※この作品はR-18です。

エロバコ   作:ryou

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二十二話

 空っぽになった段ボール箱を折りたたんで、澄司は額の汗を拭った。郊外のマンションに転居してから、三日が経ち、仕事終わりにせっせと続けていた荷ほどきがやっと終わったのだ。

 窓から見える都心は不夜城もかくやとばかりに輝いていて、ドーム状に広がる夜の光が、雲を照らしているのが見える。

 引っ越してきた築二十年ばかりのマンションは、築年数の割に綺麗だった。駅にも徒歩十五分くらいで、都心に暮らしていた時に比べて家賃も低い。新入社員だった頃は、右も左も分からず仕事を優先して都心から離れることができなかったが、若干ながらも昇給し、仕事の進め方も覚えた今ならば、通勤時間が長くなったとしてもより好ましいプライベートの時間を過ごす余裕を持つべきだと思うに至った。

 四割増しになった通勤時間に目を瞑っても、毎月の家賃等が安く収まるので生活的にもこちらが有利だ。

 周囲は少し静かになった。

 右隣の部屋は空き部屋で、左隣は夜のお店に勤めている女性のようで、生活時間がまったくかみ合わない。結果、澄司の周囲には人気がない。上下の部屋に誰が住んでいるかは分からない。遮音性が高いのか、物音はほとんど聞こえない。落ち着いた、いい環境に越してきたと我ながら思った。都心の喧噪も嫌いではないが、自然の多い田舎育ちの澄司は静かなほうが性に合っているらしい。高校を卒業してから、ずっと都心で生きてきたので、すっかり忘れていた感覚だった。

 段ボールを紐で縛って、部屋の片隅に積み上げる。必要最小限の段ボールを残して廃棄する予定だ。何せ場所がない。新居は前に住んでいたところよりも広く、部屋も一部屋多いが、だからといって収納スペースが潤沢にあるわけではなかった。

 開け放った窓から風が吹き込んできて、カーテンを揺らした。若草色のカーテンは、新居に合わせて新調したものだった。少し奮発して黒いカーペットに黒いソファ、そしてガラステーブルをセットで購入し、ボーナスの七割が転居資金に消えた。社会人になってから、初めての本格的な出費であった。澄司の友人には引っ越しを趣味にしているような者がいるが、敷金礼金を考えるとかなりの出費になるはずで、どうやって工面しているのか疑問が尽きない。今度、聞いてみることにしよう。

 一息つこうかと晩酌の準備を始める澄司。

 点けっぱなしにしていたテレビのチャンネルを変えながら、缶ビールに手を伸ばす。買ったばかりのソファにはまだ慣れないが、これも新品の醍醐味だと思おう。二、三日もすれば、自然と馴染むだろう。

 ビールのプルタブに指をかけた時、インターホンが鳴った。

「こんな時間に?」

 時刻は午後八時。来るとすれば宅配業者だろう。通販は利用していないので、実家から何か送られてきたのか。不審がりながら確認すると、それはまったくの見当違いであった。

 澄司は突然の訪問に驚きながらも、ドアをあけて来訪者を迎え入れた。

「お邪魔します」

 と、その娘は言った。

 澄司と同じくらいの年齢の女性だ。ポニーテールに纏めた黒髪と整ったクールな印象を与える顔立ち。しかし、話してみると意外にもフレンドリーだったりもする。

「坂井さん、急にどうしたんだ?」

「うちの近くに引っ越ししてきたって聞いたんで、引越祝いに来ました」

「こんな時間に、わざわざ?」

「善は急げって言いますし、仕事帰りに寄ってみたんですよ。澄司さんなら、この時間でも大丈夫だろうって思いましたし」

 悪びれもせずに和奏は言った。

 坂井和奏は、江ノ島出身の若手作曲家だ。編曲や作詞などもしていて、二年程前にゲーム音楽の世界で名を挙げた。それ以来、主にゲームやアニメに楽曲を担当し、最近は有名アーティストにも楽曲提供をするなど順調に活動の幅を広げている。

 音楽で収入を得るのは楽ではない。和奏の歳で、これだけ売れるのはかなり幸運な部類だろう。

「ああ、そうだ。和奏でいいですよ」

「ん?」

「呼び方」

「そう? じゃあ、和奏」

「はい。ん……? 澄司さん、もう晩酌ですか?」

「荷ほどき終わったばっかで、その打ち上げ」

「一人で?」

「まあな」

「荷ほどきも終わったんですね。言ってくれれば、手伝ったのに」

「別に大した量じゃないから、人の手を借りても意味ないんだよ。こっちに持ってくるような私物だって、段ボール二箱くらいのもんだよ」

 荷ほどきよりも、新しい家具の配置などに頭を悩ませたものだ。越してきてからの三日間はほとんど何もしない三日間だったと言えるだろう。まさに、時間の無駄であった。

「澄司さん、お酒のお供に蕎麦出しますね。キッチン借ります」

「なんで蕎麦?」

「引越祝いで持ってきました。細く長くって験担ぎですよ」

「験担ぎは分かるけど、普通、蕎麦は配るもんだろ?」

「配る相手がいないみたいですけどね、ここ」

「まあ、そうなんだけどさ」

 一応、左隣の女性にはいる時間帯を狙って挨拶だけは済ませている。蕎麦はアレルギーがあるし好き嫌いもあるので、手堅く高級ティッシュペーパーを贈っていた。

「澄司さん、けっこう買い換えましたね、この辺のヤツ」

「心機一転、これから頑張ろうって気持ちを込めてな」

「ふーん、料理とか頑張っちゃうんですか?」

「ほどほどに」

「ふふ、一応、自炊もしますもんね」

 和奏は茹で上がったソバを大皿に盛り付けて、持ってきた。

「はい、完成。茹でただけの十割蕎麦です」

「わざわざ、ありがとうございます」

「どういたしまして。後、引っ越しが無事に終わってよかったです」

 定型的に言葉を紡いでから、何となく共に笑みを浮かべた。

 しずかを通じて知り合ったときには、友人の友人という認識しかなかった。それが、いつの間にか親密になって、気づけば二人だけで会うことも増えた。

「大分、部屋の雰囲気変えてきましたね」

「おかしなところあるか?」

「いえ、落ち着いた感じがして、いいと思います。頑張ってお洒落にしてみたって感じがいいと思いますよ」

「遠回しにけなしてるだろ」

「そんなことないですよ」

 そう言いながら、和奏は蕎麦を口にする。

 和奏が用意したのはザル蕎麦だ。勝手に温かい蕎麦を想像していたから面食らったが、ビールをたしなみながら蕎麦を味わうのなら、こちらのほうが適している。時間をかけていると蕎麦が伸びる。ザル蕎麦なら、時間を掛けながら食べても伸びにくい。

「ああ、これ美味しいですね」

「そのチューハイ、俺のじゃん」

「いただきます」

「おせーよ」

 和奏は新発売のレモンチューハイを開けて口を付けていた。澄司が昼間のうちにコンビニから買ってきて、冷蔵庫に入れていたものだ。蕎麦を茹でている間にめざとく見つけたのだろう。

 和奏は、澄司の新しい住処を興味深そうに眺めている。

「どうかしたか?」

「人の家って面白いじゃないですか。ちょっと、見て回っていいですか?」

「自由人だよな、意外と。まあ、別に見られて困るものもないから、いいけど」

「見られて困る物ないんですか?」

「ないよ」

「ふーん」

「なんだよ」

「いいえ、ほんとかなって」

 疑わしい物を見るような目で和奏は澄司を見るが、澄司は特に物怖じすることもなく泰然としている。事実、この家には生活必需品と本、観葉植物くらいしか物がない。

 和奏は澄司をそのままに、家の中を見て回った。結果は彼女の期待に適うものではなかったようで、面白くなさそうに戻ってきた。

「ほんとに何にもないですね」

「引っ越してきたばかりの人ん家に何を期待してるんだか」

「引っ越してきたばかりだからこそ、ちゃんと片付けられずにうっかり出しっぱなしにしちゃった面白グッズとかを期待したんですけどね。澄司さんは、そういうの結構持ってそうですし」

「酷い言われようだな」

「だって、実際そうじゃないですか。坂木さんに手を出してるってだけならまだしも、何人も同時って、最低だと思います」

 非難がましい視線を向ける和奏。無理もない。それが普通の感覚だ。澄司の女癖の悪さは、彼と関係を持った女性は誰もが理解している。大半が仲間内の爛れた関係で、それを楽しんでしまっている。倫理観が狂っているのだ。

「どうせ、また何人も女の子連れ込んでるんじゃないですか? 坂木さんは、今忙しいみたいだから違うにしても、ええと、宮森さんでしたっけ。あの娘とか、どうなんですか?」

 和奏と知り合ったのは、しずかを介してだった。最近、名のある役をもらい始めたしずかに楽曲提供したのが和奏だった。歳が近いこともあって、意気投合して、プライベートでも連絡を取り合っているのだとか。アニメソングの提供なので、制作進行のあおいとも仕事上の付合いがある。

「宮森も今は忙しいから。というか、まだこの家には誰も来てないから」

「え? そうなんですか?」

「まだ三日しか経ってないし、ありえなくはないだろ」

「もう誰かしら来てると思ったんですけど。澄司さんのことだから、この機会に女の子を連れ込んでるんじゃないかと。そうでなくても、誰かは来てそうですし」

「誰も来てない。今はみんな忙しいんだ。制作現場は追い込みの時期なんだよ」

「そうですか。ふーん」

「何?」

「いえ、わたしが一番最初なんだと思って……」

 酒が入っていることもあるだろう。和奏はほぼ素面に近い状態ではあるものの、少し気分が大きくなっている。

 澄司は和奏と寝室に入った。

 引越祝いというのは建前で、和奏は澄司と男女の関係になることが目的だった。いや、あくまでもそれは、選択肢の一つとしていただけだが、最も期待していたことの一つでもあった。

 結局は同じ穴の狢だ。澄司を最低と評しながらも、澄司を嫌いになれない。澄司は話してみれば普通の男で、こういう裏の顔を持っているとは感じさせない。いつの間にか心を許してしまって、身体も一緒に堕とされている。

 愛人を多数囲うとかいつの時代の貴族だと内心で愚痴りながらも、自分がその一員であるという事実を否定できない。ハーレム状態を糾弾するより、快楽を優先してしまっている。澄司と将来どうこうなるという話ならば別かもしれないが、今を気持ちよく生きるだけなら、この関係のままでも直ちに困るわけではない。別にいい人が見つかれば、そちらにシフトしていけばいい。言わば快楽優先のセフレだ。こうした言い訳を何度も重ねて今もまたベッドに横になる。

「このベッドも新品ですね」

「奮発したんだよ。いろいろ買って、ボーナスも吹っ飛んだ」

「ボーナス出るのが羨ましいですよ。安定してて」

 素肌を曝した和奏は、まるで人形のように無駄のない身体をしている。端正な顔立ちに、出るところは出ているが主張しすぎない均整の取れた肉体美を有している。

 ベッドの上で抱き合いながら、澄司は和奏のすべすべの肌を撫でる。背中から太もも、尻までだ。

「変なところ、触らないでください。恥ずかしいじゃないですか」

「今更、何言ってんだよ」

 和奏は密着感が好きなようで、身体を押しつけてくる。足を澄司の腰に回して、全身を使って絡みつくようにくっつくのが和奏の好みだ。そうしながら口付けをするのが、和奏とセックスするときの馴染の導入だった。

「はむ……ん、ちゅ……ん……ん……ちゅ……ぁん……む、ちゅ……」

 柔らかい唇を啄むようにキスをする。そうしているうちに気持ちが乗ってくるので、舌を絡めていく。和奏の甘い舌を押しのけて口内に侵入し、内頬や上顎を丹念になぞっていくと和奏は小さく喉を震わせながら、澄司の舌を吸ってくる。

「ちゅ……ちゅ……んちゅ……れる……れる……ちゅ……はぁむ♡ んちゅ……んあ……」

 唇を離して、銀色の糸が二人の口を繋ぐ。そこから和奏はさらに舌を伸ばして澄司の唇を舐める。まだキスが足りないという無言のアピールだ。澄司は和奏の舌に自分の舌を絡めてこれに応じた。

「ふぁ……ぁ……んあ……れろれろれろ……ちゅぱ……んあぁ♡ れろれろ♡」

 澄司と和奏は夢中になりながらディープキスに耽る。舌と舌を違いの口を行き来して、時に吸い、吐息と涎を交換する。それを繰り返しながら、気持ちを高めていく。

「ん……んんっ」

 深い口付けを交わして、キスを終える。和奏はすっかり蕩けた表情で澄司を見つめてくる。

「和奏、挿入するぞ」

「ん……はい」

 和奏の股を開かせて、澄司は肉棒を膣口に宛がう。秘所はすでに潤っていて、挿入には何の問題もなさそうだ。

 和奏の瑞々しい膣に肉棒を挿入する。

「ん、ああッ」

 敏感な膣内に強い異物感を覚えて和奏は嬌声を上げてしまう。肉棒は狭い膣を押し広げて根元まで突き刺さった。

 和奏の膣肉は、その状態で肉棒をしっかりと締め付けてくる。

 和奏の膣の熱が肉棒にじんじんと染み込んでくる。肉襞をかき分けて、腰を打ち付ける。

「ん……ああ、んふあ……ああん♡ くあ、あ、あ、あ、んあ、う、くあ、あ、あはぁ♡」

 一定の速度を維持しながら、澄司は和奏の膣を突く。そうして快感を和奏の膣内に蓄積していく。初めは無理をせずに普通にセックスする。ある程度して和奏の膣肉がほどよく解れてきたら、時折角度をつけて新しい刺激を与える。快感に慣れさせず、できる限り様々な動きを加えるのだ。

「きゃ……んあ……ふあ……んああ、あ、あ、あう……う、くう……ふはッ、あッ、あああ♡」

 和奏の身体を繰り返し責め立てる。和奏の肉体は敏感で、責めれば責めた分だけ分かりやすい反応を返してくれる。

 和奏の腰が浮き上がりブリッジする。骨盤辺りを掴み、押さえつけて肉棒を抽挿する。

「ふぐ……んあ……あ、あ、ああ♡」

 和奏は気持ちよさそうに喘ぐ。

 ぐちょぐちょに蕩けた膣を肉棒でこねくり回す。澄司が思ったとおりの反応を和奏がしてくれるので、男心をますますくすぐってくる。

「あ、あ、あ、んあ、あ、気持ちイイ♡ あ、くあ……はあ、んあ、ぁ、はあぁ♡ ん、んあ、ああ、んふうあ♡」

 和奏の膣を犯し、カリで襞をひっかく。刺すような快感が和奏を襲い、同時に澄司にも射精したいという欲求が襲いかかってくる。

 この美しい女の膣に、精液を流し込む。それは、とてつもなく魅力的なことに思えるし、多くの男が熱望するだろう。

「あ、あ、んあ、ふあ、あ、澄司さん……あ、く……んあ、いつでも、いいですよ、ふあ、あ、あ!」

「そんなこと言われたら、我慢しようがないなッ」

 熱に冒されたような茫洋とした瞳で澄司を見つめる和奏に、澄司の興奮も最高潮に達する。

 澄司の腰使いがどんどん荒々しくなる。和奏の膣を使って肉棒を扱く。和奏は澄司の身体に抱きついて、嬌声を上げた。

「ひああああ♡ あ、あ、あ、あ、来る♡ んあ、ひぐ、あ、あ、ああああ♡」

「くうう、イクッ」

「ひぃ、うぅうぅぅぅッ♡」

 びく、びく、と和奏の膣内で肉棒が弾ける。同時に灼熱を感じた和奏は全身で絶頂を伝えてくる。和奏の膣内で射精を終えた肉棒を引き抜く。

「あ、ふあ♡」

 和奏は惚けた顔で、澄司の肉棒を見つめている。

「あ……まだ、大きい」

「和奏が可愛いから」

「そんなこと、他の娘にもどうせ言ってるんですよね?」

「事実を言ってるだけ」

「ほんと最低の、クズ♡」

 和奏はそれでも笑みを浮かべる。何と言っても、気持ちがイイ。他の何よりも優先したくなるくらいに。音楽が上手くいかなくても、人間関係が上手くいかなくても、ここで一端リセットできる。一度思い切りぶっ飛んで、それで気持ちを切り替える。

(こんなのお父さんには言えないなぁ)

 今の自分の姿は、父どころかかつての仲間にも知られてはならない。付き合っているわけでもない、複数の女性と平行して関係を持つような男に嵌まっているなどと、とてもではないが誰かに言えるはずがなかった。

「ん……澄司さん、続き」

 和奏は、今度はベッドに手を突いて四つん這いになった。尻を澄司に向けて、挿入を誘う。いつの間にか一回では足りなくなった。澄司が、一回で満足しないからだ。気持ちイイことを繰り返すうちに、心と身体が馴染んでしまったのだ。

「和奏、本当にエロいな」

「う、んん……あはあ♡」

 バックからの挿入。正常位とは違う圧迫感に和奏は酔い痴れる。かつての自分が見たら嫌悪するだろう。かつて夢見たとおりとまではいかないが、それなりに満足のいく仕事ができるようになった。それだけならば順風満帆と言えるだろうが、まさか性を貪るような大人になっているとは思わなかった。

「ふあう♡ くは……あ、んあ、ふああ♡ ああ、イイ、もっと突いてください♡ んあ、もっと、もっとぉ♡」

 和奏は媚びるように腰を振り甘ったるい声でおねだりする。

 媚びれば媚びるほど、強い快感に頭が満たされる。和奏はどうもマゾヒズムの性癖があるようだ。もともとなのか、澄司との関わりの中でそのように変わってしまったのかは今となっては分からない。

「んああああ♡ ああ、イイ♡ ふあ、あ、イク♡」

 和奏が感じていることは言葉の端々から丸わかりだ。何よりも膣の感触が、絶頂の間際であることを如実に伝えてくるのだ。

 手を緩めると、絶頂の波が引く。このまま一気に押し通そうと澄司は腰を打ち付けた。

「ひぃ、んふうああああ、あああああ、イクッ、イッちゃう♡ はひあああああ♡」

「ぐうう」

 ギリギリと締め付けてくる膣圧に澄司の肉棒も耐えきれない。和奏の膣内に、精液を吐き出してしまう。それを感じて、和奏はさらに絶頂を一段階上げる。

「あ――――かはッ」

 背中を反らした和奏が、声もなく悶絶する。絶頂により、一瞬意識が途切れたようだった。思い切りアクメして、それから和奏はぐったりとベッドに沈み込む。

「はあ……はあ……はあ……はあ……ふうぁ♡ 澄司さん、すいません。ベッド、新しいのに」

「いや、気にしなくていいよ」

「ん……」

 和奏を抱きしめて、キスをする。和奏は安心しきったように身を委ねる。

「澄司さん。ちょっと休憩したら、もう一回しましょう」

「好きだな」

「澄司さんだって、まだまだ余裕じゃないですか」

 和奏は澄司の胸に頬を寄せた。澄司はそんな和奏の肩を抱き、その温もりを感じた。




男手一つで育てた娘が東京で悪い男に引っかかったなんてことになったらお父さん泣いちゃう。
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