始まりの日
~とある会議室~
その部屋には異様な雰囲気が漂っていた。そこにいるのは軍需産業や経済の重鎮、そして数人の科学者である。彼らの議題・・・それはとある兵器についてであった。
その兵器とはIS・・・世紀の大天才が生み出した発明であり、最新の機動兵器である。その力は現行兵器以上とも言われており、実際この兵器は凄まじい戦果を挙げている。
しかし、そんなISにも致命的な欠陥があった。それは女性しか扱えないと言うこと、そしてその動力であるコアを開発者のみしか作れないということだ。
それではいくらすばらしい発明であっても普及することはない。また、コアを作れないと言うことは、生産の全てを開発者に握られていると言うことだ。
故に彼らは、ISが登場してから何度も開発者・・・篠ノ之・束に接触及び買収を試みた。しかし、まるで霞のように捉えどころのない彼女に接触することは困難を極め、また接触できても相手にされないことがほとんどであった。唯一、相手にされた時に手に入れたコアも解析は中々進まないという有り様。
あせり始めた彼らは今日集まり、対策を話し合っていた。
彼らがあせり始めた理由は実はもう一つある。それは彼らの目的に関わることであった。
彼らの目的・・・それは紛争を巧みに利用した世界の掌握である。
その為に彼らはISを安易に利用できる兵器としなければならなかった。
しかし現在ISの開発は国が実権を握っている。故に秘密裏に開発することもデータを集めることさえままならないのだ。
「このままでは我々は衰退していくだけだ・・・」
一人がそんな声をあげる。しかし、彼らにそれをどうにかできる妙案はなかった。富は握った、でもそれだけでは世界を掌握できない。
だが、ある科学者の一言が状況を変えた…
「ISを扱える人間を我々の手で量産すればいい。そうすれば、全てはわれらの思うがままになる」と
しかしそれは人道に反する非道な所業…だが、彼らはそれを選んだ
~とある施設~
ここは組織の訓練施設であり、実験施設である。
「ナンバー108、109。研究室に来るように」
木刀で素振りをしていた108と呼ばれた灰色の髪の少年と黙々と本を読んでいた109と呼ばれた黒髪の少年はその放送を聞いた後、肩をすくめる
「またろくでもない実験か?はぁ、面倒だな」
「しょうがないよ。僕たちは所詮モルモットなんだからさ」
少年達は幼いころ両親に捨てられ、この施設にやってきた。以来、様々な訓練や実験を重ねていた。木刀と本を納めると、研究室に歩いて向かう。
研究室に着くと少年達は白衣の女性の前で並ぶ
「またろくでもない実験なんだろ?姉さん」
「そんなこと言わないの」
灰色の髪の少年が声をかけると笑顔で答える。彼女はレイナ。少年たちの教育係であり、優しくしてくれていた。
「姉さん無駄話は止めようよ。さっさと終わらせてほしいんだよね」
黒髪の少年が静かな声で言うとレイナは真剣な表情となる
「いい?これからあなたたちにはこの施設を出てもらうわ」
「いよいよ用済みってわけか」
灰色の髪の少年は呟く
「…そうじゃないわ。これは個人的なことよ」
静かな声で言う。
「長年のナノマシンの投与によってあなたたちはISに適正のある存在となったわ」
「つまり、ISを使える唯一の男性となったってこと?」
「そう。もしこのことが上にばれたらあなたたちは更に過酷な実験に晒されるわ。だから、あなたたちにはここを出て欲しいの」
少年達は驚いた。組織への反逆だからだ。それは彼女の…命の危険を意味する。
「あなたたちは私にとって大切な存在なの。だから、生きて欲しいの」
そう言い彼女は壁のスイッチを押す。すると壁がスライドした
「恐らくもうこのことはバレてるわ。だから、早く逃げなさい」
「でも姉さんは?」
「大丈夫、自分のことは何とかするから。あとこれを持って行きなさい」
彼女は二つのドッグタグをそれぞれに手渡す
「これは私が組織の手に入れたコアを元に作ったISよ…この中に座標のデータを入れたわ。そこに向かうのよ」
「……わかったよ姉さん」
彼女は笑みを見せると少年達を抱きしめる
「お別れね……いい?これからは自分たちで生きるのよ」
「ああ、わかったぜ」
「じゃあ、行きなさい」
そう言い少年達を離すと、二人を送り出した。少年達は振り返りながらも壁に出来た通路に入り、そのまま施設をあとにした
初めての作品です。下手の横好きですが…皆様、温かい目で見守ってください