~数日後IS学園・宿直室~
「全く、一夏君はモテモテだねえ」
宿直室でぼやくように言う圭司。それもそうだ。どうやら、一夏にはもう一人幼馴染がいたらしく、その子は2組の代表候補生と来たものだ。しかも、放課後の特訓に参加するとも言ってきてるらしい。一夏が女子とともに指導を受けていると言うことを聞いたかららしいが、どうやら彼女は一夏のことが好きなようだ。そのため、セシリアや箒と顔を合わすと険悪な雰囲気になってしまうのである
「おかげで空気の悪いことこの上ないな」
「俺としては鈴ちゃんと大輔が知り合いになったってことの方がびっくりだけどね」
「そうか…?ただ、道案内をしただけなんだがな」
隣に座っている大輔に話を振る圭司。
「ま、あまり度が過ぎるのなら説得するさ…」
「この状況、楽しんでるよね。兄貴ってさ」
「まあな。あれも青春だ」
笑みを見せる大輔であった
「それにしても一夏君にも困ったものだ。女の子を泣かせるなんてね」
「確かにな…ま、あれは一夏が悪い…それだけのことだ」
「そうだね…さて、そろそろ時間だ。第三アリーナに行こうか」
「ああ……」
そう言い第三アリーナに向かう二人であった
~IS学園・アリーナ~
「……っで、この現状はなに?」
アリーナに着くと鈴が走り去っていき、壁にはクレーターが出来ていたのである。しかも鈴は泣いていたと言うおまけつきである。
「その、口論になってしまって……つい、カーッとなって気にしてることを言ってしまったんです」
「つまり、また一夏君が原因って訳ね」
「やれやれ……」
頭を抑えながら言う大輔。実は特訓の指導者として言ってあったのでこういう損傷は彼の責任にもなってしまうのだ
「まあいい、お互いリーグマッチで決着をつけることにしたんだろ?」
「はい…そうですけど」
「なら、全力でぶつかってそのあと謝るんだな」
「はい!!」
「じゃあ、練習を始めるぞ」
「よろしくお願いします!!」
そう言い、特訓を始める大輔であったが、それを見た箒が圭司に問いかけた
「なぜ、大輔さんと圭司さんは一夏の特訓に付き合ってくれるんですか?」
「それは…彼のひたむきな所が気に入ったからね…力になってあげたくて、鍛えようと思ったってのが理由さ」
「なんか…納得できます…」
「そうだよね。君は彼をよく知って、そしてよく見ているからね」
笑みを見せる圭司。それに少しうつむく箒であった
~試合当日・第二アリーナ~
当日、ピットに来た大輔は一夏の試合を見ていた。
「やはりいい動きだ。だが、相手はその上を行くか……」
一夏は確かに食らい付いてはいるが鈴のほうが一枚上手である。これは努力の量と経験の差のようだ。いかに反応がよくても見えない攻撃は避けるのが難しい。それを鈴音の甲龍は衝撃砲という武装で体現していた。だが、一夏にも勝機はある。シールドエネルギーさえも攻撃に使う諸刃の剣だが、威力は抜群の零落白夜とこの一週間の特訓で覚えた瞬時加速である。その二つを併用すれば或いは…そう考えながら試合を見守っていると招かれざる乱入者が現れたのである
「あれは…IS…しかも所属不明機だと?!」
ピット内は騒然となる。それもそうだ。あのISはアリーナのシールドを破り乱入してきた。それはそれほどの攻撃能力を有するということに他ならない。すぐに教員が救出に行こうとするが正体不明のISのハッキングによりアリーナには立ち入ることが不可能だった。
「(俺が出るべきか?しかし、今俺のISのことを露見させるのもな)」
考えを逡巡させる大輔。その間にもアリーナでは一夏と鈴が協力して不明機と交戦していた。だが、その時だ。上空からビームが放たれ、所属不明機を貫いたのだ。
「援軍?でもあんなISはデータにありません!」
「なんだ…?……まさか!!」
一抹の不安に突き動かされるように駆け出した大輔は観客席へと向かった。所属不明機が爆発し、一夏がビームの方向を見るとそこには武者のような無骨なISと騎士のようなISが並んでいた。どうやら武者の方が両肩からビームを撃ったようだ。
「味方…なのか?」
一夏が問いかけると今度は一夏の方へと砲口を向ける。
「なっ!?」
とっさのことで反応が遅れる一夏。その隙を見逃さず、ビームが放たれる。
「一夏ぁぁ!!」
「っっ!!」
鈴がかばおうとするが間に合わない。ビームは一夏に直撃するかと思われたその時であった
「そうはいかないよ!!」
一条のビームが観客席のシールドを突き破り放たれ、ビームを相殺した。一夏がその方向を見ると大型のライフルを手にした圭司の姿があった
「圭司さん?!」
驚く一夏を他所に圭司は隣の男に声をかける
「後は頼むよ。大輔!!」
「ああ…任せろ!!」
そう言いアリーナに飛び降りる大輔。するとその体が金色の光に包まれる。そして着地すると同時に光が晴れると
「さあ、実戦だ。行くとしようか、金色夜叉!!」
金色に黒のラインが入った全身甲冑のようなフルスキンタイプのISが立っていた