セシリーが仲間に加わり、俺達は女神の神殿を目指した。
砦を出て半日程たった頃だろう。ようやく神殿が見えてきた。
「あれが女神アイギスの神殿です」
唯一来たことのあるアンナが言うのだ、間違いはないだろう。
近づいてみると神殿の神聖さだろうか、オーラのようなものを感じた。
正面には石造りの白い階段が有りそこから続く道の左右には石の柱が規則的に並んでいる。
「とりあえずなかに行こう。」
キュテリの言葉を聞き俺達は中に向かうべく石造りの階段を上がる。 二十段ほどの階段を登りきったところで突然セシリーが叫んだ。
「まて、中に何かいる!!」
暗殺者として育てられた彼女には俺達以上に敵には敏感なのだろう。神殿の外から中に誰かがいるのを感じたらしい。
「まさか…」
アンナの呟きはそのすぐ後に現実のものとなった。
神殿の中から現れたのは十匹のゴブリンだ。 手には棍棒を持ちこちらに向かってくる。
「王子指示を!!」
ケイティの叫び声で我に返り慌てて指示を出す。
「ソーマちゃんとアリサはアンナを守りつつ後衛から支援、 ケイティと俺は前衛、 セシリーとキュテリは機動力を生かしてヒットアンドアウェイで牽制をしてくれ!!」
各々が自身の得物を抜き構える。
「行きます!!」
ソーマちゃんが弓で先制攻撃を放つ。放たれた矢は向かってくるゴブリンの内の一匹の眉間に刺さり、一撃で命を刈り取った。残り9匹。
「王子任せろ。」
赤いマントを翻しセシリーは駆け出す一匹のゴブリンの前に躍り出るとダガーを引き抜き鋭い攻撃を繰り出す。 三撃目がゴブリンの首もとを掠めると、ゴブリンは地に伏して起き上がることは無かった。
「どんな生き物でも必ず死ぬ弱点が有る…」
後で聞いた話だが一部のアサシンは暗殺という相手を一撃で仕留める技が有るらしい。 ただし戦闘中に相手のウィークポイントを探す必要があるため成功率は10%位らしい。
すぐさまセシリーは駆け出して次の相手へと攻撃を仕掛ける。
俺とケイティも負けじとゴブリン相手に応戦する。
俺は目の前のゴブリン相手に可能な限り早くしとめるのに対してケイティは二匹のゴブリンを相手取り安定して倒している。 流石 戦術教官の名は伊達じゃあないらしい。
もう一人の前衛キュテリもなかなかの強さだ。素早い身のこなしで相手の攻撃を防御では無く全てかわし的確にダメージを叩き込んでいる。
結局ゴブリンの群れを討伐するのに十分もかからなかった。
改めて神殿の中に入ると、
「こりゃひでぇな」
中は惨々たる状態だった。壁は崩され、辺りの台座は破壊され尽くされている。 唯一残っているのが正面の大きな女神アイギスの像だけだった。 恐らく…いや、確実に先程のゴブリン達にやられたのだろう。
ひとまず休むためにアイギス像の前に集まった時だった。
「よくぞ来ました。人の子よ」
?
「ケイティ今何か言った?」
「いえ、私ではありません…」
皆を見回しても首を横に振っている。じゃあ誰だ?確かに声は聞こえた。
辺りを見回して初めて気がついたのだが、女神アイギスの像がぼんやりと光っているのだ。
光は輝きを増していき、一つの実像を生み出した。
「英雄の子孫とその仲間達よ。よくぞここまで来ました。」
…もしかして
「あなたはもしかしてアイギス様…?」
アンナの言葉に全員がどよめく。
「その通りです。 あなた達には謝らなければいけないことがあります。」
女神アイギス様は申し訳なさげに続けた。
「各地で魔物が復活したのは私のせいなのです。 永きに渡る封印のせいで私の力も弱まりついに魔物に破られてしまいました。」
だから魔物が復活したのか。
「ただ永きに渡る封印のせいで魔物の力も当時よりはるかに衰えています。 この隙にあなた達に魔物を討伐して貰いたいのです。」
「それは俺達の目的でもあります。 魔物を討ち倒して王国と平和を取り戻す。そのために今仲間を集めています。」
まだまだ今の戦力では魔物とやり合うには少なすぎる。
「そうでしたか。では私からこれを贈りましょう。」
言葉と共に俺達の前に青く光る結晶が現れた。
「それは神聖結晶。 それがあれば私の力であなた達に力を貸してくれる戦士を召喚する事ができます。 しかし一度召喚するとしばらくは次の召喚を行えないでしょう。」
仲間が増えるのは心強い。
「なら早速頼む」
「分かりました。 願いなさい人の子よ! あなた達の覚悟と想いを。 魔を討つ心を掲げなさい。」
五つの神聖結晶が浮き上がり金色の光を撒き散らす。
それに呼応するように地面に魔法陣が浮かび上がり-
「馬上から失礼します。あなたがアーサーペンドラゴン二十一世ですね。 私はキャリー。王子と共に魔物と戦う為に馳せ参じました。 我が力と槍存分にお使いください。」
現れたのは茶色い毛をたなびかせた立派な馬にまたがった年上の女性だった。 年は二十中頃だろうか。
「人の子よ。あまり話している時間は無さそうです。この神殿に向かってオーガの気配が一匹向かっています。」
オーガ…城門を破った魔物か!!
「キャリー!! 来てもらって早速で悪いけど力を貸してくれ!!」
「わかりました!! 我が槍をあなたに託します。」
胸の前で横に手をやり垂直に槍を構える。彼女のいた国での敬礼だろうか?
こうして新たなる仲間と共に迫り来る新たなる脅威へと向かった。
これを執筆した日に石が五個になったのでプレミアムガチャを回しました。
あれ 何か黒い光が…もしかして念願のミネルバさん…
ナナリー
遠距離に新たなる戦力が加わりました。 ミネルバ欲しい…