ラブロマンスのカケラもありません。「六」ってなっていますが、連載するつもりはなく、ただ情欲に身を任せてえっちぃのを書き散らしたかっただけなんです。
信じてください。
<六>
ふたつのベッドを阻むのは、キャスター付きの折りたたみ式衝立だった。
下着のうえに
――手違いにもほどがあろう!
箒は無言で憤ったが、さりとて状況が改善するとしても明日以降になる。
今頃隣の部屋では壁にコップをあて、淫らな会話を期待して熱い吐息を漏らしているに違いないのだ。
織斑一夏はもうひとつの布団にもぐり、背中を向けている。
彼がこの部屋を訪れる前、生理現象を催していた。その後一夏も使った。
寝る前にトイレを確認したが、案の定フタが空いていた。便座がかかっていたので大小の用を足したのは間違いないだろう。
――困った事態になった。男女七歳にして席を同じゅうせず、なのだが。
そうでもしなければ、毅然とした態度が崩れてしまうのだ。
ジュレのようなだらしない顔になっているかもしれない。
それは困る。
――だらしないのは山田教諭かオルコットの尻で十分なのだ。
箒は手を伸ばして枕元においた道具箱をたぐり寄せる。
重箱風のメイクボックスは漆塗りで
引き出しから手鏡を取り出し、暗がりのなかで自分の顔を映し出す。
にきびを発見して肩を落とす。
気を取り直して鏡をにらみつける。
十五歳の女がひとり。頬のほてりがなまめかしい。
手鏡をメイクボックスにしまい、寝返りを装って一夏の様子をうかがう。
上体を起こした男に気づいて、布団をかぶってしまった。
彼は衝立をずらして箒を見下ろしていたのである。
<七>
一夏は目が冴えて眠れなかった。
頭を冷やすべきだと思い、ベッドから降りてシャワーに向かった。ボディソープをスポンジに染み渡らせて、念入りに洗った。
湯と一緒に寝汗と冷や汗が排水溝に流れ落ちる。
湯を止め、白いバスタオルで身体を拭き、寝間着を身につけた。
「よしっ」
鏡に映る一夏は男前だ。
七年ぶりに再会した幼なじみが隣のベッドで横になっている。ツインベッドに衝立もある。
彼女は踏み越えてはいけない境界線の向こうにいる。
「寝るか」
――眠れるかな。
箒は鈴音とは違う。五反田と鈴音とで川の字になって眠った経験はあっても、男女ふたりきりというのは初めてだった。
――鈴音と一緒のときは弾がいてくれたからな……。
自分のベッドに足をかけると、箒が寝返りを打った。
襦袢の形が崩れて、かすかに胸元がはだける。純白のレースが目に入り、思わず凝視してしまった。
――ブラなんて見慣れているはずなのに。
姉の下着には興奮する要素がひとつもない。何度も勝負下着の類いを洗濯したことはあるが、肉親のそれを見て欲情する方がおかしい。
――目が離せない。どうしたんだ、おれ。
一夏は衝立をずらして幼なじみを見下ろしていた。
頭まで布団をかぶった箒の
全身がみえるように衝立を押しのけた。自分以外の石けんの匂いを胸いっぱいに吸い込んだ。
甘酸っぱい匂いが広がる。
下腹部に痛みが走った。一夏とて年頃の男だ。肉棒が女を求めて屹立している。
だが、一夏は先ほどの出来事を忘れてはいなかった。
――指一本でも触れたりしたら……。
沖田総司ばりの三段突きで昇天してしまうに違いない。
箒は木刀で扉を突き破った。破砕面を見たかぎり合板ではなく無垢材で、いくら割れやすいとはいえ素人にまねできる芸当ではない。
「死っ……ぬわなあ」
だが、触れたい。
高校生の邪な好奇心を抑えつけられるほど、一夏の理性は大人ではなかった。
<八>
「私物を入れた箱は……あった、これだ」
一夏は段ボール箱からビニル紐とスポーツタオルの束を取り出す。
道具を持ってベッドに戻り、箒の様子を観察した。布団が邪魔で寝顔は見えなかった。
その場でかがんでベッドの足を探し、ビニル紐を通した。一方の紐をスポーツタオルでくるんでガムテープで固着する。タオルを当てた部分に足首が来るように巻いて縛る。手首も同様に縛った。
仰向けで大の字になった幼なじみの動静を探る。
――ここまでやったら……もう、引き返せないぞ。
誰かに見られたら言いわけできない。ならば行き着くところまで行ってしまえ。
布団で箒の顔を覆ったまま、彼女のベッドに乗った。屈みながらタオルとビニル紐で縛られた手の甲を舐めだした。
腕を伝い、肘を、布団を少しずらして襦袢の胸元を緩めた。腋の下に迫ると、一夏は舌先を硬くする。
ザラザラした腋に唾液を塗りたくる。
鼻を埋め込むと、かすかに甘ったるい汗のにおいが鼻孔を刺激してきた。
――箒……いっぱしの女なんだな……。
一夏は腹をまたぎ、襦袢の帯を解いた。
ブラジャーのフロントホックを外すと、張りのよい乳房がこぼれ落ちる。
大きめの乳輪だが、先端は暗がりでもわかるほど鮮やかな桜色だ。
肌はきめ細やかで触れるだけで吸い付くようだ。箒の性格から男に肌をさらすとは考えにくい。
せいぜい夜な夜なひとりで慰めるくらいだろう。
もしかしたら快楽を知っているかもしれない。
一夏は乳首にむしゃぶりついた。
「……っ」
箒のうめき声を耳にして、一夏は身体をこわばらせた。
息を殺して反応が収まるのを待つ。
静かになった頃、舌先をゆっくりとうごめかせ、硬くなった乳首を含んで円を描くようになめ回した。
右と左、交互に口に含んだ。
乳房が張ってくると、一夏の舌はへそや脇腹へと移る。舌先から箒の筋張った身体とみずみずしい肌を同時に味わう。
あえてショーツを避けて太ももを伝った。
ふくらはぎからくるぶし、足の甲に舌を這わせた。執拗に足の裏や土踏まずを舐め、硬く縮こまった足指を舌でドロドロにしていく。
足指の谷間に残った汗と皮脂を舌ですくい取ると、谷間を割るたびに箒の太ももが震えた。
足一本では飽き足らず、もう一方も舐めしゃぶった。
「箒……」
一夏はズボンを脱ぐ。肉棒が露わになり、痛いほどに膨張しているのがわかった。
箒の腰を持ち上げ、枕を差し込む。
腰が浮いて股間のふくらみが強調された。白い太ももに割って入り、蒸れた股間を熱を堪能する。
指先で下布をずらすと、粘ついた液体が糸を引いた。
手淫のせいであろうか。一夏が予想したよりも陰唇がねじれている。
箒の凜とした顔立ちとは裏腹に、陰唇がなまめかしくうごめいていた。大量の粘液が分泌され、ショーツを濡らしていた。
一夏は膣口に触れようと陰唇を広げて、茂みに分け入った。
「……ぐっ……」
箒の口からくぐもったうめきが漏れた。
舌の侵入を拒んでいるのだろう。しきりに入り口が収縮したが、一夏には襞のザラザラが快感への誘いに思えてならなかった。
皮を被った陰核はとても大きい。舌でつつくと甘ったるい芳香が増した。
一夏は少女の体臭に酩酊し、股間を硬くする。
期待に胸を躍らせながら陰核を口に含む。よく洗ったおかげか味はない。
陰核を舌ではじいた。キュッと太ももが震えた。紐が邪魔でまたを閉じることができなかった。
陰核を転がし、鋭い刺激を与え続ける。
何度も腰が浮く。
一夏は腰をつかんで快楽から逃げだそうとするのを許さなかった。
陰核の皮をむき終えると、今度は膣口に向かって舌を差し出した。粘液をすすり、
<九>
「い、一夏……見損なったぞ……」
震えた声に気がついた。
憎しみと失望……恐怖が入り交じった視線だ。
一夏は顔をあげて一瞥し、腰をつかむ手にいっそう力を込める。鼻先を陰核に押しつけ、位置を定めて、より深く舌を埋めていく。
「やめろっ!」
下腹部が跳ね、つま先がピンと緊張する。どうやら感じているようだ。
懸命に淫水をすすり、箒に聞かせるべくジュルジュルと音を立てた。
舌の先端が筋肉で締め上げられる。肉襞の収縮によって外へ押し出される。
膣口から顔を離した一夏は肉竿を握りしめながら、四つん這いになって覆い被さった。
箒は涙とよだれで汚れ、懸命になって奥歯をかみしめている。
「貴様あ……こんなことして、男の風上にもおけんぞ……」
答えることができず、沈黙を続けた。
一夏はぷっくりとした朱唇に目を奪われていた。男勝りで気の強い箒が涙を浮かべて、一夏のなかに宿った獣に恐れを抱いている。
箒が口をすぼめた瞬間、何が来るのか予想できてしまった。
「クズが!」
思わず顔を背けたが、箒が放った唾は一夏の頬に命中していた。
カッと頭に血がのぼり、平手で彼女の頬を打つ。
彼の反応が予想外だったのだろう。女の瞳が一瞬呆けたように見開かれた。
一夏は手の甲で唾をぬぐい、張り裂けそうなくらい膨れた亀頭になすりつける。上体を起こして自らの腰を恥骨に近づける。
「や、やめろぉ……」
箒がか細い声で抵抗を示す。
竿に指を添え、先端を陰唇に押し当て、亀頭を前後にゆする。
ぽっかりと空いた口を見つけてゆっくりと腰を沈ませる。
亀頭の侵攻を許すまじ、と膣口が締まった。が、五十キロを超える負荷を退けるには不十分だった。淫水で濡れた肉襞はヌルヌルとなめらかに男を受け入れていた。
「く……!」
箒が顔を背けてうめいた。痛みを我慢するものではなく、かすかに喜びを感じている。
一夏はおやっと思った。予想を超えて何の抵抗もなかった。女には処女膜なるものがあって、初めての男を拒むものだ。なのに、箒の淫らな膣はやすやすと一夏をくわえ込んでいる。
「箒……おまえ、経験があるってか」
箒は激しく首を振った。
「違う……違うんだ」
弱々しくうめいている。言葉とは裏腹に自分から腰をすりつけて、一夏の肉棒を
「何が違うっていうんだ。こんなに、こんなに、締め付けやがって!」
一夏はズンズンと股間を突いた。
肉襞の摩擦とぬくもりで今にも果ててしまいそうだ。
いやいや、と頭を振る箒の吐息はほのかに快楽で色づいている。
「遊んでいたんだろ! こうやって突かれて喜んでいたんだろ!」
「だから違う……誤解、なんだ……私は男となんて」
腰をゆっくりと引いてひと思いに突き入れる。子宮口が降りてきているのだろう。鈴口がコリコリとした塊をはじいた。
一夏は両手で腰をつかんで乱暴に腰を動かした。
箒の剣道で鍛えた足腰は膣周りの筋肉をも鍛えていた。軽く気をやるたびに、肉棒をキュッと絞めつける。
一夏はたちまち絶頂にのぼりつめる。
「うおっ……」
奥歯をかみしめたが間に合わない。一夏は恥骨をすりつけて亀頭を子宮口に押し当てる。同時にありったけの精をほとばしらせ、狂おしいまでの快感が脳天を直撃した。
「……え!?」
箒ははじめ何が起こったのか理解していなかったらしい。だが、一夏の子種が身体の奥に注ぎ込まれると、顔をのけぞらせてしまった。
ガクンガクンと激しく痙攣を起こし、布団の裾をかんで獣のような叫び声を挙げてしまいそうになるのを必死に抗う。
手淫で感じた絶頂とは明らかに異質で、ここまで激しいものではない。
一夏は膣内の収縮を心ゆくまで味わおうと恥骨同士をすりつけていた。
これまで溜め続けてきた精液を全部搾り取られるかのようだ。
幸福感が最高潮に達し、最後の一滴まで絞りだした。
箒の身体に倒れ込むと、弱々しく腰を動かしながら、彼女の髪をもてあそぶ。
――すげえ……病みつきになりそうだ……。
黒い快楽に飲み込まれた一夏には、箒のすすり泣く声など届いてはいなかった。
<十>
一夏は静かに寝息を立てていた。
緊張の糸が切れて睡魔に負けたとみえ、安らかな寝顔である。
箒はベッドから離れた。
――などと無理矢理情交に及ぶかもしれない。どんなに女々しい男でもケダモノの一匹や二匹を飼っているはずだ。
「……できたぞ」
箒は汗をぬぐった。ハサミとビニル紐の玉、温泉旅館の名前入りタオルをベッドから下ろす。
一夏の四肢は大の字になり、紐でベッドに固定されていた。
後始末を終えて再び彼を見下ろしたとき、箒の視線はある一点にそそがれていた。
――女のにおいをかいで、おっ立てているではないか。ケダモノめ。
(終)
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