エロバコ 作:ryou
赤みがかった髪の毛に手櫛を通す。
引っかかることなくするりと指の間を髪の毛が抜けていくのは、日頃のケアの賜物だと言っていいのではないか。
ほっそりとした鼻筋の通った顔立ちと赤毛が特徴的な彼女――――坂木しずかは新人声優である。声優と言えば聞こえはいいが、新人ゆえに仕事はなく生活費の大半を居酒屋のアルバイトで稼いでいるのが現状だ。そもそも声優とは肩書きであって職業とは言い難い面もある。少なくとも、履歴書の職業欄に声優と書ける人は声の仕事で食べていける極一握りの声優だけだろう。しずかは夢を叶えて声優になったはずなのに、名のあるキャラクターを演じた経験は皆無。学生のアルバイトよりも声優としての収入が少ない現状では、とても人様に声優を名乗る自信は持てないでいる。
同年代、あるいは年下なのに第一線で活躍している声優がいるというのに、自分はオーディションにすら合格できず声優という肩書きに見合った仕事はまったくできないでいる。
将来の不安は一人でいると大きくなる。高校生の頃に夢見た世界に足を踏み入れていながら、次の一歩があまりにも遠い。
「すみません、いきなり愚痴なんて聞いてもらって」
そんなしずかが駆け込み寺として利用しているのが、澄司の部屋だった。
女性声優が異姓の家に軽々しく足を踏み入れるのは、やはり気が引けるのだが別段しずかにファンがいるわけでもない。そんな後ろ向きな気持ちを抱えて、澄司の家を訪れている。
「声優も大変な仕事だからな」
「まだ、仕事って言えるほどしてないですけどね」
座卓を間に挟んで、澄司としずかは向かい合っている。時刻は午前一時を回ったところで、ほどほどの眠気がやって来る時間帯である。しずかはアルバイト帰りであり澄司は残業明けであった。
しずかがアルバイト先から貰ってきた何本かのチューハイを開けて、滔々としずかは自分の苦境を語った。
「なんか、このままじゃダメだって分かってるんですけど、全然上手くいかなくて……」
しずかは憂鬱そうな表情を浮かべてチューハイに口を付ける。
「飲みすぎるなよ。坂木は弱いんだからさ」
「これくらいなら、大丈夫ですよ」
「その油断が命取りなんだよな。いつもそうだろ」
しずかは酒が好きだ。当然、酒がなければ生きていけないなどというほどではないが、嫌いではない。そのくせ、かなり酒に弱く友人と飲みに行っても帰りにはすっかり酔っ払って動けなくなってしまうことが度々ある。澄司の家でも、これまでに数回前後不覚に陥っているのだ。
「ところで、澄司さん」
「んー?」
「絵麻にも手を出したんだって?」
「んく……誰に聞いたんだ?」
にやりと笑うしずか。悪戯に成功した小学生のような笑みである。
「相変わらずですね。あの絵麻まで攻略ですか」
「他人事みたいだな」
「他人事じゃないですよ。しばらくご無沙汰してる間に、知り合いがどんどん堕とされてるのにちょっとばかり驚いてるところです。おいちゃんはともかくとして、絵麻までって」
「宮森はともかくなのか」
「おいちゃんとは高校の頃からヤッてたでしょ。今更です」
そう言われると言葉がでない。
しずかもまた回数こそ重ねていないものの、あおいと同じく「以前から」関係を持っている。彼女の言葉のとおり、ここ最近は肌を重ねてはいないが一時は互いにかなりのめりこんだものだ。
「澄司さんの性欲魔神っぷりは呆れるばかりですよ」
「うん、まあ、そうかもな」
「否定しないんですか」
「しても仕方ないだろ」
「ちょっとは悪びれてくださいよ。ほんと、悪い人なんですから」
しずかはチューハイの缶を座卓に置いて立ち上がった。そして、そのまま澄司の隣に座る。
「で、どうします?」
しずかが見上げてくる。
「ま、俺悪い人だしな」
澄司はしずかの頤に手を添えて、上を向かせた。
しずかは、小さく口を開き自ら澄司にキスをした。
「ん……」
唇と唇を押し付けあう。柔らかい唇は忽ち形を崩し、まるで溶け合うかのようにぴったりと繋がる。
「ん、ふぅ、ん……ちゅ」
唇を離したしずかは小さく笑った。
「ふふ、キスは久しぶりですね」
「そうだな」
言って、再びキスをする。澄司はしずかの口内に舌を押し込み、しずかは驚くそぶりもなく自然にディープキスを受け入れる。
澄司の舌先がしずかの舌先に触れる。しずかの舌が蠢いて、澄司の舌を絡めとろうとしてくるので、澄司は負けじとしずかの舌の裏側を舐め上げ、たっぷりのだ液を口内に送り込み。
「んふ、ぅ、ん……ちゅ、れろ……ふあ、あふ、えぉ……ちゅぷ……」
淫らな音が室内に響く。二人だけの世界だ。澄司もしずかも、相手の口を犯すことしか考えない、性欲に突き動かされるままにキスを続ける。
「んく、れろ、ん、ちゅ……れろ、れろ、じゅる、ん、れろ……んふぅ、ちゅ……やっぱり、キス、いい……」
澄司がキスを止めようとすると、しずかは逃がさないとばかりに背筋を伸ばし、澄司の唇に吸い付いてくる。
「強引」
「久しぶりなんですから、もっとしてくださいよ、ぺろ……ちゅ」
挑発するようにしずかは澄司の唇を舌先で弾き、キスを再開する。
「ちゅぷ、ちゅる、れろ、じゅる……ちゅ、んん~~~~、ふぅ、んあ、れろ……」
舌を伸ばして絡めて、淫らなだ液を交換する。甘いしずかのだ液を愉しみつつ、自分のだ液をしずかに飲ませて行く。
「んきゅ!?」
しずかが可愛らしい声を出した。
澄司がしずかのズボンの隙間に手を入れたのだ。柔らかい尻肉をパンツ越しにもむとしずかが恥ずかしげに身を捩る。
「ん、ちゅぷ、卑怯です、ん、よ……れろ、んふ!」
澄司は焦らすようにゆっくりとしずかの尻肉をなでる。パンツ一枚の守りだけでは、愛撫の刺激を遮断することなどできはしない。
さらに澄司はしずかのズボンから手を抜くと、今度は反対側から手を入れた。
「ふあぅ!」
しずかは思わず声を上げてしまった。
澄司はしずかの秘所を布越しに刺激したのだ。
「何だ、もしかしてもう濡れてるのか?」
「あ、いや、それは……ん♪」
澄司が指で秘所のある部分をなぞるとしずかはそれに反応して声を漏らす。
ちょっとした刺激ではあるのだが、しずかのそこはすっかり敏感になってしまっているらしい。
「ばっちり濡れてるな」
「い、言わないで。恥ずかしい」
「それこそ今更だな。恥ずかしいも何も、これは自然なことだってのに」
「それでも……あん、ん、そんな風に触るの、ダメ……」
しずかは優しく扱われるのが苦手だ。いや、この場合は好きと言ったほうがいいだろうか。とにかく、触れるか触れないかのギリギリのラインで責められると、しずかの体は明確に反応を示してしまう。
そんなどうしようもない弱点を的確に責めてくるのが澄司のいやらしいところだ。
しずかの体は着実に澄司の指によって熱を与えられている。
「くふ、ん。ふあ、あ、んぅ……そ、こぉ……弄られると、ヤバイ、からぁ」
しずかの訴えを澄司は無視する。
つぷり、と陰唇を人先指で開くと、中から温かい愛液が滲み出てくる。その上で奥を責めずに指を上にスライドし、クリトリスを引っ掻くように擦る。
「ひやっ! あ、あ、そ、こぉ、んん♪ あ、んふぅ、お、あ! ダメッ!」
しずかは澄司の手を掴み、愛撫を止めようとする。しかし、その腕に力はない。まるで、もっと続けてくれと言わんばかりの行動だ。
澄司は、しずかの耳たぶを噛み、頬にキスを落としながらじわじわと指を動かす範囲を大きくしていく。
初めは表面だけだったものを、指の第一関節まで埋め込み、ある程度膣内が湿り気を帯びてきたところで第二関節までもぐりこませる。
温かい膣内の肉がもごもごと蠢いているのを指で感じながら、澄司は肉壁を押し開くように中指も押し込んだ。
「あ、あん、ん、二本目、ん、なんて」
びくんと、しずかは腰を跳ねさせた。
「大分、ほぐれてきただろ」
「はあ、はあ、ん、あ、わたし、もう……」
「ああ、いいぞ。ちょっと、激しくするからな」
宣言して、澄司はしずかの熟れきった膣内に思い切り三本の指を押し込んだ。
「ふぎッ、い! あ、あいああ!!」
奥歯を噛んでしずかは嬌声を堪える。
だが、それは初撃に対する反応にしては敏感に過ぎる。澄司の指は膣内に入った途端に、蛇のように蠢きだした。
三本の指が自由自在に肉壁をかき回している。
微動するだけでも腰が砕けてしまいそうになっているところに、この猛攻だ。
「はぐ、ん、くふぅ、ふあ、あ、あ、あああ! き、きちゃ、う、んあ、あ! い、イク、ん、イク! あ、はあああああ!」
しずかに耐えるという選択肢はそもそも存在しない。澄司の指に玩ばれるままに、ただ絶頂するのみだ。
「は、あ、はあ、はあ、ん、くふあ……はあ……」
顔を紅くしたしずかは、呼吸を整えるために何度も深呼吸を繰り返した。
「イッちゃった。はあ、澄司さん、ん……反則」
「坂木が感じすぎなんじゃないの」
「馬鹿……」
恥ずかしそうにしながら、しずかは汗で額に張り付いた髪を払う。
それから、澄司の股間に手を伸ばした。
「わたしがされてばかりは、ちょっと気に入らないから」
そう言って、ズボンの上から膨らんだペニスを摩る。
「これ、舐めるね」
しずかはズボンのチャックを舌の上に乗せ、咥えてからゆっくりと降ろしていく。
むわっとした男の臭気に顔を顰めながら、半勃ちになったペニスをパンツから取り出した。
「パンツからも口で出してくれればなぁ」
「変態、そんな器用なことできません」
しずかはペニスの棹を持ち、先端をまじまじと眺めてから舌を伸ばした。
「ぺろ、ん……れろ……」
尿道の部分を舌先でチロチロと舐める。
皮が剥けてむき出しになった亀頭の敏感さは反応で分かるというものだ。
「ぺろ、ぺろ、ちゅ……やっぱり、ちょっとしょっぱい。ちゅ、れろ……れろ、れろ、ぺろ……」
まるで小猫のように小さく舌を動かして、ペニスを舐めていくしずか。それが、徐々に力強さを増していく。
舌に力が篭り、ざらついた粘膜が亀頭の裏側に押し付けられたかと思えば、表面をこそぐように舐め上げられる。
ねっとりとしただ液が口から零れ、ペニス全体を濡らしていく。
「んふふ、澄司さんのココはずいぶんと単純ですね、ちゅぷ……」
笑みを浮かべて、しずかは澄司の棹を横から甘く噛む。
「もっと、しちゃいますから、れろ、じゅる、んん……あむ、じゅる」
しずかのフェラで完全勃起したペニスを、彼女は咥えた。
熱に浮かされた瞳でしずかは見上げてくる。ずぶずぶと自らの口腔内にペニスを押し込んでいき、鼻先がペニスの付け根に届くくらいまで飲み込んでしまう。
「んぐ、ん、く……じゅるる……ん、く、お」
苦しげな声を漏らしながら、しずかは飲み込んだペニスを舌で追い回している。口内にあってペニスは徹底的にしずかに責められているのだ。尿道を開くように舌先が押し付けられたかと思えば、裏も表も関係なくべろりと嘗め回される。分泌されるだ液が口内にたまり、それがペニスから滲み出る先走り液と混ざり合っている。
「ん、ぐ……じゅるるる、ん、じゅる、じゅる、じゅぷ、ん!」
しずかはゆっくりと頭を上下に揺らし始めた。
唇が棹を扱き、舌が亀頭をなぞり、口内の粘膜がぴったりとペニス全体を吸い上げてくる。
しずかに責められるままにペニスがビクビクといきり立ち、彼女の口内で暴れたいと自己主張をするようになっている。
「ん、ふぅ、じゅ、じゅ、じゅ、じゅるる……ん、ぷ、じゅるる……ちゅる、れろ、れろ……ん、ちゅぷ……ふふ、もう、限界ですか、えろぉ、じゅる、いいれすよ、イッて、気持ちよくなってくらはい……れろぉ、じゅろぉ、ぺろ」
しずかは口から取り出したペニスの裏筋を舐め上げながら射精を促してくる。
「それとも、ここも舐めないとダメですか? ちろ、ちろ……」
しずかの口が袋を捉えた。
頬張るように咥え、亀頭を白い指先でくりくりと擦ってくる。尿道から出てくる先走りが彼女の指を汚していく。
「れろ、ん……パンパン、んちゅ……大分、溜め込んでるんじゃないれすか? れろ、あむ、じゅるる……早く出して、楽になってください……じゅるる、れろぉぉ」
柔らかい舌が大量のだ液を絡めながら、袋から先端まで舐め上げる。それに呼応するかのように、射精感が増幅し、そして炸裂した。
「ひゃ、あ、ん……ああぁ」
どびゅ、と勢いよく飛び出した精液がしずかの顔に撒き散らされる。口を開けて、舌を出していたしずかの口内は一瞬にして白濁液が占拠することになり、口から外れた精液は顔に飛び散った。
「あ、ああーーーー♡ ん、く……」
うっとりとした表情のしずかは口を閉じて、精液を飲み干した。
「はあ……澄司さんに、マーキングされちゃった」
顔についた精液も指で拭き取って口に運ぶ。
「ん、ちゅぷ……まだ、残ってるかな」
しずかは射精したばかりのペニスを咥えて刺激を与え始めた。
何度も頬をへこませて、尿道に残った精液までも徹底的に吸いだそうとしているのだ。
「ん、じゅじゅじゅう~~~~~~んちゅ、ちゅぅ」
いとおしそうにしゃぶりつく。一回や二回の吐精を飲んだくらいでは今のしずかの性欲を沈めることはできないようだ。ペニスに吸い付いて離れないしずかはさらに次を望んでいるのか、自慰を始める始末だ。
すっかり体に火がついてしまった。
こうなると夜は長くなる。
どのようにしずかを責めるべきか。それだけを考えながら二人の夜は次の段階へと進んだ。