主×直
主×りせ
完×直
完×りせ
主×完×主
※悠の蛇化という事件を突き止めるために、再度テレビの世界へ!
そして真実と向き合った特捜隊は、今こそ新たなる使命を自覚する!
(前話『欲望を映す蛇』より続いて)
ジュネスの屋上フードコート。
陽介からの差し入れである鯛焼きを、千枝、雪子、完二、りせ、直斗が頬張る。
そして悠が鯛焼きに手を伸ばしたその時、頭の中にかすかな声が……。
「……セ……セン……センセ……」
ガタッ!!
咄嗟に立ち上がる悠。
「……クマ!?」
悠の様子に皆の動きが止まる。
「先輩、どうかしましたか?」
直斗が眉をひそめて悠に問いかける。
「クマの……声が聞こえたような気がしたんだが……」
「クマ君の?」
耳をすます千枝。
「……何も、聞こえないけど」
不思議そうな表情を浮かべる千枝を尻目に、直斗が艶やかな髪をかき上げながら応える。
「恐らくそれは、先輩だけに聞こえる声……。テレビの中の、声……」
「テレビの中? ……そっか、クマさん、テレビの中で暮らしてるはずだし……」
雪子の言葉に、直斗が小さく頷く。
「はい。今回の事件は、先輩のペルソナ能力に原因があるのだと思います。他の誰とも違う並外れたペルソナ能力、それがクマ君のSOS信号をキャッチした……」
「……俺の、能力……」
自らの手を凝視する悠。
正月の辰姫神社での初詣中、突如悠が姿を消した。
テレビの中が怪しいと睨んだ直斗のリードで、捜査隊の面々はテレビの世界へと赴き、そこで蛇シャドウと出くわす。
陽介がその蛇シャドウを悠だと見極めたが、逆に蛇シャドウの攻撃を受けた上、アヌスから陽介の体内へと蛇シャドウが侵入!
捜査隊の面々は、二人を助けんとペルソナ能力で自らの身体をミクロ化し、陽介の体内へと入った。
そして苦戦の末、シャドウ化した悠を元に戻すことができたのだったが……。
「……何にしてもよ、助けに行った方がいいんじゃねーのか!? クマのヤローを!」
完二の叫びに皆が同調する。
「そうですね。……先輩」
直斗の言葉に、悠が神妙な面持ちで応える。
「……よし」
「鳴上先輩と一緒に、僕と巽君、久慈川さんとでテレビの世界に行ってきます。里中先輩と天城先輩は、万一のために残っておいて下さい」
「わ、分かった!」
「……うん」
「花村先輩には、しばらく黙っておいた方がいいでしょう」
直斗の言葉に、千枝と雪子が互いを見合わせて頷く。
「じゃ、行きましょう!」
* * * * *
テレビの中は、やはり霧に覆われていた。
完二特製の新メガネをかけ、りせとカンゼオンの先導で皆がゆっくりと歩を進める。
「……さっき、話の途中になってしまいましたが、あの時、先輩は何を願ったんですか?」
直斗が悠に問いかける。
「あの時……か」
「状況から判断して、先輩がシャドウに変化したことは、先輩のペルソナ能力に原因があるのだと思います。ペルソナは、自らの抑圧された感情が具現化したものと言えます。……僕は、前々からその原理自体はシャドウと同じなのではないかと考えていました」
「何だって!? 直斗、何言ってやがる!?」
直斗の思いがけない言葉に、完二が食ってかかる。
「もちろん、この世界に無数に存在していた邪悪なシャドウたちの発生要因は分かりません。しかし、去年の足立さん脱走事件の時もそうでしたが、シャドウも同様に人間の奥底に潜むネガティブな感情から生まれ出たものでした。……ということは」
「ペルソナも、シャドウも同じ……」
黙り込む四人。
と、完二が口を開く。
「……同じじゃねーよ」
「巽君……」
「同じなんかじゃねー。確かに、原理は似ているかもしれねーけど、俺は同じとは思いたくねー。シャドウを超えたもの、それがペルソナなんじゃねーのか?」
「完二! 完二のくせになんかカッコいい!」
りせがからかうように口を挟む。
「う、うるせーよ!」
「……そうですね。シャドウを超えたものがペルソナ。そうなのかもしれません。いや、そう思わなければ、僕たちの存在意義がなくなってしまう」
そう言って直斗は、完二、りせ、そして悠と目を合わせて微笑む。
「だとしたら、やはり先輩のシャドウ化は先輩の心の動揺が生んだもの……」
直斗の言葉に、悠が改めて思考を働かせる。
「俺はあの時……、そうだ! まずみんなの事を思い浮かべた。捜査隊の仲間たちのことを……」
「そして、特に花村先輩のことを?」
ドキッとする悠。
「……陽介!? ……ん、そうかもしれない。陽介の……」
悠の脳内に陽介の裸体が舞ってることを、悠と肉体関係がある直斗には容易に推察できた。
「蛇化した先輩は、花村先輩に対する性衝動に比例して成長していきました。それは、少し……言いにくいですが、若干歪んだ感情だったように見えました」
言いにくいながらも、直斗は探偵としてキッパリと悠に言い放つ。
「それは……、否定できないな」
悠もまた、直斗に対しては素直に自分を晒す。
「先輩の歪んだ性欲が、何かに作用して邪悪なシャドウを生み出した。今はそこまでしか……」
と、りせが甲高い声で叫ぶ!
「……ここ! ここにいるわよ!!」
到着した場所は、やはりと言うべきかテレビ世界内の辰姫神社であった。
境内へと歩を進める四人。
すると、そこには辰姫神社に長く住み着いていたキツネの姿があった!
「キツネ……!?」
悠が駆け寄ると、キツネは怯えた目で堂内を見据える。
と、お堂の扉をブチ破り、巨大なシャドウキツネが現れた!
「ギャーーーーーッス!!」
お堂の中では、クマが天井から宙吊りにされ気絶している。
「クマッ!! ……イザナギ!」
悠が叫ぶや、イザナギが出現し、シャドウキツネへと突進する!
同時に、直斗と完二もペルソナを発動!
「辰姫神社……、キツネ……、そうか! 分かったぞ!」
「何ィ?」
全てを悟った直斗に、完二が反応する。
「辰姫神社のキツネ君は、常々人間の信仰心の低下を危惧していた。そこへ信頼のおける先輩が参拝にやって来て願い事をした。普段ならいい方向に作用するはずが、先輩の精神が歪んでいたためにキツネ君の深層心理がネガティブに働き、シャドウ化のエネルギーを生んでしまったんだ!」
「それで先輩は蛇になっちまったってことか」
「ええ。それだけじゃなく、恐らく辰姫神社のどこかに時空の裂け目ができて、テレビの世界と通じてしまったのではないでしょうか。そこに迷い込んだキツネ君が抑圧された感情を暴発させてしまった……!」
「しかしこうしてシャドウが出てきてるってことは、既にキツネのヤローはコイツを自分じゃないって思い切ってしまったってことだな」
「そうですね。こうなれば、奴を弱らせてキツネ君にもう一人の自分を受け入れさせるしか……」
イザナギ、ヤマトタケル、ロクテンマオウがシャドウキツネに攻撃!
と、劣勢の中でシャドウキツネが人語を話し出す。
「クッ……、人間なんて、人間なんてデタラメばっかりだ! 普段はろくに信仰なんてしないくせに、困ったことがあったり、みんな集まる行事なんかがあったら急に拝み出すんだ。全く勝手なんだよ!!」
「キツネ……」
シャドウキツネの言葉に、思わず攻撃の手を止める悠。
「……そーいう奴らはな、金だけ出してくれりゃいいんだよ。金が儲かりゃそれでいいわけだしな。世の中、結局金が全てなんだよーーーーっ!!」
シャドウキツネの雄叫びをジッと聞いていたキツネが、ふと頭を下げて一粒涙を流す。
悠たち四人の頭の中に、キツネの心の声が聞こえてくる。
「(そう……。心のどこかで人間に不信感を持っていたのは事実だ。でも、信じられる人間に出会えばそういうことは忘れていた。お金があれば、何とかなるって……、思ってたのかな)」
「キツネ君……」
直斗がキツネに歩み寄る。
首を上げ、直斗の方を見遣るキツネ。
「(あの醜い姿も私なんだ。どうやったら本当の信仰心を養えるのか、神に仕える者として、それを真剣に考えなければいけなかった。……あいつも、私なんだ)」
と、シャドウキツネの身体がピカッと輝き、隠者のペルソナ・イナリが出現した!
そしてイナリは、眩い光とともに一枚のカードとなり、キツネの前足に落ち、キツネがそれを受け止めた。
「キ……、キツネがペルソナ使いになるなんて……」
唖然とした表情のりせ。
「そ、そうだ! クマ君!」
クマの存在を思い出した直斗が、ヤマトタケルの太刀でクマを吊るしていたロープを断ち切って救い出す。
ドタン!
床に落ちたショックでクマが目を覚ます。
「……ムギュ! ……ん、だだだ、誰クマかあ!?」
女性風体となった直斗を見て、一瞬気付かないクマ。
「僕ですよ、クマ君」
「な、直ちゃん!? うわあ、一段と綺麗になったクマね~」
クマの言葉に照れる直斗。
覚醒したキツネの元に集まる一同。
悠がしゃがんでキツネの頭を撫でる。
「巻き込んでしまって、すまなかった」
ニッコリ笑って、クゥ~ンクゥ~ンと悠に思いを返すキツネ。
それを脳内で感じ取る悠。
「……そうか。ありがとう。……クマ! これからキツネがこの世界にも時々やって来て、お前と一緒にシャドウ監視をしてくれるそうだ」
悠の言葉に、クマがピョコピョコと走り寄ってくる。
「本当クマか!? ありがとクマ~!」
「それと、今回は襲ったりしてすまなかったと」
「ああ、それは仕方ないクマ。クマがしっかり守ってやらないといけなかったクマよ。こっちこそゴメンクマ」
頬をくっつけ合って笑うクマとキツネ。
それを見て、皆が満面の笑顔に……。
* * * * *
元の世界に戻り、四人は完二が寝泊まりする部屋へとやってきた。
造形作家の卵として修行中の完二は、稲羽市郊外の師匠宅で修業を積むため、その離れにある一室に居を構えていた。
「今日は師匠も田舎に帰ってるんで、まあ気楽にやってくれ」
だだっ広い室内には、作りかけの小物やその図面などが四方に転がっており、いかにも芸術家っぽい佇まいを感じさせる。
「広いな」
悠の言葉に、完二が皆にお茶を配りながら応える。
「あ、ああ。元々、ここも作業場として使ってたらしいッス。今は師匠の自宅を作業場にしてるんで、俺が住まわせてもらってるって感じで……」
「ふ~ん。……え? 直斗とりせは、来たことがあるのか?」
「え!? あ……、ええ。一度だけ……」
慌てた様子の直斗。
りせも少し顔が赤い。
「……なるほどな」
口元を上げて納得する悠。
「……先輩!」
直斗が真剣な眼差しで切り出す。
「ん?」
「僕たちの状況は、先輩ならもう想像がついたことと思います。ちょっと恥ずかしいですが……、これも僕たちの絆の証しなんです」
直斗の力強い言葉に、りせと完二も黙って頷く。
「フフ……。いいことじゃないか」
事件以後、性の伝道師として目覚めた悠にとっては、この一年生組の成長は自分のことのように嬉しかった。
「……でも、まだダメなんです。その象徴が今回の事件だったんですよ」
「と言うと?」
「初詣の時、先輩は僕たち仲間のことを考えながら、花村先輩とのことを強く願った。……人を愛するのに、異性か同性かなんて関係ない。それはこの二人に教えてもらえました」
照れて若干下を向くりせと完二。
「だから、先輩はもっと素直に、花村先輩を愛すればいいのだと思います」
「……そうか。俺は、陽介をどこかでおもちゃのように思っていたのかもしれないな」
「それに加え、僕たち他の仲間たちとの関係も、表面上では問題ないとしながらも、心のどこかで歪さを感じてたんじゃありませんか?」
「それは……、確かにそうかもしれないな。しかし、直斗の口からそういう言葉が出るとはな」
感心するとともに、少しニヤリとしてしまう悠。
その表情に、我に返ったように赤くなる直斗。
「ぼ……、僕も、もちろん罪悪感がないわけじゃないです。でも、巽君や久慈川さんと過ごしている内に、そういうわだかまりは消えていきました。もちろん、先輩との関係も大きな原因ですが……」
直斗の思いがけない言葉に、悠は少し動揺してりせと完二の方を見た。
逆にニヤリと口元を緩めるりせと完二。
「……知って、いたのか」
「すみません。先輩とのことは二人に話しました。でも、二人は逆に喜んでくれたんです。一般的な常識に当てはめると歪な関係かもしれませんが、そこに罪悪感があれば、先輩のように並外れたペルソナ能力を持っていると今回のように邪悪なシャドウを生む結果となってしまう。でも、それは先輩が、そして僕たち全員が払拭すればいいのではないでしょうか?」
直斗の言葉と同時に、いつの間にかりせが悠の右腕にすり寄ってきていた。
「悠センパイが花村センパイのことを好きでも、それはいいの。私だって、悠センパイが大好き!」
そう言いながら、悠の右腕にしがみつくりせ。
「お、俺だって、先輩のことは……、その、好きッス!」
正座したまま背筋を伸ばして言い放つ完二。
「……もちろん僕も、先輩を愛してます」
女性ビジュアルとなった直斗が、艶めかしく悠に顔を近付ける。
「そうか。……みんな、いいんだな?」
りせ、完二、そして直斗の顔を順次見遣る悠。
そして三人が、ともに潤んだ瞳でそれに応える……。
* * * * *
グレーの絨毯が敷き詰められた完二の部屋。
そこでは、既に一糸纏わぬ姿となった四人が互いの身体を求め合っていた。
りせが完二の巨砲を弄ぶ。
その完二は悠のダイヤモンドを頬張る。
そしてその悠は、指先と舌先を駆使して直斗の身体を攻め立てる。
「ああ……、っは~~~ん」
200%色香を増した直斗が、悠の攻撃に激しく身体を蠢かせる。
その直斗の指先が、近くにいたりせの股間をチクチクと攻めていく。
「あ……、イヤン直斗クン!」
完二の巨砲をしごきながら、直斗の小刻みな指振動に感じるりせ。
一方、完二は悠のダイヤモンドを口中でコロコロと転がす。
「(な、なんて硬いんだ。さすがは先輩。これが……ホンモノか!)」
完二の舌技を満喫しながら、悠は直斗が盛んに攻め立てているりせの身体へと興味が移り、直斗とともに舌技を繰り出し始める。
「ああ! ちょ……、センパイ……、直斗クン……、ウグッ!!」
ダブルの口撃に、早くも昇天寸前となるりせ。
「堪らねぇ! ……行くぜ!」
りせが離した巨砲を、今度は直斗に向ける完二。
直斗の左足を持ち上げ、美しき花園にひと突き!
「ああっ!!」
ニヤリとした悠、こちらもりせのホールへとダイヤモンドを突き刺す!
「んふっ!!」
悠と完二が、ピストンのハーモニーを奏でる。
「あ! あ! あ! あ!」
「ん! ん! ん! ん!」
激しくよがる直斗とりせ。
と、目と目で合図し合った悠と完二が、素早く互いの鞘を交換する!
悠が直斗に、完二がりせにその分身を突入させた!
「ああん! ああ~~~ん!!」
「んふっ! あっは~~ん!!」
天国へと登りつめた直斗とりせ。
そして、天然のローションを纏った悠と完二のスーパー・グレートポールが、それぞれ意志を持ったかのように互いのアヌスへと順次侵入を果たす!
「うぐっ! んぐんぐ!!」
「ぐあっ! ふぐんぐ!!」
数回のピストンで寸止め抜きを繰り返し、互いに挿入し合う悠と完二。
そしていつしか、絶頂の時が近付く。
「……行くぞ!」
「おう!!」
悠の合図で、二人は自らのポールを自らの手で最後のひとしごき!
バッとはじけた白濁のシャワーは、直斗とりせの顔面から胸元へのキャンバスに迸り、二枚の官能絵画がそこに仕上がった。
全身が痺れたように動けない直斗とりせ、そして、悠と完二もまた、精根尽き果ててその場に倒れ込む。
「はあ……、はあ……。お、俺たち……、ホンット、変態ッスね……」
「……これで……、いいん、ですよね……?」
息切れしながら問いかける完二と直斗。
悠、仰向けのまま拳を天高く突き上げてニコリと微笑む。
「……ああ、これでいい。俺たちは正しき変態。そして、その真実を探求し続けなければならない。それが俺たちの使命。変態特別捜査隊の……誕生だ!」
全てを吹っ切った悠たち四人。
それはこの後、他の三人にも伝道していくことだろう。
その行く先には、まだまだ未知なる変態道が待っている……。
(了)