覚醒ベラちゃん即死がやらしい
覚醒ナナリー……にするためにまずは黒聖霊集めから…
敵の一団は数にしてだいたい10ぐらいだ。 白いウィッチの女性を取り囲むようにゴブリンが棍棒を構えている。
あそこまで密集されると女性の奪還は愚か満足に剣を振るうスペースも確保しにくいだろう。
「ソーマちゃん!! 先制攻撃で上手く敵をばらす事はできる!?」
「任せてください!!」
声と共に一本の矢が風を切り飛んでいく。 矢は最前列にいたゴブリンの額を射抜いた。流石に奴らも動揺したのだろう一瞬隊列が乱れる。 そこを見逃すセシリーではない。
「王子が言わなくても…何をしたいか私はわかる。」
言うやいなや恐るべき速さで駆け出し更にゴブリンの隊列を崩す。 …嬉しいことを言ってくれるな…
「なら、私も!!」
それを見ていたキュテリも駆け出し、自慢の身軽さを生かして敵を数匹引きつける。 これなら行ける!!
「はあっ!!」
横ではケイティも愛用のレイピアを使いゴブリンを仕留める。
このまま押し切る!
戦況はこちらが有利で、後一息と言うことも有り皆油断したのだろう。
「きゃぁ!!」
背後にはいつの間に抜けたのか二匹のゴブリンがアリサとアンナの方へ向かっている。
「アリサ!! アンナ!!」
目の前のゴブリンを叩き切って走り出す。 間に合うか!!
しかし無情かな。無慈悲に棍棒は二人に向けて下ろされる。 そんな中でもアリサは杖を構えてアンナを庇おうとする。 ソーマちゃんも慌てて矢を構えるが二人とゴブリンの距離が近すぎて狙えないらしい。
万事休すか………と思ったそのとき、
ガキンッ!!と何かを弾くような音が聞こえた。見ると二人とゴブリンの間に誰かが立っている。
その女性は赤い鎧を纏い手にした深紅の盾でゴブリンの攻撃を弾いていた。
「はあっ!!」
そのまま大きく盾を振り上げゴブリンを怯ませると、手にした槌でゴブリンを叩く。
「大丈夫です。後ろにいてください。」
その女性はアンナとアリサを後ろに庇うと、近くのゴブリンと戦い始めた。
ゴブリンを退治して残る敵は魔女一人となったその時、
「王子、上です!!」
アリサの叫び声を聞き慌てて振り向くと、空から赤い影が一直線に降ってきた。
横に飛び退いてかわすと、赤い影 ガーゴイルは女性を抱え飛んでいってしまった。
「ソーマちゃん!?」
いつの間にか俺の横で矢を構えていたソーマちゃんは女性に当たらないように右の翼を狙い矢を放った。 が、
「そんな!?」
ガーゴイルに当たった矢は無情にも弾かれ地に落ちた。
そして空の彼方へと姿を消したのだった。
「改めまして。 私はレアン、以後お見知りおきを」
先程二人を助けてくれた女性…レアンはいつの間にか鎧を脱ぎ頭を下げていた。
「いや、頭をあげてくれないか? 助けて貰ったのは俺達の方で寧ろ俺達が頭を下げるべきなんだけど…」
「では御言葉に甘えて。 このレアン王子の傘下に入らして貰いたい。」
「むしろこっちから願ったりだ。」
「ではよろしく頼む。 あ、私は女だが男として扱って貰って構わない。」
かっこよく彼女は微笑んだ。
魔女の襲撃編は一応これで終わりです。
魔女の宴編では本格的に敵の軍団と戦う予定です。
実は今回クロリス様が戦いに参加していないのはある理由からなのですが、それは宴編のネタバレになるのでここでは控えさせて頂きます。