※この作品はR-18です。

やはり、私の青春ラブコメがまちがっているはずがない。   作:夏ノ雪

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お気づきかもしれませんが、プロット崩壊など色々問題が出てきました。
ですが、予定通り完結させます。
エロシーンにのみご期待ください。

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視点変更
再び、葉山視点です。


8 白いハンカチ

学校帰り。

公園。

 

僕はあの公園に来ていた。

雨の日に雪乃の傘に入れてもらった公園に。

不思議とあれから足が遠のいていた。

前はよく来ていたのに。

何故か一人では来たくなかった。

気分がのらなかった。

僕は池の上に駆けられた橋に備え付けられているベンチに座っていた。

そして空を見ていた。

流れていく雲。

夕暮れの空。

それをみていると時間感覚を忘れる。

 

「葉山君」

 

名前を呼ばれ、冷たくも品のある声に振り返る。

視界に映る、僕をここに呼び出した美しい少女の姿。

その艶のある長い黒髪は腰まで伸びている。

均整のとれた体は氷細工の様に美しい。

その少女、雪ノ下雪乃が。

 

「待たせてしまったかしら?」

「いや、今きたところだよ」

 

僕は笑顔で返す。

いつも通り。

 

「そう」

 

そうして彼女はふと息を漏らす。

そして一度目を閉じ、決心したように再度開く。

 

「私、全部知ってるの?」

 

彼女はそう呟いた。

その美しい唇で。

 

?

僕は分からない。

彼女が一体何を言っているのか。

 

「何の事だい?」

 

僕は疑問を口に出す。

そんな僕の言葉に彼女はピクリともしない。

 

「あなたがしたこと。一色さん、由比ヶ浜さんに聞いたの、すべて知っているの」

「なんのことだか分からない」

 

僕はそう口を開く。

彼女が何を言ってるのか分からない。

でも、何故か僕の心は僅かにとまどう。

雪乃は、魅力的なその目で僕を見る。

 

「そう・・・。あなたはかわいそうな人だわ。あなたが陽乃さんに憧れていることは知っているわ。姉は巧みに人を操って自分の目標を達成する。でも葉山君、あなたには無理よ」

 

陽乃さん?

僕が操る。

何言ってるんだ?

 

「何いってるんだ僕は・・・・・」

 

僕の思いが言葉になる。

だが、それとは裏腹に僕の心が急速に冷えていく。

そして揺れだす。

 

「もういいの、私知ってるの。あなたはこれまでずっと優等生を演じてきたわ。周りの人は気づいていなかったようだけど、私はそんなあなたが不思議だったわ。そうね、昔からあなたを知っている私だからこそ気づいたのかもしれない」

 

え?

何?

演じる?

さっきから雪乃は何をいってるんだ。

分からない。

でも、僕の心は雪乃の言葉で揺らされていく。

その振動は大きく。

僕の心は左右に揺れる。

 

「雪乃ちゃん?」

 

そんな僕の声を無視して話し続ける雪乃。

彼女は僕から目を離さない。

僕はそんな彼女の目に恐怖を感じる。

さっきまでは感じなかったのに。

今は感じる。

その目で僕の心の中を見ているかのように。

 

「私たちは姉さんの被害者。私は内に閉じこもった。あなたはそうせず姉さんを目指した。その点は素直に尊敬するわ。私には取れなかった道。でも、人は人。あなたはあなた。根本的な物は変わらない。あなたは姉のように自意識に徹しきれない。情を捨てられない」

 

被害者?

 

僕が。

 

そんなわけない。

 

僕は僕だ。

 

僕は僕だ。

 

決して僕は被害者じゃない。

 

「雪乃ちゃん、何言ってるんだい?」

 

僕はどうにか言葉を出す。

精一杯の自制心を使って。

壊れそうな心を抑えて。

 

「あの日、あの雨の日。あなたの傘をとばした女の娘はどこにいったの?」

 

雨の日?

 

傘?

 

女の娘?

 

え?

 

雨の日?

 

傘?

 

女の娘?

 

僕の中でその単語がループする。

それは僕の心の中を飛び回り頭を揺らす。

 

「何いってるんだ?雨の日?そんな事・・・」

 

とっさにそういう。

が、強烈な頭痛が頭を襲う。

今までの比ではない最大出力の痛み。

 

「ぐぁああああ」

 

痛みに耐えられず思わず声をあげる。

両手で頭を抱え込みながらなんとか耐える。

そんな僕をみたまま雪乃は言葉を続ける。

 

「いいの。あなたのせいじゃない。彼女がああなったのあなたのせいじゃないの」

 

何言ってるんだ。

 

雨の日?

 

彼女?

 

痛い!

 

頭が痛い。

 

割れるように痛い。

 

彼女が話すたびに僕の頭がい骨に釘が撃ち込まれるような衝撃が走る。

 

痛い。

 

痛い。

 

やめてくれ。

 

やめてくれ。

 

「私調べたの。思えばおかしくなったのはあの日から。何が起きたのか」

 

構わず彼女は続ける。

僕は立っていられなかった。

あまりの痛みに方向感覚を失っている。

僕はその場にへたり込む。

だが痛みは止まらない。

彼女の声が僕の痛みを増幅させる。

 

僕は彼女の足元に倒れながら寄り添う。

そして足に抱きつく。

 

「やめてくれ」

「やめてくれ」

 

僕は痛みで涙と唾を出しながらなんとかその言葉を出す。

 

痛い。

 

痛い。

 

頭が割れる。

 

それに胸の鼓動がやばい。

 

爆発する。

 

壊れる。

 

僕が壊れる。

 

嫌な予感がする。

予感がする。

僕が壊れる予感がする。

 

やめてくれ。

何も言わないでくれ。

 

彼女は僕に構わず話し続ける。

口調をかえず、ただ淡々と。

その冷たい声が僕の耳に届く。

 

「あの日、池に傘は二つ浮いていたの。あなたしかあそこにいなかったのに・・・」

 

傘が二つ?

 

何いってるんだ?

 

痛い。

 

痛い。

 

何言ってるんだよ。

 

痛い。

 

二つ?

 

もう一人の少女?

 

ズドン

 

頭の中に爆音が響き、激痛が走る。

 

「ぐぁあああああああ」

 

口から泡を吹きながら僕は雪乃の足に抱きつく、

それがたった一つの救済の道かのように。

 

「あの傘の持ち主の少女。彼女はあの日、車にはねられて死んだわ。雨の中傘も差さずに道路に飛び出て死んだ。それは別にあなのせいじゃないわ」

 

死んだ?

 

傘の少女?

 

車。

 

雨の中。

 

トラック?

 

視界が暗くなる。

急速にすべての感覚が消えていく。

僕の手に残る雪乃の足の感触。

頭の痛みも心の痛みの消えていく。

何もなかったかのように消えていく。

 

そして世界が暗闇に包まれた。

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

公園。

 

ザーザー

雨が降っている。

 

「ずっと好きでした。私と付き合って下さい」

 

赤い傘をさした少女は僕に向かってそういう。

顔を赤く染めたその少女。

今にも泣き出しそうだ。

僕はその言葉に返す。

 

「ごめん。君の思いには答えられない。でも、君は素敵な子だからきっといい人が見つかるよ」

「え、な、え、、なん、、、で、、、」

 

言葉にならない声を出す目の前の少女。

目からは涙を流し、顔は真っ赤になっている。

膝は震え、手に持っている傘を落とす。

 

「大丈夫かい」

 

とっさに僕は自分の傘で彼女を雨から守ろうとする、

 

「いやっ」

 

そういって僕を突き飛ばす少女。

不意をつかれて僕の傘が宙を舞う。

 

「いや、いや、、いや」

 

そう叫ぶと彼女は雨の中走っていく。

 

僕はその後を追う。

彼女はその小さな体にどれだけエネルギーを秘めていたのだろうか、走り続ける。

雨のせいもあって視界が悪い。

僕はなかなか追いつけない。

 

そして公園を出る。

その時、横からトラックが走ってきているのが見える。

まずい。

 

「おい、止まれ」

「いや、いや、来ないで」

 

そんな声を上げながら走る少女。

彼女はトラックに築いていない。

 

ギーギー

 

ブレーキ音。

 

ドン

 

そして鈍い何かがぶつかる音。

 

目の前に飛び散る肉片。

目の前に少女はもういない。

少女の欠片があたらりにちらばっている。

僕の足元には彼女の頭が転がっていた。

その頭がこちらを見ている。

 

「いやいや、こないで」

 

そういっているように聞こえる。

僕の頭は動かない。

僕は逃げた。

走りだした。

雨の中走り続けた。

 

そして気づくと僕はあの橋の上に戻ってきていた。

池の上には傘が二つ浮いている。

水花のように綺麗に浮いていていた。

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

目覚めると、雪乃の顔。

あの雨の日に僕が救いを求めた少女の顔。

後頭部には温かく柔らかい感触。

僕は、雪乃に膝枕されていた。

公園の橋のベンチの上で。

 

僕は目の周りに何か感じる。

涙が出ている。

僕は夢を見ながら泣いていたようだ。

そして再度記憶が蘇る。

一瞬で映像が駆け巡る。

 

雨の日。

少女。

トラック。

血。

 

僕は思い出した。

あの雨の日の出来事を。

そして連鎖するように別の記憶が読みこされる。

僕の知らない記憶が。

 

一色さんに何かを頼んでいる僕。

由比ヶ浜に何かアドバイスをしている僕。

雪乃とキスをしている僕。

ベッドルームで雪乃のマンコにペニスを入れている僕。

 

その記憶は僕の心を切り刻んでいく。

一つの一つの記憶が僕の心につき刺さっていく。

それが痛みを生んでいく。

魂を壊していく。

精神がすり減っていく。

 

何をしてるんだ僕は?

誰だこいつ?

大きな後悔が押し寄せる。

罪悪感が押し寄せる。

僕の心と頭がぐしゃぐしゃになっていく。

 

僕の体と心が音を出して崩壊していく。

僕の心と頭の許容量を超えている。

世界が壊れていく。

 

僕はただ震えていた。

涙を流しながら震えていた。

 

怖い。

 

怖い。

 

痛い。

 

寂しい。

 

怖い。

 

助けて。

 

助けてほしい。

 

誰か助けて。

 

そんな僕を頭を優しく撫でる雪乃。

その手は温かく、唯一の僕の光となっている。

彼女は僕を慈愛のこもった目で見ている。

僕はそんな彼女を美しいと思った。

涙が止まらない。

 

彼女の手で頭を撫でられるたびに、僕は雪乃に満たされていく。

僕は雪乃にひどいことをした。

女性にしてはいけないことだ。

 

でも雪乃は僕をこうして優しく包み込んでくれる。

 

涙がとまらない。

 

そんな僕を優しく見る雪乃。

まるで昔の陽乃さんのように。

その顔が重なって見える。

 

「ごめん」

 

「ごめん」

 

「ごめん」

 

「ごめん、雪乃ちゃん」

 

僕はひたすら謝る。

涙と嗚咽を上げながら謝り続ける。

 

「いいの。別にあなたを恨んでいないわ」

 

「ごめん」

「ごめん」

 

僕は涙が止まらない。

その涙を白いハンカチで拭く雪乃。

 

「いいの、私のせいでもあるの。私がもっと早く気づくべきだった。それなのに私はずっと内にこもって周りを気にしていなかった。でも、それに気づかせてくれたのはあなた」

 

「雪乃・・・ちゃん」

 

僕は彼女に抱きつく。

そしてその胸で泣く。

声を上げて泣く叫ぶ。

 

そんな僕を受け止める彼女。

僕の心は満たされていく。

彼女に抱きしめられることで満たされていく

崩壊した世界が急速に戻っていく。

彼女の手が優しく僕の頭と背中を摩る。

ふと顔を上げて彼女の顔を見る。

その顔は美しい。

美しさと超えて美しい。

女神のようなその顔。

 

僕を救ってくれた顔。

 

愛しい顔。

 

愛らしい顔。

 

僕はその顔に見惚れていた。

 

僕の女神。

 

僕のすべて。

 

そして僕の意識は雪乃の中で溶けていく。

僕の崩壊した心は、雪乃の温かさで包まれていく。




次はエロ回です。
※凌辱注意
明日で完結です。


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誤字脱字修正(20150505)
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