵兵をなぎ倒し、余裕の表情でたたずんでいる……学ランと、ブレザーと、セーラー服の3人がいた。
以上にて……彼らが、ギオに自分たちの実力を示すためのパフォーマンスは終了。
「さて……まだ何か心配かい、連隊長さん?」
アイクの問いに……ギオは、首を横に振るしかなかった。