IS学園。それは世界各国の思惑が絡みながら日本に設立されたIS操縦者育成機関である。
「……理由を聞かせてもらってもよろしいですか?」
圭司が絵里菜に問いかける。どのような思惑があるにしても、理由を知らなくては動きに支障が出るからだ
「…理由の1つは…あなた達の他に現れた男性装者…織斑一夏の存在」
「僕たちの他に男性装者が?それに織斑って…」
「そう、ブリュンヒルデ…織斑千冬の弟にあたるの。彼に関してはあなた達とは違ってなぜ使えるのかわかってないのよね。その為各国の諜報機関が手に入れようと躍起になってるってわけ」
「…ということはそいつを警護すると言うのが理由の一つ…だが、腑に落ちん。なぜ、俺たちなんだ?政府が動き辛いと言うのはわかるが……」
横から大輔が口を挟む
「簡単なことよ…彼を狙っているのは諜報機関だけじゃないってこと」
「……つまり組織が危害を加える可能性があると」
「そういうこと、組織にとって男性装者の存在はとても有益なものみたいだからね。だから、組織に対抗できうる戦力が必要なの」
「…つまり毒を持って毒を制すと言うわけか」
「まあね。それに学園にいれば万が一の時も対応しやすいの」
「そういうことか」
つまり餌になれというわけである。組織をおびき出す為の
「…まあいい、利用されてやるさ…それで、どんな準備が必要になるんだ?」
「二人にはISの技術関連の資格を取ってもらうわ。それとISのフィッティングと一次移行を済ませてもらうから。ちなみに期限は織斑一夏が入学するまで…つまり2ヶ月もないわ。それでもいいわね?」
「了解だ」
「わかりました」
二人とも頷く。
「フィッティングは今から政府の施設で極秘裏にやるから。もちろん、あたしも立ち会うよ」
「確かに時間はないからな」
「では向かいましょうか」
「ええ。」
そう言い、三人は車で施設へと移動した。
~ところ変わって組織の研究施設の一廓~
薄暗い研究室で一人の女性が一糸纏わぬ姿でカプセルの中に眠っていた。年は18くらいだろうか?目を引くような銀髪、美しい容貌、豊かな乳房にくびれた腰…まるで作り物のような印象を受けるがとても綺麗な女性であった。彼女の周りには女性の研究員がデータを取っていた
「調子はどう?001」
研究員の一人が声をかけると彼女はゆっくりと目を開いた
「ええ、すこぶるいいわ」
優しげな声で研究員の問いかけに答える。
「長時間の電脳ダイブの後だから、心配したけど大丈夫そうね。データにも異常はないわ。もう起きていいわよ」
「わかったわ」
カプセルが開き、001と呼ばれた女性がゆっくりと起き上がると研究員がゆったりとした服を着させる
「しかし、あなたのおかげで助かったわ。重要なデータを失わずにすんだもの」
「当然のことよ。私はここで作られた存在なのだから…協力は惜しまないわ」
「ありがと。さ、002が待ってるわよ。行って上げなさい」
「ええ……」
笑みを見せると彼女は立ち上がり、研究室を後にする
「…あれが、001。最強のナンバーか…」
呟くように研究員は言った
~2ヵ月後IS学園~
「えっと、ここをこう行って……」
一人の少年が地図を見ながら学園内を歩いていた。そんな少年と一人の男性がぶつかった。お互いバランスは崩すが怪我はないようだ
「おっと、すまない……」
「いえ、こちらこそ気づかなくてすみません!!」
頭を下げる少年
「いや、誤る必要はない。こちらも不注意だった…ところで君は、IS学園の制服を着ているようだが、見慣れない顔だな?」
「あ、新入生なんで」
「そうか…新入生か…俺もここに今日からここで働くことになったんだ…」
「そうなんですか?随分若いように見えますけど…」
「ま、色々とわけありでな……」
「そ、そうなんですか…」
「ところで自己紹介がまだだったな。俺は紫藤大輔だ、よろしく」
そう言い手を差し出す
「俺は織斑一夏です。よろしくお願いします」
こちらも手を差し出し、握手した。この握手がこれから始まる長い物語の序章であることは誰も知らない。