主×雪×主
主×千枝
雪×千枝
※特捜隊の新たなる目覚めシリーズ、最後は千枝と雪子編です。
Y県警の警察学校、そこに千枝が入校して早三ヶ月が経った。
警察学校は厳しくて当たり前。
それは十分心得ていたが、千枝が目の当たりにしたのはあまりにも非常識な現実だった。
そして今、千枝は深い闇の中にいる……。
* * * * *
入校の日。
今期の初任科生は、男性四十八人に女性四人。
他の三人の女性とはすぐに打ち解けた千枝だったが、わずか数分後のにはそれぞれ別の教場へと割り振られていった。
大教室に入ると、全員が決められた席に順次座っていく。
そこで突如怒号が響き渡る。
誰かが席を間違えて座っていたようだ。
「ふざけんな! テメェのせいで席がみんなズレちまうだろーが! どう始末つけんだよこの野郎!!」
ザワつく教室内。
それはそうだろう。
市民を守る警察官、それに憧れて入ってみたら、そこにはチンピラまがいの言葉遣いをする教官に溢れていたのだ。
「何モタモタしてやがんだ!」
「辞めろ辞めろ! テメェなんて辞めちまえ!」
「あー? コラ! 返事は『はい!』だけだ! それ以外口にするな!」
合法ヤクザという言葉を聞いたことがあるが、ここはまさにそういう場所だった。
一日のスケジュール、食事や入浴の段取り、部屋の環境までもが全て事前の触れ込みとは全く違う。
しかし、この厳しさを乗り越えて初めて一人前の警官になれる。
その時の千枝は、まだそう思い込もうとする余力があった。
翌日からは、まさに秒刻みのスケジュール。
そして、ほぼ全ての予定が直前まで分からない。
急転する現場の状況に備える訓練ということだろうが、突然のことばかりなのでまともに食事も摂れない。
よく分からない書類の山に、要領を得ない講義の連続、そして疲れ果てた頃にやってくる武道訓練。
その合間合間で、相変わらず教官の怒号は常に飛び交う。
それでも、武道の訓練は千枝にとってオアシスだった。
この時ばかりは全てを忘れ、身体を動かすことで鬱憤は晴らされた。
ある日、発熱者が出た。
発熱者は隔離され、食事も個別に摂ることになる。
教生はそれぞれ何がしらの係についているのだが、その中の衛生係に属する者が毎朝自分の班全員の検温をするのだ。
衛生係はその世話役として、発熱者の隔離室へ食事を運ばねばならないが、そのために特別な時間を与えられるわけではない。
よって、正規の食事時間内に運び切れなければ自分の食事時間がなくなり、そのための食いっぱぐれなどは日常茶飯事だった。
「どうしたの? 顔真っ青だよ?」
「……腹減って」
千枝が同じ教場の男性に声をかけると、どうやら丸一日何も食べられていないようだった。
「それっておかしいじゃん! 係の役目こなしてるんだから、食事の時間別に取ってもいいんじゃないの!?」
「言えるもんなら言ってみろよ……」
衛生係への同情心は皆持っていた。
しかし、他人のことに口を挟む余裕など誰しもなく、ミスをすれば連帯責任が当たり前の状況が、かえって教生全員の溝を作る結果となってしまっていた。
初めは疑問を口にする者も多かったが、徐々に不条理な現実に皆が慣れていく姿が当然の光景と化してきた。
何かがおかしい。
そう思い始めた千枝だったが、まだ『耐える』という感情を失ってはいなかった。
その後も、不条理で厳しい日々は続いた。
声が小さい、姿勢が悪い、動作が遅いと、どのカリキュラムでも怒号が飛び交い、まともに出来ていても何か重箱の隅をつつくかのようにイビりが入ってなかなか終われない。
講義中にトイレに行きたくなって申告すれば、「張り込み中にトイレに行ったらどうなるんだ! ああ? 漏らせ!」と言われる。
止むにやまれぬ事情があっても、集合時間に間に合わなければ「間に合わなくて犯人取り逃したなんて通用すると思ってんのか! ああ? 辞めちまえ!」と罵られる。
とにかく「辞めろ!」「実家へ帰れ!」が常套句で、この学校生活が振るい落としの時期だということをイヤというほど思い知る。
我慢出来なければ辞めればいい。
それは適性がないということなのだ。
そのために、ありとあらゆる場面でミスを誘うトラップが仕掛けられており、どう考えても不条理な出来事でも反論することは許されない。
教生は喫煙禁止でも教官は堂々と煙草を吸う。
訓練中に体調が悪くなったらバカ扱いされて辞めろと罵られる。
食事の摂れない日が続いてもそれは自己責任。
結果、発熱しても申告しない教生も続発して、病人がハードな訓練を繰り返す日々が常態化する。
挙句、取り返しのつかない怪我をしたり、夜中に吐血する者まで出てきたが、それに対して教官が対処することなどは皆無だった。
もはや、人間を人間として見ていない、健康管理というものを完全に軽視しているとしか思えず、千枝の憤りは限界に達した。
「おかしいんじゃないですか!? ココ!」
「何だと?」
「これが聖職者を養う機関ですか? こんなやり方で人間性が高まるんですか? ……大体、身体に無理ばっかさせて、何か後遺症とか残ったりしたら、その人の人生台無しじゃないですか! そーいうこと、全然考えないんですか!?」
どうにも堪忍袋の緒が切れた千枝が、ついに教官に反論してしまった。
「……お前、明日からもう来んでいいぞ」
「はあ? ……わ、分かったわよ! 辞めてやるわよ、こんなトコ!!」
教官室を飛び出していく千枝。
その後ろ姿を見送った教官は、めんどくさそうに引き出しから書類を取り出し、耳を掻きながら呟く。
「里中……千枝か。……いいモン持ってると思ったんだがな」
* * * * *
その頃、雪子は東京の悠のマンションにいた。
天城屋旅館の若女将としてさらなる進化を遂げるには、悠との魂の同化が必要不可欠。
そう確信した雪子は、特別休暇を取って悠に会いに来たのだ。
もちろん、悠との肉体関係を通して何かを掴み取るために。
ベッドの上で、丁寧に丁寧に悠のダイヤモンド・ポールを舐め回す雪子。
「ああ……硬い……。これが……、地上で最も硬きモノ……」
まるで鋼鉄でも口に含んだかのようなその硬質感。
雪子は、唇の感覚がなくなるかのような危機感を持ちながら、その剛棒を愛撫し続けた。
「天城……。お前は……何を望む?」
雪子を見下ろしながら、悠が問う。
「……わ、私は……、旅館をもっと栄えさせたい。……ングッ。……ううん、その前に……来てくれるお客さんに……、もっともっと満足してもらいたい……。はふっ!」
「他人を満足させるには……、まずは自らがその満足感を理解しなければならない。……行くぞ!」
雪子の口中からスッとダイヤモンドを抜き取った悠は、それをすかさず雪ヴァギへと突き刺した!
「あうっ!!」
高速ピストンで雪子を攻め立てる悠。
「あああああ! ああっ! ああっ! ああっ! ああっ!」
一定のリズムに乗ってピストンしたかと思うと、突如動きを不規則にしてみたり、次々と体位を変えてみたりと、悠は百人斬りの実力を思う存分見せつけた。
「……そして、次に多種多様な満足感があることを知らねばならない!」
「え……?」
バックの体勢からダイヤモンドを抜き取った悠は、そのまま座標を3cm上にズラし、今度は雪アヌにその剛棒を大突入させた!
「あがががが!!」
最初は優しく、そして徐々に激しくユキコーモンを肉棒詰めにしていく悠。
「はうぐ……、ふうぐ……、ふはん! はん! はん!」
さらに悠は、直径5cm以上もある巨大胡瓜を枕の脇から取り出し、後ろ手で雪ヴァギに突き刺す!
「あっ! え、ええっ!?」
悠の黄金棒、そして天然の巨大胡瓜が交互に雪子の内部をつく!
「そ……!! あ……、や……、ひいっ!!」
腕で身体を支えられないほどの状況になってきた雪子は、顔面をベッドのシーツにどんどんと埋め込ませていく。
そして、雪子の絶頂が近いことを感じ取った悠は、巨大胡瓜を雪ヴァギの奥まで突き刺したまま手を離し、両手を雪子の腰にガッシリあてがった。
そして、全身全霊を傾けた豪快ピストン!
「あひあひあひあひあひあひあひ! ひいいーーーーっ!!」
叫びとともに、雪ヴァギから激しい水しぶきとともに巨大胡瓜が射出される!
そして飛び出した雪潮キューリ・ミサイルが、壁に立てかけてあったダーツ的の中心に見事にぶち当たる!
グタッと横になって倒れ込む雪子。
そして、悠はベッドの横から極太のペニスバンドを掴み取り、雪子に差し出した。
「満足することを理解したら、次は相手を満足させる実践だ」
「くっ……」
言う事を聞かない身体を無理やり起こした雪子、悠からペニスバンドを受け取って腰に装着。
そして悠の両足を大開脚させ、そそり立つ黄金棒の真下にある極秘洞窟にその極太いモノをぶち込んだ!
「むむっ……!!」
懸命に腰を動かす雪子。
悠の身体がガクガクと揺れ動く。
既に昇天寸前だった悠のダイヤモンドが、ピクピクと脈打つ。
そして……、大発射する白濁シャワー!!
真上に噴射された白濁シャワーは、そのまま悠のダイヤモンド自身に落下し、その本体を綺麗に洗い流す。
悠の洞窟から抜け出した雪子は、その自家洗浄の美しさに見惚れ、未だビクンビクンと揺れ動く悠のモノにゆっくりと手を伸ばす。
「……そう、そうだ。まだ仕上げが残っている。満足の上をいく満足……、それこそが……」
雪子にさらなる棒刺激を促す悠。
それを察知した雪子は、左手で悠の本体をギュッと握ったまま、右手の掌でその亀頭を激しく摩擦する!
「ムムムッ!」
「……鳴上君! 鳴上君! 鳴上君!!」
再びビクッと力が入る悠ポール。
素早く右手で握り直した雪子は、そのカリ部分を中心にしごき上げる!
「……んあっ!!」
ブシャー!! ブシャー!! と飛び散る悠の黄金潮!!
しかし、その色は全てを見透かすような圧倒的透明感を誇っていた!
悠の透明な黄金水を存分に浴びた雪子は、憔悴し切った表情でその場にへたり込んだ。
「……ふう。……天城、これがCSの根本だ」
「……カ、カスタマー……、サティスファクション……」
何かを掴んだ雪子。
その眼は、ギラリと重い光を宿していた……。
* * * * *
一方、ついに禁断の反論に出てしまった千枝は、担当教官からクビを言い渡されてしまった。
もう、この場を去るしかない。
警察官になるという夢は、こうもあっさりと砕け散ってしまうのか。
簡単な事務手続きを済ませ、没収されていた携帯電話も戻って来た。
明日になれば、八十稲羽に帰らねばならない。
涙に暮れつつ、千枝はやるせない思いを雪子にメールした。
* * * * *
悠との逢瀬の後、業界セミナーのためにそのまま東京に滞在していた雪子。
そこへ舞い込んだ千枝からのメールに、雪子は我が事のように動揺した。
「千枝……!!」
すぐさま悠に連絡を取った雪子。
もう深夜にも関わらず、都内のホテルで二人は落ち合った。
「警察学校辞めるだなんて……、そんな……」
「里中が決心したんだから、よほどの事情なんだと思う。しかし……」
腕組みして考え込む悠。
「……千枝は、いい加減な気持ちで警官目指したわけじゃない。でも、人間ってふいに弱くなる時があるよね。私がそうだったから……、分かる」
「そうだな。もしかすると、里中は一時的に自分を見失っているだけかもしれない。……このまま夢を諦めるなんて、してほしくない」
今にも泣きそうな表情の雪子。
「……一緒に助けに行こう! 天城」
「えっ!?」
「実はこの間の足立さんとの対決の後、新たな能力を身に付けた」
「新たな……、能力?」
「ああ。足立さんがあの時得た精神攻撃。他人の心に中に入り、そこでの行動が現実の肉体にも反映されるという新たなペルソナ能力だ」
ゴクッと息を呑む雪子。
「……よし、早速行くぞ! 手を!」
悠が差し出した手を、雪子がギュッと握る。
「ペ……ル……ソ……ナッ!!」
悠の叫びとともに、二人は千枝の心の中へと瞬間移動した!
真っ暗な空間。
そこでふと目を覚ました千枝。
「な……、何? ここ、どこ!?」
と、全裸の悠と雪子が目の前に現れた!
「千枝! ……鳴上君! いや、じゃなくって……、その恰好!!」
驚いた千枝だったが、改めて自分の姿を見ると、同じく全裸であった。
「ゲゲッ!」
「千枝……。メール読んだよ。何があったの? ここで夢を諦めても、いいの?」
雪子が悲しい眼差しで千枝に問う。
その言葉に、千枝が気を取り直して答える。
「……ハハハ。何だかね、ワケ分かんなくなっちゃたの。絶対なってやるって入ったのはいいけど、そこはすっごくおかしな場所だったの。警官目指す人間が、これでホントにいいのかな! 警官育てる人間が、これでホントにいいのかな!って……。気が付いたら教官に思いっきり反発してた。文句言ったら退学当たり前だって分かってたのに。……バカだよね、あたし……」
涙を流す千枝。
千枝を思わずギュッと抱き締める雪子。
「千枝……!!」
と、ここで悠が口を開いた。
「希望に満ち溢れて入った警察学校。しかし、そこはまるでヤクザが蔓延るような不条理極まりない世界だった」
「……えっ!?」
驚いて顔を上げる千枝。
「汚い言葉遣いに嫌味の連発。毎日毎日脱落させることを目的にしたような指導ばかりで、人間らしい生活など全く送れない。人格や人権を完全に否定しているようなやり方に、お前はどうにも我慢が出来なくなっていった」
「……ど、どうして?」
「里中。お前の感覚は間違ってはいない。しかし、警官になるということは、普通の感覚を捨てなければならないことだということも理解しなければならない! ……天城、離れて!」
悠の言葉を受け、雪子が千枝から離れる。
そして、瞬時に完全勃起した悠のダイヤモンド・ポールが、千枝の口元へと一直線に突き進む!
「……はうぐっ!」
無理やり千枝の口中に侵入した悠の剛棒。
そして、悠が小刻みに腰を動かしながら千枝に語りかける。
「世の中には様々な職業がある。その中でも、警察官は特に異種の存在だ。ある意味、まともな生活を一切投げ出さなければ到達できない。そんな異次元の境地に身を投じなければ、決してなることは出来ないんだ!」
千枝の口からイチモツを取り出した悠は、間髪入れず千枝のシークレット・エリアにその剛棒を大侵入させた!
「あいいいっ!」
豪快なピストン運動とともに、悠はさらに千枝に語りかける!
「……確かに、市民の模範となるべき警官がチンピラまがいの言葉遣いでいいはずはない。……非論理的な事情で高圧的指導をするなど以ての外だ!」
「あふ! あふ!」
「……あり得ないタイムスケジュール、係によって異なる突発任務、そして健康管理など無きに等しい非人道的なスパルタ指導! ……普通に考えれば、こんなことは絶対に許されるべきことではない!」
「んんん! んんん!」
「……しかし、警察官というのは普通じゃないんだ! ……普通じゃない域に達するには、普通じゃない生活に身を投じるしか、その道を心得る術はない! ……天城、手伝ってくれ」
そう言いながら、悠は雪子に先般の雪子調教の際に使用した巨大胡瓜を手渡した。
「こ……、これは! ……うん、分かったわ!」
悠の意図を瞬時に察知した雪子は、宙空を泳いで千枝の尻元へと潜り込んだ。
そして、千枝のキュッと締まったアヌスへその巨大胡瓜をぶち込んだ!
「……うわっきっ!!」
悠の腰使い、そして雪子の胡瓜操作が千枝を異世界へと誘っていく!
「……異常な境遇を経験してこそ、異常な日常を受け入れることが出来る。……警察官とは、そういう異常さを日常として消化する術を心得ておかねばならないんだ! ……そのためには、まずは自分を殺して異常さを受け入れる必要がある。……そこに真っ当な論理などない。正当な真実しか受け入れられない精神力では、所詮警察官にはなれないんだ!」
「く……!! ふぐう……!!」
「……もちろん、度が過ぎれば問題にもなる。逆に、順応できなければそれはそれでいい。……最後に決めるのは自分! ……自分自身の、意志なんだ!!」
悠のペニスから、特別配合されたスペシャル・ゴールデン・エキスが千枝の体内に放出される!!
警察学校の自室で、ハッと目を覚ます千枝。
その陰部からは悠の黄金エキスが滴り、肛門には胡瓜の香しさが生々しく残っていた。
「……鳴上君。……雪子。あたし間違ってた。警察官になるための覚悟が、根本的に足りなかったんだよね。……ありがとう、気付かせてくれて」
吹っ切れた千枝の表情は、キラキラと輝いていた……。
* * * * *
翌日、千枝は改めて教官室を訪れた。
「教官! すみませんでした! ……あたし……、え?」
深く礼をした千枝が頭を上げると、目の前には見慣れぬ男が座っていた。
「君は……、ああ! 昨日退学になった里中クンじゃないか! 帰ったんじゃなかったのかね?」
「す、すみません! 昨日は教官に浅はかな発言をしてしまいました……。もう一度、もう一度やり直させてくれませんか!? あたしに、もう一度チャンスをいただけないでしょうか!?」
土下座して懇願する千枝。
その姿を見て、男は口髭をつまみながらボソボソと呟いた。
「……実はね、君の退学を理由に前の教官は昨日付けで異動になったんだよ。で、この私が後任というワケだ」
「えっ!?」
「まあ、彼も色々問題があったからねぇ。君が悪いわけじゃないよ? ……でも、どうしたんだい? 辞めるって言ってたクセに」
「あ、その……、本当にすみませんでした! あたしが全面的に悪かったんです! ……やっぱりあたし、どうしても警察官になりたいんです!!」
千枝の必死の形相に、新教官はニヤリと口元を上げる。
「ふうん。やり直したいの。……じゃあ、何でも言うこと聞くかい?」
「はい! もちろんです!!」
「ほう……」
席から立ち上がった新教官は、千枝の傍まで歩み寄り、耳元でそっと囁いた。
「やらせろよ。……そしたら戻してやる」
「な……!!」
思わず声を上げた千枝。
そして、振り上げそうになった拳を、悠の言葉を思い出してゆっくりと収める。
「……それで、戻していただけるのなら」
震える声で新教官に訴えかける千枝。
ニヤついた目の新教官。
その表情が、スッと柔和に変わる。
「……いい覚悟だ」
そう言って、席へと戻っていく新教官。
「……えっ?」
「こんなもんで……、いいかな?」
新教官がそう言った視線の先には、昨日までの元教官の姿が!
振り返り、目を丸くする千枝。
「予想は当たった」
ドアにもたれ掛りながら、ニヤリと笑う元教官。
「え? ど……、どういうことなんですか!?」
千枝の言葉に、元教官がいきなり怒鳴りつける。
「バカヤロー!! 何サボってんだよ! ……俺がそう簡単にいなくなると思ったか? もっとテメェらをいじめてやるから覚悟しとけ!」
愛のある怒号に、目を潤ませる千枝。
「は……、はい!!」
卒業まであと七ヶ月。
地獄の苦しみがこの後も千枝を襲うだろう。
しかし、もう決して挫けることはないはずだ……。
* * * * *
ベルベットルームにて、マーガレットがタロット・カードの入ったブックレットを眺める。
と、2枚のカードが眩い光を放ち、その外枠がゴールデンに象られた。
「戦車と女教皇のカードが、スクエアー(自乗)に達しました。自らを掛け合わせるスクエアーの力。それはMAXを遥かに超えた大いなるペルソナ能力を生み出します。……無限の可能性、それがどんな形になっていくのか。これからも、楽しみに見ていこうと思います」
キリッとしたスーツ姿で出勤する悠。
そして、天城屋旅館で気を引き締める雪子。
二人、振り返って、
「「フッ」」
(了)