本日も彷徨う死者が現世からやって来ている、普段と代わり映えのないある日の天地の裁判所。
「失礼します閻魔様、麻稚です、入ります」
「せめて返事を待ってから入れ」
閻魔大王ヤマシロが雑務をこなしている部屋に補佐役の片割れである蒼麻稚が両手で数冊の本を持って入室してきた。本人曰く伊達メガネに曇りはなく、海のように青い瞳がヤマシロを見つめていた。
ヤマシロはその視線に気づくことはなく、雑務をひたすらに続ける。
ここ最近天地の裁判所の修繕やら天国の治安回復やら地獄の施設復旧やらが多い上に死者もいつものようにやって来るため忙しいったらありゃしない。
もう慣れてしまえばいいなんて思えばいいなんて都合のいいことはない、ヤマシロはこの仕事を五年近く続けていて未だに慣れない、というより作業効率が悪いのかもしれないがいつもいつも変わらない速度である。
だが、仕事は次から次へとやってくるため休む暇なんてない。
−−−だから、麻稚はあることを危惧していた。
「言われた資料、持ってきたのでここに置いておきますね」
「おう」
「きちんと食事は取られてますか?」
「一応」
「−−−もしかして、疲れやストレス以外に溜まってるものでもあるのでは?」
「ぶほ!?」
「そう、例えば下半身がムラムラするとか出したいのに出せないとか−−−」
「ちょっと待て!お前は何を言ってるんだ!?」
麻稚の口からマシンガンのように放たれる言葉を聞くや否、強制的に止めに入る。
何かこのまま彼女に続けさせていたらとんでもない方向に話が転がりそうな気がしてならなかった。きょとんと首を傾げる麻稚はさらに言葉を続ける。
「では、しっかり抜いてるんですか?」
「オーケー、一旦落ち着け!」
ホント、とりあえず色々と待って欲しかった。たしかに麻稚の言いたいこともわからなくもない。
だが、しかしここは雑務室で仕事中、公私混同は避けるべきである。
.....たまに雑務室の隅で煙管を吸っているヤマシロが言えたことではないが、それとこれとはまた話が別である。
「−−−閻魔様。私は閻魔様の健康を気遣っているのです。万が一貴方様に何かあったら雑務はどうなさるのですか?まさか、坊ちゃんに任せるなどおっしゃいませんよね?」
「言わねぇよ!」
「ですが、然るべきことはしっかり為さってくださなければお身体に障ります。幸いこの雑務室には鍵も取り付けられていることです」
フフフ、と麻稚が妖艶な笑みを浮かべている。頬も若干赤らんでいる気もするし、目元もトロンと普段のキリッとした瞳とは違いだらしなくなっていた。
何というか、ヤマシロは大体の予想はしていた。元々麻稚は亜逗子と違いこういうことを何のためらいもなく行う女であった。昔からそうである。
麻稚が長い年月をかけて育てた二つの人より少しデカイ胸を強調させるように腕を組む。
これでムラムラしない男はいないし、勃起しないなど無理な話である。それはヤマシロも例外ではない。
「.....閻魔様、し、しよ?」
「.....最初からそう言えばわざわざここじゃなくてもきちんとした場所を用意したのに」
ヤマシロは頭を抱えて大きなため息を一つ吐く。その様子に麻稚はフフン、とドヤ顔を浮かべて本棚の方向へ視線を移す。
「私知ってますよ、この雑務室のそこの本棚を左にスライドするとベッドルームがあることは!」
「.....亜逗子から聞いたのか?」
「閻魔様が悪いんですよ。私を放ったらかして二人で勝手に楽しくイチャイチャして」
ぷく、と頬を膨らませた麻稚は勝手に本棚を左にスライドさせてヤマシロが仕事合間にこっそり使用していたベッドルームの扉が開かれた。
どこまでも用意周到なところは亜逗子とは正反対である。
それに様子を見るに麻稚も相当溜まっていた様子である。まぁ、仕事も一段落したし少しくらいはいいかとヤマシロも目の前の誘惑に勝てずに麻稚の誘いに乗ったのだった。
※
ベッドルームはオートロックになっており、一度閉じてしまえば特殊な方法でもない限り開けることはできない。
その上雑務室の扉にも鍵を掛けている。完璧である。
「フフフ。閻魔様、いいえヤマシロ。やっと私たちもここまでの関係になれたね」
「おいおい!口調いいのか!?」
「いいのよ、今は二人っきり。亜逗子も父上もゼストさんも誰も私たちの行為を邪魔できない、私とヤマシロだけの時間よ」
そう言うなり麻稚は手慣れた動作で服をゆっくりと脱ぎ始め、下着姿となる。伊達メガネは着けたままである。本人曰く、これがいい、ファンサービスだのよくわからないことを言っている。
亜逗子と違い過激な運動をしない彼女の体は最低限の筋肉と細くも太くもない美しい曲線かつしなやかな体は見るものを魅了した。
彼女の白い肌と対照的な大人っぽい黒い下着はよく似合っており、同時に大人の魅力を放っていた。亜逗子が甘えん坊の猫と例えることができるなら麻稚は妖艶な魔女。
まさか昔から身近だった二人にここまでの違いが現れるなんて思いもしなかった。
「ヤマシロ、どう、かな?」
しかし、胸は亜逗子と同じくらい大きかった。何故かこの二人の胸は一般女性よりも少しだけだがデカイサイズになっている。
普段忙しい閻魔大王にとっては滅多に目にすることのできない貴重で至福で眼福であった。むくむくとヤマシロの男性器が勃ち始める。顔にも熱がこもってくる。
−−−ヤマシロは立ち上がり、麻稚をお姫様抱っこする。
「ひゃ!?」
「綺麗だよ、とっても」
そのままベッドの上に連れ込み押し倒し、麻稚の唇を奪う。
舌を入れてディープなキスを交わすのだった。くちゅくちゅ、と舌と舌が絡み合い唾液が静かに音を立てる。
麻稚もヤマシロの舌を否定することなく受け入れて自身の舌をゆっくりと絡める。
「んぅ、っは...!」
「ひゃぅ、ちゅぱ、はぅ」
ヤマシロが静かに舌を手放し麻稚の唇から己の口を離すと透明な唾液が糸を引いて、重力に従って麻稚の首元に落下する。
突然の冷たさに麻稚は体を震わせる。ヤマシロはその様子を見て静かに小さく笑みを浮かべる。
「あ、笑った!」
「ごめんな。あまりにも可愛くて」
「むぅ〜」
ていうかさっきから麻稚の口調がおかしい気がする、何か幼児退行してないか?
もしかしたらこれが麻稚本来の姿でいつも気丈に振舞っている姿は無理をしているのではないか?とヤマシロが思ってしまうほどである。
ヤマシロが思考の海に耽っている間に麻稚はモゾモゾと動き、次の行動へと移っていた。
ヤマシロの着物の帯を取り、ズボンを脱がしてビンビンに立った男性器を露わにさせたのだ。
「ッ、お前勝手に...!」
「これは大分溜まってますねぇ。こんなに溜まってたら仕事に集中できなかったでしょ?」
「それは」
「無理しないでくださいよ。それで出したかったらいつでも私に言ってください。私は亜逗子よりもテクニックは上ですし、バストもデカイですから」
自慢気に、誇らしく麻稚は言うとヤマシロの男性器を両手で包んだと思えば上下に、ゆっくり、ゆっくりと動かし始めた。瞬間、言葉に表すことのできない感覚がヤマシロを襲った。
感覚は全身を駆け巡り、頭の中が一度リセットされるような、それでいていつまでも続けばいいと思わされるほどの快楽。
「ぅぐ、ほ、ほんとに手馴れてる、な」
「当たり前です。ヤマシロに気持ちよくなってもらうために毎日のように練習してきたんだから」
「それ、はッ、ありがとう、ッな!」
くちゅくちゅ、とヤマシロの男性器の先端から我慢汁と呼ばれる液体がゆっくりと溢れ始める。
だが、それでいて絶頂に達しないのは麻稚が相当のやり手だからであろう。まだ絶頂になれない、出したいのに出せない、そんな快楽にも似た感覚がヤマシロの頭の中を支配した。
「ぅ.....ぐぁ!」
「ダメよヤマシロ、勝手にイっちゃったら。そんなの私が許さないから」
「す、すまん。そいつは無理な、相談みたい、だ!だ、出す!」
限界がきた。そのことは麻稚にも伝わり驚いた様子となり、メガネの奥の瞳が大きくなった。
−−−瞬間、ビュ!と先端から先ほどとは明らかに違う白濁とした液体が勢いよく飛び出し、麻稚の顔面にかかった。
ドロっとメガネの上にかかった液が滴り、頬を伝うようにして落下する。精液独特の香りが徐々に部屋を充満し始める。
「−−−全く、どんだけ溜めてたんですか?まだ出てきてますよ」
「ちょ、つつくな」
麻稚は楽しそうにヤマシロの男性器をつつきながらうっとりとした様子で見つめる。メガネの奥の麻稚の瞳はジッと見つめているだけで瞳の奥に吸い込まれてしまいそうな、そんな雰囲気と様子だった。
麻稚は徐ろにヤマシロの男性器を再び両手で包むと今度は口でも「はむ」と咥えて先端をも包んでしまった。
「ちょ、待ってくれ」
「ふぁちふぁしぇん」
麻稚は気持ちよさそうにペロペロと舌を動かして舐める。そのこそばゆい感覚ですら快感に感じるくらいにまでヤマシロの性感帯は敏感になってしまっていた。いつの間にか麻稚は片手を自身のパンツの中、股に直接手を当てておりここまで聞こえるくらいくちゅくちゅ、と自身の処理まで行っていた。
このままただでやられてなるものか、と反撃に出ようとしたが、体勢的に難しい。
一度絶頂に達した次に麻稚が口を離す隙を狙おうと、決意に決めた次に絶頂はやってきた。
ヤマシロの性器は弾け、麻稚の口内に白濁とした液が大量に放出される。どろり、とゆっくりと男性器と口を離して麻稚は気持ちよさそうに笑みを浮かべる。
−−−その隙をついた、ヤマシロは麻稚を上回る身体能力で彼女の背後に回り込み、豊満に育った二つの胸を鷲掴みにする。
「ひゃ!?」
「いつまでも、やられっぱなしだと思うなよ!」
もみもみもみもみ、と無駄に大きな乳を揉み回しさり気なく黒くフリルの付いたパンツを脱がせるとネットリと愛液が染み付いていた。
「こんなに濡らしてやがったのか」
「ヤマ、シロぉ」
「次は、一緒に気持ちよくなろうぜ」
ヤマシロはそう言うと男性器に例のゴムを装着し、麻稚に足を開くよう強要して文字通り一つになる。
これまでにない快感、痛みが麻稚を襲う。
「−−−ッはァ!?」
それでも、麻稚は腰をしっかりと振る。ヤマシロが両手を抑え、麻稚が体を動かす。
お互いにお互いが気持ちよくなり数秒後には仲良く絶頂した。
麻稚はうつ伏せになって倒れ、ヤマシロは大の字で仰向けになった。
「はぁ、はぁ、まだ、やるか?」
「も、もちろん」
この後、一時間近く二人は共に快楽に溺れた。
感想、評価、批評、罵倒、その他諸々お待ちしてます(^^)