~IS学園~
新入生たちが騒がしいなか、圭司は作業着に着替え掃除をしていた。すると、屋上へ二人の少年少女がやってくる。少年と少女が話をしていたが終わった頃に声をかけた
「…織斑君だね」
「あ、はい!そうですけど…あなたは?」
「俺は紫藤圭司。兄から聞いて気になったから声をかけたんだ」
「ああ!あなたが大輔さんの」
「そう、弟さ。用務員としてここに就職したんだ」
「へえ、兄弟揃ってなんですね」
「まあね…訳アリって奴さ。ま、今後ともよろしくね」
「こちらこそよろしくお願いします!!」
礼儀正しく挨拶する
「さあ休憩時間が終わるよ。教室に戻って」
「あ、はい!」
そう言い教室に戻る一夏。作業に戻る圭司…ふと、少女からの視線に気づく。
「…………」
それは警戒するような視線であった。だが、圭司は気にせず見送った…しばらくして1組の廊下の前で作業していると教室の中から大きな声がした。それは、一人の女子が織斑に絡んでいると言うものであった
「(あらら、織斑君も面倒なのに絡まれたみたいだね……全く)」
ため息をつき、掃除を続行する圭司だが、内心は少しでも手助けしようと考えていた。
~ところ変わってISの整備室~
技術者としての仕事をするため、整備室に向かう大輔。ふと、人気の少ない整備室に人の気配を感じ、扉をそっと開けると眼鏡の少女が作業をしていた。どうやら、ISの開発作業をしているようだ。
「(一人でやっているのか……だが、あまり進んではいないようだな)」
少女の様子を見るに順調とは言いがたいようだ。それもそうだ。独力で進めるにしても限界と言うものがある。彼女は優秀なようだが、それでも難しいと思われる。それは本来ならISの開発と言うものは何人もの技術者が関わってやっとできるというものだからだ。(一部の例外もあるが)
「(…邪魔をしたら悪いからな)」
頭の片隅でこの少女のことを気にかけながら、扉をそっと閉めると立ち去った。
~その夜IS学園・宿直室~
「全く…織斑は面倒ごとに巻き込まれやすいのかな?」
ぼやく圭司。それもそうだ。さっき彼は1025室のドアの取替えをしてきたのだが、どうやらドアが壊れた原因は同室の子とのトラブルだったらしいのだ。
「これは、いやな予感するなあ」
これからを暗示するようなトラブルの連続に圭司は呟いた
~IS学園・演習場~
大輔は持ち込んだ荷物の一つである木刀を片手に素振りをしていた大輔だが、ふと視線を感じ、手を止めた。視線の先にいたのは織斑千冬その人であった
「なんのようですか?織斑先生」
「率直に聞こう…お前たちの目的はなんだ?」
「目的…?なんのことですか?」
「とぼけるな。お前たちがここに入ったとき政府が動いていたことは気づいている」
「……さすが、ブリュンヒルデ。気づくのが早いな…確かに俺たちは日本政府の命令でここに職員としてもぐりこんだ……」
「なら、目的は?」
「目的は…隠せそうにないから言うが…織斑一夏の警護…それが俺たちに課せられた命令…なんだが、俺個人としても奴を組織に渡したくはないしな」
「組織だと…?」
「…【企業連合】…それがあいつを狙う組織の一つだ」
「その組織なら、聞いたことがある。だが、なぜ…」
「俺たちのような奴が警護として送られてきたか…だろ?…簡単なことさ…奴らの情報に精通しているからだ…まあ、それだけのことだ」
静かな口調でしっかりと見据えながら言う。千冬は納得は出来ていない様子だが、無理もない。彼女にとって一夏は唯一の家族なのだから
「(家族を他人が守ると言うのはいやな様だな…だが、守られるあいつはもっと嫌だろうな…)それが目的であり、俺たちの義務だ」
「義務…だと?」
「ああ…俺たちは奴らの手から逃げ出した存在…故に奴らは織斑を求めたのだから……」
「……それはどういう意味だ?」
「簡単だ…ISを使える男のデータは奴らにとって喉から手が出るほど欲しいもの…故に俺達兄弟と織斑のデータは不可欠なのだからな」
「まさか、お前たちも?!」
「そうだ…ISを扱える男は織斑だけじゃない…俺達…兄弟もだ」