気がつけば白い空間にいた。
そして、目の前には何故か黒板があった。
〈突然ですが矢神龍司さん、貴方は死にました。〉
そうか、と自分の中で結論付ける。
龍司が好きなサブカルチャー関連にこういった設定は数多く存在する。
〈死んだというのに冷静ですね………………まぁ本題に移らせてもらいます。
貴方には異世界へ行ってもらいます〉
よしきた、永遠の厨二病と自負する彼にとってまたとない願いだ。
気がつけば全力のガッツポーズをしていた龍司。
〈貴方が行くのはアカメが斬る!という漫画の世界です。
行くにあたって貴方に武器や能力をプレゼントします〉
「そうだな〜、戦闘能力は全盛期の白夜叉ぐらいでセイバーみたいに未来予知レベルの超直感ください。
んで、メラメラの実の能力を使えるようにしてください。
武器として三代鬼鉄をください」
いくらメラメラと言えど接近戦も闘えるようにしたいというのは口実で単純に龍司が刀を使ってみたいという欲求だけで要求したのだ。
〈本作の主人公的存在のタツミという存在を貴方に差し替えておきました。
向こうでは龍司と名乗ってください。
それでは、第二の人生を楽しんでください〉
黒板の文字が消えていくと同時に龍司の身体も徐々に消え出した。
これから始まる新しい自分の生活にワクワクする龍司であった。
帝都、それは千年も繁栄した都だ。
しかし、今は皇帝が子供であるのをいい事に大臣が好き放題に政を行い腐った国となってしまった。
そんな国を変えようと革命軍が妥当帝都と目標掲げ台頭してきた。
そんな革命軍の先遣隊にして暗殺者集団のナイトレイドという一団が帝都を脅かしていた。
「ぅう………寒いと思ったらもう夜かよ。
どうやら無事に着いたようだな」
辺りを見回すと静かに川の音だけが聞こえた。
その音から察するに橋の上である事に気がついた龍司。
自身の頭の中にこの世界の基本的な情報が流れてきたのを確認した。
する事もなくじっと座っていると遠くから馬車の音が聞こえた。
龍司自身実際に馬車を見るのは初めてであった為見惚れていたら馬車が自分の前で止まった。
すると中から龍司と同年代……または年下の少女が出てきた。
格好から察するに貴族か何かだろうと予想する龍司。
「貴方、今夜泊まる宛てはある?
良かったら家にこない?」
「いや、俺金無いぞ?」
一応腐った国である事を知っている龍司は何を要求されるか分からない為断ろうとしたが奥に待機していた衛兵さんが許してくれなかった。
「アリアお嬢様はお前のような奴を放って置けない優しい性格なのだ」
「そうですか、ならお世話になります」
それから馬車に揺られる事十数分。
アリアの邸宅に到着した。
この屋敷の主人は心の広い人物らしく謎である龍司が泊まる事を認めて貰えた。
「龍司君、君は故郷の村を養う為に遥々帝都まで来たと。
なるほど、今時君の様な若者は少なく無い。
私の軍の知り合いを紹介しよう、入隊出来るように口添えしておこう」
「ありがとうございます!!」
それから龍司の故郷に関する話を根掘り葉掘り聞き出そうとするアリアの父。
単なる興味本位であろうが適当に返す龍司。
これ以上質問されたらやばいと思ったのが顔に出ていたのかアリアの母が助け船を出してくれた。
「あなた、もうその辺にしておいたら。
龍司さんも長旅で疲れているでしょう、お部屋を用意しておいたので使ってください」
「すいません、僕は一足先に失礼します。
おやすみなさい」
アリアの母の好意を受け取り一足先へ部屋向かう龍司。
疲れなどは無いがこれ以上聞かれていたらボロが出てしまうところまで来ていたので助かったと心の中で安堵していた。
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