カチャン、カチャ、
がらんと静かな食堂で1人、慣れぬ左手でスプーンを武器に悪戦苦闘しながら芋と戦うロッソの姿。その背後にぬっと現れた兵士長。
「…ロッソ」
「何、リバイ」
今は戦闘中だ、話しかけるなと背中が語る。
「リヴァイ、」
「何、リヴァイ」
一切顔を動かさず、リヴァイを視界に入れずに会話を持続させていたロッソの腕をリヴァイが止める。
「何してんだ」
「左手で食べている」
見れば分かるだろうと言いたげな顔に、ハンジ直伝の方ではないチョップを軽く落とす。
「ハンジが頼れと言ってただろ」
「補佐もハンジもいないから」
「いるじゃねえか、俺が」
「リヴァイが?」
「そんな質でもねえが、汚すのを見ると腹が立つ」
「そう」
皮を剥いただけの芋を、皿の中でスプーンで手頃な大きさに整え、ロッソの分のパンに腕を伸ばす。しかしそのパンの数センチ先でリヴァイが手を止める。隣で女の腹の虫が鳴る。
「…他に人いねえだろ」
「時間が時間だからな」
広い食堂は昼時を過ぎ、リヴァイとロッソ、二人のみ。
「腐るのを遅らせるためにパンは固いだろ」
「ああ」
「人が少なけりゃ蒸し焼きにして食べる方がうまい」
「蒸し焼き…?」
パンを持って台所へと移動したリヴァイの後を親を慕うひやこのように着いていった女は、男の火をつける手際の良さに目を丸くし、二人分のパンを蒸し焼きにする間に漂う良いかおりに腹の虫が死にかけの鳴き声をあげ、初めて柔らかいパンを噛んだロッソは感嘆の声をあげた。
「おいしい」
「な、手間がかかるがな」
「…おいしい」
「泣くほどか」
パンを口に含みながらただ呆然と涙を流す女に少し驚いたが、ここまで素直な反応を示されたのも久しぶりだと機嫌を良くしたリヴァイが、さりげなく女の皿にパンを増やした。
そして夜、エルヴィンに用を思いだし、急ぎでもないが思い出すと気になって仕方がなく、何回かベッドから起き上がったり寝たりを繰り返した後、16回目で諦め、着替えて部屋を出た。廊下を進んでいると、深夜であるのに離れの浴室から何やら光が漏れている。見張りは何やってんだ、と溜め息をつきながら浴室を目指す。近くまで来てようやく女子浴槽だと分かり、火を消して帰れば良いだけだと腹をくくり扉を開け、光の漏れる方へ歩いていく。
するとそこには、
「何やってんだお前」
彼女の真っ赤な髪が血に見えて血まみれの女性が見え驚いたなどとは、リヴァイの名誉にかけて言わない。
「リヴァイ?ここは女子浴室だぞ?」
シャワー室で何やら格闘していたロッソが、意外な顔をして振り返る。
「すぐに出る。だがこんな深夜に何やってんだ」
「やることがなくて掃除をしていたらうっかり埃を被ってしまって」
「浴びようとしたがメガネがいなかったから一人でどうにかしようとした、か」
「ああ」
「…ハア、
手伝ってやるよ、お前は右手を挙げてろ」
まさか手伝うと申し出ると女は思っておらず、リヴァイの申し出にそれこそ溢れそうなほど目を開いた。だが1度身を委ねるとその器用さと気持ちよさにロッソは何回か眠気の世界に誘われ、リヴァイに蹴られる。
「何寝てんだ
ほら、髪終わったぞ、あとは自分でやれ」
「やってくれて良いぞ」
夢うつつで半目のロッソが酔っぱらったかのように頭を振りながら言う。
「ハァ?お前女だろ、そこまで忘れたか」
「1度頑張ってはみたが右手が濡れるしやりにくい」
「…俺は男だ、分かってんのか」
アホ、ここまで来たかと諦めを込めて低い声で言い聞かせるが、女は聞いちゃあいない。
「声を殺すから、前のをもう一回」
「前の…?まさか、前の地下街のことか」
「リヴァイ以外に足を開くなと言われたからハンジにも相談できずに悩んでいたんだ」
「…ハッ、精々声を出さないように頑張れよ」
そう言って首筋に噛みついた。
「ふっ、ふっ、ンン!」
女子浴室に広がるは、肉のぶつかる音と水のいやらしく動く音、男の獣のような息、女の圧し殺した喘ぎ声だ。リヴァイは前回より女の乳房に骨抜きで、後ろから獣のように追い立てながらもその柔らかい肉に手を沈め、声を殺せと言いながら声をあげさせる。
「あっあっあンッ、これすごいンッ!奥まできてる…」
「うるせえ」
激しく前後に腰を動かし、桃色の蕾や耳、項を噛むとただでさえ狭い奥がキュウッと締まるのがリヴァイが楽しんでいるところだ。
しかし前のように興奮しないのは何故だろうと不意に思いつき、赤い髪を見る。
そうだ、あの無表情女の顔が快感に歪む様に征服欲が満たされたからだと思い出した。
そこでロッソを抱き寄せ、繋がったまま抱き締められたロッソが自分の重みでより深く繋がり、あがろうとする声を指を突っ込んで防ぐ。そこで吸い上げられるような感覚を覚え、ああイッたな、と感じながら不透明で鱗ができているお粗末な鏡のある化粧台に、対面させるようにしてロッソを座らせる。ロッソの着替え前の服を下に敷いて、一応はロッソに気配りはしたつもりだが、ロッソは先ほどの衝撃にまだ頭が朦朧としており、荒い息を続けている。
滑らかで細い足を担ぎ上げ、まだ息の荒いロッソに、2撃目を突っ込む。それだけでまた奥は痙攣し、急激に吸い上げられる。
「んッーーーーーー」
その声に釣られ、ロッソを見ると、その鷲のような鋭い目が垂れて涙を浮かべ、顔全体が上気し、声を抑えようと包帯を噛むロッソに、以前にも増して異様な興奮を覚えたリヴァイは、無意識の内にロッソの中で自らも果てていた。嘘だろガキかよ、と己にビックリしながらロッソから出ようとする。
しかし腰にロッソの脚が絡まって出られない。
「ガキが出来たらどうすんだ、お前の生き甲斐達成できなくなるぞ」
「ん、」
ロッソは分かっているのか分かっていないのか良く分からない返事をし、リヴァイの口を塞ぐようにキスをした。それから段々と深くなるキスに比例して、腰の動きも早くなり始める。
とうとう両腕で相手を抱き締め合い、舌を絡めながら腰をぶつけ合う卑猥な情景に成り果てた。二人はもう相手しか見えず、より早く、より深く、の思考だけで腰を動かした。
「結局頭ももう1回洗うのか」
「…」
「おい寝るな」
「うん…」
「寝るな、お前に寝られると女子浴室で女を襲った俺に逃げ場はない」
「うーん…リバイ…」
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貞操観念も無いアホの子ですが、腕っぷしが強いため恐らく兵長さん以外に足を開くことは無いかと思われます。
自己満解説~