Twins Knight Saga ~双子の勇者の転生戦記~ 作:破戒僧
荷馬車から玄関先に、玄関先から倉庫に……と順々に運び込まれた大量の荷物。今は倉庫の中で、ホコリよけの布をかぶせられて山積みにされている。
その山々の中で、イオンとミリスは作業を続けていた。
「えっと……コレが食器、コレが調理器具、と。……ミリスさん、そっちは?」
「あ、はい。えっと……干し肉、チーズ、乾物……全部保存食ですね」
「それは……あ、あったあった。書類通り……っと」
今は夜。夕食も、報告書の提出をも終えて、2人は今日最後の仕事に取り掛かっているのである。1つ1つ、箱の中身がギルドの用意した書類と一致しているかどうかを調べているのだ。コレが終わったら寝ていい、とイーラにも言われている。
そして、これで最後の1つ。
「これは……? 何ですかコレ?」
「え? ………………あ」
イオンが開けた箱の中には……何か薬が入っているような小瓶が入っていた。
イオンの知識にある限りでは、このようなものに見覚えはない。中身の検討もつかなかった。確認のためにリストに目を落とすと……
「…………『アンプル』? ってことは、コレ……」
「あ、はい……それが……お姉ちゃんの話に出てきた……精力剤です……」
「あー………………」
数日前、この世界についての説明を兼ねた勉強会を催した際にイーラに聞かされた、この世界の生殖能力を持たない男性が子供を作るための特殊精力剤。名を『アンプル』。その実物が目の前にあるわけだ。
村単位で購入したアンプルのうち、ある程度を村に送って、残りはここで保存・管理するのだそうだ。値崩れの防止と、非常用のそれの確保のためらしい。
「なるほど……。ま、リスト通り……ですね」
若干気になる品物ではあったが、一応これもまっとうな商物の1つである。イオンは取り立てて気にしないことにして、リストに『確認』の意味でチェックをつけた。
何はともあれ、全ての箱の中身がリストと一致したわけだ。仕事は終了である。
積み上げられた箱にぶつからないように注意しつつ、外に出ようとすると、
「そうですね。じゃあ早く……けほっ」
「? ミリスさん?」
押し殺したように小さく、しかしはっきりとミリスの方から咳が聞こえた。
「あ、大丈夫です。ただその……昔からこういう埃っぽいところ、ちょっと苦手なだけで……けほけほっ!」
「そうだったんですか? なら行ってくれれば、僕1人でやったのに……」
「そんな、悪いですよそんなこと……けほけほっ!」
言いつつも、ミリスはやはり苦しそうである。
たしかにこの倉庫、掃除したのがだいぶ前なのか、ホコリが少々多い。気管支が弱いのだろうか、ミリスは咳が止まる様子がない。
「あ、そうだ……。確か……」
と、ミリスは何やら思い出したように、確認したばかりの箱の中から小箱を一つ選んで取り出した。箱には『薬』と書かれている。
中身は色々な種類の薬のようで、どうやらミリスはその中から咳止め薬を選んで使うつもりのようだ。まあ……彼女の家に運ばれたものであるようだし、問題はないだろう。
「えっと……あったあった。『咳止め用飲み薬』……コレですね」
取り出した小瓶は、牛乳瓶くらいの大きさのもの。そのラベルには、確かに『咳止め』との文字が書いてあった。どうやらそれで間違いないようだ。ミリスは瓶のふたを開けると、同封されていたカップに必要量をとる。そして、ごくん……と飲んだ。
「ふぅ……これで大丈夫です」
「そうですか、ならよか……あれ?」
と、ここでイオンは妙なことに気がついた。
薬類をまとめて入れてある箱の中……その中に、今しがたミリスが取り出したものとは別の、『咳止め』と書かれた箱があったのだ。奇妙なことに、その他に薬箱の中にダブりは見られない。咳止めの薬だけが2種類ある。
気管支が弱いミリスのためのスペアだろうか……と、アイクが思ったその時、
「へっ? あ……あれ……!?」
そんな感じの、何か上ずったような声音のミリスの声が、イオンの背後から聞こえた。
イオンが振り返ると、ミリスは……咳は止まっていたが、何やらもじもじしているような……落ちつかない様子で立っていた。しかも、こころなしか顔が赤い。
目も、何やら先ほどよりもとろんとした……すわっているような印象を受ける。
「……ミリスさん? どうかしました?」
「……い……イオンさん……」
「はい?」
「わ……私…………何か……熱……」
「え?」
☆
その数分後、
倉庫には、何の用で来たのか、イーラの姿があった。
「よしよし……もうイオン君もミリスもいないわね……」
マスターキーで鍵をあけ、倉庫を覗き込んで誰もいないことを確認すると、イーラは手元のリストを手がかりに、倉庫の中からお目当ての物を探し始めた。
と、ほどなくしてイーラは奇妙なものを見つけた。
「あれ? コレって……」
そこにあったのは……ひと瓶の薬。ラベルには『咳止め』と書かれている。ついさっき、ミリスが咳を止めるために飲んだそれである。
実は、イーラが探していた『あるもの』とはそれであった。しかし、箱の中にしまわれず、これだけ外に置かれていた……ということにイーラは違和感を覚えた。
ふと周りを見ると、そこには、開け放たれた薬箱と、小瓶の中の薬に同封されていたと思しき計量カップ。中には、飲み残しらしい液体がわずかに残っていた。
それを見て……イーラは直感した。
「え……あ! まさかあの子、コレ飲んだんじゃ……!?」
☆
同じころ、倉庫から少し離れたところにある物置の中。
「ちょ……ミ、ミリスさん……っ!? な、何を……」
「んふ……はぅ……っ! ちゅぱ……」
人気のないその建物の中で、ミリスは一心不乱にイオンのペニスをくわえ、丁寧にしゃぶっていた。
ここに移動したのが数分前のこと。倉庫で急に苦しみだしたミリスの異変を感じ取り、イオンはイーラに見せようと彼女を連れだしたのだ。
しかし、その途中……倉庫と母屋の中間ほどの地点で、突如として状況は変わった。ミリスが頬を上気させ、イオンの股間をズボン越しにまさぐり始めたのだ。
驚いたイオンが注意してもミリスはやめようとせず、やむなくイオンは近くにあったこの建物……物置に彼女ごと転がり込んだ。そして……今に至る。
「なっ……何で、いきなり……こんな……うぁ!?」
「ん、ふ……っ。動かないで……下さい、イオンさん……なめにくい……れす……」
立ったままのイオンのペニスを両手でつかみ、亀頭から竿に掛けたあたりをペロペロとなめているミリス。その表情は、そして仕草は、普段の彼女の控えめさと丁寧さを感じさせない淫靡なものになっていた。
息は荒く、顔は赤い。どう見ても……発情している、という表現しか当てはまらない。
「んふ……ちろっ……れろ……じゅるるっ。ちゅぱ……」
「はぁ……ぅっ! け、結構……くるな、これ……!」
「んふぁう……じゅる……ずずっ……。きもひいい……れすか……イオンさん?」
少女の口に収まりきるギリギリまで勃起しつつあるペニスをおいしそうになめながら、上目遣いでミリスはイオンに聞いた。
「え、あ……はい、気持ちいいです……」
「えへ、うれしいです……もっとなめちゃお……はぷっ」
とろんとした表情で笑みを浮かべると、ミリスは再びイオンの肉棒を口に含んだ。
感覚から察するに、どうやらミリスはこういうことに達者なわけではないらしい、とイオンは感じ取っていた。
フェラに関して達者というわけではなく、手探りであちらこちらを試し試しになめまわしている……といった印象だった。少なくとも、慣れた者の舌使いではない……と。
それでもミリスは、まるで眼前の肉棒が最高の御馳走であるように放そうとしない。
「ちゅぷ……えふ……んぅ、ん……じゅるるるっ……えふっ。すごい……まだ、おおひくなるんれすね……。素敵……」
しかし……不慣れなフェラとはいえ、続けられれば快感もつのってくる。
おまけに、口内に唾液がたまっていくにつれ、口の中の粘膜が吸いついて、さらに唾液が嫌らしい水音を立ててイオンを耳からも攻める。この音を奏でているのが、普段控えめなミリス……それも、自分の局部という楽器を使ってなのだから、なおさらだ。
徐々に快感は蓄積し、イオンに余裕がなくなってきていた。
「ん……くぅ……ミリスさん……も、そろそろ……」
「んひゅ……いいれすよ……。イオンさんのせ―えき、いっぱい、いっぱいわたひに飲ませて……じゅるっ、くだはいね……」
言うなり、ミリスの下の動きが一層激しくなる。
ワンパターンだが、ペニスの先端と、反り返った傘の部分……敏感なところを的確に攻めている。不意の加速に、イオンもさすがに限界を迎えた。
イオンは反射的にミリスの頭を両手で押さえ、ペニスから口を離せない構えをとると、
「も……出ますっ! くぅ……」
どぴゅぅっ! どびゅっ、びゅる、びゅるるるるるるるうごぷっ!!
「ん―――ふっうっ!? んあ、いっはい……あふ……んー……!」
放たれた精液は、一瞬でミリスの口の中を満たし、あふれかえった。
びゅるっ! びゅる……どびゅるるるる……どくっ! びゅる……
飲みなれていない精液の味に、何よりその勢いに困惑するミリスをよそに、イオンの射精は続く。収まりきらない精液が口の端から吹き出し、床にこぼれていった。
幸いなのは、ミリスが前傾姿勢だったために、その服にかからなかったことか。
戸惑いつつも、ミリスはその欲望と本能に従い、予想外の行動をとった。
「んぎゅ……ごく……ごく……」
「はぁ……っ……? ミリスさん、飲んで……ます……?」
「ん……はぃ……。せーし……とっても、おいひい、れふもん……じゅるるっ」
喉を鳴らして口の中の精液を飲みほし、尿道に残ったそれをも残さずすする。
どこで覚えたのか、はたまた本能的にやることを知っているのかは分からないが、イオンに……男にとって、これはかなり嬉しいやり方である。自分の精子を残らず愛して、受け止めてくれているという意思表示になるからだ。
その意思がミリスにあったかは定かではないが……ミリスのその行為は、イオンの男としての本能を刺激するのには十分だった。
一度射精しても全く萎える気配のないそのペニスに、さらに血がたぎる。
ペニスを握って離さないその手を通してそれを感じたのか……ミリスは笑みを浮かべ、愛おしそうな目でペニスを見つめる。そしてその目は……先ほどから、とろんとしてすわっているような状態のままだ。
「イオン……さぁん……。今度は……」
「え……?」
「今度は……こっちに、下さい……!」
精液が糸を引いている口元を袖で拭くと、ミリスは少しぎこちない動きで後ろを向き……壁に手を突いて、自らの秘裂がよく見える形でイオンにお尻を突きだす。いつの間にか下着は脱いでいたらしい。
既に秘裂からは愛液があふれ、太ももを伝って床に流れ落ちていた。時折入口がヒクヒクと動き、そこに収まるべき異物の来訪を待ちわびているように見える。
それを見て、イオンは考えるのをやめた。
濡れないように、ミリスのワンピースの裾をあらかじめたくしあげておく。両手でその腰をつかみ、中腰になり、照準を定め、そして……腰を突きだし、ゆっくりとその内部にペニスを挿入させた。
異変は……すぐに起きた。
「……っ!? な、何これ……っ……!?」
「ふぁあ……ん……は、入ってきた……入ってきましたぁ……! イオンさんの、イオンひゃんのチンポぉ……!」
決して狭くはないが、濡れにぬれた膣壁がぴったりとペニスに吸いついてくる。それも、まるでペニスを膣の中に吸いこまんとするかのような動きだ。
傘の部分を少し過ぎた所で、ミリスの膣はギュウッとイオンの肉棒を締め付ける。今度は逆に締め付けがこの上なく強まり、もともとのキツさも合わさって、気を抜くと押し出されてしまいそうなほどだ。
「なっ、こんな……うぁ……すごい……っ!」
「ふあぁん……い、イオン、ひゃん……もっと……もっと、ぉ……!」
思わず腰を引いてしまいそうな圧力に負けじと、イオンは一気に腰を振った。
直後、一瞬だけ締め付けが緩んだミリスの膣内を、イオンのペニスが一気に駆け抜け、そして……
ズジュズズズ…… プツン!
「ひぎぁ……っ……きぃ……あぐっ……!!」
その先にあった『何か』を、たやすく破り、貫いた。
一瞬遅れてその感触に気付いたイオンは、その意味を理解した。
今、自分が破ったのは……間違いなく、処女膜。つまり、ミリスは……
「み……ミリスさん!? も、もしかして……初めて……」
「あ……ひゃい……で、でもぉ……」
しかし、当のミリスは……痛みこそわずかに表に出していれど、戸惑いなどは微塵も見られない。その意識は……今、挿入されているイオンの男性器と、それを受け止めている自らの女性器にのみ向けられていた。
「痛く……ないですから……気持ちいい、から……もっと、イオンさん、もっと……!」
扇情的なセリフとともに、奥まで入ったペニスに濡れた膣壁が絡みつき、締め上げる。もっと動け、と催促するかのようだ。
一瞬イオンの頭を、困惑や申し訳なさがよぎったが……それらを考えておく余裕はすぐになくなった。それほどまでにミリスの膣の締まりは強烈だ。
今の破瓜の感触が無ければ、例え自己申告されても『本当に処女だろうか』、と疑うほどの締め付け。加えてその締まり具合には、動かすたびに緩急がつく。故意に緩めて、なでるような感触をペニスに与えることもできていた。
まさに変幻自在。それが本人の意思で、コントロールできたものなのかは分からなかったが……イオンにとっては、それも最早どうでもよかった。
名器と呼んでいいそれを前に、イオンは……力をセーブするのをあきらめた。
「はぁ……ん……んあ!? ひっ……い……そ、そんな、いきなり……すご……ああん!!」
――――パンッ! パンッ! パンッ!
遠慮なしにイオンは腰を振り……絶え間なくミリスの膣内を突いた。
肉の壁をかき分け、ヒダをこすり上げ、子宮口をコツコツと突きあげる。
さっきまで処女であった少女に対してのプレイとは思えないそれであるが、ミリスは文句の一つも言わない。むしろその容赦ない攻めに、快楽を見出している。
そしてその膣内もまた、出入りするペニスに全方向からの刺激を与え、快楽をよびおこしていた。きつく、ゆるく、またきつく……まるで膣そのものに意思があるようだ。
(こっ、これが……ホントに、初めての女の子のなのか……!? な、なんて末恐ろしい……)
驚嘆を覚えるイオンだが、その名器も今、自分の手にあることには変わりない。
気を取り直して……更に腰の動きを激しくする。
「はうあっ! あ……あぁ!! すご……やぁんっ、あはぁ……お、オマンコの中……こしゅれてりゅっ! ゴツゴツって……あたって……中、もう……あ!! ダメ……!!」
イオンの巨根に容赦ない攻めを味わわせられ、ミリスはろれつも回らなくなってきている。
小刻みながら、深奥部で何度も子宮口を突き上げるイオンのペニス。さらに、先ほどよりも強く勢いを持たせてあるものだから、体ごと突き上げられる感触がそのたびミリスを貫いているのだ。
未だ正気を保っているのが不思議なほどの、否、正気を保てているのか不安になるほどのミリスのこのよがり狂いようも、必然だった。
膝が、腰が、がくがくと震える。今にも倒れそうな具合にだ。しかし……気合か本能か、彼女は姿勢を変えず、そのまま耐え、見事にイオンのピストンを受け止め続けた。
「も、もう……あ、ぇあ……ひぎぃっ!! あん、壊れ……ちゃう……! オマンコ……元に戻らなくなっちゃうううっ……!!」
――――パンッ! パンッパンッパンパンッ!!
そして……そろそろ、イオンもまた2度目の限界に達しようとしていた。
「はぁ……く……っ! み、ミリス、さん……もう、そろそろ……僕も……」
「あ、はひ……っ! 出して……早く……もう……あ!! んんんんっ!! 中に……私の……中に、いっぱ、い、出して……下さ……っ!!」
「っく……あ……っ! い、いや……さすがに、中は……」
「いいからあ! 中じゃな、きゃ……わたひ……ダメですっ! 満足で……きひゃぁっ!!」
その瞬間、まるでペニスが抜かれるのを拒むかのように、ひときわ強烈な締め付けがイオンのペニスを襲った。一番奥に来たタイミングを狙い、根元から絞り上げるように、濡れた柔らかい膣壁が肉棒を締め付ける。
その刺激に、さすがに場数で勝るイオンも、これ以上の我慢ができなかった。
「――うぁっ!! み、ミリスさん! で……出ます……っぃああああっ!!」
びゅるるるるゅるるゅるっ!! どぶりゅ……びゅくっ!! びゅる……びゅるるっるっ!!
「へああああぁああぁ――――っ!! あ、熱―――お、なか……っ! 熱い……すごい……も……しきゅーがぁ……いっぱ……んああぁああ――っ!!」
注ぎ込まれながら何度も絶頂を迎えたらしいミリスは、白目になりそうな勢いでよがり狂いながらも、どうにか崩れ落ちずに姿勢を保っていた。
先端を子宮口に密着させたまま、数分かけてイオンは精液をミリスの膣内に注ぎ込んだ。収まりきらない分が子宮から、膣からあふれ、ぽたぽたと床にこぼれる。
「はぁ……ん……もったいない……です……」
床に染みわたる精液と愛液の混合液を名残惜しそうに見るミリス。
しばらく後、ようやく射精が止まったことを確認し……イオンはゆっくりと、彼女と一緒に床に腰を下ろした。ペニスを膣穴から抜くと、ごぽっという音とともに、射精され、注ぎ込まれた精液があふれ出てくる。
「はぁ……はぁ……はぁ……き、気持ち……よかった……です……」
(つ……疲れた……。気持ち……よかった、けど……)
息の荒いまま、セックスの疲れで2人はそこにうずくまり……しばらく動こうともしなかった。
☆
その更に2時間ほど後。
イオンとミリスの2人は、母屋のリビングで並んでソファに座り……目の前にいるイーラが入れてくれたココア(媚薬なし)を飲んでいた。
「いや~、びっくりした……。声がすると思って物置の方に行ってみたら、2人ともおちんちんとオマンコ丸出しでぐったりしちゃってるんだもんね……。ミリスに至っては、気絶してたし」
「…………っ!!」
「ははは……」
笑いながら言うイーラを、ミリスは赤い顔をして、座ったまま、親の仇を見るような目でキッと睨みつけた。その目には涙までもが浮かんでいる。
その横で、イオンはばつが悪そうに苦笑している。
あの後、体力が回復したミリスは再びセックスを求め、イオンももう何も考えずにそれに応じた。そのあと2回ほどそれを行ったところで……心身ともに限界に達したミリスは気絶したのである。
そしてそこに現れたのが、蔵から2人を探してきていたイーラ。下半身を露出し、どう見てもセックス後である状態の2人を救助し、母屋に連れてきたのだ。
そしてそこで聞かされた話によって……今夜起きたことの全てが明らかになった。
「しかしまあ、わが妹ながらやるわね~……避妊無しでイオン君と3連続セックスとは……私の避妊魔法が間に合ったからよかったものの、ちょっと後先考えなすぎだったんじゃない?」
「お姉ちゃんが悪いんでしょ―――!?」
憤慨してミリスが反論。周りに家が無いからいいものの、その音量は近所迷惑レベルだ。
「お姉ちゃんがあんな……『咳止め』なんてまぎらわしい嘘パッケージ貼ってある『媚薬』なんか買うから、こんなことに……」
「ごめん、ごめんって! いや……そういう仕様なんだし……仕方ないじゃん」
そう……実は、ミリスが飲んだあの咳止め薬……瓶の中身は『媚薬』だったのだ。
正体は、イーラがミリスに内緒で注文・購入していたそれで、プライバシーを考慮したカモフラージュのために、『咳止め』のラベルが貼ってあったのだ。ミリスが見つける前に回収すれば問題ないと思っていたイーラだが、予想は見事に外れてしまった。
しかもその媚薬、本来は5~8倍に薄めて使うのが適量らしい。それを薄めずに咳止めのつもりで、原液を一気飲みしたミリス。性欲も体力も何もかもがオーバードライブし、あのようなことになったのは、ある意味当然である。
「お姉ちゃんの……お姉ちゃんのせいで……あんな……!」
半泣きでわなわなと震えながら睨んでくるミリス。いくらイーラでもたじろぐ。
「あ、あはは……じゃあ私、まだ仕事残ってるから! じゃね!」
「あっ! ちょ……お姉ちゃん!? 待ちなさ……」
無視してイーラは扉の向こうに消える。部屋には……2人だけが残された。
かなり気まずいムードが部屋に漂う。2人とも、お互いの顔を直視できなかった。
何せ……つい先ほどまで獣のようにお互いを求めて、オスとメスとしてまぐわっていたのである。恥ずかしいなどというレベルではない。
そんな中……沈黙を破ったのは、ミリスだった。
「えっと……ごめん、なさい……」
「え?」
「め、迷惑……でしたよね? 私なんかと……あんな……みっともなく……」
伏し目がちに沈んだ声で、本気で悪いことをしたという感じで言うミリス。自己嫌悪がとどまることを知らない彼女の状態に、イオンは思わず言い返していた。
「そ……そんなことないですよ! 僕もその……気持ちよかったし……」
「……え?」
「あ、いやその……確かに原因は不純だったかもしれないですけど……その、迷惑だとかそうは思ってないですから……えっと……」
「…………………………」
ややぎこちない、しかし本気で言ってくれているイオンのフォローに、ミリスは少しずつ心の中が安心感に包まれていくのを感じていた。
少なくとも……イオンが自分に嫌悪感を抱いてはいないことが、伝わったからだ。
「そ……それより、僕の方こそ……すいません。あそこで断れなくて……結果的に、ミリスさんの、は……初めて……まで……」
「あ、いえ、それはむしろ……」
と、ミリスはそこで一拍置いて、
「むしろそれは……私は、嬉しかった……ですし……」
小声でそうつぶやいた。イオンには……音量的に微妙に聞こえなかったほどだ。
「え? 今何か……」
「な、何でもないです! じゃ、じゃあ、私これで……失礼しますっ!」
「あ、ちょ……ミリスさん!?」
安心はしたが、逆に余計気まずくなってしまい、ミリスはいたたまれなくなって部屋を出た。そして、顔に残る熱さを感じながら、一目散に部屋を目指して走って行った。
「……はあ……どうしよ……」
部屋に残されたイオンは、ひとまず事態が収拾したことに安どしつつも、虚脱感と罪悪感、それに……セックスの後特有の何か不安定な浮遊感の中で、これからどうしたものかと深くため息をついた。