主×花
※悠君が陽介に相変わらずムチャなミッションを強いるお話です。
陽介は迷っていた。
先般、電車内で痴女(及び痴男?)に遭ったことを悠に話すべきかどうかを。
まあ、別に話す必要はないのだ。
言わば気持ちの良い交通事故に遭ったようなものなのだから、わざわざ報告する必要はない。
しかし、悠とこうしてベッドを共にしていると黙っていられなくなる。
「……ゆ、悠。あ、あのさ」
「ん? 何だ、陽介」
陽介の耳たぶをかじりながら、悠が上の空の如く聞き返す。
「……あふ! い、いやその……、な、何でもねー」
微妙に頬を赤らめて目を瞑る陽介。
「何でもない、だと? 俺に言えないことなのか?」
次に悠は、陽介の首筋にツーッと舌を這わせながら尋問する。
「あああ……!!」
暖房の効いた陽介の部屋。
既に二人は生まれたままの姿でベッド上にいる。
屹立した二人の肉棒が互いの肌を擦り合わせながら、愚者と魔術師の身体がもつれ合う。
「どうしたんだ、陽介? 言いたいことがあるなら……、はっきり言うんだ!」
いつの間にか悠の舌は陽介の乳首へと移動し、その両指は陽介の両脇の下から肋骨の横を滑るようになぞっていく。
「ちょ……、ダ、あ……ふ!」
「言うか?」
「あ……、でも……」
「言うか?」
「……うううう」
「言うんだな?」
「わ、分かったから、ちょっと止めてくれ! ストーーップ!」
悠の立て続けの攻めに完全敗北した陽介は、息を切らしながら意を決した。
「……いや、実はさ、こないだ電車ン中で痴女に遭ったんだよ」
恥ずかしそうに話す陽介。
そして、心の中でほくそ笑む悠。
「(やはりあの時のことか! ……陽介なら、きっと言ってくれると思っていた)」
悠が雪子と組んで陽介をハメた、あの日のことである。
「……なんかさ、帽子にマスク、おまけにサングラスまでした変な女が妙にくっついてきたかと思ったら、そのさ……、触ってきたんだよね」
「何をだ?」
「何って……、決まってるじゃねーか!」
「……コレか?」
そう言って陽ペニをギュッと握る悠。
「……あ!」
そのまま悠は、スローペースで陽ペニをしごく。
「それで……? どうしたんだ……?」
「い……いやその……、ああ! ……そう、そんな感じでしごいてきやがってさあ」
感じながらも必死で説明を続ける陽介。
「こんな感じか?」
指先を陽ペニのあらゆる角度へと躍らせ、その硬化度をさらに上昇させる。
「あう……!! ま、まあもちろん、お前の方が……、巧いけどな! な~んて」
「……で? 結局最後はどうなったんだ?」
「ああ、それなんだけどさあ。(どうする? 言うか? 言うべきなのか!?)」
迷って口籠る陽介。
「なんだ。はっきりしない奴だな。そういう奴にはお仕置きだ」
悠はそう言って、自らのダイヤモンドポールを陽介の口へと押し込む。
「うぐっ!」
陽介の頭を掴んで腰を振る悠。
陽介の口中で、ダイヤモンドの硬度が上がる。
そして、果てる前にサッと陽介の口から分身を引っこ抜く悠。
「ふぅ……。で?」
「……あ、ああ。それがもうイク!って時に俺のモノをしごく手が変わったんだよ!」
「手が、変わった?」
「そう! どーやら二人組だったんだな、これが。……で、問題は……、その交代した手が……男だった……ってこと……」
「(……きた!)」
にわかに興奮する悠。
「……いや! もちろん男はお前だけだぜ!? もうイク寸前だったんだよ! だから仕方なかったんだ!」
何だか自分に言い訳しているかのような陽介。
「でも、それでイッたんだろ?」
「……あ、そ、そうなんだ……。ま、結構巧かったのは事実かもしんないけど……」
ゾクゾクっと身体を震わせる悠。
陽介のドキマギした言動が悠の心を躍らせる。
そう。
陽介と数々の変態プレイを行う内に、さらに陽介の一挙手一投足が愛しい存在となり、悠の感じるツボも変態化してきたようだ。
と、ふと我に返る悠。
「……何にしても、俺以外の男の手でイッたわけだな? 陽介」
悪戯な目で陽介を見遣る悠。
「いや! だから事故だったんだってば!!」
「事故だろうが何だろうが、事実は曲げられない。……陽介、罰として明日は俺の言う通りにしてもらう」
「え……!?」
そう言うやいなや、悠は陽ペニを口に含みつつ、自らの足は陽介の顔面を跨ぎ、69の形へと移行した。
「……今日は同時発射だ」
そして二人は、互いの肉棒を思う存分味わい、そこから同時に放出されたクリーミーなスープを飲み干したのであった。
* * * * *
翌日の午後、悠は陽介にいつもと違う浣腸液を手渡した。
「今日はコイツを試してみよう」
「……何だコレ?」
「クエン酸だ」
真顔で言い放つ悠。
「え、原液!? そりゃいくら何でもマズいんじゃねーの!?」
「バカ! 原液なわけないだろ。クエン酸は十パーセントでアヌスにバラが咲くと言われてるんだぞ?」
「バ、バラって……。そのう……、遠慮してもいい?」
陽介の懇願を軽く無視した悠は、しゃがんで何の迷いもなく陽介のズボンとパンツを下ろす。
そして、ベッドの上で陽介を四つん這いの体勢にさせる。
「……もういいよ。好きにしてくれ」
観念した陽介。
下半身のみを露にした状態で両手両膝をつき、目を瞑って歯を食いしばる陽介。
「行くぞ」
新調したガラス浣腸器が陽アヌに突き刺さる!
「うおっ……!!」
悠が、ゆっくりとシリンダーを押し込んでクエン酸液を陽介の中へと注入していく。
「あう……あう……、ふあふえひうあ」
陽介の奇声、そして悠がガラス浣腸器を抜いてニヤッと口元を緩める。
「……よし。早めにトイレに向かえよ。……ん、もう身なりを整えておいた方がいいかもしれんな」
「え!? もう!? そんなに早いのか!?」
慌ててパンツとズボンを履き始める陽介。
その最中、確かに下腹が大きく鳴いた。
「グゥーーーーッ、キュイキュイイイイィーーー!!」
「ゲッ! まさか……、そんなに早く!?」
「まだだ。ここが我慢のしどころだぞ、陽介」
実に楽しそうに陽介を見つめる悠。
一方、陽介の顔面は見る見るうちに青白く変色してきた。
「……う! 痛い! 痛いぞ!? この下っ腹の痛み、なんかフツーじゃねーんだけど!!」
右手で腹を、左手で尻を押さえる陽介。
「耐えろ! あと1分でいい!」
叫ぶ悠。
しかし、陽介の腸内には暴れ太鼓が鳴り響き、肛門を閉じる筋肉が次第に非力になっていく!
「ダ、ダメだ! もたねーーーーっ!!」
ギクシャクと操り人形のように部屋から出ていく陽介。
* * * * *
待つこと約15分、陽介がやつれた表情で部屋に戻ってきた。
「……スゲェ。スゲェ効き目だよコイツは……」
「そうか。……とりあえずちょっと横になって休んでろ」
悠は、そう言って陽介をベッドに誘い、自らは持参した鞄をまさぐり始める。
限りない不安感を抱えながらも、とりあえず今は体内の全てを排出したかのような倦怠感に勝つことができず、陽介はベッドに倒れ込んだ。
着々と準備を進める悠、黒いケースからバンド付のアナルプラグを取り出すと徐にベッドの上に置き、陽介の目を見つめた。
うっすらと目を開けていた陽介が見たもの、それは拡張済の陽アヌを塞ぐにふさわしい巨大なプラグであった。
「……な、何なんだ? そりゃ」
「固定式のプラグ、いわゆるアナルストッパーだ」
「……今日の悠ってば、すげー直接表現なのね」
もはや何でも受け入れる体勢に入っている陽介は、自ら下半身を剥き出しにしていく。
「デカい! ホントに入んのか?」
「心配ない。俺の拳を飲み込んだお前の花園なら、最大径65mmのこLLサイズでも足りないくらいだ。……よし、付けるぞ」
そう言って悠は、再び四つん這いになった陽介のアヌスに十分なローションを塗り、LLプラグをグイッと押し込んだ。
「クワッ!!」
思わず声を上げた陽介だったが、その感覚は痛みというよりはやはり快感であった。
弾力性のある太いプラグが陽アヌ内へ静かに沈んでいき、ついにはスッポリとその姿を消した。
そして、悠がバンドで陽介の下半身にしっかりと固定。
もちろん、陽ペニはちゃんとバンドの間から無理なく飛び出る構造になっている。
「……よし。その上に、念のため今日はコレを履くんだ」
そう言いながら悠が陽介にオムツを差し出した。
「な……なんでオムツなワケ? さっきのスゲー浣腸で、もう腹ン中空っぽだぜ?」
「いや。クエン酸を嘗めちゃいけない。アレは宿便すら溶解させる働きがある。まだ出る可能性があるので、付けておく方がいいのだ」
「いやいや! でもさ、付ける必要はないじゃないの? またすぐトイレ行けばいいじゃん」
「トイレには行けない。お前はもうアナルストッパーを付けてるんだぞ? それに……」
「そ、それに……?」
「今からお前には、商店街である物を手に入れて、菜々子にそれを届けるミッションを与える」
真顔の悠。
そして、思わず手の力が抜けて顔面を枕に打ち付ける陽介。
「……な、何だって~~~~~っ!?」
* * * * *
時は12月24日。
世に言うクリスマス・イブである。
稲羽中央通り商店街では、毎年この日だけの記念品として『クリスマス袋』を販売している。
これは、飲食物であったり玩具であったり、それは多種多様なクリスマス・プレゼントを住民に提供する恒例のイベント・グッズなのだ。
「菜々子に、クリスマス袋を買って持っていってくれ」
「いや、でも……、それは悠、お前の役目なんじゃねーのか?」
「いいからいいから!」
まんまと悠の意のままに動かされてしまった陽介は、クエン酸浣腸の余韻が残る肛門に極太のアナルプラグで栓をされ、さらにオムツまでした状態で街を歩き、大人気のクリスマス袋をゲットして菜々子に届けるという、とてつもないミッションを授かってしまった。
* * * * *
寒空の中、稲羽中央通り商店街へ向かう陽介。
凍てつく風が頬を突き、自然と身も竦んでいく。
「う~~~、寒い! ……ったく悠の奴、どういうつもりで俺に買いに行かせんだよ全く……。それにしても、なんかスゲェ感覚だな、このプラグ。ソフトだけど壁にピッタリくっつくような感じが、なんか堪んねーよ」
愚痴をこぼしながらも、アヌスの超感覚を自然と楽しめる辺り、陽介も完全に悠の手の中といった状況だ。
商店街に着くと、毎年の如く四六商店の前に人だかりが出来ていた。
クリスマス袋の中身は毎年数種類あり、商店街の各商店が製作して持ち寄り、この四六商店が代表して販売することになっている。
クリスマス商戦においてもジュネスに大きく水を開けられている商店街だが、この『クリスマス袋』だけは未だに根強い人気を誇っているのだ。
「うわあ……、結構並んでんなー。よく考えたら、俺がここにこーいうの買いに来るってマズいんだよねぇ。まあ、売場に出てねーから顔は指さねーだろうけど……」
ジュネスで働く身としてはやはり少し肩身が狭い陽介だったが、悠、そして菜々子のためと思えばそんな事は忘れてしまう。
単純と言えばそうだが、そこが陽介の優しいところなのだ。
人ゴミを掻き分け、何とかワゴン前まで辿り着いた陽介。
大小様々な形態のクリスマス袋が、残り数個の状態だ。
「うわっ、もうこんだけか! 危ねぇ危ねぇ。……どれにすっかなー。やっぱ大きい方がいいのかな。でも、菜々子ちゃんにだし、小さい方が可愛いもん入ってっかもしんないしなー。ああもう! 中間でいいや!!」
結局、中くらいの大きさのクリスマス袋をゲットした陽介。
「ふぅ。とりあえず、買えて良かった~。……ん?」
喜びも束の間、陽介は下腹部に違和感を感じ始めた。
「……な、何だ? ……まさか……」
次の瞬間、陽介の腸内でまたしても太鼓が叩かれ始めた!
「ちょ……!! 待った待った! さっき全部出し切ったじゃねーか!!」
強烈な痛みが陽介の下腹部を襲う!
「ガッ!! ……ヤバイ! 早く、早く行かなくっちゃ!!」
しかし、走ろうとすれば肛門が緩みそうになるし、ゆっくり歩いている余裕もない。
そもそも、プラグをしているので出るものも出ないのだが、それをも押し出しそうな勢いで陽介の直腸部が格闘している。
「……おわわわ、出る出る! でも出ないよな、出ないよな!」
最悪、栓が抜けてしまったとしてもオムツが受け止めてはくれるが、今オムツの世話にはなりたくない。
便意と羞恥心が交錯し、陽介の思考能力が低下していく。
「早く! いや、ゆっくり……、ダメだ! 出るか? 出るのか? 出していいのか? ダメなのか!?」
意味不明な自問自答をしながら、陽介が心の加速装置を使い、堂島家へと足を急がせる。
と、便意がスゥーッと消えていく。
「……あ、引っ込んできた。今のうちだ!」
便意には周期がある。
漏れそうな状態が続いたかと思うと、フッとその感覚が引っ込み、またしばらくして次の便意が襲ってくる。
そして、次第にその振り幅は広くなっていき、スパンは逆に短くなっていく。
これが下痢時の便意周期だ。
今、陽介は『便意の空白』にある。
この時とばかり、陽介は足を速める!
堂島家が見えてきた。
ここまで、何度か強烈な便意周期を繰り返しながらも何とか耐えてきた陽介。
あと少し! あと少しだ!
と、堂島家の目の前でまたしても強い便意がやってきた!
「クワッ! 今度のはキツいぞ……!!」
チャイムを鳴らそうとした瞬間だっただけに、陽介は堂島家の前でクネクネと腰を動かして肛門の緩みを脚と臀部の力で抑えるしかなかった。
すると、気配を感じたのか、堂島家の玄関に明かりが点き、ガラッと扉が開いた。
「……お兄ちゃん? ……あれ? 陽介お兄ちゃん!」
菜々子が出てきた!
焦る陽介。
しかし、まだ便意はおさまらないどころか、最高潮に達しようとしている!
「……や、やあ菜々子ちゃん」
力なく挨拶する陽介。
「どうしたの? どこか具合でも悪いの?」
心配そうに陽介を見つめる菜々子。
「いや! 何でもないよ! 何でも……!!」
既に限界の陽介。
とにかく、クリスマス袋を菜々子に渡さねば……!!
「な……、菜々子ちゃん! これ、しょ、商店街の……、ク、クリス、クリ……」
もはやまともに喋ることも困難になってきた陽介が、袋を菜々子に差し出す。
「あ!! クリスマス袋だ! 商店街のやつだよね? 菜々子にくれるの!?」
「あ……、ああ、もちろんだよ……。(早く! 恥ずかしがってないでトイレ貸してって、菜々子ちゃんに言うんだ! 俺!!)」
「うわあ、ありがとう陽介お兄ちゃん! ……開けていい?」
「(え!? 今開けんの!? ちょ……)あ、ああもちろん……、いい、よ……」
ニコニコとした表情で袋を解いていく菜々子。
対照的に、真っ白な顔になっていく陽介は気絶寸前。
と、ここで陽介の肩を後ろから抱く手が伸びる。
「遅くなってゴメン!」
それは悠だった。
「あ! お兄ちゃん、お帰りなさい!! ねぇねぇ、今、陽介お兄ちゃんがクリスマス袋をくれたんだよ! ……あ! 何コレ? ビフテキのフィギュアだ! 変なのーー!! でもおいしそーで面白い!!」
嬉しそうにはしゃぐ菜々子。
「良かったなあ、菜々子。……あ、そうだ陽介! 先に洗面所行ってうがいしてこいよ。風邪気味なんだろ?」
「……あ、ああ! ありがと!! じゃ」
ギクシャクと玄関に入って靴を脱ぎ、一目散にトイレへと駆け込んでいく陽介。
「菜々子、お兄ちゃんからはこれ。プレゼントだよ」
陽介が無事に用を足せるよう、悠は菜々子に話しかけて時間を稼ぐ。
「うわあ、ありがとう! お兄ちゃん!」
「開けてごらん」
「うん!」
菜々子が悠の渡した箱を開けている間、悠の視線はトイレ方向へと飛んでいた。
それはそれは、優しくも悪戯な目で……。
* * * * *
悠の部屋。
ソファーでくつろぐ悠と陽介。
「……いやもう、絶体絶命だったぜ! ホント助かった……、て、ちょっと待て! そもそも俺、お前にヒデー目に遭わされてんじゃねーか!?」
「でも気持ち良かっただろ?」
「ん……、まあ、その……、それなりに……な」
恥ずかし気に下を向く陽介。
「……ゴメンな、陽介。でも、お前が喘ぐ姿をずっと見ていたくって」
「なんて言いながら、最後は助けてくれるつもりでついてきてくれたんだろ? お前って、そーいう奴だよ」
悔しいながらも、悠の優しさを肌で感じている陽介。
「陽介……」
「……悠」
見つめ合い、次第に互いに唇を近付けていく二人……。
「ピーーーーー!! キュルキュルキュ~~!!」
陽介の下腹部から警報発信!
「……うわっ! また来た!! あの浣腸液、マジでシャレになんねーぞ!!」
慌てて立ち上がり、部屋を駆け出ていく陽介。
それを笑顔で見送る悠。
「……フフ。陽介。かわいい俺の陽介。今夜は、アイツの好きなようにさせてやろうかな。……俺からのクリスマスプレゼント、それはもちろん、俺の身体と、心……かな」
一人ほくそ笑む悠。
そして、陽介は便器とお友達……。
(了)