やはり、私の青春ラブコメがまちがっているはずがない。 作:夏ノ雪
はじめとの初体験の日から数日たった。
私はなるべくはじめと合わないようにしていた。
初体験の次の日はマンコが痛かった。
じんじんした。
そのため移動に気を付ける必要があった。
だがその痛みを数日立つと消えた。
そしてあの日の興奮が恋しくなってくる。
あの体験は味わったことがない程の快感だった。
それを与えてくれたはじめを見るたびに、下腹部がじりじりとしてくる。
だがら私はなるべくはじめと合わないようにした。
別に私ははじめが好きなわけじゃない。
ただあの時つらかったから。
だからはじめに頼っただけだ。
私が好きなのはヒッキーだ。
そう、私はヒッキーに恋心を抱いている。
◆◇◆◇◆◇◆◇
奉仕部の部室。
「由比ヶ浜さん、最近何かあった?その、何かいえないのだけど、変わったような気がするわ」
ゆきのんが私を見つめながら首をかしげる。
「ええ、そんな~。なにもないよ。なにも」
私は手を顔の前でふりながら答える。
「そう、そうよね。気のせいよね」
そうしてゆきのんは読書に戻っていった。
私は内心とても驚いた。
変わった?
私が?
ゆきのんが言うのだ。
私は変わったのだろうか?
自分では分からなかった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
廊下。
私はあの手紙の事が気になっていた。
あれはラブレターだ。
多分そうだ。
絶対にそうだ。
私とはじめの愛液で汚れたラブレターを思い出す。
急に心にもやもやとしたものがわき、下腹部がじりじりと熱をおびる。
やだ。
私は必死に違う事を考える。
えっと、明日の一限目は・・・・・・・・・・
なんとか妄想を振り切った。
だが下着は湿ってしまった。
今日は代えを持っていないから家までこのままだ。
でも、先程の疑問は消えない。
はじめはあの子の告白をどうするんだろう?
いいや、関係ない。
そう、私ははじめの友達。
はじめが誰と付き合っても問題ない。
だけどその考えは私の心を満たさない。
それは違うと明確に反応する。
「はじめ・・・・・」
思わず声が出る。
◆◇◆◇◆◇◆◇
私は気になって帰りにはじめを待ち伏せた。
勿論偶然をよそおってだ。
これで何回目だろうか。
私ははじめに聞く。
「はじめ、あの手紙どうしたの?」
「読んだよ」
ぶっきらぼうに答えるはじめ。
「そんなんじゃなくて、ほら告白の事」
私はついはじめの手を取って向き合う。
何故だろう、自然とはじめに触れてしまった。
私は今はじめと向き合って両手をつないでいる。
「それは・・・・・・別にいいだろ」
「よくない。聞きたいの」
はじめは先ほどから私と視線と合わせようとしない。
私は無理やりはじめの顔をこちらに向かせようと、はじめの顔に手を伸ばす。
それとはじめの動作が合わさったのだろう、ふいに至近距離でお互いの顔を見つめあう。
一瞬であの日の感覚が蘇る。
私はふいにはじめにキスをしていた。
あの快感が頭の中に戻ってくる。
これだ。
この快感。
それを味わおうとした瞬間、はじめに体を押される。
唇が離れる。
「断った。これでいいだろ」
そうぶっきらぼうにいうと、はじめは歩き出していった。
私の心に温かい何かが生まれた。
だが、それは視界に映ったそれで消えた。
私を見て、私に手紙を渡した娘が唖然としている。
そしてその顔は直ぐに泣きそうな顔に変わる。
彼女は走り去っていく。
私はとっさに後を追う。
彼女は部室棟の方に駆けて行く。
私は全力で走った。
私は運動が得意だ。
◆◇◆◇◆◇◆◇
なんとか追いつく。
彼女の手を掴む。
「離してください。離して」
彼女が泣き叫ぶ。
「待って、誤解しているの。だから聞いて」
私はその手を離さない。
「離してください。泥棒猫の話なんか聞きたくないです」
彼女はさらに大きい声で泣き叫ぶ。
「ちょっと、静かにしてよ」
私は彼女をこちらに振り向かせる。
彼女は顔を真っ赤にして泣いている。
「ねぇ、落ち着こう。さっきのは違うの。何もないの」
「嘘です。私、馬鹿じゃありません。あれが何もないようには見えません」
「違うの、その、あれは・・・・・・事故なの」
「いいんです。私は由比ヶ浜さんみたいに胸も大きくないし、かわいくもないです。分かってますから。だから」
彼女は声を上げてわんわん泣き出す。
そんな彼女に対してかける言葉は思いつかない。
「その・・・・・ごめんなさい」
その言葉を聞くと少女はさら激しく泣き、そして走り去っていった。
私は呆然としていた。
私は卑怯者。
分かってる。
そんな私は嫌いだ。
私もそんなことはしたくない。
でも、私は・・・
「由比ヶ浜さん、その、とても騒がしい声が聞こえたのだけど・・・・・」
後ろから聞こえる憧れの声。
いつのまにかゆきのんが後ろにいた。
周りを見渡す。
あ、ここ奉仕部の部室の前だ。
「その、あれだ、廊下では静かにしたほうがいいぞ」
部室からヒッキーも出てくる。
やだ、さっきの聞かれたかも。
私は急速に心が乱れる。
今日は、さっきから心が上下してばかりだ。
何かいわなきゃ。
何かいって誤解をとかなきゃ。
「その・・・・あはは。ちょっと勘違いが合って、その・・・・」
だめ。
全然考えが浮かばない。
何も浮かばない。
そんな私をゆきのんは見る。
「そう。勘違い。それならしょうがないわね。でも何かあったらいって。私はあなたの味方だから」
そして、部室の中に戻っていく。
「あははは・・」
笑ってごまかす私。
そんな私を見ないようにしながら、どこか遠くを見ているヒッキー。
「その、一応俺も奉仕部だ。最近はあまり依頼がないんだ」
そういってヒッキーも部室に入っていく。
そんな彼らを私はただ見ていた。
そう、ただ見ていた。
笑ってごまかす以外のことはできなかった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
あれから私はあの女子生徒を探した。
彼女はゆきのんのクラスの子だった。
私は彼女と話し合おうと何度も接触しようとしたが、彼女は私の顔を見るたびに苦い顔をして去っていく。
そんな私をゆきのんは見ていたのかもしれない。
ゆきのんはたびたび私に声をかけてきた。
でも、この事はゆきのんには相談できなかった。
もちろんヒッキーにも。
この事は絶対にばれたくなかった。
私は3人の関係を壊したくなかった。
既に壊れかけているかもしれないけど、私はいつも通り笑顔で部室に行った。
私ははじめに合った。
彼女の事を伝えるためだ。
そして話した。
キスした所をあの手紙の娘に見られた。
そしてその後の事も。
その事を聞くと、
「そうか・・」
と言い、はじめは苦しそうな顔をする。
私はその顔を知っている。
これははじめが私を守るときの顔だ。
だめだ。
はじめに頼っちゃいけない。
私がなんとかしなきゃ。
でも同時にはじめならなんとかしてくれるという思いもある。
そう、この行為こそがそれなのだから。
私ははじめに今こうして相談している。
そうしたことで起こる結果は馬鹿な私でも予想できた。
でも、私の体は私の意思では動かない。
◆◇◆◇◆◇◆◇
三日後。
私は偶然耳にした。
はじめはあの手紙の娘と付き合う事になったそうだ。
それは私には衝撃だった。
すぐにはじめに確認した。
はじめはこっちをみないでその話を認めた。
なんで?
なんで?
なんでそんなことするの?
何?
私のため?
あの娘が何か言ったの?
私は聞いたがはじめは答えない。
「別にいいだろ」
そう言って彼は去って行った。
◆◇◆◇◆◇◆◇
私はそれから常に心が沈んでいた。
表面上は笑顔だ。
楽しくふるまう。
でも、いつも心が沈んでいた。
私が起こしたことで、わたしが沈んでいる。
よく分からない。
でも私が悪い事は分かる。
でも、どうしようもない。
私もこんなことしたくなかった。
なんでこんなことになってるの?
ねぇ、なんで?
私の心の中では、そんな思いが常に駆け巡っていた。
ご一読ありがとうございます。
次は本日の23時投稿です。
8話と9話同時投稿になり、それにて完結です。
ラストスパート~~~~。