灯りをほとんど廃した部屋に一人の女の嬌声が響く。よく見れば声の本人は女性というには程遠い少女だった。桃色の髪を振り乱し、壊れたように腰を打ち付けながら淫らな踊りを繰り広げる。
「はっ、ひぅ……し、しれいか、ぁぁぁぁあああ!イク、イクぅぅぅぅ!!」
桃色の少女は全身を弓なりに反らすと、ガクガクと壊れそうなくらいに痙攣し果てた。秘部からは愛液が噴き出し、今までのと合わせて腰元に湖を作っていた。絶頂後の余韻も感じているのかまだ腰がヘコヘコと動き、微量ながら与えられる快楽にまた少女が喘ぎ出す。すでに瞳に光はなくただただ快楽を貪るだけの機械と成り果てる寸前だった。そこに届く少女には重た過ぎる快楽衝撃。
「…………っっっっっ??!?」
一瞬で頭の中が真っ白になり、瞼の裏側に激しい真っ白な閃光が走った。体が跳ねるほど突き上げられるが、それを無理やり下の男に抑えられているため逃げる場所も快楽を逃がす方法もない。ただ頭がパンクするほどの、地獄のような快楽を理不尽に受け付けるしか少女には残されていない。
「ああぁぁぁぁ、ら、らめぇぇぇぇえええ!!それいひょうはらめらぴょんんんんん!!!!」
少女が泣いて喜んでも止まらない。激しく打ち付けられる剛直に為す術はない。少女の膣を埋めて、なお有り余るほどの巨根は少女の子宮を押し上げ、膣内を強引に抉り出し、もはや吐き気を催す快楽を与える。
「いぐぅぅぅぅぅぅうううう!!イ、イク、いっちゃぅううああああああ!!!!!」
少女の叫びと同時に巨根から放たれた精液が子宮を焦がし、再び少女を快楽の頂まで無理やり押し上げる。短期間に持って生かされた絶頂に少女は明滅する視界と、許容量を超えてパンクした脳を閉じ、快楽を貪った。壊れたように腰を振り、子宮にその巨根を叩きつける。一回ごとに絶頂し、放たれる精液によって二重に絶頂する。今の少女には何処がどうなっているなどの情報は入らない。ひたすらに腰を振り、この甘美な快楽に溺れていくだけだった。
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行為の後は決まって終始無言で抱き合っていた。何時からかお互いがそうしていた。強制などなくただやりたいからそうなっていた。少女は男の膝元に座り込み、男は少女を後ろから優しく抱きしめる。そうして初めて一つの情事が終わる。いわば二人の約束事にもなっていた。
「……司令官、うーちゃんまた遠征失敗したぴょん」
少女の独白に男は何も言わない。少女もこの男はあった時からあまり喋らないことを知って、返事を待たずに独白していた。
「護送中に深海棲艦が出てきて……駆逐艦はやったけど、重巡は無理だったぴょん」
そう呟く少女は瞳に涙を溜めていた。遠征自体は救援に駆けつけた別の鎮守府の艦隊が受け持ったため成功したが、少女にはそんなことはどうでもよかった。
「……司令官から、任された遠征……しっばいじで……ごめんだぴょん……」
少女はもう人類のためになど戦っていなかった。一人の男の役に立てればそれでいい。そう昔に誓った。だが現実を見ればそう甘くはなかった。そもそも艦娘
「だがら、うーちゃんをすでないで……もっどがんばるがら…………いっじょにいで……」
少女は過去の事を思い出す。
役立たずは要らない。
この世に誕生してから幾たびも少女の心を抉った言葉だった。本来この世界に降り立った艦娘は最低限の装備を整えてやってくる。それに後付けで人間と妖精さんが作り出した装備を扱えるからこそ深海棲艦に対抗できた。しかし少女には駆逐艦としての重要なものが抜け落ちていた。
魚雷が扱えなかった。
何かの誤差か、相性の問題か、数ある中の特異な例なのか。原因は不明だが分かっていることは少女には魚雷が扱えず、後付けも不可能なことだった。当然、駆逐艦の火力で倒せる敵には限りがある。よくて軽巡、重巡以降は勝率はほとんどないし、戦艦など壁を蹴っているようなものだ。魚雷の扱えない駆逐艦、そのレッテルを貼られた少女はひたすら色々な鎮守府に送られては侮蔑の視線に晒された。時には同じ姉妹艦にすらそのような視線を突きつけられた。やがて少女は運命を呪った。何故自分だけがこうなのか。視線の先では訓練中であろう艦娘達が雷撃戦を行っている。当たり前に出来ている。それが少女には堪えた。
「……司令官、私のこと……解体してください」
もう終わらせる。こんな時間に意味などなかった。そう感じ、達観し、絶望した少女は終わらせるためにその時の司令官に提案した。司令官も厄介払いが出来ると意気込み、少女を護衛もつけずに大本営に送った。なんでも向こうで解体を行うらしい。それすら少女には何も感じられなかった。自分の全てが木枠の中の物語のように、他人事として受け流されていた。大本営に着き、所定の手順を踏んで後は解体を待つのみとなり、備え付けのソファーに座っていると少女の隣に男が座り込んだ。見上げるほど大きく、少女の背の低さを考慮してもその辺にいる男よりも大きかった。男は無言で買ってきた飲み物を飲むと巨木のようにそこに居座った。しばらく無言の時が進み、おもむろに少女が口を開いた。
「……貴方は、司令官?」
男は喋らずに頷くことで肯定した。どうやらあまり喋らないタイプなのかもしれないとあたりをつける。なんとなく気になり自分のことを聞いてみた。質問に意味などないし、少女も特に考えずに言った。
「……もし、駆逐艦が魚雷を撃てなかったら……司令官はそれでもその子の事、使う……?」
「………………」
非常に長い無言の後、男が口を開いた。少女の斜め上の回答を持って。
「…………魚雷を撃てれば、駆逐艦なのか?」
「……えっ?」
男は喋らずに飲んでいた缶を握り潰すと立ち上がった。少女は動かない。何を言っているのかわからなかった。駆逐艦は魚雷を撃つ。当たり前だ。それが抜け落ちた駆逐艦が駆逐艦足り得る物があるのか?そんな物があったとして、自分に備わっているのか?
「…………俺は、海軍は詳しくない」
自らを新米という男は呟いた。
「…………だが、駆逐艦が魚雷を撃てればそれで戦いは終わるのか?」
真っ向からの否定だった。ただの駆逐艦に戦いを終わらせる力などないと、男の目が語っていた。
「……だったら……だったらなんなの!卯月だって頑張った!なのに魚雷を撃てないだけで!こんな事になってる!……卯月のどこが駄目なの?!魚雷を撃てなければ、駆逐艦として!艦娘としてすら見てもらえないのに!……なにが…………」
自分で言った事が全てだった。駆逐艦として生まれ、駆逐艦になれずにこうして死んでいく。戦わず、ただ次の肥やしとして死んでいくだけだった。ただ一つ、魚雷を撃てないだけで。
「貴方に何が分かるの……他人が当たり前にできる事が、自分には出来ないの!……黙ってないで、何か言いなよ!!」
「…………ところで、今は昼だ」
突然何を言いだすかと思ったら、この男は何を言いたいんだ?
「お前はなんだと思う?……昼飯は」
「…………知らない、カレーじゃないの?」
微かに漂ってくる匂いで判断しただけ。それだけだ。
「……そうか、それは匂いか?」
少女は頷く。
「…………俺は嗅覚と味覚が死んでる」
「………………」
「……だから、お前が感じた匂いは分からない。他の奴らが言ってる美味しいが理解できない」
「…………なに、それ」
「お前と同じだ。俺も、当たり前のことができない」
そう言って男は自分の前に膝立ちでしゃがんだ。
「……けど、俺は料理を食べる。美味いも不味いも、美味しそうな匂いも分からないが、それでも食べる」
それが、俺が決めた、出来ないことをやる俺のけじめだ。
「……あの時、司令官がいたから、うーちゃんはうーちゃんでいれたっぴょん」
少女は未だ戸惑っていた。男のもとに来て一ヶ月。他の場所では一ヶ月も同じ場所にいたことなどない。それが余計に不安を駆り立てた。この人もいつか、自分を捨てるのではないかと。今の居心地がいい分、捨てられた時の絶望が考えられない。これの逆など考えたくもない。
「だから……お願い…………卯月を……見捨てないで」
少女の慟哭は男にしか聞こえない。いつも泣いている少女を無言で抱きしめ、冷たい蓋で自分と少女を隠す。それが少女には悪影響と知って。少女が望んでいると知って。
書き終わってから作者の心が全然ぴょんぴょんしてないことに気づいた。なんでこんなに鬱っぽい感じになったし……