軌跡ヲナゾル猥手 作:四十八手
入学式から二週間余りが過ぎて学院生活にも多少の慣れが出てくる。
とはいえ武術教練は事前に鍛えていたから問題なかったが座学の方には苦労した。
鬼の力を制御するため肉体の鍛錬なら文字通り血の滲むほど積んでいたけどその分勉学が疎かになってしまって入学試験の前にも焦ったもんだ。
余談だが俺が扱う刀は刀でも原作リィンが扱っていた太刀とは異なり刀身が逆に反ったいわゆる打刀というやつになっている。
時代劇なんかじゃ一般的なやつだな、前世の漫画やアニメで見た技をこの世界なら流用できないかと考えて八葉一刀流の指南を受けた時ユン老師に提案したのだ。
身の程知らずと一喝されるかと思いきや実際はノリノリで太刀式の剣術を自ら打刀式にアレンジしてくれたりと予想外の成果が得られた。
ユン老師まじパネェ。
閑話休題、文武両道のトールズ士官学院の授業は当然レベルが高くついていくにも四苦八苦させられた。
だが最近は見かねた俺と違い成績優秀なアリサが予習復習を手伝ってくれて改善の兆しを見せつつある。
美少女の同級生が教えてくれるなんてモチベーションが段違いだしな!
ちょくちょく脱線して保健体育の実技授業に移行してしまうのがご愛嬌だが。
そんなわけで初の自由行動日前の授業をつつがなく終えた俺はその日サラ教官から押し付けられた≪Ⅶ組≫用学生手帳の受け取りと配布を終えた一日の終わりに今日の出来事を反芻していたのだった。
学生手帳を用意してくれたロリ生徒会長のトワ、あざといぐらい萌え苦しい人だが基本YESロリ、NOタッチ主義の俺としては庇護の対象にとどまる。
いやまああの人は合法ロリなわけだが、まあ目の前にしてみるとうっかり魅了能力をオンにしたくなる打算じゃねえんだろうなマジでと疑いたくなるような行動を連発するコだったのでいつまで持つかは自分でも保障できそうにない。
会長なら駅弁スタイルとかでも……とか妄想にふけってしまうあたりこの時既に手遅れ感はあったかもしれないが。
問題はやはり二学年のクロウ、あいつにだけはどう対処すればいいか悩む。
とりあえずミスディレクション詐欺に50ミラを騙し取られてやったが放っておくと間違いなく死人が出る。
ぶっちゃけてしまうとクロウはそんなに憎めないし他人がどうなろうと俺としては構わないんだけど気分はよくないわなぁ。
「――っ!と」
どうしようかとの思考が下腹部に走るヒヤッとした感覚に打ち切られる。
下に顔を向けたそこでは――ベッドに腰掛け開いた俺の脚の間に座り込み、股間のモノを咥えているアリサがじっとこちらを見上げていた。
竿にあたる硬質な感触からするとどうやら甘噛みされたらしい。
「――はぁ、リィン、考え事してたでしょ」
「ごめんごめん、ちょっと今日は色々あってさ」
唾液と先走りにまみれたペニスから口を外して拗ねたような表情を見せるアリサ。
入学式の日から彼女とは実に二日に一回以上のペースで行為に勤しんでいる。
何しろ俺の体は一つしかない、色んな子に手を出す前に女性の体というものをじっくり学んでおきたかったしな。
この日もまた夜になって部屋に招いたアリサに行為を重ねる内に教え込んだフェラチオで奉仕してもらっていた。
制服のスカートは残してシャツとブラは脱ぎ、形の良い胸を露わに上半身を隠さず晒した姿で。
全て脱がしてしまい魅惑的な肢体を隅々まで見れるのもいいがやはりこうした半脱ぎも独特のエロさが醸し出されて良い。
「……気持ち良く無かった?私の……その……フェラ、チオ」
「いや、今のは俺が悪かったよ、アリサが口でしてくれるのは本当に気持ち良い」
「そ、そう?なら……続けるわね――あ、む」
不安そうな顔色を消すとアリサは小さな口を開けそそり勃つ肉竿をパクりと咥え、しゃぶり始める。
「ん――ちゅ、ぢゅ、ちゅぱ、ちゅる――れろ、くちゅ」
「――っつ、は……ぁ」
顔を前後に揺すり竿をしごく唇と敏感な裏筋やカリ首の辺りを舐め撫でる舌の感触に腰の骨が溶かされそうな快感を送り込まれる。
気の強い面のあるアリサにペニスを舐めしゃぶらせるのは背徳感もあいまってなかなか興奮するもので、つい毎度のように口でしてもらっていた。
魅了によりどんないやらしい要求も拒まないアリサはテクニックの上達も早く、今ではすぐに射精してしまわないよう堪えるのが苦しくなってきた。
「ちゅ、はぁ――あ、む、れろ、れる、ちゅる」
時折亀頭だけを口に含むようにして鈴口を舌先で撫で鋭い刺激をしてきたかと思えば深々とモノを咥え込み竿全体をまんべんなく溶きほぐすような口戯でじわじわと性感を高められる感覚がたまらない。
昼は淑女、夜は娼婦とはよく言ったもので、普段端麗な容姿に加え楚々とした振る舞いから学院でも少なくない男子から目を引いているだろう彼女がこうして淫らな姿を俺だけに晒してくれているということが興奮を底上げしている。
「……く、あ」
そろそろ限界が近い、その前にと立ち上がろうとした俺の意図を察してアリサも一物を咥えたまま合わせて動き、膝立ちになる。
上目遣いでこちらを見上げるアリサの姿に黒い衝動が湧き上がり、その衝動のままに腰の位置にあるアリサの頭へ抱えるように手を添え、その口を犯すように腰を振り肉竿を抽挿し始める。
「んん――!ぢゅ、はぁ――んむっ……ちゅぱ、ぢゅ、ぢゅる!」
頭を抑えられ乱暴に口を犯されながらもアリサは抵抗せず、どころか離すまいとするように脚に手を回してくる。
それがますます俺の獣欲を掻き立て、腰のストロークは亀頭が喉奥に届くほど深く突き込んでしまう。
流石に苦しそうな顔をしながらもアリサは口内に挿し込まれる肉杭を口全体で締め付けるだけでなく抽挿に合わせ舌まで這わせ性感を刺激し続けた。
「くっ……アリサ、いくぞ」
背徳感に増幅された俺の高まりはすぐにピークへと達し、溜め込まれた滾りが勢いよくアリサの口内に溢れ出していく。
フェラチオとイラマチオの興奮で蓄えられたその量は竿がビクビクと脈動するのが感じられるほどのものだったが、アリサはそれを震える陰茎を咥えたまま受け入れる。
「んん――ク、ふー……ん、む――コク」
小さく喉を鳴らしアリサは口内に注がれた白濁液を嚥下していた。
その様にまたゾクゾクと背徳的な疼きが脊髄を駆け抜ける。
「っ!アリ、サ……くっ」
「んん――ぢゅ、ちゅる、ぺろ、ちゅ――れろ」
射精を遂げ萎えつつあった陰茎に舌が絡みついてくる。
竿にこびりついた白濁の残滓が丁寧に舐めとられ、アリサの口から引き出したモノは唾液だけに塗れていた。
「なんだかすっかりエッチになったなアリサは」
「あなたのせいでしょ……それにこんなことリィンぐらいにしかしないんだから、いいじゃない」
後始末まで行き届いた口奉仕についからかうようなことを言ってしまったが、思わぬ返しに面食らう。
さっきまでとびきり淫らな行為に及んでいたのに、頬を染めて恥じらいながらそんなことを言ってのけるアリサのギャップにドクンと体の芯から熱が広がり、果てたばかりのペニスがたちまち硬度を取り戻してしまった。
「あ――その、リィン……」
「ああ」
「明日は自由行動日だし、クラブの練習もあるから、その――――早めに、終わらせてね?」
「うん、善処する」
抱き上げベッドに押し倒したアリサと結局、このあと滅茶苦茶セックスした。
*
自由行動日の朝、ラクロス部の活動があるアリサを送り出した後、学生寮玄関にある俺用の郵便ポストを開く。
昨日トワ会長から学生手帳を受け取った際に、予定通り生徒会の手伝いを依頼されていた。
サラ教官の手回しらしいが、貴重な休日――正確には異なるが――を潰すようなことをするなんてひどい話だ。
今日の依頼内容としては技術部の手伝いに例の旧校舎の調査、その他もろもろだ。
中には無理に片づけないでいいのもあるらしいが出来る限り片づけていくことにしよう。
「というわけでマキアス、午後から付き合ってくれないか」
「……何がというわけなんだ一体」
駅前の喫茶店、キルシェのオープンカフェで読書中だったマキアスは胡乱そうな目をこっちに向けていた。
ひとまず依頼主である学院長から話だけ聞いて実際の調査は午後に回すことにして今はダンジョン化している旧校舎の調査を手伝ってくれるメンバーを見繕うことにした。
実際旧校舎にどんな異変が起こっているのかなんてのはとっくに理解してるわけだが、その試練を進めるためにも調査と言う名目で旧校舎には行かなきゃならん。
心優しいエリオットとガイウスはすんなり引き受けてくれたが、問題は残りのメンツだ。
「ふぅ、悪いが僕は遠慮させてもらおう、僕よりもあのアルバレアにでも声をかけたほうがいいんじゃないのか?同じ貴族のよしみで手伝ってくれるかもしれないぞ」
このつんけんとした態度からも分かるように俺はマキアスからよく思われていない。
それというのも入学式のオリエンテーリングの時に、貴族だということは明かしてしまったからだ。
原作ならこの時点ではまだ隠してたんだが、隠していたことがバレた後の反応を思い出すとつい本当の事を言ってしまった。
当然貴族嫌いのマキアスは俺の事を避けるようになってしまったが……根は良い奴なんだから地道にアプローチを続けていけばきっと分かってもらえると信じよう。
「もちろんユーシスにもこの後声かけるつもりさ、マキアスもそんなこと言わずにさ、ARCUSのいい特訓にもなると思うぞ」
「正気か君は!僕とアイツの仲のことぐらい分かってるだろうに……とにかく、僕に行く気はない、諦めてくれ」
結局旧校舎の調査についてはすげなく断られてしまった。
ま、まあ原作でもこの時点ではマキアスは手伝ってくれてないし、巻き返すチャンスはあるだろ!
*
「それで、ユーシスにはなんて言われたの?」
「馬鹿かお前は、だってさ」
旧校舎の前に来てくれた二人に他のメンバー集めが失敗したことを離すと、エリオットがまずそのことを尋ねてきた。
ユーシスも首を縦には振ってくれず、マキアスにも誘いはかけたことを話すと蔑みだか哀れみだかのような目で今の台詞を飛ばされた。
「あの二人ならそうもなるよ、うーん……リィンって気とかは感じれるのに空気は読めないよね」
さらっと毒を吐く……いや、直球で言い過ぎるだけなんだろうがエリオットの発言が痛い。
違うんですよエリオットさん、俺は空気を読めないんじゃなく読む気がないだけなんです、それぐらい強引に行かないとあの二人はどうしようもない気がする。
「でも確かにあの二人はなんとかしたいよね、クラスの空気が重くなって大変だし」
貴族オーラが常に全開のユーシスに貴族に対しては煽り耐性がゼロになるマキアスの相性は最悪で入学式からこっち二人が揃うとその場の空気の悪さが半端じゃない。
二人がそうなる理由はもちろん記憶してるんだが下手に原作知識を利用して立ち回ろうとするとかえって不審を買いそうな気もするから厄介だ。
やっぱ時期が来るのを待つのがいいのかねぇ、あのギスギスした空気とリアルタイムで立ち会うのは正直気が重いんだが。
「ま、今日のところはしょうがない、それより今は旧校舎の調査だ」
「オリエンテーリングの時に使ったダンジョンだったな、学院側でも把握しきれていないところがあると聞いたが」
「そうそう、なんでもいつの間にか扉が現れたり消えたり空間が広がったりしてるらしいぞ」
今回入るときにはそれどころじゃない変化が起こってるだろうが。
「怖い話だね……あのガーゴイルみたいなのがまた出ないといいけど」
悪いなエリオット、似たような羽目になるのは間違いない。
ちょっと不安そうな顔に心中で詫びるが黙っておく、エリオットなんかは特に実戦経験が無いしこの機会に経験を積んでおいてもらいたい。
なんでも俺一人で済ませて≪Ⅶ組≫メンバーに弱体化されても先の展開上都合が悪くなるからな。
そうして我ながら自己中心的な行動にほんの少しだけ胸を痛めながら二人を連れて旧校舎へ入って行くのだった。