千枝×花
※千枝がリードするノーマルカプ話です。
大喝采の内に、りせの凱旋公演が終了した。
雪子は天城屋旅館に戻り、完二は修行場へと向かった。
そして、自然と二人きりになった陽介と千枝。
「花村! ゴハン食べに行こうよ!」
元気に陽介を誘う千枝。
「ん~、何食いたい? ……って、お前の場合、決まってっか」
「へへへへ~、もち、肉!!」
今にもよだれが垂れてきそうな表情の千枝。
「よし! じゃあ、あそこ行くか! 最近出来たっていう板前焼肉の店」
「板前焼肉!? 何ソレ?」
「知らねーのか? 牛を一頭買いして、頼んだ部位をその場でさばいてくれんのよ」
「うわっ! うわっ! そこ行こ! すぐ行こ!!」
肉のこととなると目の色が変わる千枝、初めて聞く板前焼肉のシステムに早くも狂喜乱舞だ。
店に入る陽介と千枝。
店内の入口には、巨大なガラス張りのショーケースが。
そして、その中には数々の希少部位の肉片がゴロゴロと!
いきなりテンションMAXの千枝、ショーケースに貼り付くように肉片を凝視する。
「……おい里中、入るぞ!」
少々呆れ気味の陽介だったが、もうこういう光景には慣れている。
まずは無難な盛り合わせから頼み、次第に二人は逸品ものに目が移っていく。
「……次はランプ辺りからいってみるか!」
「ランプ?」
「ケツだよ、ケツ! これが柔らかくてウマいの何のって!」
「マジで!? まあ、肉なら何でもいいよ~」
運ばれてきたランプは、わずか四切れ。
これで千円以上はかなり高額だが、それだけの価値はある。
「……おいしい!」
ホントに焼いたのかというくらいの早さで、鉄板から肉をさらった千枝は、ランプを頬張りながら感嘆の声を上げる。
「次はミスジだな」
さらに高額な希少部位を注文する陽介。
千枝の目は、もう肉しか見ていない。
「これもおいしい! ……どこの部分?」
「肩甲骨の下辺りだな。ほんの少ししか取れないらしいぜ」
「ふ~ん。……花村、よく知ってるね~」
真剣に感動する千枝。
そんな千枝を見て、若干照れる陽介。
「いやあ、はははは! ……じゃ、最後はやっぱシャトーブリアンで!」
「わっ! それなら分かるよ! ヘレの最高級じゃん!!」
やってきたシャトーブリアンは、生の状態でもウマさが滲み出ているかのようだ。
焼いている内に我慢出来なくなった千枝は、陽介の分まで素早く口に放り込んでしまった。
「あ……!! お前、俺の分まで!」
「モグモグ……、まあまあ、固いこと言わないの! この後、花村の肉棒も食べてあげるから!」
千枝の思わぬ言葉に戸惑う陽介。
「お、お前、こんなとこで何言ってんだ!?」
「うひひひ~、嬉しい?」
「……そ、そんなことねーよ!」
照れ隠しに、残っていたご飯をガツガツと平らげる陽介。
そんな陽介を、千枝は獲物を狙うような目つきで眺めていた。
* * * * *
深夜となり、市街地のラブホテルへと入っていく陽介と千枝。
あの事件の前から、腐れ縁と言おうか友人のような恋人のような微妙な距離感を保っていた二人だったが、事件後、何故か素直に自分の気持ちを互いに表すようになり、いつしか身体の関係が築かれていたのだった。
「あっついね~! シャワー浴びるね、あたし!」
「お、おう……」
既に慣れた感じの千枝とは逆に、陽介は未だ千枝との付き合いに後ろめたさを感じていた。
それは、言うまでもなく悠への想いがあるからだ。
しかし、悠の方も女性関係はかなり盛んだ。
それでも、陽介には深い愛情を示してくれる。
男同士の愛と男女間の結び付きは別物……、果たして陽介はそう割り切れるのか?
千枝のことが好きなのは確かだ。
腐れ縁とは言え、あのサッパリとしていて純な部分もある千枝の性格を、陽介は素直に可愛いと思っている。
だからこそ、こうして身体の結び付きが生まれているのだ。
そう考えると、ピュアだからこそ真剣に悩んでしまう陽介。
そうこうしている内に、千枝がバスタオル巻きの色っぽい姿で戻ってきた。
「花村も入ったら? 気持ちいいよ~」
「そ、そうだな……」
何となく千枝にリードされているような感もあるが、気にせずとにかく服を脱いでシャワーを浴びる陽介。
と、そこで千枝がそ~っと入ってきた。
「は~な~む~ら~く~~~ん」
千枝が再び全裸になって浴室に入ってきた。
「わっ! 何だよ、お前!!」
「そ~んな驚くことないじゃん。洗ったげるよ、花村の肉棒!」
「お前、ちょっ……!!」
千枝は、そそくさと陽介の下半身前へと移動し、その肉棒をそっと両手で包み込んだ。
「花村のって、ホンットに綺麗だよね」
* * * * *
その頃、凱旋公演を終えて天城屋旅館へ移動したりせは、密かに雪子との逢瀬を楽しんでいた。
芸能界復帰を決めたものの、悩みをふっ切れなかったりせを勇気付けたのは、紛れもなく雪子だった。
それ以来、りせは雪子の虜となり、オフの度に二人の世界を築き上げていったのだった。
「雪子センパイの肌、やっぱり綺麗……」
* * * * *
しばらく陽介の分身を弄んだ千枝は、真っ白なボディシャンプーをたっぷり両手に噴き出し、陽介のイチモツへとあてがう。
棒、そして袋と、泡を擦り込むように陽ペニをあらゆる方向から撫で上げる千枝。
次第に硬く、上部に向けて立ち上がっていく陽ペニ。
それはまさに、美しき斜塔だ!!
千枝にしても、まだそれほど男性経験があるわけではない。
それでも、今まで見てきた男根の中でも陽介のそれは間違いなく異彩を放っていた。
とにかく美麗なのだ。
顔立ちからも想像出来るように、それはギリシャ彫刻の如く整った造型で、表皮は一切のシミ汚れのないモデルの素肌のようなスベスベ感を醸し出している。
そこに鎮座する亀頭の形の良さ、色合いのバランス、カリ出の角度、そして本体を彩る毛細血管のネックレスは、まさに芸術作品と言っても過言ではない。
「うひひひ……、気持ちいい?」
陽ペニを軽く上下運動させながら、千枝が上目遣いに陽介に問う。
「……あ、ああ……、いい……」
千枝の微妙な力加減は、陽介に至福の刻(とき)を与えていた。
肉棒を擦られる力加減というものは、男によって個人差もあり非常にデリケートなものだ。
しかし、千枝は本能でそれを嗅ぎ分けられるのか、陽介に対しては最初からベスト・ハンドジョブであった。
「……流すよ~」
千枝は、硬直した陽ペニの泡をシャワーで丹念に洗い流す。
そして現れたのは、浴室照明でキラキラと反射して輝く、極上のマーラ様であった。
一瞬うっとりと眺めた千枝は、その陽ペニを徐に咥え込む。
そして、右手を本体に沿えつつ美しき肉棒を食し、左手は自らの秘部へと移動させた。
「あふ……、ンググ……」
陽ペニを咥えながら、自分の左指で自らの秘部を刺激する千枝は、やがて一度目の昇天を迎えた。
陽ペニから口を離す千枝。
「……里中、今度は俺が……」
「ダ~メ! 今日は私が花村の肉専門なんだから!」
再度咥え込み、ストロークを次第に強めていく千枝。
「うう……、うっ!」
陽介が感じ始める。
悔しいが千枝の舌技は絶品だ。
出すか?
勿体ないが、出してしまうか?
……出そう!
「う……!!」
呻き声とともに、陽介は千枝の口中に発射した。
舌が感じ取るエキスの流れ、そして千枝の口いっぱいに白濁としたものが広がっていく。
千枝は、その白濁としたものを口中で陽ペニ全体にに逆塗布し、静かに口から肉棒を離す。
発射後もなおピンと屹立したままの陽介のシンボルは、自らの白き塗料で彩られ、実に淫らな茎と化していた。
「ん~、汚れた花村のお・に・く。これがまた……」
ドロッとした装飾物を纏った陽介の分身を眺めながら、千枝は再度自らの指で秘部を擦り上げていく。
「さ、里中……、お前……」
「あ……、ああ! ああああ~ん!!」
またしても果てる千枝。
その眺望だけで女性を頂点まで持っていってしまう陽介のシンボル、なんと強力なウェポンなのか!
「……じゃ、お掃除してあげるね」
千枝は、そうい言って三度陽ペニを頬張ると、白濁とした塗装を丁寧に舐め上げていく。
「うわ! ……ちょっ!」
射精直後だけに必要以上に感度が高く、思わずのけぞる陽介。
「……あ、もしかして、も一回イケる?」
陽介のエキスを残らず呑み込んだ千枝は、その淫らな口でさらにストロークしながら両手で袋をさすり上げる。
「グアッ! ダ、ダメだって! ああああ……」
陽介の言葉を無視するかのように、千枝は妖魔の如き目つきで陽ペニを貪り続ける……。
* * * * *
夜が明け、太陽が燦々と輝く中、陽介と千枝がホテルから出てくる。
魔女に生気を吸い取られたかのような陽介にとっては、黄色い太陽が激しく眩しい。
「さあ! 今日も鍛えるかあ~!!」
両手を天高く広げる千枝を見て、陽介が呟く。
「トモエの攻撃力って、やっぱ凄げぇな……」
「ん? 何か言った?」
「いや。……俺も鍛えなきゃ、いつまでも勝てないなこりゃ」
「お! 花村も道場来る? 私が直々に指導してあげるよ!」
「あああ~、いいっていいって! そっちの方の鍛えるじゃないんで……」
「ん? どゆこと?」
この鈍さがまた、千枝の可愛いところ。
陽介はそう感じながら、同時に悠にも当分勝てないだろうなあ、とガッカリ度MAXで朝陽を全身に浴びていた……。
(了)