※この作品はR-18です。

緋弾のアリア K・O・H   作:上平 英

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第13話

 海外での応援は数日だったはずが、帰ってくるはずだったアリア先輩の代わりとしても、ロンドン武偵局で働かされることになってしまい、俺はヨーロッパ中を飛びまわりながら、銃声と爆発音、怒号と喧騒といった血なまぐさくも日々忙しく過ごして、早半月近く。

 

 やっと、解放されて日本の東京。東京武偵高校に帰ってきたわけだが……。

 

「おお、軍用ヘリが屋上に停まってるな、と思ったら麻倉じゃねえか」

 

「……欄豹先生。お久しぶりです」

 

「おう。それにしても行ってるのは数日の予定じゃなかったのか? もうアドシアードの大会前日だぞ」

 

「あははは……。どこかの先輩が途中で駆け落ちしてしまいましてね。その人の代わりにヨーロッパ中を回されたりしてたんですよ」

 

「そりゃあ、災難だったな。それで、アドシアードはどうすんだ?」

 

「今さらですし、元々出場する気はなかったので、別にいいですよ」

 

 アドシアードというのは、年に一度行なわれる武偵高の国際競技大会で、スポーツなどで言えば、インターハイやオリンピックのようなもので、その大会に優勝したり、いい成績を残せば、進学就職がすごく優位になったりするのだ。

 

 俺の場合は、すでにSランクで2つ名持ち、プロの武偵と仕事しているので、今さら競技に出たところで、意味がなかったりする。

 

「そうかぁ」

 

 少しだけ歯切れが悪い。

 

「どうかしたんですか、蘭豹先生」

 

「いや、な。手が空いてるんだったら、大会の当日に地下倉庫の警備を任せたくて……」

 

「……あの、俺。今帰ってきたところなんですけど?」

 

「そうだよなぁ。だけど、当日の警備がちょっと頼りないんだよなぁ。あそこって、地下倉庫っても実際は火薬庫だろ。だから心配でさぁ」

 

「警備が不安だったら、人数を増やせばいいじゃないですか。――俺、海外に行ってから今の今までずっと休んでないんですよ……?」

 

「――チッ。仕方ねぇな」

 

 一気に態度が悪くなる蘭豹先生。あんたさっきあからさまに舌打ちしなかったか?

 

 その蘭豹先生らしい態度に毒気……どちらかといえば気力を抜かれてしまう。

 

「はぁ……。わかりましたよ。とりあえず明日は体を休ませて、昼から登校するつもりでしたが、何も予定がなければ、地下倉庫の警備に行きますよ」

 

「本当か!?」

 

「あくまで予定がなければですからね? あと、どちらにしろ昼以降ですから」

 

「ああ、わかってるよ。元々の警備担当もいるし、こっちとしても保険だからな」

 

「そ、そうですか……。じゃあ、俺はこのまま帰って休ませてもらいますね?」

 

「おう!」

 

 玄関にそのまま向って、タクシーで寮へ帰宅した。

 

 帰宅、したのだけど……。

 

 ……これ、何?

 

 小まめに掃除をして、あまりモノもおかず、開放的で清潔感のあった寮のリビングが、ボロボロになっていた。

 

 床や壁、天井にまで弾痕が無数に存在し、同じように刀傷のようなものまで付いていて、窓ガラスも割れたのか新品に交換したあとが……。

 

「誰かが戦った? ……しかし、誰が?」 

 

 銃と刀傷……。

 

 弾痕から察するに、銃を使ったのはアリア先輩。

 

 刀傷はアリア先輩がもっていた刀より、少し長めの傷が多いから、他の誰か。

 

 遠山先輩はナイフは使うらしいが刀を使わないらしいし、付けられた無数の切り口から察するに、相当刀の慣れている人の犯行のようだから、最初から除外。

 

 ひとりがアリア先輩だとすると、アリア先輩は誰と戦ったんだ?

 

 詳しく調べるために、リビングだけじゃなく、他の部屋にも入ってみる。

 

「タンス? あんなの置いてなかったぞ」

 

 いくつかある部屋のひとつで、海外に行く前まではなかったはずの和風タンスを見つけた。

 

 俺のものでもないので、おそらくもうひとりの同居人である遠山先輩の持ち物だろうが、一応調べてみる。

 

 持ち主だろう遠山先輩に悪いと思いつつも、ゆっくりと中を確認してみると……。

 

「勝負? ふつう?」

 

 小さい紙に書かれた文字。その文字が書かれた紙で、2つにきちんと並べられた、布でできた黒い塊と白い塊を発見した。

 

「なんだ、これ?」

 

 黒い塊を手に取ってみると……。

 

 ――ペラッ。

 

 両サイドをヒモで結ばれた、黒いパンツだった。

 

 しかも、黒いパンツはTバックに近い形状で、向こう側が透けて見えている。大人がはくタイプのエッチなランジェリー……ショーツと呼べるものだった。

 

 慌てて元の場所へ放り込む。

 

「な、なんで、こんなものが……!?」

 

 ま、まさかアリア先輩!? いや、あの人なら絶対穿かない! 

 

 なら、誰が? 遠山先輩の隠れた趣味とかだったら、最悪だけど……。

 

 この場合、新キャラの可能性が高い。

 

 新キャラ? ……いや、待てよ?

 

 黒の下着をつけた人が、この寮に着たことがなかったか?

 

 さっき見たようなショーツと同じ感じのブラジャーを付けた……。

 

 ――巫女さん。

 

 そうだ。

 

 巫女服でこの部屋に着てた星伽白雪さんだ。

 

 ……この和風タンスが彼女のものだとすると、星伽先輩はここに住んでる可能性があるってことなのか?

 

 男子寮に女の子が住むなんて普通ありえないけど、遠山先輩はアリア先輩を連れ込んだ(正確には付きまとわれた)前科がある。

 

「俺がいない間に、星伽先輩と同棲を始めたのか?」

 

 ……同棲していた場合は……あのリビングの傷は……?

 

 嫌な汗が噴き出る。

 

「まさか……修羅場が起こったのか?」

 

 どちらかが死んだ可能性は? ありえない。そんな情報はない。

 

 血の痕もなかったみたいだし、修羅場の行方はどうなったんだ?

 

 アリア先輩VS星伽先輩で、リビングの惨状を作り出したんだよな?

 

「…………」

 

 ――よし、俺は全部見なかった事にしておいて、今日はどこかのホテルに泊まろう。

 

 一応、荷物だけ置かせてもらって、仕事があるからその仕事現場の近くのホテルに泊まると書いたメモを、リビングのテーブルに乗せて出て行く。

 

 ……流血沙汰とかすごい修羅場に巻き込まれるのは、嫌なので。遠山先輩、頑張ってください。

 

 後日、アリア先輩と星伽先輩2人の生存と、遠山先輩の状態を確認してから帰りますから。

 

「くれぐれも死んだりしないでください」

 

 遠山先輩たちの無事を祈って、俺はホテルへと向った。

 

 

 

◆

 

 

 

 アドシアードの大会当日。

 

 寮は危険地帯と化してしまったので、俺はホテルの部屋で起床した。

 

 時差ぼけや疲れなんかもあったのか、起きた時間は11時30分。

 

 すぐにシャワーを浴びて、ホテルをチェックアウトして、武偵高へ向おうとしていたら、電話がかかってきた。

 

「もしもし」

 

『レオン? おまえ日本に帰ってきたんだろう? 今どこにいんだ』

 

 電話の相手はライカちゃんだった。珍しいな、電話してくるなんて。

 

「今は昨日泊まったホテル近くのバス停だよ。これから武偵高に向うところ」

 

『そうなのか? あ、そういえば、アドシアードはどうするつもりなんだ?』

 

「アドシアードは選手としては出場しないけど、昨日帰ってきてすぐに蘭豹先生と会ってね。地下倉庫の警備なんて任されちゃったんだよねぇ、これが」

 

『……地下倉庫の警備?』

 

「まあ、一応は予定は午後からで、俺に何も予定がなかったらっていう約束なんだけど。特に予定がないからさ。欄豹先生に今から了承のメールを送ろうとしていたんだよ」

 

『…………』

 

 ……ん? 声が返ってこない?

 

「ライカちゃん?」

 

『…………』

 

「おーい、大丈夫?」

 

『…………』

 

「……何か、あった?」

 

『――ああ、スマンスマン。ちょっと麒麟のヤツが邪魔してきてな……』 

 

 返ってきたライカちゃんの声の向こう側に、確かに『お姉さまーっ!』と叫ぶ麒麟さんの声が聞えてきた。

 

「あははは、相変わらずだね。じゃあ、俺は学校に……」

 

『ちょっ、ちょっと待ってくれ!』

 

「? どうしたの?」

 

『えっと……、レオンに着て欲しいところがあるんだ』

 

「着て欲しいところ?」

 

『あ、ああ……。女子寮の1011号室なんだけどよ……』

 

「女子寮の1011号室? ライカちゃんの部屋でもないみたいだけど……」

 

『そ、そんなこと別にいいだろッ! とにかく、蘭豹先生には「いけない」って連絡して女子寮に来い! わかったな!? 今から30分後ぐらいに来いよ!』

 

 ――プッッ。

 

 電話が一方的に切られた。

 

「……まあ、仕方ないか」

 

 ため息を吐いて、蘭豹先生に急用ができましたとメールを打ちつつ、女子寮へと向って歩き始めた。

 

 

 

◆

 

 

 

 向かうこと30分と数分。俺はライカちゃんに言われた通り、女子寮の1011号室の前にやって来ていた。

 

 インターホンを押して、ドアを少し開ける。

 

「言われたとおり着たよー。ライカちゃーん」

 

 部屋の奥に声をかけると、足音と共に近づいてくる気配が……。

 

「遅かったじゃねえか。ほら、早く来いよ」

 

 武装制服姿のライカちゃんがやって来たと思ったら、いきなり俺の腕を取ってきて、部屋の奥へ連れて行こうとした。

 

「ちょっ、ライカちゃん?」

 

 慌てて靴を脱いで、引っ張られるように部屋の奥へと連れて行かれる。

 

 玄関から続く廊下の先、開けられたドアの内側まで連れて行かれると……。

 

「コスプレ衣装?」

 

 連れて来られた部屋の床には、メイド服や巫女服といった衣装が散乱していて、中央に置いてあるベッドの隣にも、衣装ラックにかけられたコスプレ衣装が並べられていた。

 

 思わずライカちゃんを見ると、ライカちゃんは恥ずかしそうに頬を赤らめていて、

 

「――それで、どれがいいんだよ?」

 

「ど、どれがいいって……」

 

「あ、あたしに着て欲しい服だよ。き、麒麟に頼んで服を用意してもらったんだ」

 

「……え?」

 

「もう、鈍いヤツだなぁッ!」

 

「――っ」

 

 ライカちゃんに押し倒される。後ろにはベッドがあって、俺はそのまま仰向けにされた。

 

 ベッドの上にライカちゃんが上がってくる。

 

 逃げられないように、俺の体に跨って、胸を顔に押し付けるように抱きついてきた。

 

 顔が大きな胸の谷間に挟まれる。

 

 腹を挟むように跨っているからか、太ももの感触が伝わる。

 

 女の子の匂いが、鼻いっぱいに広がって……。

 

 前にやってしまった、デートとの朝のことを思い出して……。

 

「――レオン……。これから、いいことするか?」

 

 頭の上からかけられた切なげな声に、あるスイッチがはいった。

 

 両手を太ももからお尻に回す。

 

「――っ」

 

 顔を抱きしめる力が強くなるけど、そのまま触れる。

 

「こら、レオン……」

 

「…………」

 

 小さめのお尻。温かくて、スベスベでハリがある。今日はいつも着けているレースのTバックじゃないみたいだ。

 

 お尻から腰へと手を移動させて、体重移動。

 

「――っ」

 

 ベッドに押し倒す。

 

 布団の上に仰向けにされ返したことに驚いてか、両腕が頭から外された。

 

 そのまま俺は起き上がり、キスをする。

 

「――っ!?」

 

 驚きの表情を浮かべるけど、ここまでお膳立てしてくれたんだ。俺は止まらない。

 

 わきの下から背中へと手を入れて、唇を押しつける。

 

「――れおッ……んんっ!?」

 

 口が開いたところで舌を差込み、口内を嘗め回す。

 

 唾液を流し込んで、口を塞ぐ。

 

 背中に回していた両腕の片方を使って自分の武装を外し、今度は彼女の服の下へと移動させて、邪魔で危険な銃やナイフをベッドの外へまとめて放る。

 

 そして、お互い武装がなくなったところで、手を服の下へと侵入させて、胸を触った。

 

「――っ」

 

 彼女の瞳が大きく開く。

 

 今回の俺も攻めに徹しているので、そのままブラジャーを外して胸を揉んだ。

 

 柔らかく、スベスベで、温かくて心臓の鼓動が聞えてくる。最高感触。

 

「~~~っ!」

 

 胸の感触を確かめるように触れながら、固くなり始めた乳首を指の腹で触り、捏ねる。

 

「――っ! ――んぐぐ」

 

 ビクっと体を震わせて反応する彼女。

 

 その姿がかわいらしくて、もっと弄りたくなる。

 

 胸を捏ねつつ、もう片腕をスカートの中へ。

 

「――っ!」

 

 ゆっくりとショーツに指先で触れて、ショーツ越しに触る。

 

 肉厚でプニプニしてる、すごくおいしそうなお肉を。

 

 口、胸、オマンコと、愛情を込めつつ3箇所同時攻めをしていると、数分もしないうちに彼女が絶頂に達してしまったようだ。

 

 ビクッビクッと体を痙攣させている。

 

 俺はそこではじめて唇を離す。

 

 トロトロに蕩けている彼女の表情が、ものすごくよかった。

 

「あう……」

 

 声を漏らした彼女に、俺はもう一度覆いかぶさり、かわいらしい耳を舐めた。

 

「――っ、やああ……」

 

 かわいらしい耳の穴を舌先で穿り、熱っぽく、愛情を込めて彼女の名前を呼ぶ。

 

「――理子、さん……」

 

「――っ!?」

 

 ……? 俺、さっきなんて呼んだ? 理子さん?

 

 ……ああ、そういえば俺がしてる人は理子さんだった。

 

 最初から理子さんだった。

 

「おま……、気づい……、あうっ!」

 

「理子さん、久しぶりの理子さんだぁ」

 

「こ、コラ……、どこを舐めて……、ひゃんッ!?」

 

 細い首筋を舐める。

 

 理子さんの味。理子さんの匂い。理子さんの感触。理子さんの体温。

 

 知っていた、気づいていた。

 

 最初から、そうだ。

 

 だけど、今は、いい。

 

 起き上がり、太ももを両手で持って、理子さんの股に顔を埋める。

 

 スカートの中に顔を埋めて、ショーツ越しにオマンコを舐める。

 

「――っ! こ、コラ……、おまえ、またっ! ひゃああっ! そ、そんなとこ舐めるなぁぁっ……」

 

「理子さんの匂い、味……。もっと……」

 

 ショーツをずらして、中身を舐める。

 

「――きゃっ、レオレオッ」

 

「理子さん……」

 

 太ももから腰の下辺りに手を回して、しゃぶりつく。

 

「はぁはぁ……、だ、ダメだって……。あんっ、そ、それ以上舐められると……、あ、あたし……」

 

 上から理子さんの気持ち良さそうな声が聞えてくる。

 

 俺は理子さんの小さな穴を舌先で穿る。

 

「きゃっうッ」

 

 ビクッと震える理子さんの体。俺はツンツンと舌先で刺激しつつ、細部までやさしく舐めあげた。

 

「はぁはぁ……、んくっ……、はぁはぁ……」

 

 やさしく、舐め回して、舐めまして……クリトリスに唾液をつける。

 

「はぁはぁっ、や、だ、ダメッ……」

 

 絶頂が近いみたいだ。切なげで、切羽詰った理子さんの声が聞えてきた。

 

「理子さん……好きです……」

 

「~~~~っ!」

 

 理子さんの体が大きく震えたかと思ったら、すぐに力が抜けてしまい……。

 

 ジロロロロロ…………。

 

 オマンコから金色のおしっこが俺の口や顔に向ってかけられた……。

 

「はぁ……、はぁ……、うう……、漏らしちゃったぁぁ……」

 

 ……少しだけ、しょっぱかった。

 

 

 

◆

 

 

 

 ここは女子寮の一室。

 

 女子寮にいる俺は、ベッドの前で懐かしい正座をしている。

 

 正座をしている俺の前、ベッドに腰掛けているのはバスローブ姿の理子さん。

 

 あそこを舐めた直後、おしっこを漏らされ、そのまま起き上がって初セックスに移行する流れだったのだけど、何とかギリギリで踏みとどまれました。

 

 いや、本当にギリギリだったよ……。

 

 理子さんと俺のはすでに触れ合ってたし、直前で思い直さなければ、そのまま突き破ってました。

 

 ちなみに、現在俺は腰にタオル1枚状態で正座させられています。

 

 バスローブ姿の理子さんが足を組みなおし、俺の顔に足の指でさしながら言う。

 

「それで、謝罪は終わり?」

 

 すでに何回も謝っているけど……。

 

「あの、理子さん? 俺も悪かったと思うんですけど、ライカちゃんの姿に変装して誘惑してきた理子さんも、充分悪いと思うんですけど……?」

 

「うっ……。それは……そうだけど……。でも、レオレオは理子が理子だってことわかってたじゃん!」

 

「正確には理子さんだって、最初からどこかで気づいていたと思いますけど……。ベッドに押し倒し返して、耳元で名前を呼んだときに、自然に理子さんの名前が出て、そこで確信しました」

 

「じゃあ、確信した時点でやめようよ!」

 

「そ、それは……無理だったというか、男の野獣が抑えられなかったというか……。すみません」

 

「もうッ! 最悪だよ、男の子の前でおしっこ、漏らしちゃったんだよッ!」

 

「俺も生まれてはじめて飲まされました」

 

 独特の風味だった……。

 

「~~~っ!」

 

 顔を真っ赤してる理子さんに顔を踏まれる。ああ、ぐりぐりしないでください。

 

「そういえば、理子さんは何でここに? そして、何で俺を呼び出したんです?」

 

「……アリアとキーくんのせいでイ・ウーを退学になっちゃったんだよ。せっかくダブルスクールしてたのに」

 

 そういえばイ・ウーは全員が教師役になって異能や能力の手ほどきをする学校みたいなもの、だって聞いていたな。

 

「イ・ウーを退学……。武偵高の制服を着てますけど、もしかして、司法取引したんですか?」

 

「うん、まだ申請中だけど。よく気づいたね、レオレオ」

 

「そうじゃなければ、堂々と現れるはずがありませんから」

 

 と、足をどける。

 

 理子さんはその足を戻して組みなおし、つぶやく。

 

「ねえ、レオレオ」

 

「はい、なんですか?」

 

「理子、レオレオにお願いがあるの」

 

「お願い? 犯罪の協力は無理ですよ」

 

「わかってるよぉー。理子のお願いはね、理子がすることを邪魔しないで、見逃してほしいの」

 

「見逃す? 何かまたやるつもりなんですか?」

 

「それはね……」

 

 理子さんはイ・ウーという組織から退学させられたときに、理子さんの大事にしていた母親の形見を取られたそうだ。

 

 それを盗りかえすために、アリア先輩と遠山先輩をけしかけ、ドロボーをさせるつもりなんだとか……。

 

「だったら、俺が盗ってきましょうか?」

 

「犯罪はしないんじゃなかったの?」

 

「いや、そう返されると……。でも、在り処や建物の情報さえ教えてもらえれば、1日とかからないで盗みだせると思うんですけど……」

 

「ふふ、理子の役に立ちたいってこと?」

 

「それは……」

 

 言いよどむ俺に、理子さんが微笑む。

 

「ありがと、レオレオ。――だけどね、これはリュパン対ホームズコンビとの戦いでもあるんだ。アリアと金次と一時的に協力関係を結ぶつもりだけど、盗み出したあと、再戦するつもりなの」

 

「再戦……。ああつまり、アリア先輩と金次先輩を強くした上で戦うつもりなんですね? 協力要請も本当に途中までで、最後は2人を人気のない場所に呼び出して勝負する。全部作戦ってわけですね。さすが理子さん」

 

「ふふふ、そうでしょー。――だから、レオレオには動いて欲しくないんだよ」

 

「理由は、わかりました。でも……」

 

「んーっ、理子のお願い、聞けないの? レオレオ」

 

「うっ……」

 

 俺の顔を見つめていた理子さんが、座ったまま背伸びをする。

 

「仕方ないなぁ。――レオレオ。理子にえっちぃこと、していいよ?」

 

「えっ!?」

 

 なんだって!?

 

 思わず身を乗り出す俺を理子さんが指と立てて制止する。

 

「――ただし、本番はダメ! 理子のヴァージンはそこまで安くないんだから。他のことなら1回だけ、なんでも理子のえっちぃサービスシーンを楽しめるよ」

 

「…………」

 

 取引か……。くっ、武偵としては跳ね除けないといけないんだろうが、正直、すごく惜しいッ!

 

 ロンドンの武偵局に捕まってから、ずっと血なまぐさい生活ばかりだったんだ。

 

 女の子と……、特に理子さんのエッチなサービスシーンはすごく、惜しいッ!

 

「……か、監視は、させてもらいますよ? あと、勝敗がついたあとでアリア先輩や遠山先輩を殺すのもなしです」

 

「むふふ、それでいいよぉ。理子も打倒するのが目的で、2人を殺すのは目的じゃないしぃー」

 

 微笑む、理子さん。

 

 ニッコリ笑顔から妖艶な笑みにシフトチェンジして、問いかけてくる。

 

「じゃあ、レオレオは理子にどんなえっちぃことをしてほしいのかにゃ?」

 

 俺は、その問いに答える……。

 

 起き上がり、理子さんの肩を掴んで、

 

 ――全身を愛でさせてくださいっ!

 

 ……と、言えればいいのだけど、言う勇気はないし、そんなことしたら性欲が抑えられなくなる可能性大だ。

 

 だから、精々理子さんを見上げながら、

 

「抱きしめさせてください」

 

 と、お願いするぐらい。

 

「へ? それだけでいいの?」

 

 俺のお願いが『抱きしめさせる』だけなことに、意外そうな理子さん。

 

 俺も『なんでもえっちぃこと』が出来るのに、抱きしめるだけじゃ物足りないけど……。

 

「それ以上したら、理子さんを襲ってしまいそうですし、抱きしめるだけでも……」

 

 恥ずかしさから顔を赤にしてしまう俺に向って、理子さんは微笑んだ。

 

「ふふふっ……、レオレオって、ほんとに変なところで紳士だよねぇ。さっきもギリギリで止めちゃったしぃ。今も理子を無理矢理襲わないように我慢してる。えっちぃお願いっていうチャンスも、理子のことを想ってほとんど手放した。――うん、いいよ。そんなレオレオなら、満足するまで理子を抱きしめさせてあげる」

 

 バスローブ姿の理子さんが両手を広げる。

 

「さあ、おいで。レオレオ」

 

「理子さん……」

 

 ゆっくり立ち上がり、理子さんを抱きしめる。

 

 背中に両手を回して、ぎゅっ、と小柄な理子さんを包むように抱きしめた。

 

「理子さん……」

 

「よしよし、いい子だね、レオレオ」

 

 理子さんから回された両腕で背中を撫でられ、やさしい声音でつぶやかれる。

 

 ああ、理子さんを強く感じる。

 

 5感全部で理子さんを感じる。

 

「理子さん……、すごくいい匂いです」

 

「ふふっ、ありがと。レオレオの匂いも、理子は好きだよ」

 

 

 

◆

 

 

 

 朝の日差しが窓から差し込み、小鳥の囀りが聞こえてくるなか、自分のものとは違う呼吸音が聞えてきた。

 

 さらに呼吸音の他に、腕に何かが乗ってる感触や、淡い香水の匂いなどが感じられて……。

 

「レオレオ……」

 

「――っ!?」

 

 この声、呼び方……。

 

 目を開けてみると……。

 

 ――理子さんがいた。

 

 俺の右側、俺の右腕を枕にして、迎えあうように、理子さんが寝息をたてて眠っていた。

 

「――んっ」

 

 理子さんが寝返りとうつ。横向きから仰向け。体にかかっているシーツがずれて……、理子さんの肩から胸へとかけて顕になる。

 

「~~っ!?」

 

 顕になった胸には何も、下着もつけられておらず、裸……だった。

 

 な、なんで裸で理子さんが隣で寝てるんだ!?

 

 ブラジャーは!?

 

 ま、まさか下も、なのか……?

 

「ん~……」

 

「――っ!?」

 

 仰向けだった理子さんが、もう一度寝返りをうって、再び見詰め合う体勢になった。

 

「レオレオ……それ以上はダメ、だよぉ」

 

 寝言つぶやく理子さん。体を俺のほうへと寄せて背中へ手を回し、コアラのように抱きついてくる。

 

 ――っ。こ、この俺のペニスの先端に当たってる髪の毛より少し太い毛のような感触は……。

 

 まさか……。

 

「理子と子供なんて……まだ……早い、から……。だ、ダメ、だよ、レオレオ……」

 

 もじもじとお尻を揺らす理子さん。

 

 先端が毛に擦れて、いた気持ち……、――って、いったいどういう夢を見てるんですか!?

 

「もう、ダメだってばぁっ……」

 

「あうっ!?」

 

 にぎ、握られ……。

 

「手でしてあげるから……」

 

「んっ、や……、り、理子さん。こ、擦らないで……」

 

 ぎこちない手つきで上下に擦られる。さらに先端も毛で刺激されて……。

 

「理子さん……っ」

 

 理子さんの体に抱きつく。止めようとして、起そうとして、抱きついたけど……。

 

「――ほら、いつでも射精《だ》していいんだぞぉー」

 

 耳元で囁かれ、呆気なく俺はイってしまった。

 

 

 

◆

 

 

 

「――んにゃ? もう朝ぁ?」

 

「…………」

 

「…………。――っ! レオレオ!? なんでレオレオが隣に……!? ていうか、理子もレオレオも裸じゃないの!?」

 

「…………」

 

「……あれ? 理子の体、ベトベトする? 手が何か掴んで、る? ……へ?」

 

「……り、こ……、さ……」

 

「~~っ!? こ、これって……! じゃあ、このベトベトって……。ま、まさかレオレオが理子を……?」

 

「理子……さん、もう……やめ……」

 

「……? レオレオはまだ寝てる? うなされてる? ……えーと、もしかして理子が? 寝ぼけて? ……え?」 

 

「擦らないで、我慢、できなく……。ダメ……、我慢し、なきゃ……。ううう……」

 

「…………。理子は……、理子は寝ぼけて手コキなんてするような子じゃ……」

 

「り、理子さん」

 

「!? な、なに抱きついて……」

 

「理子、さん……」

 

「な、なんだ……。だ、抱きついてるだけ、か……。――って、変なモンを押し付けてんじゃねー!」

 

「――ガブッ!?」

 

「はぁはぁ……、何とか、離れたか……。――うう……、うぇぇ。レオレオのがたくさん体についてる……。うう……シャワー……」

 

「…………」

 

「うううぅ……、お湯で固まってなかなか落ちないよぉ……。昨日はバスローブ着てたのにぃ、なんで朝は2人とも裸なんだよぉ。理子はそこまでサービスするつもりなんてなかったのにぃ。昨日抱き合ってから朝まで何があったのぉ? ――と、とりあえず、ジャンヌにレオレオの足止め料を大量に請求しなきゃ、割に合わないよぉ」

 

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