これからもノンビリ書いていきます。
「手前の拳は受けちゃいらんねぇな…」
次々に繰り出される翠樹の拳を後ろに下がりながら躱す直毅。それに対して翠樹は心底楽しそうに笑みを浮かべながら直毅に尋ねる。
「どうした?打って来ないのか?」
「Wait a minute, wait a minute. You ait't heard nothin' yet.(待ってくれ、お楽しみはこれからだ。)」
彼が英語を使っているのは感情を抑える為だが、実際のところ今の彼は妙に高揚していた。
恐らくは、翠樹の真っ直ぐな戦い方に影響されているのだろう。今まで相手にした事の無い"気持ちの良い"敵に、直毅は喜びすら覚えていた。
翠樹の右のストレートをスウェーで躱し、右のフックを顎に合わせる直毅。鈍い音が響き拳が翠樹の顎を捉えるも、直毅が痛みに右手を押さえた。
「痛え!鋼鉄の顎かよ畜生…」
「ご名答。まさしくその通りだ。」
「やっぱり、お前さんと殴り合うのは部が悪いぜ…」
手を振り動きを確かめながらも、直毅の表情には笑みが伺える。
喜びを感じていたのは翠樹も同様であった。狡猾とは言い難い、泥臭さと気高さを感じさせる相手に、翠樹は今まで感じた事の無い充実感を味わっていた。しかし、翠樹の側に優季が姿を現すと、2人の間にあった笑みは消える。
「稀崎、彼はここで仕留める。」
「会長…了解です。」
優季の冷静な言葉に翠樹は悔しげな表情を一瞬して頷くと、両手に炎を、両足に風を纏い拳を構え、優季は両手を広げ先程のクラゲを2体呼び出す。
「2対1か、いよいよもって勝ち目が無くなったな…」
諦めの台詞を吐きながらも、直毅の表情には諦めは微塵も見られない。翠樹が両手を内側に振り、炎が直毅を挟み込む様に迫り来る。
直毅はあえて翠樹に向け走り出す。正確に言えば、翠樹の開けた床の"穴"に滑り込んだ。
「穴があったら入りたいもんだな!」
穴から落ちて行く直毅は笑みを浮かべ叫ぶと、左腕を引き抜き、下の階から仰向けにその穴にM79 グレネードランチャーを向け銃爪を引く。
天井に直撃した榴弾は穴を開け、爆炎が翠樹達の居る階に広がる。通常なら2人が重症を負うのだが、2人は当然無傷である。相手が魔術師であるからして、兵器がダメージを与えることは滅多にない。その点を考えれば、直毅に勝ち目がないのは当然である。
爆炎から翠樹は身体を風と炎で覆って防ぎ、優季は2体のクラゲの傘の部分を展開させて身を守った。
「一筋縄じゃいきませんね、会長。」
「あぁ。だが倒せない相手でもないな。」
苦笑しながら尋ねた翠樹に、優季は落ちて来た砂埃を払いながら真剣な表情で答える。
「急いで後を追おう。逃げられると厄介だ。」
優季は2体のクラゲをビルの外に放ち下の階に向け偵察させる。目を閉じ視覚情報を2体のクラゲに繋ぐと、横倒しになったクラゲの傘の部分にカメラのレンズの様に円が現れる。床の中央に開けられた穴の側に居る直毅を捉えた。
「"ピカッ"と光るぜ、よく見てろよ?」
直毅が顔を伏せ右手に持った魔法石を握り締めると、眩い閃光が部屋を覆う。視覚情報を繋いでいた優季は目を押さえ、(目を閉じて光に目が眩んだ状態というのも、おかしなものだ)直毅は閃光を放つ魔法石を優季達の居る階に投げ入れた。
「くっ!目眩ましか。大丈夫ですか?会長。」
「あぁ、大丈夫だ。しかし本当に油断出来ないな…」
急いで閃光から目を背け、光が消えたことを確認した翠樹は優季の身を案じ、目を擦り視界を取り戻しながら優季が呟いた。
「もう逃げられてしまっただろうか、だとすると厄介だ。」
「なら早く後を追わないと。どうしましょうか…」
「ブッブー。残念外れだよ!」
2人が床の穴を覗き込みながら思案していると、頭上から嘲笑う直毅の声が聞こえ2人は天井を見上げた。
直毅は天井に"立って2人を見上げていた。(見下していたと言ってもいい)
腰に巻き付けたワイヤーが穴を通り上階の天井に打ち付けられぶら下がっていたのだ。
直毅は再び左腕を引き抜きイングラムM10に変え乱射し、無論2人は障壁魔術で銃弾から身を守る。弾切れと同時に直毅は穴を通り上階へ引き上げられて行く。その様子に優季は何かを感じ取り、耳元に手を当て小さな魔法陣を浮かべる。
「ローラ。準備は出来てるか?」
「はい。何時でも。」
北東の丘の頂上で身を潜めていたローラは、彼らの居るビルを視界に捉えて答える。
「よし…合図で始めてくれ。」
「分かりました。」
一方、上階の直毅も同様にインカムに手を当て薫と連絡を取っていた。
「会長さん。状況はどうだい?」
「今罠を設置し終えたところよ。そっちは?」
「生物博士と金属野郎を相手に青色吐息だよ。」
「すぐ向かうわ。それまで持ち堪えて。」
「了解。なんとかしてみるさ。」
傷付いた身体を摩り、腰に巻かれた魔法石を収めたベルトに手をかける。アドレナリンで痛みを誤魔化しながら左腕を引き抜きM29に変え直毅は2人を待ち構える。
「最初から"勝つ気のない"勝負をするのは気が楽だろうな、東條君。」
「そいつは如何かな?負けないようにするってのも、案外大変なんだぜ?」
背後に現れた優季に、直毅は背を向けたまま応え撃鉄を降ろす。
「それもそうだな。さて、"勝負"といこうか。」
「随分と気持ちの良い策士だな。魔術師ってやつも、捨てたもんじゃなさそうだ!」
直毅は振り向きざまに上体を右側に逸らしながら銃爪を引き、優季は背後に飛び退きながら"天井"に向け魔弾を放った。
次々に放たれる魔弾が天井を砕き、破片が落ち粉塵が部屋を覆う。直毅は飛び退いて破片を躱し再び銃を構え優季に狙いを定め銃爪を引き…いや、直前で踏み止まった。
「懸命な判断だ東條君。粉塵爆発の可能性を考えて攻撃を止めたのは。」
「俺だけ丸焦げになるのは御免だからな。それに身を守るのだって簡単じゃない。」
銃を腕に戻し、ベルトから魔法石を引き抜いた直毅を見て優季は賞賛の声を上げる。
「だが、満点ではないな。」
優季がその声と共に指を鳴らし姿を消す。辺りを警戒した直毅の脚に電撃のような鋭い痛みが走り、体勢を崩して脚を見る。
「なるほど…本命はこっちだったわけか…」
直毅のふくらはぎの辺りに、"コンクリート色"のヤモリが張り付いていたのだ。
優季が天井を崩した理由は2つあった。1つは直毅が予想した通り粉塵を巻き起こすというもの。そしてもう1つは、直毅の足元にコンクリート片を撒き散らすことであったのだ。
「クッソ…やっぱり攻め方はいやらしいな…」
直毅は脚に付いたヤモリを引き剥がし、痙攣する脚を押さえながら呟いた。そして人の気配を感じ取り急いで左腕を引き抜きM29に変え構える。
「落ち着いて直毅。私よ。」
「なんだ、会長さんか。脅かさないでくれ。」
少し驚きながら両手を上げる薫の姿を認めた直毅は大きく息を吐き銃を下ろす。
「随分ボロボロね。大丈夫?」
「身体中痛ぇがなんとか。」
銃を腕に戻し、痙攣する脚を叩き膝に手を付いてゆっくりと立ち上がる。
「とりあえずここから離れよう。相手の姿も消えたからな。」
「えぇ…本当に大丈夫?フラついているけれど。」
「なに、脚が"痺れてる"だけさ。」
口ではそう言うものの、直毅は1歩脚を踏み出し力無く崩れ落ち、薫が慌てて手を貸して起き上がらせる。
「ハッ…カッコつかねぇな、これじゃ。」
「治療しなきゃ駄目みたいね。ショッピングモールまで行きましょう。」
薫の肩を借りながらエレベーターに向かうと、突如大きな揺れがビルを襲う。
「試合中に地震か?なら中止にしてもらいたいな…」
「いいえ、残念だけど違うわ。これは…」
「どうやら、原因はアイツみたいだぜ。会長さん。」
直毅の声に薫は外を見て驚愕する。
北東の丘、その上空にドラゴンが羽ばたいていたのだ。
「随分と不恰好なドラゴンだ…あれも生物博士の悪趣味な使い魔か?」
「とにかくここを離れましょう!今にも崩れそうよ。」
「残念ながら、もう崩れ始めてるな、これ。」
痺れる脚を思い切り叩き、直毅は片手で薫を抱き抱る。
「何⁉︎どうしたの直毅⁈」
「会長さん。高い所は大丈夫か?」
魔法石を引き抜き何やら笑みを浮かべる直毅に、薫は身体を硬直させる。
「まさか貴方…」
「そのまさかさ!」
直毅はガラスを叩き割り薫を抱えたままビルから身を投げ出した。
ーーーーー
ーーー
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「The jaws that bite, the claws that catch.The Jabberwock, with eyes of flame.manxome, Came whiffling through the tulgey wood.He took his vorpal sword in hand.He left it dead, and with its head(横たわる死体より、刎ねたる首をば小脇にかかえ、食らいつくその顎、かきむしるその爪らんらんたる眼燃やしたる。ひとごろしき、おぐらてしき森の奥より、ひょうひょうと風切り飛びきたり。けしにぐの剣、手に取りて、横たわる死体より、刎ねたる首をば小脇にかかえ)」
手に持った本を読み終え、羽ばたき消え行く竜を眺めるのは、丘の頂上で佇んでいたローラである。
「これでいいですか?」
耳元に魔法陣を浮かべたローラが呟くと、上空から瓦礫と化したビルを眺める優季が丘の方を見て答え、側に翠樹が近付く。
「あぁ、良くやってくれた、ローラ。」
「どうします?会長。一旦ローラと合流しますか?」
その時瓦礫が動いた事に彼は気付くことはなかった。作戦通りビル群を崩壊させ多少なりとも直毅に損害を与えられたと考えるのも当然である。
その油断と言うには酷な感情が辛うじて直毅を救った。もし優季がこの瓦礫の山に魔弾を掃射などでもすれば脱落となっていただろう。
(さっさと此処から離れてくれよ…)
瓦礫の下から上空の2人にレミントンM700を構えて直毅は息を殺して隠れている。ビルから飛び出した彼はベルトにしまってあった魔法石の魔力を"自らの体内に押し込んでいたのだ"。
魔力…この世界に存在するモノ全てに内包されているこのエネルギーは、存在しないものを発現させるという、魔術の基礎となる力以外に、物体の"自壊しようとする力"を抑制する力を持っている。だがそのモノが収められる魔力の量は最初から決まっている。器に注げる水は決まっているのと同じく。
しかし、器から溢れた水は器そのものを膜のように包む。つまり、一時的ではあるが物体をあらゆる意味で"硬化"させることが出来るのだ。
直毅は咄嗟にそれをやってのけた。自らの身体を硬化させ瓦礫から薫を守ったのだ。
「そうだな。相手が2人も姿を見せないのが気がかりだ。」
優季と翠樹は丘に向け瓦礫の山から離れた。それを確認した直毅はゆっくりと瓦礫を押しのける。彼の下には奇跡的に無傷の薫の姿があった。
「会長さん。おい、会長さん。」
気を失っている薫の頬を叩きながら直毅は辺りを見回す。周囲にあったビルはほぼ全壊である。
「ん…」
「お、気が付いたか。怪我は無いか?」
意識を取り戻した薫は直毅の顔を見て大きく息を吐き安堵した。
「随分と無茶をするのね、貴方。」
「そんなことは最初から知ってるだろうに。まぁ、無事で何よりだ。」
直毅は薫に手を差し伸べ、その手を取って立ち上がった彼女は辺りを見て絶句する。
「生きているのが不思議な位だわ。」
「確かにな。兎に角、此処から離れよう。小休止だ。」
「そうね。ショッピングモールに戻りましょう。」
薫は直毅に近付くと足元に魔法陣を展開させ、2人は瓦礫の山から掻き消えた。
ーーーーー
ーーー
ー
賽の目状に棚が立ち並ぶスーパーマーケットのようなブロックに現れた直毅と薫。
「流石に、限界だな…」
今まで気力で立っていた直毅は、側にあった棚を押し倒しながら崩れ落ちる。
「大丈夫⁉︎」
「大丈夫じゃあねぇな…包帯と消毒液位置いてあるだろう…取ってきてくれないか?会長さん。」
「私が治療魔術で治すわ。心配しないで。」
「いいや結構だ…出来れば魔術の世話にはなりたくないんでね…」
「そんなこと言ってる場合じゃないわ。早く怪我を…」
「結構だって言ってるだろ…!」
直毅の冷たく拒絶するような声に、薫は差し出した手を引っ込めて驚く。
「…あんたの腕を信用してないわけじゃない。だがそう簡単に命が助かると、"ただでさえ安い命の価値がもっと安くなっちまう"。命なんてもんは"紙屑並みの値打ちしかない"。魔術なんていうたいそうな鎧に守られてる奴らは、命の価値を勝手に吊り上げるのさ。俺はそうはなりたくない。命の価値も分からない奴にはな…」
直毅の言葉に何も言えなくなった薫を他所に、彼は上着を脱ぐ。その姿を見た薫は悲鳴を上げた。
「…直視出来ないだろう?だから結構だと言ったんだ。」
直毅の左の脇腹に、細い鉄骨が突き刺さっていたのだ。
「自分の身体は自分で治す…治せる限りは…無理な部分は魔術の力を借りるさ…包帯と消毒液を頼めるか?」
薫はただ頷いて医療品が置かれている棚に走る。身体の傷を確かめながら、薄れる意識を左脇腹の鉄骨に触れ痛みで覚ます。鉄骨を両手で握りしめると、直毅は虚ろな瞳のままゆっくりと引き抜いていく。くぐもった声を上げ引き抜き終わり、赤黒い血に染まった鉄骨を投げ捨て大きく息を吐くと、薫が医療品を抱えて戻ってきた。
「これでいいかしら…?」
「…あぁ…そうだ。折角だ、ランボーの真似事といくか…」
目立つ外傷に消毒液をかけ、ガーゼを当て包帯を巻き付けていく。残る外傷が左脇腹だけになると、躊躇なく消毒液をかけ、直毅は再び虚ろな瞳になる。
「…会長さん…予備の魔法石はあるか…?」
「えぇ、此処にあるわ…」
薫が魔法石をしまったマントを差し出すと、直毅は2本魔法石を引き抜き、1本をナイフに、もう1本を7.62mm弾に変え弾頭をナイフで切り落とすと、銃弾を左脇腹の傷口に押し込んだ。
「何をする気なの⁉︎」
「…応急処置だよ…」
銃弾を引き抜き、ナイフと残った薬莢をマッチに変えた直毅は不敵に笑い、マッチに火を付け傷口に近づけ、体内に入った火薬に引火させた。
「ガァ"ッ…!」
まさに身を焼く痛みを味わった直毅は地面に横たわり荒い息を繰り返し、泣きながら狂気的な笑い声を上げた。
「…たまんねぇなこいつは…最高の気付けだ…」
肉の焼ける匂いと狂気的な直毅の様子に薫は震えていた。
彼は自分達とは違う人間なのだ。もしかすると人間ではないのかもしれない。そう思えるほど彼女は直毅に恐怖していた。
そこに頼もしさを感じることは出来ない。ただその狂気に恐怖し、敵で無くて良かったという感情しか起きない。それも当然だろう。
「…さて…お出迎えの準備をしなくちゃな…」
左脇腹に包帯を巻いた直毅は棚に手を付いて必死に立ち上がりマントを羽織る。
「会長さん。場所の案内を…会長さん?」
薫にその声は届いていない。彼女には直毅が理解出来ていない。命の脆さを見せつけられて尚それを認めようとしない感情に酷く混乱していた。
命とは尊く、守られたもの。今まで当たり前だと思ってきた思考を粉々に砕くほどの衝撃。
認めたくない。ただその一念が直毅の声を遮っている。人は自分の都合のいいように考えるものである。だがこれはどうしようもない。
「おい、会長さん。大丈夫か?」
「…来ないで…」
直毅が近寄ると、薫は反射的に彼を拒絶した。
「貴方は、一体何なの…?」
その拒絶は本能的な自己防衛であったと言っていい。理解したくないものを拒絶するのは当然の反応である。
だが、その拒絶を受けた彼は一瞬驚き、小さく溜息を吐いて棚に寄りかかった。
「俺が怖くなったなら…信用出来なくなったなら、まぁ…それでもいい。それが普通だろうからな。」
諦めたような声に薫は不意を突かれた。そんな言葉など想像すらしていなかったからだ。
「休憩がてら、俺の身の上話を聞いてくれ。聞き流す位でいい。」
直毅は悲しみと疲労に満ちた表情で、平静を装いながら話始める。
「信じらないだろうが、俺は1度死んだことがある。それに人を殺したこともある。それも最近だ。」
その言葉を嘘だと決めつけらない雰囲気が薫には感じられ、それに彼女はまた恐怖する。
「以前の俺は魔術を使えば死ぬ身体だった。けど俺は魔術を使って1度死んだんだ。何で生きてるのかと聞かれると答えようがないんだが、とにかく俺は1度死んだ。思い出すだけで震えてくる。死んだ時の感覚ってヤツは。"何も感じなくなっていくんだ"。暗闇の中に消えていくように…」
「………」
マントの下から左腕を出し見つめ、直毅は言葉を続ける。
「この左腕は、俺が殺した友人達の身体で作って貰ったんだ。考えの行き違いで殺し合うことになった…その友人達とは私怨なんて一切無かったよ。俺もアイツらも、側から見ればイカれて映るだろうな…」
左腕を撫で悔しさを噛み締めながら呟く直毅の姿に、先ほど薫が感じた恐怖は無かった。
「死んだり殺し合ったりしてれば、こんな戦い遊びみたいなもんだ。だけど一歩間違えば俺は死んじまうからな、無茶をしてるように見えるだろうが、俺の方は必死なのさ、生き残ることに。」
左腕をしまい、棚から離れた直毅は薫に背を向けて歩を進める。
「身の上話は終わりだ。こんなロクデナシとこれ以上付き合うのは御免だろう。白也を連れて離脱するといい。俺1人でなんとかしてみるさ。」
薫はその時理解した。直毅と自分との違いは、覚悟の差なのだと。
「待って、直毅。」
直毅を呼び止め、薫は彼の隣に立つ。
「3人で勝つのよ、勝利の美酒は3人で味わいましょう。」
「……そうかい。なら頼むぜ、薫。」
直毅は小さく微笑みながら溜息を吐いて答え、2人は共に歩き始めた。
如何でしょうか?
いい加減対抗戦に決着をつけないとなぁ…