予め申し上げます。
お話の都合上シャルルと連呼していますが、Teacher's Petで半陰陽だと書いたのでボーイズラブに該当しないと判断しました。
彼女
<四十一>
部屋は無人だった。
扉の前で立ち尽くしていた箒は姉に電話をかけたことを悔やんだ。
――私用電話のすきに一夏とデュノアがふたりきりで買い物に出かけた、だと?
布仏本音が間延びした声で説明し、余計な一言を付け加えるのを忘れなかった。
「手をつないでたよ~。『付き合ってくれ』……な~んて告白しちゃってたよ~」
――遅かった! 遅すぎたんだ、何もかもが!
肩を怒らせながら外出用のカバンを片手に寮を後にする。
本音からふたりが水着を買いに行ったという情報を入手したが、今からでは活用するすべはない。途方に暮れていた彼女に声をかける者がいた。
「篠ノ之さん。今からお出かけですか?」
振り向くと、真耶が黒い車の運転席から顔を出している。
いかにも高そうな雰囲気があり、内部は競技車のようだ。助手席で頬杖をついた千冬が箒を一瞥する。
「よかったらお買い物に付き合いませんか? 乗せていってあげます」
「本当ですか!?」
真耶は豊満な胸を張った。
フルハーネスでがっちり固定されていたが、乳房の形がはっきりとわかった。
後部座席に身体を滑り込ませる。千冬が顔だけ振り返って注意した。
「……必要なことだから言っておく。どこかにつかまっておけ」
――千冬さん?
「この車……山田先生のですか? すごく意外です」
テレビのCMで見たことがある高級車だ。
だが、真耶の趣味とは思えないのだ。千冬のほうが好みそうな外装だし、内装も黒で決めていた。
車内で真耶だけが浮いている。
「父が就職祝いで買っちゃったんです。私はもっと可愛い軽自動車にしたいって抗議したんですけど、押し切られちゃいました」
クラッチ操作に手慣れた感があった。真耶が鼻歌を歌い始めると、手足の動きが活発になっていく。
千冬が黙ってグリップをつかんだ。
ほどなくしてその理由を悟った。
――車ってこんなに激しい挙動をするものなのか……!?
箒たちがショッピングモールの駐車場に立つ。真耶だけがケロッとしていた。
「……二人とも元気ないですよっ」
先を行く真耶。箒は肩で息をしながら言った。
「あの千冬さん……もしかして帰りも」
「当然だ」
千冬が青い顔でうなずいた。
重い足取りで『レゾナンス』の二階に向かう。
――いた!
ちょうど一夏が女性用水着売り場に足を踏み入れたところだ。
千冬の腕をつついて一夏の存在を知らせる。
「山田くん、ちょっと」
水着売り場を通り過ぎようとした真耶が引き返した。
箒が事情を説明していると、あれよあれよという間に一夏は試着室のなかに連れ込まれてしまった。
――な、何が起こったのだ。まさか……。
箒たちはぽかんと口を開けて試着室の扉を見つめていた。
<四十二>
一夏はあわてて背を向けた。
背中越しに聞こえる衣擦れの音が否応なく胸の鼓動を速めていく。
頭を振って状況を整理しようと努めた。
――どうして俺が女物の水着売り場に……それもシャルと一緒に……いいや、そもそも……。
男であるはずのシャルル・デュノアから女子特有の甘い匂いがした。
初めて出会った頃よりも女性らしい腰つきに変わっている。
上衣を脱いだとき、うっかり下着を見てしまった。
女物だった。
だが、ISスーツを着用しているときは男の体型をしていた。
――水をかぶったからか! そうなのか!
近所の床屋で読んだ漫画の内容を思い出す。
荒唐無稽な話だがほかに説明しようがなかった。
「えーと……」
呪泉郷に入ったのか……などと直接聞くのはためらわれた。
「い、いいよ……」
「お、おう……」
シャルルの許可を得て、再び振り返る。
感想を言ってもらおうと指をもじもじと動かすシャルル。一夏はおそるおそる視線を下げた。
パレオの結び目で下半身がわかりにくい仕様だ。
布をめくりたいという欲求に駆られたが、表に出すまいと必死に耐えた。
シャルルがもう一着に着替えたいと告げたので、あわてて止めた。
「に、似合ってる。それがいいぞ、シャル!」
うろたえるあまりバランスを崩してしまい、シャルルに抱きつく形で転倒を免れる。
だが、硬くなった股間がシャルルの膝に当たってしまい、その柔らかさに天に昇るような気分になった。
――自重しろ俺! 相手は女に見えるけど男だ。シャルル・デュノアなんだぞ!?
胸の鼓動がシャルルにも伝わる。
一夏は明らかに戸惑っていた。自分はノーマルだと思い込んでいたのだが、実はマイノリティーの住人なのだろうか。
美少女と密着するうちに次第にムクムクと勃起してきてしまった。
股間をシャルルに見られたくない……その思いがありあまったのだろう。一夏は股間が静まるまでの間、シャルルと抱き合った。
――ダメだ。収まらねえ。
「あのさ。お願いがあるんだ」
「い、一夏!?」
――目の前にいるシャルはシャルロット・デュノアなんだ! そうだ、そうに違いない!
一夏はズボンを引き下ろし、急角度にそそり立った肉棒をさらけ出した。
<四十三>
シャルルの目が点になった。
一夏は思い詰めたように目を暗く輝かせ、肩を抱く手に力を込めた。
「い、痛いよ」
「シャル。俺たちは兄弟だよな」
案の定、シャルルが首をかしげた。
――伝わらなかったか。穴兄弟のつもりだったんだけど。
「とにかくっ俺はシャルを大事に思ってる。だから……」
シャルルの手をとって欲望で濁った視線を投げかける。
「この前俺がしたみたいに……してくれないか」
言うと、シャルルは意味を理解したらしく、真っ赤になって目を閉じた。
おそるおそる手を伸ばし、そっと肉棒に触れてくれた。
シャルルも男性の肉棒に興味があるようだ。その証拠に、薄目ながらジロジロと肉棒を見つつ、呼吸が荒く弾みはじめていた。
「おっ……」
一夏が身をかがめて唇を近づけようとしたが、拒否を示すべく顔を背けてしまった。
だが、手の動きはどんどんなめらかになっていった。亀頭に刺激が走ってキスどころではなくなってしまった。
もう片方の手で陰嚢をなでさすり、睾丸をコリコリと確認する。
「シャル……口で」
「え……?」
シャルルは身じろぎして指の動きを止めた。
「俺もしたんだ。お返しぐらいしてくれたっていいだろ。……嫌なのか?」
「ぼ、僕は……」
懇願すると、シャルルは根負けして首を縦に振った。
少しためらって跪き、肉棒の根元をにぎって顔を近づける。
狭い試着室に生ぬるく甘ったるい美少女の香りと、少年の汗くさい匂いが入り交じり始めた。
「や、やっぱり……」
「俺はシャルを感じたい」
頑なに閉じた唇に肉棒をすりつける。
シャルルが熱い息を吹きかけると、肉棒は元気よく跳ね上がる。嘆息しながら諦めたように舌を伸ばした。
肉棒の裏側を這って睾丸に達する。
手でなめらかにもみほぐして来た道を戻った。鈴口に
亀頭を含んで唾液をまとわりつかせた。
――このまま喉奥まで……。
一夏の期待に反してシャルルは唇を離し、手で竿を前後にこすった。
再び口に含み、生暖かな唾液でくるまれ、じわりと淫気が高まる。
「どこでこんな……」
唇と手で交互に刺激を与えられ、肉棒がこれ以上ないほど膨張した。
シャルルは背中に手を回して、シュルリと水着を取り去った。
「シャルル……やっぱり」
高校一年生にしてはよく実った乳房が露わになる。
――シャルルは女だ。女なんだ……。
「は、挟んでくれ」
一夏は暴発するくらいなら口がよいと願った。
「こうすると男の子は気持ちがいいんだよね」
シャルルは言いながらも透明な唾を乳首に落として、硬くなった肉棒にすりつけた。少しも怖がる素振りはなく、ためらいがなかった。
ヌメリと期待感、十代の肌。一夏の興奮が増していく。
「あっ……」
乳房にくるまれ、張り詰めた亀頭が紅唇を割った。
ヌルヌルッと口腔に入り込み、一気に竿の半ばまで受け入れてしまった。
唇がすぼまって吸い付かれ、熱いほどのぬくもりに包まれる。
シャルルは顔全体でスポスポと強烈な摩擦を繰り返した。
何人もの美女や美少女を体験したが、シャルルの口はもっとも居心地がよかった。
――ま、まずいぞっ。
唇で亀頭を刺激され続け、ふんわりと肌につつまれて一夏は歯を食いしばった。
「くっ……!」
絶頂に昇り詰め、大きな快感にうめいてありったけの精液を迸らせる。
「ンッ……!」
シャルルが声を洩らす。
最後の一滴まで
「ほんなに……」
シャルルが上目遣いになって紅唇をぱっくりと開けた。
舌の上に白濁液の塊が残っていて、栗の花の匂いを放っていた。
「飲んで」
「ク……ンンッ……!」
言われた通り、シャルルは喉を鳴らしてすべて飲み干した。
「大丈夫か?」
「うん……」
シャルルがケホケホとむせかえる姿を見て、虚脱感に浸っていた一夏の心に再び熱い思い広がった。
<四十四>
「シャルル……すごくよかった……」
一夏はウェットティッシュの包みを差し出した。
「一夏は満足した……?」
シャルルは肉棒が触れた場所をぬぐって、小さなダストボックスに押し込んだ。
口淫の残り香がこもっている。扉を開けた瞬間に密室での情事に気づくだろう。
一夏はズボンをひきあげて身なりを整える。
「俺……シャルのことが」
「それ以上はダメ」
――説得力ないってか。
思い直して、一夏はだまりこんだ。
今まで抱いてきた女たちの肌がよぎり、肉棒がうずいたのだ。
催してしまったらしく下半身に血が集まる。
一夏はシャルルの背中を抱きしめ、パレオにに硬直した肉棒を押し当てた。
「一夏っ……いけないっこれ以上は」
「シャルのなかに入りたい。俺とひとつになってくれ、シャルッ!」
パレオをはぎとり、肉棒を尻肉のあいだにあてがった。
亀頭が頑なに閉じた門をこじ開けて奥へと侵入していった。
一夏は興奮しすぎて膣なのか菊蕾なのか判断がつかない。
しかし、どちらでもよかったのだ。
シャルルと合体さえできればそれで……。
<四十五>
「……なんてことになっていたらどうします?」
冗談のつもりで言って、箒はふたりの反応をうかがった。
真耶ははじめ本気にしていなかったが、試着室へ近づくにつれ漏れ聞こえる声に確信を強めていった。
一方、千冬は腕を抱きながらぶつぶつと何ごとか口にした。
「……契約違反だ……罰を……罰を与えなければ……」
――千冬さん?
怖い顔をしている。
箒はよろめくように後ずさった。
――契約? 罰? いったい何のことだ!?
近所のお姉さんだと思っていた千冬には別の顔があるかもしれない。
混乱したまま真耶のもとに向かおうと足を進めたとき、試着室の扉が開かれた。
「え?」
「えっ?」
「ええっ?」
真耶は箒の冗談が現実になったと思って軽いパニックに陥る。
「せ、先生っ……これは、これはですね」
一夏も弁解の余地がないと悟っているのかしどろもどろだ。
――な、なんてことだ。一夏はやっぱり……。
耳の奥で真耶の悲鳴がこだました。
(終)
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