あと、同じような設定(年齢変化&メヌエット追加)で新しく書き直しているため、これは日曜日には削除する予定なので、注意。
――武偵。
武偵とは凶悪化する犯罪に対抗して作られた国際資格であり、いわゆる便利屋である。
その名の通り武装を許可された探偵であり、逮捕権をも有し、報酬に応じ武偵法の許す範囲において、あらゆる仕事を請け負う。
そして、彼らを育成するための教育機関が東京湾岸部に存在する。
東京武偵高校――通称『学園島』。
◆
東京湾岸部に浮ぶ、通称『学園島』。
その島に存在する東京武偵高校。
今日から俺が通うことになる学校である。
「
俺は教壇の前に立ってクラスメイトに向って軽く会釈をする。
日本の外、海外で大きな事件に関わっていたため、本来なら入学式の日に入学する予定だったけど、関わっていた事件が思ったよりも早く解決したので、入学前の顔見せも兼ねて同じ学園島に存在してる中学校へと、3年生の3学期もあと少しという、ものすごーくハンパな時期に編入したのだ。
そんなハンパな時期に編入したからだろう、クラスメイトたちから送られる視線が痛い。まるで実力を推し量るような、観察するような目つきでこっち見てくる。
――と。自己紹介の続きをしなければいけない。
名前を言ったあとは、武偵としての自分のランクを言わなければいけない。
強襲科、装備科、尋問科、車両科といった全部で10以上ある科目で、それぞれS~Eまであるランクのどの位置にいるかで、クエスト(校外実習という名を借りた仕事)でのパーティを決めたりといった判断基準になるので、専攻科目とランクの開示は武偵高校においては必須なのである。
――どんなに隠しておきたくても……。
「専攻は強襲科でランクはSです。改めて、よろしくお願いします」
と、正直に言うしかないのだ。
クラスメイトたちがどんなに驚いていようとも。
また友達できそうにないなぁ、と思っていても。
――そして、昔の知り合いが驚愕の表情でこちらを見ていたとしても。
◆
「久しぶりだな」
ワイルドな口調のハスキーボイスで俺にそう言ったのは、火野 ライカ。
ちょっとだけクセのある金髪に意志の強そうな瞳。男勝りで活発そうな雰囲気をした女の子で、昔よりもだいぶ身長も伸びて、女らしいスタイルに成長していた。
「久しぶり、ライカちゃん。海外を飛び回ってばっかりだったから、6年ぶりぐらいになるのかな?」
「もうそれぐらいになるのか。――って、それより。あんなに泣き虫だったおまえが強襲科のSランクになってるなんてな。ほんと驚いたぜ」
ニシシと笑いながらつぶやくライカちゃん。……あまり昔の俺を思い出さないでください。
「あははは……。俺も努力したからね」
「ふーん……努力ねぇ」
「まあね」
ライカの観察するような視線が俺の体に注がれる。ちなみに、こうして俺たちが2人で話している場所は校舎の屋上。時間はすでに放課後だ。
自己紹介の時点から彼女は俺を思い出していたようだが、どうやら2人きりで話すために、クラスメイトから質問が行なわれるなか彼女はあえて近づかず、観察するような視線をずっと俺に向けていたんだ。
そして、授業も終わって放課後になったとき、出入り口であるドアに向うため、俺の席をライカちゃんがすれ違いざまに『屋上』と小さくつぶやいたのだ。
はぁ……。それにしてもヤンキー漫画のお約束みたいにわざわざ屋上に呼び出さなくてもいいだろうに。
というか、いまの体勢も屋上へと続くドアがある壁を背にさせてからの張り付けだし。ご丁寧に片手も壁においちゃって。最近流行ってる壁ドンですね、ハイ。しかも女の子にされる逆パターン。
「おまえ、本当にSランクなのか?」
「本当さ」
生徒手帳を見せても疑いの視線を向け続けるライカちゃん。
まあ、信じられないのもわかるよ。昔はものすごく弱かったし。すっごい泣き虫だったから。
……と、まあ、自分のことは置いておくとして。昔といえば、ライカちゃんも成長したっていうか、綺麗になったなぁ。あのぺったんこもこんなに成長してるし……。
「――っ。どっ、どこ見てやがる!」
俺の視線に気づいたのか、バッと胸を隠すライカちゃん。下着の色は黒か。しかもレース。真っ赤になって恥らっている姿は女の子だった。昔のような裸で走り回ったり、広大なお庭で立ションしていたとは思えない。
「ライカちゃんも成長してるんだな」
少しだけ、寂しかった。
「どこ見て言ってるセリフだ、おい」
「え? 体だけど?」
何言ってるんだ?
「…………」
あれ? ライカちゃん怒ってる?
「えっと……?」
「ああ……。そいうやおまえは昔からそういう奴だったな」
「ライカちゃん?」
昔の、俺を虐めて遊んでいたころの顔に戻ってる!?
「レオン」
急に笑顔になってるライカちゃん。
「な、何かな?」
嫌な予感がする……。ものすごーく嫌な予感がする。
後ろに下がろうとして、壁の存在に気づく。
逃げ場が……。
ピトッと俺の頬にライカちゃんの手が添えられる。そして、そのまま撫ぜるように顎へと持っていき、制服のネクタイに指をかけた。
「ラ、ライカちゃん?」
体を押しつけられる。ライカちゃんの胸が、俺の胸でかたちを歪める。すごい、弾力っ! これが女の子の胸なのか!
「……どうだ?」
「えっ?」
「触りたかったんだろう?」
思わず鼻の下が伸びてないか確認する。伸びてないよな?
「くくっ」
意地悪な顔をして見つめてくるライカちゃん。クスクスと微笑む姿はまさに悪役の女幹部だった。ニヤニヤしながらつぶやく。
「おまえ、さっきからずっとあたしの胸や尻ばかり見てただろ」
「そ、それは……」
お、俺も男だし……。これまで修行と仕事ばっかりで、プライベートでの女の子との触れ合いは……あったけど、全然色気なんてなく、殺伐とした日々を過ごしてたから、こういうのは久しぶりっていうか……。
小さくなる俺に、ライカちゃんは妖艶な表情を浮かべて顔を近づけ、つぶやく。
「いいんだぜ」
「は?」
思わずライカちゃんの顔を見ると、ライカちゃんはふっと笑って背中を向けた。
無防備な背中。銃やナイフにも手はかかってない。完全に無警戒。やれるものならやってみろ。むしろやれと言わんばかり。
…………。
いいか? 触って? マジでOK?
嫌な予感じゃなくて、いい予感だったのか?
無防備な背中だ。
このまま後ろから、鷲づかみ?
やる? いや……。うん。やるしか、ないよな?
許可されてるんだし。据え膳だったか、日本にはそういう風習があるそうだし。
よし! ここはいくしかないよな!
「なんて、じょう……、――っ!?」
ライカちゃんの胸を掴む!
「おおっ」
思わず声が漏れる。弾力、柔らかさともに極上だ。防弾制服の上からでも充分味わえる。まさにおっぱい最高っ!
「お、おいっ! レオンっ」
両手で揉む。
「くぅっ! こ、コラっ!」
ムニムニムニムニ、柔らかい、柔らかい、モチモチだ。
「あー、幸せ感触」
防弾制服からかすかに下着の感触が伝わってくる。昔はいつも下着なしのノースリーブ姿で走り回ってたのに、ブラジャー付けるようになったんだな。
「こっ、のっ!」
――むっ? 危険察知?
殺気を感じると勝手に動くようになった体が、危険を回避する。
「なっ!?」
ライカちゃんの口から驚愕の声が漏れた。突然膝が折れて、床に座るようにしゃがんだので、俺の顔が消えたように映ったんだろう。
――って、
「くっ……!」
ライカちゃんがバランス崩して倒れてきた。俺が避けるとは考えずにフルスイングで俺の顔を横殴りしようとしていたのが災いしたようだ。
このままじゃ背中から壁に激突してしまうだろう。
俺はもう一度立ち上がってライカちゃんを受け止める。
「大丈夫か?」
「あ、ああ……」
丁度肩に触れて後ろから抱くような格好。ライカちゃんは突然のことに呆けているようだ。
まあ、それは置いておいて……。
「じゃあ続きだな!」
「なっ!?」
わきの下から両手を差し込み、ゆっくりと胸を掴む。おおっ、後ろからもいいねぇ!
揉む、揉む、揉む、揉む……。
上から下へ、下から上へ……。
脇から中央にもってくるように円を描きながら……。
やさしく、つよく、はげしく、ゆっくりと……。
味わう、味わう、味わう。
「くっ、ううう……、あっ、うぐっ……」
ライカの口からハスキーボイスの喘ぎ声が……。ものすごくかわいらしくてもっと聞きたくなる声だ。
「や、やめろって……」
ん? ライカちゃんの膝が生まれたての小鹿みたいになってる? 座ったほうがよさそうだな。
壁に背中をつけたままゆっくりと腰を下ろす。ライカちゃんの体も一緒に降りてきて、胡座をかいた俺の内側に体育座りで座った。
密着度が上がってライカちゃんの体を強く感じる。
今度は別のところも触ってみようと、両腕を腰に回してみる。
簡単に抱きしめられた。それにしても細い腰だなぁ。
「レオン……ッ!」
「ん?」
ライカちゃんが顔をこっちに向けてくる。
ほんのり赤くなった顔。キラキラしてるエメラルドグリーンの瞳。呼吸は少し荒く、肌の表面からは汗が滲んでいる。
金色の髪が揺れて、鼻先をくすぐった。
「いい匂いだ」
「――っ!」
思わず鼻を首筋に埋めてしまう。昔とは違う、女性用シャンプーや香水の匂いだ。そんなところにも少し寂しさを感じてしまう。
「れ、レオンッ! これ以上は冗談が過ぎるぞ!」
顔を真っ赤にして怒るライカちゃん。あれ? 恥ずかしがってる?
「けど、ライカちゃんが『いい』って」
「そっ、それは……」
急に口ごもる。
(ううっ、そういやこいつって昔から頭いいクセして天然だったなぁっ! クソっ、冗談だったのに!)
「ライカちゃん?」
「も、もう満足しただろ。は、離せよ」
「えー……」
腰を抱きしめながら拒絶してみる。
「俺は全然満足してないんだが」
「てめぇな……」
握りこぶしをつくるライカちゃん。あー、この感じ、本当に久しぶりだなぁ。
「ライカちゃん」
「――っ!」
少しだけ強く抱きしめてみる。
「な、ななな……、お、おおおおまえ!?」
「本当に久しぶり」
「――っ。…………。……ああ、そうだな」
ライカちゃんはため息を吐いて、諦めたように体から力を抜く。でも、さっきの百面相はなんだったんだ?
今もそっぽむいちゃってるし。
「ほんとに……」
「ん? なに?」
小声で何かつぶやいたみたいだったけど、意識してなかったからあんまり聞き取れなかった。
「……S、ランクなんだよな?」
ん、今度は聞えた。
「まあね。ライカちゃんと別れてからすごく頑張ったから」
「別れてって……。付き合ってたみたいに言うなよ……」
「?」
「なんでもねぇよ! うう……」
真っ赤になってうつむいてしまった。ライカちゃん、情緒不安定? いったいどうしたんだ?
んー、まあ、いいか。
俺は少しずつ話し始める。
「色々と、訓練したんだよ。ギアナ高地に篭ったり、雪山に篭ったり、アマゾンに篭ったりって」
「……篭ってばっかだな」
「あははは……まあね。本当に何度も死にかけたなぁー」
思い出すように空を見上げる。アハハハ……。ウン、ホントニシニカケタ。ゴールドオオカミ、シロクマ、グリズリー。サメにライオン、大鷲にワニ、アフリカゾウにカバ、バッファローの大群と、様々な猛獣とも命がけで戦いまくった。
「――だから、かなり強くなったんだ。今じゃSランクだし、2つ名も付けられた」
「……おまえが2つ名ねぇ」
信じられないとつぶやくライカちゃん。実際、俺自身も信じられない。2つ名を付けられる武偵の数は少なく、実力を世界に認められてる証拠のようなものだから。
「『キング・オブ・ハート』。それが俺の2つ名なんだ」
「キング・オブ・ハート? ……シャッフル同盟か?」
「……やっぱり気づいたか」
「なんでそれがおまえの2つ名になってんだよ?」
「…………。……あー、それがさ。色々と体鍛えた結果というか……。俺自身昔から主人公に憧れてたから少し前まで……」
中二病。
この一言以上は話したくない。
「……プッ」
「――っ。わ、笑わうなよ! 俺だって今はもう卒業してんだから!」
「アハハハ! 俺のこの手が光って唸るッ! おまえを倒せと轟き叫ぶ! ……だっけ?」
「うわああああ~! やめろやめろやめろやめろ……!」
思い出す思い出す思い出しちゃうっ!
犯罪者を前に、セリフを言いながら格好つけたために取り逃がしかけたこと。
まだ未熟だったとき、犯人相手にシャイニングフィンガーして、蹴り倒されたこと。
バァアアルカンッ! とか言いながら銃をオートで乱射したこと。
主人公と同じ格好をしてたら、コスプレ大会に出場させらたこと。しかも結果は惨敗。
刀を手に入れたはいいけど、使い方がわからず飾りになって、それを同じSランク武偵に『舐めてんのか、オイ』って怒られたこと。
Sランクになってから、日本のお偉いさんがガンダム知ってて、俺の戦い方をおもしろがって2つ名を『キング・オブ・ハート』にしたこと。
それに喜んで『キング・オブ・ハートの名にかけてぇええっ!』って決め台詞を何度も練習したり、叫んだりしたこと。
ロンドンの武偵局に所属してる友人から「これが元ネタなのか。へえ」って何ともいえない眼で見られたこと。
イギリス在住の毒舌推理幼女からお礼として原作アニメにあるファイタースーツ(全身タイツ)を貰い、それを喜んで着てその子に見せてあげたあら爆笑されて写真撮られまくったこと。
世界に10人ほどしかいないR《ロイヤル》ランクと、2つ名のキングが災いして、『調子に乗ってるの、おまえ』みたいな感じで勘違いされたり……。
中ニから目覚めて大人しくなると、マイルドキング・オブ・ハートなんて呼ばれ始めたり……。
「お、俺はもう卒業したんだ。卒業した卒業した卒業したんだから、関係ない。関係ないんだ」
「……おい、大丈夫か?」
「…………」
…………。
「……ああ、大丈夫だ」
「そ、そうか?」
「まったく問題ない」
…………。……あー、それにしてもライカちゃんって抱き心地いいなー。
「うひゃっ!」
「ん?」
「く、首筋に息が当たってんだよっ! ていうか、いい加減離せっ!」
真っ赤になって立ち上がろうとするライカちゃん。あ、そういや腰に手をまわしたまんまだった。
「ごめんごめん」
「ちっ」
謝ってから手を離すと、ライカちゃん立ち上がって舌打ちをした。乱れた髪を手櫛で直して、胸の前で腕を組む。俺も立つか。
周りは日も暮れ始めてすっかり夕方だった。
ライカちゃんは夕陽を見つめながらため息を吐く。
「あー、クソ。もう日が暮れちまいそうじゃねえかよ」
「本当だなー」
「人事みたいに……。おまえのせいで、こんな時間になってんだぞ、オイ」
「わかってるから、指で額を突くなよ」
いやー、でも、それにしても思いのほか時間が経ってるな。もう6時じゃないか。
「じゃあ、帰ろうか、ライカちゃん」
手を差し出す。
「……そうだな」
諦めたように小さくため息を吐いて、ライカちゃんも俺の手をとった。
「じゃあ、帰ろう」
「ああ」
しっかり手を繋いで、昔みたいに帰り始める。
「――っ!」
「ん? どうした?」
「い、いやっ! な、なんでもねぇよ!」
そういうけど、チラチラ繋いでる手を見てる。顔も赤いし。帰るときに手を繋ぐのは恥ずかしいのか?
んー……、どうなんだろう?
繋ぎ方を変えてみる? 手を組むみたいに。
「――っ!?(こ、恋人つなぎ!?)」
あれ? うつむいちゃった?
――って、こうしてる場合じゃないか。
このあとライカちゃんを家まで送って、それから男子寮に行くわけだから……。同居人さんのアドレス、先生からもらっておけばよかったなぁ。
◆
ライカちゃんを無事に送り届けたあと、俺は今日から入寮する予定となっている男子寮へとやって来ていた。
ちなみに俺の荷物は旅行用のバックひとつだけ。危険地帯に篭ってばっかりの生活してたから、必要以上の道具は持ち込まないクセができてしまっていた。
まあ、着替えとかケータイとか、すぐに処分できる雑誌とかそういうのだけ所持してる。あと、人並み以下の腕前しかなくて基本使用しないが、校則なので拳銃を一丁と、中ニの名残である日本刀を1本所持してる。
あー、それにしても遅れちゃったなぁ。もう8時回ってる。
申し訳ない気持ちになりながらも、インターホンを押す。
ピンポーンという音がドアの向こう側から聞えて、『はーい』と声が返ってきた。
覗き窓に目のようなものが映ったあと、ガチャっとドアが開く。
「えっと……どちら様だ?」
黒髪のやや背の高い細身のイケメンさんだった。確か同居人さんは今、高校1年生の先輩だったよな?
「始めまして。今日からこの部屋に入寮する予定の麻倉 レオンです」
「入寮?」
頭を下げるけど、先輩は疑問符を浮べてる。
「あれ? 聞いていませんか?」
「……ああ」
「おかしいなぁ……」
ポケットから用紙を取り出す。部屋の番号が間違っていないか確認。うん、間違ってない。
同居者の名前は?
「遠山……金次さん、ですよね?」
「ああ。書類を見せてくれるか?」
「はい」
書類に目を通し始める先輩。偽装じゃないか疑ってるみたいだけど、本物ですよー。
しばらく書類に目を通したあと、『とりあえず入ってくれ』と部屋のなかに招かれた。
それからリビングに通され、お茶を出されて、遠山さんは部屋の外でケータイを使って電話中。
「はい……そうですか……。はい、わかりました。……そういうことはもう少し早く知らせておいてくださいよ、はい。……失礼します」
ケータイをパタンと閉じる。どうやら教師に確認がとれたみたいだ。
「すまなかったな。いま、確認したよ」
「いえ、こちらこそすみません。来るのが遅くなってしまって」
この人性格もイケメンだったり? 性格悪かったら謝罪とかしないよな?
「別にいいさ。それよりも何でおかしな時期に入寮する事になったんだ?」
「あー、やっぱり3年の3学期もあと少しのところで編入はおかしいですよね。――実を言うとですね、ちょっと海外のほうで事件があって、それが予定よりも早く解決してしまって。高校の入学式にあわせて入学するはずが、時期がずれてしまったんです」
「海外で事件?」
「はい。詳細は言えないんですけどね。あと、母親が日本人だったこともあって日本語はこの通り問題なく話せるんですが、海外生活が長くて……。実はあんまり日本の常識とか知らないんです」
「そうなのか。あまりにも流暢に日本語で話すから、てっきり日本生まれかと思ってたよ。まあ、わからないことがあったら何でも気兼ねなく聞いてくれ。初めての同居人でもあるんだしな」
「はい、ありがとうございます」
それから、当番製で家事の担当を決めたり、アドレスを交換して、眠りました。
ちなみに寝室に置いてある2段ベッドの片側、金次さんとは反対側のベッドで寝ることになりました。正直、2段ベッドって初めてだから2段目を希望したかったんですけど、昇ったり降りたりするとき音がうるさそうだから我慢します。
面倒見のいい、意外と気さくないい先輩が同居人になって、うれしいです。
あ、でもランクの話をし忘れたなぁ。そういえば、先輩も確か強襲科のSランクでしたよね? できれば競ってみたいと思いました
マル。
あれ、日記?