~IS学園~
6月の最終週…一夏達が参加する学年別トーナメント当日、大輔は来賓を誘導したあと、アリーナに向かっていた。
「そろそろだな…しかし、一戦目で当たるとは運がいいのやら悪いのやら……」
そう一戦目なのである。因縁の相手ラウラコンビと一夏、シャルコンビの戦いは一回戦第一試合という一番最初なのだ。そのため大輔は何かいやな予感を感じつつ、アリーナに向かっていた。
「(本来は観察室から見るべきなんだろうが…いやな予感がするしな…)」
考えながらアリーナに着いたころにはもう試合は始まっていた。
「始まっていたか。相手はラウラと箒?珍しい組み合わせだな」
初撃、一夏が突撃して行くもAICで止められてしまう。だがシャルルのサポートによってラウラの反撃は反らされる。そしていつの間にか、シャルルと箒、一夏とラウラの戦いとなっていた。
「そうか!箒を先に倒す作戦か…中々、いい作戦だ」
なぜいい作戦か?それは箒とシャルルの相性の問題だからである。近接のみの箒と遠近自在のシャルルではシャルルの方が有利なのだ。実際、箒はじわじわと追い詰められていった。
「一方で一夏は苦戦か…まあ仕方ないがな…だが、これで終わりでもあるまい」
AICによって動きを制限され、決まるかと思われた矢先…箒を倒したシャルルが割って入ったのである。
「一対二…これで状況は整った…後は決めるのみか…」
呟く大輔。そう、これで状況は五分なのだ。それほどの実力をラウラは持っているのである。果敢に攻める二人…ラウラはそれを捌ききっていることからもそれがいえる。しかしだ。それは本当に強いとは言えない…そんな考えをめぐらせる大輔であったが状況は一変する。二人の作戦にはまり、シャルルのバンカー『灰色の鱗殻(グレースケイル)』の連撃によりエネルギーを失っていくラウラ…試合が決着するかと思われたとき、ラウラのISが変化を始めたのだ
「あれがいやな予感の正体か!!」
ラウラのISはグニャリと姿を変え、フルスキンのISへと変わっていた。そしてその手に持つのは…雪片であった
「まさか…あれはVTシステム!?禁止されているはずだが………」
既にラウラとの戦いでエネルギーの尽きていた白式に襲い掛かるVTシステム。何とか一夏は回避するもISは粒子となって消えてしまった。しかし、立ち向かおうとする一夏。それを見て大輔は駆け出した
「あのバカ、また頭に血が上ってやがる!!」
一夏は自身の大切なものを汚されたと思うとき頭に血が上る傾向にあるのだ。そのため、今回もVTシステムが千冬の愛機の武装をかたどったことで切れたのだろうと推測できるのだ。
「ちっ、警戒レベルが上がったせいで、混乱が起きているのか…」
そのため、人々に阻まれ思うように接近できないでいた。苦々しく思っているとシャルルが何かしているのが見えた。
「あれはコアバイパスの解放によるエネルギー譲渡…あんな裏技を知っているとはな…」
それによりエネルギーを回復した一夏の白式は腕部と武装だけ展開し、ラウラを包むISに向かっていった。
「あれなら、大丈夫か…それよりもまだいやな予感が収まらん!」
人ごみを抜け、アリーナに急ぐ大輔。それはそのあとの戦いを意味していることも知らずに…