~アリーナ~
シャルロットは現在……倒れ伏していた。アリーナの控え室でである。あのあと、大輔によりみっちり機体についていくためのトレーニングが行なわれたのだが…機体の出力があまりにも跳ね上がったために機体に振り回されつつも持ち前の非凡な才能でなんとか戦えるところまではいった…そう、戦えるところまでである
「あれは反則だよぉ~」
戦えるところまで鍛えられたあとはずっと模擬戦を繰り返したのだが、アリーナの使用時間限界ギリギリまで続いたこと…そして大輔の金色夜叉と圭司の白夜叉に加え、一夏の白式まで加わっての乱戦だったためである。そのため、シャルロットはものすごいスピードで動くモンスターマシンの操作と周囲の観察を同時にこなさなければならなかったのだ。
「ほらよ、シャル」
「サンキュー、一夏」
一夏にドリンクを渡されたシャルロットはゆっくりと口をつける。それを見た一夏もドリンクをゆっくりと飲みほした
「一夏はいつもあんな風に訓練してるんだね…」
疲れた様子のシャルロットと比べ、一夏は幾分ましな様子だった
「まあな。いつもはこれに筋力トレーニングやらなんやらがつくんだぜ。それに比べたらましかな」
笑顔で言う一夏にシャルロットは少し疑問が浮かぶ
「一夏はさ、なんでそんなに頑張れるの?」
シャルロットの問いかけに少し悩んだあと、一夏は答える
「…最初はさ、千冬ねぇみたいに強くなりたくて大輔さんの誘いを受けたんだ。誰かを守れるくらいにって……でも、いまは少しだけ違うかな」
少し考え、
「前みたいにただ、千冬ねぇみたいな感じにって漠然と強くなるんじゃない…みんなを守れるくらいに…俺自身のままで、織斑一夏として強くなりたいんだ」
笑顔で言う一夏にシャルロットは少し赤くなりながらも聞いてみた
「自分自身のままで?」
「大輔さんに前に聞いたんだ。どうして、そんなに強いんですかって…そしたらさ『俺が強いのは誰かを目指してじゃない…誰かを守れるくらいに強い自分自身を目指し、昨日の自分を超える為に頑張ってきたからだ』」
「昨日の自分を超える為……」
「『自分は自分にしかなれない。だから、昨日よりも強い自分を…目指す人と肩を並べ、背中を守れる自分になりたい…そう思ってるだけだ』って。それを聞いたとき、俺、思ったんだ。千冬ねぇみたいに強くなるってそこで止まるんじゃなくて、みんなを守れるくらいの自分を目指してみようってさ」
「みんなを守れるくらいの自分…か。一夏はすごいね」
呟くように言うシャルロットは少し考え込む
「(僕は今まで、そんな風に何かを目指せたかな?…僕も一夏の隣に立ちたい…)…一夏、もうちょっとだけ、模擬戦に付き合ってくれるかな?」
「ああ、いいぜ!」
快諾する一夏
「(僕も一夏みたいにがんばって、一夏の隣に立ちたい!だから、付き合ってねラファールリヴァイヴカスタム…リーゼ!)」
待機状態のISであるネックレスを見ながら、決意を決めるシャルロットであった。